SAO:Assaulted Field   作:夢見草

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毎度おなじみ夢見草です。やっとオリユニークスキルが出せて、ウチのレンがどれだけ暴れることやら(笑)。ま、まあはたして描写できるのやら。えーっと、今回はおなじみの(あの人)が出てきます!


Ep06: Under the imitation night

ピピピッピピピッと、断続的に聞こえてくる電子音に、奥深くに沈んでいたレンの意識が少しずつ覚醒してゆく。と同時に、もう少しだけこうしていたい、という欲求が湧きあがってくる。しかし、忌々しいほどに聞こえてくるアラーム音が、頭の中で気びくのに耐えかね、仕方なくレンは意識を呼び起こした。

 

「くあッッ」

 

少し抜けたあくびをしながら、ベッドから起き上がる。第一ボタンをはずした白色のシャツに、カーゴパンツというラフな格好のまま、半分まどろみながらもウィンドウを開き、メールを確認する。

 

カズからのメールが一件あったので、レンはクリックして表示された文章を読み始めた。内容は、――気持ちよさそうに寝ているお前を起こすのもアレだったんで、先行ってるわ――というもの。ちなみに、今の時刻は七時四十五分。レンも十分に早起きの筈なのだが、カズのほうが一枚上手のようだ。

 

キリト達と別れてから早くも一カ月が経とうとしていた。レンとカズは、その間にひたすら己を鍛え続けながら、転々と拠点を移動した。圧倒的なまでの膨大な戦闘の賜物か、レンの戦闘能力はメキメキと上達。

 

攻略組の中でもかなりの上位に位置するようになったのが約二週間前、それからカズは、ちょくちょく一人で行動することが多くなった。今日もまた、カズは一人でレベル上げをしているのだろう。

 

いつものことに慣れてしまったレンは、特に気にすることなく自分の身支度を始めた。戦闘には到底向いていないだろう普段着を、アイテムストレージにしまいこみ、胸の部分に薄い鉄のプレートをあしらっただけのシンプルなコートの防具一式に身を包み、腰にあつらえてある鞘に《アニール・ブレード+3》を収める。すべての準備を終えたレンは、カズ同様、レベル上げのために二日前から借りている母屋の二階を後にした。

 

***

 

亜人型のモンスター《ルインコボルト・トルーパー》が、とても0と1の塊とは思えないほどの殺意を顔に浮かべ、手にしている無骨な手斧をふるう。しかし、その軌道はあまりにも直線的、レンは余裕を持って回避し、続く二、三撃目も回避し、バランスを崩したコボルトへと剣をふるう。

 

自身のAGIにモノ言わせた素早い連撃を繰り出した後、反撃しようとするコボルトへとスキルを発動、鮮やかなライトエフェクトを纏いながら、吸い込まれるようにコボルトへと命中する。

 

レンが、もっとも多用してきた縦横二連撃《ダブル・アクセル》は、ぴったりコボルトのHPを奪っていった。

 

「周りのモンスターはあらかた倒したかな」

 

特に喜ぶことなく索敵スキルで周囲の状況を確認、それと並行してプレイヤーの反応がないかを調べたが、特に反応がなかったので、レンは《アニール・ブレード+3》を鞘におさめた。

 

モンスターを倒した後、すぐ索敵スキルを発動して周囲を確認するのは、FPSの時のレンの名残だが、デスゲームとなったSAOでも役に立っている。

 

「人気もないようだし、ここなら使ってもいいか」

 

言って、レンはウィンドウから《桜花》を選択して、アニール・ブレード+3の代わりに装備する。レンの腰の左右にある鞘におさめられている二対のナイフが、光に照らされ鈍く光った。

 

「コソコソ練習するのも疲れるな」

 

レンはため息をついてモンスターの索敵を再開。周りに意識を集中させてゆっくりと足を進めた。

 

***

 

すっかりと日も落ち、都会では見ることのできなかった星々が照らす中でも、レンのレベル上げは終わらなかった。

 

