岩谷正輝
生前俺は守られる側の人間に裏切られた後の人格は
岩谷正輝としてではなく
英雄殺しの人格としてとなった。
俺は守っていた人の惨殺を繰り返していた。憎みながら、悲しみながら、欲するものを手に入れれず渇きが癒えないまま。俺は死んでいった。
死亡すると閻魔様に裁かれるというのは聞いたが、目の前にいたのは歳をとっていたおじさん。
名はゼウスという神様だそうだ。
俺は大量の人を殺したのに何故裁かれないのかと聞いた。するとお前の過去が余りにも理不尽で、人生を非道な大人達に迫害されているから裁くにしてもあんまりだということで
俺は生前の力を得て転生者という存在となった。
一日目
俺は高校の私立駒王学園の学生というわけになった。一人暮らしであり、パソコンを使用して高値のアルバイトをしているというなに不自由のない生活である。
部活の方はやっていない。
理由はアルバイトの内容は高値でも一つ一つが凝っているのだ。
勉強の方は習ったことのある物ばかりなので復習みたいで余裕があった。時間がない時はパソコンセンターや図書館を使用して残業を終わらせていた。
夜に帰ると金髪のゴスロリの少女が立っていた。
「おい。女1人で夜中は危ないぞ?」
「ん?」
一応周りの人もおらず暗い道に1人は危険だったので声はかけたが、態度が悪そうで顔色を見てみると機嫌も悪そうな顔をしていた。
「ウチに話しかけないでくれる?」
俺に話しかけられたのが嫌だったのだろうか。そのままその子は帰って行った。
10日目
今日は学校が休みである。
更にアルバイトの店長からメールが着て、『お前働き過ぎだから1週間ぐらいは休め』というわけで休んでいる。
久しぶりに休暇が取れそうだ。
学校に帰ると俺はスポーツジムで汗を流したり、外食をしたりしていた。ほとんどが弁当を作ったり、急ぎはコンビニ弁当にしているが。夕食は時間があるからカレーとか作っている。休みなのでゲーセンの格闘ゲームをやって、昼食になるまで戦い終わった頃に
「ん?お前あの時の」
「あ!あんたあの時の‼」
クレーンゲームをしていた金髪の子が驚いたように俺を見た。まさかここで出会うことになるなんて思っていなかったからびっくりした。
「なんであんたがここにいんのよ‼」
「いや。ただ単に休暇あと、お前がそれを言うか?」
またゴスロリの服を飽きもせずよく着ているもんだと思っていたが…クキュゥゥゥゥゥル‼‼と突如俺かミッテルトのどちらかの腹が鳴った
「まさか…あんた?」
「…俺かもしんない」
ゴスロリの子は思いっきり笑まくっている。大声でうるさかったがこの子もまた
「ダッサー‼まだあたしもお腹空いてなんか」
クキュゥゥゥゥゥル‼
凄い音がした。
これは確実にミッテルトだ。
顔を真っ赤にしていた。
バッチリ聞こえたぞ。
「き、聞かなかったことにしろ‼」
「安心しろお前がお腹が鳴って真っ赤だったというのは脳内フォルダに入ったから」
「あ"あ"あ"ぁぁぁあ‼消せぇぇ‼」
なんだ。可愛いところあるじゃん。意地っ張りなところもあってムカつくこともあるが。
ひとまず、昼食食べたいから
「俺の家に来るか?」
それからゲーセンから俺の家に到着し、
「お邪魔…します」
「あー好きなところに座ってくれ」
イスに座ってちゃんと待ってくれている。ガラは悪くてもちゃんとはしてくれているんだな?
「何作ってんの?」
「オムライス」
俺は一人暮らししていたため料理のスキルを磨いていた。内容を見なくても大体どんな感じかは分かるようにはなったし。精々10種類ぐらいは上手く作れるようになったのだ。
「おいひぃ…」
「それはどうも」
ガツガツと食べている。
そんなに美味しかったんだろう。
相当お腹空いていたんだな。
あ、俺も後で食べないとな。
「あーそういやあ名前聞くの忘れてたな。名前は」
「…ミッテルト」
「ミッテルト…外人さんか?」
俺もよく分からなかったために追加して聞いてしまい、質問に答えれる範囲を聞くべきだった。
「外人…いや外人で良いっスよ」
「なんか聞いてまずいことでもあったか?」
外人で良いの意味が分からなかった。外人じゃないのなら何なんだと思ってた。
日本人?
