「じゃあ約束だよ」
「破ったらハリせんぼんのます、だよね?」
遠い夢を見ていた。
小さいころに交わした、名も知らない少女との約束。しかし、今のレンにはもう少女の顔すらおぼろげだった。
レンがまだ幼かった頃、レンは週四のサッカークラブの後に、練習場の近くにあった公園の原っぱに座って空を眺めるのが好きだった。その日もレンはいつも通り空を眺めていると、不意に、座っている少女が目に入った。純白のワンピースに身を包んだ綺麗な顔立ちの少女、しかしその顔には悲しみが見てとれ、くりくりとしたかわいらしい目には涙を浮かべていた。
「どうしたの?」
「……………………」
不思議に思って尋ねてみても、返事が返ってくることはなかった。どうすればいいかも分からずあれこれとレンは悩んだ結果、エナメルに入っていたボールを手にとって、少女の腕をつかんだ。
「ちょ…ちょっと」
「一緒にサッカーしようよ!」
最初は不満の色がありありと見てとれた少女の顔も、ボールをけっていると次第に和らいでいるのを見て、レンはほっとした。
その次の日も、その後も、二人は言葉を交わすことなくただサッカーをして楽しんでいた。そんな時間が、何の変哲もない簡単なパスあいだけだったが、レンにとっては新たな楽しみとなっていた。
そうして一週間がたった後、その日はいつもと違い、少女は原っぱで泣いていた。どうしていいかも分からず、レンはそっと隣に座った。十分ぐらいだろうか、一言もしゃべることのなかった少女が不意に口を開いた。
「ねえ、キミはこの世界が好き?」
「うーん、そうだなあ……」
思い浮かべたのは、学校のことや友達、好きなサッカーなどだった。きつい時もあるが、どれもレンは好きだった。
「うん、僕は好きだよ」
「そっか…私は嫌い」
「どうして?」
「私ね、お母さんがきびしいからあんまり好きな事が出来ないの。今日も、ピアノのレッスンのことでお母さんと喧嘩しちゃった」
そうつぶやく少女の声は悲しそうで、レンは気づけば少女の手を握っていた。
「大丈夫。君のお母さんも分かってくれるよ、だから泣かないで、笑っていたほうが似合ってるよ」
「じゃああなたは?私のこと分かってくれる?」
「うん!もちろん」
レンがそう言うと、泣いていた少女も笑顔になった。レンが握っている手を強く握り返し、少女は少し不安げな顔でレンに尋ねた。
「もし、私が助けてほしいときに、キミは私を助けてくれる?こうやったまた話してもいい?」
「うん、いいよ、約束する。僕が君を守るから」
そうしてレンは小指をさしだし、少女もまた、綺麗に整った小指をレンの小指に絡め、二人は指切りゲンマンをした。その日を境に、レンが少女の姿を目にすることはなくなった............
