ヴェスパーアーカイブ   作:アーキバスアビドス支店

10 / 12
ユメ「ひぃん!!アビドス砂祭りだよ!!」

「「アビドス砂祭り?」」

 

ある日のこと、ユメ先輩が1つのポスターを持ってきてレイヴンとホシノに見せてきた。そのポスターにはなん世代前にあった物だろう、少し年期の入った物で『アビドス砂祭り』の文字と綺麗なオアシスの絵が描かれていた。

 

「そう!!アビドス砂祭り!!昔のアビドスは今と違って活気に満ちていて、定期的に大きなお祭りがあって…遠くの学校の皆や自治区の人々が遊びに来ていたの」

 

ユメが教えてくれた。そう、かつてアビドスはキヴォトスでも最大級の大きさを誇り、大勢の人々で賑わっていた。今では嘗ての栄光は見えなくなったが、アーキバス・オルタナティブのお陰か少しずつ人々が戻ってきており、砂漠化も改善して借金も以前とは比べ物にならない速度で減ってきている。

だからこそ、かつて行われていたアビドス砂祭りをもう一度、行おうと考えていたのだ。

 

「でもユメ先輩。レイヴンやラスティ先生、スネイル校長が来てくれて街も良くなってますけど、私達は以前のアビドス砂祭りを知りませんよ」

「うっ…そうなんだけど…」

 

しかし、アビドス砂祭りが最後に開催されたのは今から数十年前であり、今のアビドス高等学校にアビドス砂祭りに関する資料は殆ど残されていない。キヴォトス人がどれほど長生きなのかは不明だが、当時を知る人々も今のアビドスには居ないと思われるし、当時の資料は砂に埋もれた元の校舎にあり…まだ採掘は済んでいない。

 

「でも!!前の定例会議で、借金が最初の9億から一気に殆ど無くなってたんだし!!やろうよ!!アビドス砂祭り!!」

 

実はアビドス高等学校が抱える借金は殆ど無くなっている。と言うのも、これはアーキバス・オルタナティブが行っている事業で一部の人材に対してのMTやACパーツの販売やリース事業*1で結構なお金が入ってくるし、ACのパーツは結構なお値段がする。特にラスティのスティールヘイズ・オルトゥスのメンテナンスのために着いてきたエルカノのスタッフが、職人技で作るエルカノのACパーツは技術料の事もあり材料費の割に結構高額だ。アップルボーイがエルカノ由来の軽量タンクパーツを購入*2したことで、結構なお金が入ったのだ。

 

「いい買い物したな、アップルボーイ。俺に言えば、1つあげたのに」

 

と、高額な買い物を行い、アビドス高等学校の借金返済に貢献したアップルボーイ。お小遣いが一気に無くなり、値段を見てジョシュアやテルミドール、ヒマリ達からドン引きされたかも知れないが、よしとしよう。

因みに軽量タンクは反動を気にせずに大規模な砲撃を行え、高速で地上を動き回れることもあり、レイヴンも作戦内容によっては愛用している。非常に強いACパーツである。

 

 

 

 

「ふむ。アビドス砂祭りですか、良いでしょう。催し物は良いことです。

今のアビドス高等学校は全校生徒が僅か3人であり、文化祭を行うにしても人数が少なすぎます。しかし、このアビドス砂祭りを大々的に行い、アビドス復興を他の自治区にアピールすることが出来るでしょう」

 

校長であるスネイルからも許可が下りた。アビドス砂祭りを大々的に行えば、他の自治区にもアビドス復興をアピールすることが出来るし、アビドスを去った人々もアビドスに戻ってきてくれるかも知れない。

治安もヴェスパー部隊のお陰で改善されており、街を汚していた砂の処理も終わっている。街の景観も良くなってきており、祭りなどを行うのは良いだろう。

 

「ですが、その前にやることがあります。ユメさんとホシノさんは学外と自治区内、そして来年度入学予定の生徒が居る公立中学校に宣伝、V.Ⅳラスティは自治区外の宣伝は勿論、治安の強化指揮を。

そしてV.Ⅸレイヴン…貴方にはカイザーコーポレーションの工廠を破壊して頂きます」

 

だが、アビドス砂祭りを行うためには色々と下準備が必要だ。自治区内や自治区外に済んでいる人々に、祭りの告知や希望者には出店などの協力要請を申し付ける等々、祭りは楽しいことだが同時に羽目もはずしやすいので治安維持の強化等々やることが多い。