金髪をカツラにしたコスプレか?
男だったらマジでorzなんだが。
「な、何でもないっす‼じゃあウチはこれで‼‼」
「お、おい!ちょっと‼」
聞いちゃあまずかったか?
これで嫌われなければ良いんだが。
12日目
「さ、さっきは飛び出してごめんっす」
「いや気にすんな。入っていいぞ?」
入っても会話が弾まない。
俺もミッテルトも喋らない。
気まずい空気になっていたが、俺がミッテルトに語りかけた。
「いっつもゴスロリなのか?」
「そうッスけど」
他愛ない言葉。そういえば外見も何一つ変わってないな。
「髪も結んだままか?」
「…何?ウチの嫌味っすか」
結構まずいことにしてしまったな。質問はこれぐらいにして。
ここは正直に言うか。
「…いや。髪のロングと白いワンピすれば可愛いなと」
「ウチのことおちょくってる‼」
「おちょくってないぞ?正直に言っただけだが」
ヤバイな。逆にからかわせて怒らせてしまったか。これは誤解を解くためにも謝る必要があるな。
「この…人間風…っつ!ぁぁぁぁぁぁんもぅぅぅぅ‼うざったい‼‼」
「ミッテルト⁉俺がお前に何かしたのなら謝る!」
10日目と同様、同じように飛び出して出て行った。何か言いたそうだったがそれをためらっていた。
15日目
「先ほどはどうもすみませんでした」
「もういい」
ミッテルトは軽く拗ねていた。
二度もミッテルトを困らせたことをした為に目を逸らしている。
「…ねぇ」
「なんだ?」
声をかけてきた。ミッテルトから来るなんて珍しい。いつも俺から話しかけていたのだが。
「どうしてもウチがゴスロリ無しとロングの状態を見てみたい?」「あー嫌ならやらなくても良いぞ」
「…分かった。3日後勝負しよ。ウチが勝ったら正輝はウチ言いなりになる。ただし、正輝の生活に支障をきたすような命令はしない。ウチが負けたら正輝の言うとおりにやる。それとなんで躊躇ったかも全部話す」
「いや、無理にそんなことしなくても」
「こうでもしないと気が収まらない‼」
彼女の身勝手気ままを許す俺もどうかと思うがこれをしない限り俺とミッテルトの仲が悪くなることを自覚したので受けざる負えなかった。
18日目
勝負というのはゲーセンではなく、スポーツジム。ゲームで挑むのかと思っていたので驚いた。
勝負はテニス。1セットを25点取れば勝ちという仕組みだが、これが中々終わらなかった。
俺は運動がてらにテニスをやっており、ミッテルトは何故かテニスやってないという印象だったけど強い。ボールの返し返しが続いていた。
「おい…もうやめとけって」
「うる…さぃ‼こんの…正輝の癖に‼」
お互い負けず嫌いだそうだ。
あれからラケットを振り続けている。もう体力の限界がきてもおかしくないのだがミッテルトの方も倒れない。
「あっ⁉」
ミッテルトの顔が真っ赤になっており、急な疲れで転んで倒れた。
「あーあ。だから言ったのに」
俺の家に運びすぐさまミッテルトの頭と首元を冷たいタオルで冷やした。起きたら真剣な顔をしてたが…
「大丈夫か?」
「無茶しちゃった。助けられた。ごめん」
ミッテルトは症状にならなくて済んだ、ひとまずまた勝負するんじゃないのかと思ってはいたが。
「勝敗は?」
「…バーか///ウチの負け」
前のように怖い怒りではなく、可愛い笑顏をしていた。倒れたことにより決着がついたのだ。
19日目
学校を終えて、夜に夕食をもらうミッテルトを歓迎していた。
「お邪魔しまーす」
「よ!ミッテルト。」
夜はカレーライスを作り、ミッテルトは美味しそうに食べていた。
面白い話題もし、TV番組とかファッションとか色々話した。
「あのさ…約束は明日で良い?今日はうちにとって重要だから」
「別にいいぞ?」
20日目
ミッテルトはまたここに来てくれた。何と言うか顔を赤くしていたのが可愛かった。まさかゴスロリ以外ので着て来てくれたけれど
結構似合ってるじゃないか?