***
木のよい香りが鼻をくすぐり、レンはゆっくりと眼を開けた。目に入ったのは、見知らぬ天井、確かフィールドにいたはずなんだけどな…と、不思議に思っていると、隣から聞きなれた声が聞こえてきた。
「やっと起きたか…」
「カズか?」
振り向くと、カズが椅子に座っていた。黒髪の少年と藍色の髪が印象的な少女も同様に座っていた。
レンが体を起こすと、自分がベッドに寝かされていることに気がつく。そしてようやく、自分がフィールドで意識を手放したことを思い出した。
「とりあえずよかった。どこか違和感があるとことかあるか?」
安堵した表情で訪ねてくるカズに無い、とかぶりをふってから、レンは二人へと視線を向けた。するとその視線を読み取ったのか、二人の少年少女は立ち上がると、レンへと頭を下げた。
「本当にゴメン(なさい)、迷惑をかけて(しまって)」
「えーっと……とりあえず頭を上げてくれその…」
見事にハモリながら謝ってくる二人に、レンは戸惑いながらも、頭を上げるように二人へと声をかけようとして…レンが二人の名前を知らないことに気がついた。
「君たちの名前は?」
「俺はキリトだ」
「私はレナです」
「そっか、俺はレンだ。よろしくな、二人とも」
そしてレンは手を差し出し、二人と握手を交わした。
「よし、それじゃあ何も分かってないレンのために状況説明と行きますか」
パンパンと手をたたくカズを筆頭に、三人はレンへと状況を説明し始めた。
あの戦闘の後にレンが気を失ったこと…
幸いホルンカの村が近かったので、カズとキリトが交代でレンを運んだこと…
今レンたちがいるのはβテスターであるキリトとカズのお勧めの宿だということ…
あらかたの状況を説明されたころにはレンも大まかな状況が理解できた。
「そっか…それは迷惑をかけたな」
「気にすんなって。レンのおかげでここまで来れたも同然だからな」
「本当にありがとう」
「いいよ、お互いさまだって」
状況整理も終わり、簡単な自己紹介も終えたレンたちは、カズの提案によって雑談を楽しんでいた。
そういえば、あの戦闘の後、レベルアップしたんだっけ…ふと、レンの脳裏に先ほどのことが蘇り、レンは所持金の確認などのために右手を振ってウィンドウを操作し始めた。ログを見ていると、獲得経験値、コル、ドロップ品のなかに、奇妙な単語が混ざっていた。スキル《
「なあ、このスキルのこと知ってる?」
レンがウィンドウを見せると、三人は不思議そうに覗きこんだ後、やがて見るのをやめると眉をひそめて、
「知らない(なあ)(よ?)」
と、口をそろえて否定された。どうすればいいものやらとレンが困っているとキリトが不思議そうな顔でレンへ尋ねた
「詳細を開いてみるのは?そうすれば確実に何かわかるぞ?」
「詳細?どうやってするんだ?」
「このスキルをクリックすれば…」
キリトに言われたとおりにウィンドウを操作すると、レンの目の前に新たなウィンドウがポップアップされた。無機質なポリゴンから構成されているその文章には、次のようなことが書かれていた。
――このスキルを装備したプレイヤーは、機動力補正が+50%されるとともに、特殊短剣カテゴリーである《
嘘だろ……なんでこのゲームに登場しているんだ?ゲームでもFPSシリーズのごく一部のタイトルでしか登場しないのに…まさかSAOに登場するなんて…
《
――《
トリガーを押すと、ナイフの柄の内部に仕込まれた非常に強力なスプリングが作動、刃を射出し、刃が目標に向かって飛翔する。その際に発する作動音は、非常に微弱で、敵に気づかれることなく相手を仕留めるという非常に隠密性に長けた武器として有名である。
レンのお気に入りのCODシリーズでは、命中させるのは非常に難しいが、当たれば部位にかかわらす即死という性能を持った武器としてちょこちょこ登場していた。
《トマホーク》や《
どれもレンが長い間“ナイファー”として使い続けてきたいわばレンにとっての“愛銃”とも呼べるものであり、その分驚きも大きかった。
半信半疑になりながらも、レンは装備品一覧から特殊短剣カテゴリー:
「わぁーきれいだなー」
レナは思わず感嘆の声を上げた。その名の通り、刃の部分にはまるで舞い散る桜の花弁と思われる意匠が施されており、鮮やかな刃と対照的に黒く塗装されている持ち手の部分と相まって確かにきれいだった。
レンは、二振りの《桜花》をそれぞれ逆手に持ち、CODでよく目にしていたように胸の高さあたりの所で構えた。
