原生林の一般転生者マッカォ   作:どすじゃぎぃさん

1 / 3
昔の設定の供養です。





マッカォ

 

 

 

 いつの間にかマッカォになってた。

 ほら、あれだ。転生ってやつ。どうやら俺はモンハンの世界に転生してしまったらしい。

 で、マッカォっていうのは、前世で好きだったゲーム、モンスターハンターに出てくる雑魚のこと。

 

 そう、雑魚。

 初心者ハンターの練習台になったり装備になったり、無謀にも大型モンスターにちょっかいを掛けて蹴散らされるのが、マッカォを含む小型鳥竜種のさだめだ。

 いっつも群れで行動してるが、そうしたところでちょっとうざい程度で、かんたんにハンターにやられる。

 しかも、目覚めたときには俺の周りに仲間は全くおらず、この広い原生林の中で、一人ぼっちだった。

 

 うん…詰んだ って思った。

 

 体は人間じゃなかったけど違和感なく動けたから、最初は空腹を満たそうと、肉を求めて彷徨った。最初は。

 

 ズワロポス一匹に蹴散らされて、すぐに考えを改めた。

 そもそも捕食者側とはいえ、小型鳥竜種一匹が草食竜に挑むなんて無謀なことだ。

 

 ひ弱なマッカォの体では、原作知識もたいして役に立たないため、大人しく虫を食べて生きることにした。

 ……不味かったけど。

 

 

 

 

 

 モンハンの世界で生きるのに慣れて来た頃、ついに見つけてしまった。

 ハンターのベースキャンプだ。

 

 その頃には俺の食卓は、魚や木の実などバリエーションが増え、洞窟を住処にして安定した生活を送っていたし、体もそれなりに大きくなっていた。

 今ハンターに近づいたら絶対に狩られる。

 前世で小型モンスターを大剣で蹴散らしていたのを思い出しながら、俺はそそくさと寝床に逃げ帰った

 

 

 

 

 

 

 

 それから月日が立ち、初めてズワロポスを狩ることに成功した。

 長い間、肉といえば魚肉か屍肉しか食ってなかった俺には、前世ぶりのごちそうだ。

 この体じゃ火を起こせないし、気の利いた調味料はなかったけど、その味は格別だった。

 狩猟採集(モンスターハンター)最高!

 

 あと、原生林を徘徊するイビルジョーを見かけた。

 始めて見た時、強すぎて固まって動けなかったよ。

 幸い、こちらに気づかなかったけど、もし気づかれていたら今頃俺はあいつの腹の中だろう。

 なんか妙に気が立っていたし、恐ろしい。

 くわばらくわばら。

 

 

 

 

 

 ある雨の日、俺の住処にメラルーが二匹入ってきた。

 メラルーっていうのは、二足歩行する猫ね。カワイイ。

 

 最初は追い出してやろうかと思ったものの、やめた。

 二匹ともボロボロで、ずぶ濡れで、ガタガタと震えてたからだ。

 おおかた、フィールドで大型モンスターと出くわして、逃げてきたのだろう。

 

 メラルーといえばいたずら好きで、モンハンでも度々ハンターからのヘイトを買っていたやつらだ。

 俺もピッケルやら秘薬やらで度々お世話になった(盗まれた)。

 正直あまり好きではない

 

 

 ―――が、それは昔の話。

 メラルー≒(似てる)猫。

 そうだよ、可愛がりたいんだよ!

 

 

 ほれ、肉、いるか?(おじさんスマイル)

 魚と柿の実とかもあるよ。虫は…流石にいらないか。

 

 

 いや、そんなに警戒しなくても。

 あーわかったわかった。大人しくしてますよ。だからその棒をおろして。

 

 

 あ、火を起こしてる。いいなー。

 しかも肉も焼いてるし…。

 あーあー、どうせなら獣人族に転生したかったなー。

 

 

 …え、くれるの?焼いた肉を?

 やったーラッキー。

 

 うま、うま、めちゃうま。

 

 

 

 

 あらあら、二匹とも一緒に寝落ちしちゃって。かわいいねえ。

 ちょっとぐらい…添い寝してもいいよね?

 ちょっとだけ、ちょっとだけだから。

 

 あー癒やされるー。

 ちょっとマタタビの匂いがするけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝、メラルーがめっちゃ抱きついてた。

 まぁ、ふかふかだからね。俺の羽毛。ちゃんと手入れしてるし。

 

 

 それにしても、起きたときの二匹の驚きよう。

 1メートルは飛び上がったんじゃない?

 

 

 でも当然か。俺、一応肉食のモンスターだし。

 メラルーからしたら俺に襲われなかったことが驚きだろう。

 

 

 ん?なんか二匹のうちの片方が恐る恐るこっちに近づいてきた。

 ああ、羽毛に触りたかったのね。どうぞ。

 

 そっちの君も、どうだい?

 

 

 

 

 

 

 二匹は俺の羽毛を十分堪能すると、出発の支度を始めた。

 雨も止んだし、じゃあな、お二人さん。元気に生きるんだぞ。

 

 

 あれ、なんか二匹が話し合ってる。

 にゃーにゃーとしか聞こえないから何言ってるかわかんないけど。

 

 寝転んで様子を見てたら、二匹同時に頷いたあと、一匹が「来い」のジェスチャーをした。

 俺についてきてほしいってこと?

 

 そう思って近づいたら、メラルーが頷いた。どうやらそういうことらしい。

 

 

 しょうがないなぁ。

 メラルーの前に出て、少ししゃがむ。

 彼らの方を振り向いて、顎を動かす。

 

 

 乗りな。

 

 

 すると、俺の意図を察したのか、二匹とも目を輝かせた。

 そしてジャンプして乗り込む。

 ライドオン!

 

 

 二匹を乗せて、森の中を走る。

 ちなみに行き先は、背中のアイルーが行きたい向きの羽毛を引っ張って教えてくれる。

 

 よーし、このままメラルーたちの故郷へレッツゴ――

 

 

 

 

 

 

 

ズンッ

 

 

 

 

 

 

 

 あ、イビルジョーだ。

 しかも狂竜化してるじゃん(絶望)。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。