そして間違いなくアビドス高等学校を邪魔に思っているカイザーコーポレーションがちょっかいをかけてくると思われるので、そろそろギャフンと言わせる必要がある。なので、ヘルメット団や犯罪組織に提供する武器を製造しているカイザーコーポレーションの工廠を破壊した方が良いだろう。徹底的にである。

 

 

 

 

 

 

「黒服!!どうするんだ!!アビドス高等学校が借金を全部返すとは、あり得ないだろう!!外からやってきたアーキバスの力が有るとはいえ!!」

「こればかりは…しかし生徒名簿にレイヴンですか」

 

某所にあるカイザーPMCとカイザーローンの本社ビル。そこではアンドロイドの男性 カイザー理事と、黒い靄のような造形をしたスーツ姿の男…黒服が話を行っていた。

 

「レイヴン…意思の象徴。始まりのレイヴンは自ら戦いを選び、4代目のレイヴンは寿命を減らしても戦い抜け、5代目は立ちはだかる全てを燃やした黒い鳥、9代目は首輪の繋がれた第4世代の失敗作ですか…」

 

黒服はそう興味深そうに告げる。

黒服とカイザー理事はとある利害の一致から、アビドス砂漠に眠る何かが必要であり、アビドス高等学校には消えてもらいたかったのだ。そのために、アビドス高等学校の借金を非合法な方法で増やし、あの手この手で潰そうとした。全校生徒が僅か2人になり、あともうすぐ潰せると思ったときだった。宇宙からアーキバス・オルタナティブがやってきてこれまでの努力が無駄になったのだ。

 

「シニア・ウォルターが提供した技術、オールマイドの協力、そして我々ゲマトリアの援助があってこの有り様ですか」

「可笑しいだろ!!シニア・ウォルターはレイヴンは失敗作だと言っていただろ!!仮にアーキバスが持つ強化手術を複数受けていても、あの強さはなんなんだ!!」

 

と、その瞬間……

 

「よぉ…強いんだってな。遊びに来たぜ」

 

扉が吹き飛び、海パン一丁で覆面を被ったフロイトがその場に現れた。

 

「「お前は!?」」

「覆面水着団のノーザークだ。このままお前達を殴りたい…ACの紛い物を作ったお前達を殴りたい、そんな気分なんだ」

 

ノーザーク、冤罪で罪状がまた1つ加算された。

 

 

 

 

フロイトが拳でカイザー理事と黒服を半殺しにしている頃、アズールグリントが単独でカイザーコーポレーションの工廠に出現。エアの力で外部との繋がりを絶たれた工廠は…

 

「ひっ!!ふざけるな!!」

 

「外部との繋がりが絶たれました!!応援を呼べません!!」

 

ゲマトリアからの支援でロールアウト寸前だったACのような機体が出てきたが、なす術もなくレイヴンの操るアズールグリントの手で破壊されていく。

レーザーブレードで両断され、重ショットガン…ジマーマンで破壊され、肩部ミサイルで爆破されていくカイザーコーポレーションの工廠の兵器達。

 

「ふざけるな!!数ではこっちが勝ってるんだ!!」

 

「なんで当たらない!!動きが速すぎる!!」

 

カイザーコーポレーションが持つ機動兵器では、レイヴンの操るアズールグリントを停められない。時間がたてばたつほど、数多の残骸が量産されていく。

 

「こんな物かな?」

 

そしてその工廠は人知れず、たった1人のレイヴンの手で陥落した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『苦戦しているようだな、カイザー。手を貸してやろうか?』

 

後日、カイザー理事のパソコンの画面にウォルターを若くしたような男が映り、そう宣言した。

 

『望むのなら、お前達に私が開発したコーラル由来の強化手術を施そう。ククク、それより上を望むのならケイト・マークソンのようにファンタズマビーイングを受けるかだな』

 

『私の息子の猟犬に苦戦するとはな…しかし、C4-621は4代目レイヴンの遺伝子から産み出した生体パーツだった、しかも酷い失敗作の筈だがな』

 

その男はウォルターの実父らしい。

*1
ACパーツはミレニアムサイエンススクールの617ことジョシュア、619ことアップルボーイ、MTリースは連邦生徒会など

*2
お値段385000コーム、キヴォトスのお金で換算すれば…38億5千万円!!




ちゃくちゃくと進む砂祭りの準備。

カイザー理事「悪魔の手をとってしまった……」

原作本編軸のユメ先輩の進路

  • 新生アーキバスの受付嬢
  • ヴェスパーのオペ子
  • 事務職員
  • ひぃん!次期社長夫人狙うよ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。