持ち手の部分にあるトリガーと思われるところに手を掛け、レンは壁に向かってトリガーを引いた。パシュッと軽い反動と共に刃が射出され、壁にはじかれた。
「…驚いた。本当に
「ねえ、
「まあ簡単に言うと射出できるナイフってとこかな」
すると、しばらく考え込んでいたカズが口を開いた
「もしかしたら、それはエクストラスキルの中でも特別な、さしずめユニークスキルとでもいったところかな」
キリトも同様に頷くと
「それならしばらく人前での使用は控えたほうがいいかもな」
「どうして?」
「今のところこのスキルは不可解な部分も多い。だから人前で使用しないほうが無駄な混乱も生じることがなくてすむと思う」
「マジかー残念だなぁ」
使う気満々だったレンは、キリトの一理ある発言に肩をうなだれるしかなかった。
「そんなにしょげ込むなよ。剣も面白いぞ?」
「フォローになってねーよ」
見かねたカズのフォローもレンにとって意味をなさず、レンが大きくため息をつくと、キュルルと可愛い腹の虫の泣く声が聞こえた。
「…チョットお腹がすいちゃった///。レストランにでも行ってみる?」
「「「賛成」」」」
この世界でも不思議なことに空腹感は存在するので、顔を赤らめうつむいているレナを見ていると、とたんに空腹を感じたので、レナの素直な意見に野郎三人も賛成した。
***
「あーぁ、食った食った」
「何がだ!食いすぎだよアホ」
満足げな顔で、中年オヤジのように腹をたたくカズにレンが突っ込む。メインディっシュ二品にデザート三品、見ているだけで胸やけを起こしそうなカズの食いっぷりにキリトとレナは軽く引いているほどだった。
「いや、ウマければ意外と入るもんだって」
「ハア…こりゃだめだ」
「ため息ついてると幸せが逃げるぞ?」
「誰の所為だ!!」
カズに主導権を握られっぱなしのレンは心なしか疲れたような顔をしていた。
「やっぱり仲がいいんだね」
「そりゃあ、誠に遺憾だがこれでも小5ぐらいからの腐れ縁だし」
「ふふふッ」
すっかり日は落ち、空には星が落ちてきそうなほど近くで輝いている。心地よい風を体で感じながらレンたちはゆっくりと歩いていた。
「でも、仲がいいってのはうらやましいな」
「そうか?アホ(カズ)といると疲れるだけだぞ?」
「なあ、俺の扱いひどくね?」
「大丈夫。平常運転だ」
レンの追撃が容赦なくカズの心をえぐる。しかし、そうやって会話している二人の姿はとても楽しそうで、コントのような二人の会話にキリトとレナは笑っていた。
「そう言えば、レン達はこれからどうするんだ?」
「そうだなぁ。俺たちはまだこの街にいるけど?」
「カズが言うなら俺もかな」
「そっか、俺は次の街に行ってみるよ。レナはどうする?」
「私もキリトに付いて行くよ」
「そうか、じゃあここでお別れかな」
「ああ、そうだな」
どうやらそれぞれ違う道を行くことを決めたようである。レナは名残惜しそうな顔をした後、何か妙案を思いついたのか、手をポンと叩いた。
「じゃあさ、お互いにフレンド登録しようよ」
そんなレナの提案によって、レンたちはお互いにフレンド登録のメッセージを飛ばし、承認し合った。
夢「さて、遂にベールを脱いだレン君オリジナルスキル《A-ナイファー》!!」
レ「ナイファーってナイフだけのことさすんじゃないのか?」
夢「いや、単にナイフ持ってるだけじゃあさびしーなと思って、Bo2でネタプレイしてたら思いついた」(←ドヤァ
レ「キモいよ。そしてうざい」
夢「...毎回毎回なんでそんなに口が悪いの?オブラートに包もうよ」
レ「包むだけ無駄だって。いい薬になったろ」
夢「ハア...」
レ「この話の会話部分だってあれだけ苦戦してたのに」
夢「ほんと、自分の文才のなさに泣きたいよ...」
レ「それが現実ってもんだ。諦めろ。」
夢「誰か文才プリィィィィズ」
↓B-ナイフ画像リンク
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%84%E3%83%8A%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%95
↓CODシリーズ(BO2)でのC-アックスとB-ナイフ動画
1. http://www.youtube.com/embed/K0gpCOBQ9hM?rel=0
2. http://www.youtube.com/embed/08h0eyc32dk?rel=0