黄土色のくちばしに、見るからに凶悪そうなまでにとがったツメ、その姿形からフラミンゴを連想させる鳥型レベル6モンスター《スピアニードル・バード》に、レンは桜花の照準を合わせる。

 

慣れ親しんでいるCODとは違い、目印となる照準用マークが表示されないため、当てるのは困難を極めるが、そこは今までのレンが積んだ経験でカバーする。レンが左のトリガーを引くと、パシュッという音と共に刃が飛翔していく。綺麗な直線の弾道を描いて刃がスピアの首に着弾。しかし、そのポイントはレンの狙ったスピアのクリティカルポイントの5cm下だった。

 

「くそ、まだ落下と偏差の予測が甘いか」

 

レンの存在に気付いたスピアは、大ダメージを受けながらもその翼を大きくはためかせながら急上昇し、やがてくちばしを突き出して急降下してくる。まるでミサイルのようなスピアに、レンは再び照準を合わせて右の桜花のトリガーを引く。

 

今度は狂いたがわずスピアのクリティカルポイントにヒットし、絶命させた。

レンは左右交互に桜花をリロードすると、ちょうど朝方用意しておいた換えの刃のストックが尽きた。基本的に刃は使い捨てなので、もうレンが射出できるのはたったの二回限り。このまま戦闘を続けるのは危険なのでちょうどいいか、とレンは思い、帰路に就いた。

 

***

 

帰り道に、せめてマッピングデータだけでもと思い、まだマッピングが済んでいない場所へとレンが歩を進めたのも、何かの運命だったのかもしれない。

 

VRインターフェースの作りだす模造の夜空景色の下、レンは、レイピア使いと出会った。

 

 

頭から腰近くまでローブを羽織っているため、顔は見えないが、その外見から小柄だな、とレンは推測した。しかし、その線の細い印象に似合わず、レイピア使いのレイピアさばきはすさまじいものだった。

 

レナのようにまるで相手を翻弄するかのように舞うようでもなく、キリトのようにふんだんな戦闘能力だけではない圧倒的ナニカがあるわけでもなく、レンがよく知るカズのように圧倒的な技術に裏付けされた完成された別次元の強さとも違う。

 

ただ、“優雅”というシンプルな言葉しかレンの頭には浮かばなかった。コボルトの振るう手斧を、触れるか触れないかのぎりぎりの間合いで回避すること三回、体制を大きく崩したコボルトへと一筋の流れ星にも似たまばゆい光がほとばしる。

 

その光の正体は、レイピア使いの放った細剣カテゴリー単発突き攻撃《リニアー》だった。レイピアの中では最も基本となる技であり、上半身をひねりながらレイピアを突き出すというシンプルな動作だが、放たれた流れ星はそんな次元の話ではなかった。

 

自身の身体能力と技術を持って、限界まで加速させているのだろう。今までレンが目にしてきたレイピア使いの《リニアー》はそれこそ星の数ほど見てきたが、刀身が見えずに走るライトエフェクトしか確認できないほどのキレがあり高速の《リニアー》は目にしたことがなかった。

 

よほどの手練だろうとレンは思ったが、その考えはあっけなく崩れることとなった。回避からの反撃リニアーという攻防を三回繰り返し、最後の一撃がコボルトの体をぶち抜き、ほとんど無傷で終えただろうレイピア使いの体が、突如としてよろけ、そのままずるずると座り込んでしまった。よほど限界なのか、肩で息をしていた。

 

「まずいな」

 

気づいた時にはもう、レンは倒れたレイピア使いのもとへと駆けていた。

 

「えーっと、大丈夫か?」

 

話しかけるなと言わんばかりにきつく座っていたレイピア使いに声をかけると、ローブがゆっくりと動いてライトブラウンの虹彩がレンを射抜き、コクリとうなずいた。

 

「そうか…でも……」

 

レンは再びレイピア使いの恰好を見た。暗赤色のレザーチュニックに軽量の銅のプレスチェスト、下半身はぴったりとしたレザーパンツに膝あたりまであるブーツ、そして全身を覆うローブ。

 