「ウチがようやくあんたの好みに合わせたんだから感謝しなさいよ/////(ぷぃっ)」
頬を膨らませてプクプクと可愛い反応をしていた。
「ウチから言いたいことがあるんだけど良い?」
「なんだ?」
これからもミッテルトを歓迎したりして遊んだり、話したりできるんだろうなと思っていた矢先。
その台詞は
俺にとってもミッテルトにとっても悲惨なものだった。
「正輝のこと…今まで騙してごめんね」
桃色の光の槍が俺の胸に突き刺さった。血が止まらない。堕天使は俺の力が異端だから消そうとした。だから
「ご、めん」
「何で…謝る。お前のことを理解していなかった俺が悪い」
この子は人ではない。
もっと早く気づくべきだった。
光の槍、黒い羽根
それを意味する物は堕天使。
出血は生前の力である負の具現化によって止血することになった。
あの時の外人さんと人間風情と言うのを躊躇っていたのも
堕天使であるのを隠していたから。
「出来ない…出来ないよ‼今のあたしにはこんなの出来ない‼」
泣いてた。槍を落として泣きじゃくるように抱きついてきた。俺を殺した後も謝罪を繰り返していたからな。
「自分がどういう状況か焦らないの?」
「いや。見慣れているというか、何度かこういうのは見ている」
生前俺は血飛沫や、人を殺すのをやっている。だから冷静でいられるんだろうな。たとえ殺されたとしても俺が本気で憎い相手でない限り冷静ではない。
「ウチに何も言わないの?」
「何も言わないよ。お前をどうこうするつもりはない。俺は…そんな柄じゃないからな」
「何で…ウチのこと優しく接してくれるの?一度殺した化け物だよ?あんたは恨まないの‼ウチのこと‼‼」
だって泣いてるじゃないか。
論より証拠を表してるじゃないか。俺を殺すなら俺の約束守らないだろ?敵なんか容赦無く俺を殺そうとしてきたぞ?
「それでもお前は俺を確実に殺すのを躊躇った。そして、それだけで十分だよ」
ミッテルトは泣きながら自白した。ミッテルト以外にもカラワーナ、ドーナシーク、レイナーレの三人がおり、命令によればアーシア・アージェントの神器を奪い、俺にも神器がある可能性が高いためにミッテルトに殺害させようとしたのだ。
21日目
「エヘヘ…ウチ天涯孤独になっちゃった」
ミッテルトが次の日の朝、教会に行くとレイナーレ達の計画は失敗に終わり、レイナーレ達は死んだ。俺を殺そうとしていたミッテルトは俺の家にいる。
「一緒に住むか?」
俺の能力でミッテルトを家において敵である悪魔に殺されないように厳重に守れば良い。
「ウチ…あんたのこと裏切ったんだよ。殺そうとしたんだよ。
それでも…いいの?」
「家族が一人増えたようなもんさ。一つだけ頼むけど俺の仕事や忙しい時に手伝ってくれるかけがえのない相棒になってくれないかな?」
ミッテルトはもうはぐれ堕天使だ。上級堕天使に届かず、組織に疎外された堕天使。
「ウチ…相棒にもなるし!ウチは正輝のことは離れないからね!」
一人ぼっちとなった彼女は心を変える人物に出会い、好きになった。いわば恋をした。
after days
堕天使の血を引いているはずが堕天使の組織に入っていないが、それでも幸せな生活を送っている。
グレモリー眷属らはその子の存在に気づいていない。ただ1人知っているのは平凡に暮らしている岩谷正輝だけ。
「ミッテ。これ頼むわ」
「OKッス!あ、正輝‼恒例の」
「ん?あーはいはい…アレね?」
ミッテルトは顏を近づき、彼の頬にキスをした。そして、笑顔で
「行ってらっしゃい」
「ああ、行ってくる」