しかし、その装備はどれもひどく傷つき、ローブに至っては今にもほつれ、消滅しそうだった。

 

「一度戻って休憩したほうがいい。今のままじゃ危険だ」

「戻る?何故?」

 

その声で、レンはレイピア使いがとても珍しい女性であることに驚く、と同時に言いようのない違和感に襲われた。

 

「いや、見るからに消耗してるし、いつからここに潜ってたんだ?」

「三、四日ぐらいかな?どうでもいいけどもう行っていい?そろそろモンスターが湧くから」

「はい?」

 

一瞬、レンは自分の正気を疑った。四日前だと…そんな無茶苦茶な… …思わず、レンは立ち去ろうとするレイピア使いの肩をつかんだ。

 

「ふざけるな!そんな状態で続ければ死ぬぞ!!」

「…どうせみんな死ぬのよ」

 

掠れた低い声が返ってくる。レイピア使いはよろめきながら立ちあがった。

 

「たった一ヶ月で二千人も死んだわ。でもまだ一層もクリアできてない。このゲームはクリア不可能なのよ。どこでどう死のうと…早いか…遅いかだけの………」

 

今までの中で一番意志感じられるしゃがれた声は最後まで紡がれることはなかった。

 

***

 

結城明日奈こと――アスナ――は、妙に温かくふわふわとした感触に包まれながら目を覚ました。

 

走れ。突き進め。そして消えろ。大気に焼かれ燃え尽きる一瞬の流れ星のように。

 

その一念を抱き、今まで戦い続けたアスナは、日本人離れした紺碧の瞳と眼があった瞬間、思わず、掠れた声を押しだした。

 

「余計な...ことを」

「目が覚めたか」

 

壁にもたれかかっていた、色素が薄れたようなブロンド髪の少年が、つぶやいた。その仕草からでは、アスナは目の前の少年の年齢が分からなかった。

 

「なんで…」

「さあな、なんで助けたのかは俺もわからない」

 

とても不思議そうに、少年は肩をすくめた。

 

「けど…とりあえずはしんでほしくなかった」

 

まだほんの少しだけあどけなさの残るその言葉を聞いたとたん、アスナの思考がスパークした。ああ、この人も今まで声を掛けてきた連中と同じなんだ…自然と、アスナの声色が強くなる。

 

「…そう、でもアナタには関係ないでしょ」

「例えそうだとしても!...この手で守れる命があるなら、俺は一人でも多く救うさ」

 

再び紡がれた言葉は到底目の前の少年のものとは思えないほどの強いナニカで溢れていた。

 

違う…この人はどこか違う……

 

キチリ、と、胸の内に芽生えた引っ掛かり、訳がわからなくなり、アスナは壁に手を付けながらも力なく立ち上がると、よろける体を無視して踵を返した。それを、

 

「フェンサーさん、アンタには力があるんだ、せめて、明日の夕方、迷宮区に一番近い《トールバーナ》の街で開かれる攻略会議に参加してみれば?」

「………」

 

一瞬アスナは止まるが、返事することなく再び歩き出す。

 

「ハア…………」

 

残ったのは、レンの小さなため息だけだった。

 




夢「さあ、恒例のあとがきコーナー行ってみよー!」
レ「おー!!♪」
夢「あれ、なんかノリいいじゃん」
レ「やっとナイファー出来る!今回は作者を立ててやろう!!」
夢「おお!チョー珍しいじゃん!!。いいね!今までの無礼を詫びr」(←ザシュ!!
レ「ゴメン、やっぱ無理」(←桜花をリロードしながら
夢「ひ...ひでえ」
レ「あれ?チョットタフになった?」
夢「おかげさまでな!ったく」
レ「やっと閃光さんも出てきたな」
夢「ほんとだよ、よかったよかった」
レ「駄作っぷりは相変わらずだけどな!」(←爽やかな笑顔
夢「...」



どーでもいいですが、《COD:AW》で、メインSMGデュアルが復活しますように!
(某デュアルの○無双がみたい、あと、使いたい)
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