原生林の一般転生者マッカォ   作:どすじゃぎぃさん

2 / 3
書き方変えてみた



逃げる

 

狂竜症

 

 狂竜ウイルスと呼ばれる物質をモンスターが体内に取り込むことにより発症する症状。

 モンスターを蝕み、その名の通り狂ったように凶暴な状態にする危険な症状である。

 

 

―――ということをただのメラルーが知っているわけないが、それでも彼らはモンスターから漏れ出す正体不明の黒い障気に、ただならぬ雰囲気を感じていた。

 

 

 さらに、今、眼の前でよだれを垂らしながらこちらを見下ろす怪物。

 名前はわからないが、これだけはわかる。

 

 奴は絶対的捕食者。逃れることはできないと。

 

 

 とあるマッカォの背中の上で、二匹のメラルーは抱き合いながら、怪物――イビルジョーのことを見つめていた。

 

 

 

”ゴオオオオオアアアアアア”

 

 

「ニャニャ!?」

 

 イビルジョーがこちらを獲物とみなしたのか、口から黒い霧を吐き出しながら、歪んだ咆哮をする。

 あまりの大きな音、そして発される衝撃波に、メラルーたちは吹き飛ばされそうになるが、懸命にマッカォの羽毛を掴み、耐えようとする。

 

 そのマッカォも、前かがみになり、足を踏ん張り、必死に抵抗した。

 

 

 咆哮が終わると、イビルジョーが動き出す。

 二歩下がり、口内から響く、ジジジという不穏な音。

 

 

「ニャ…ニャニャニャ!!(に…逃げないと!!」

 

 

 メラルーたちはそう言うと、必死にマッカォの羽毛を引っ張り、逃げようとアピールする。

 そしてマッカォが走り出した。

 

 

 

 前に。

 

 「「ニャニャニャァ?!?!(なんでぇ?!?!)」」

 

 マッカォの突然の奇行に、叫ぶことしかできない二匹のメラルー。

 迫るイビルジョーの口、視界を埋め尽くす緑の巨体。

 メラルーたちは目を閉じ、マッカォにしがみつく。

 瞬間―――

 

 

 

”グオアアアァァァッッッ!!!”

 

 

 頭上を赤黒いブレスが駆け抜ける。

 

 

 誰が名付けたか、「暗黒盆踊り」

 イビルジョーの奥義にして、辺り一帯を龍属性ブレスで薙ぎ払う、強力無比な技である。

 

 命がつながったことを安堵したメラルーたちが振り返ると、案の定辺りの木はなぎ倒されていた。

 もし、メラルーたちが咆哮のあと、振り返って逃げていたら、あのブレスの直撃は避けられなかっただろう。

 それを実感したメラルーたちは、ブルッと身震いしたあと、マッカォの冷静な判断に感謝する。

 

 しかし、まだ逃走劇は終わっていない。

 ブレスをかわされたことを悟ったイビルジョーは、足元の小さな獲物を捕らえようと、左足で踏みつける。

 

 マッカォは駆け出し、それを躱す。

 そして、森の奥へと向かった。

 

 後ろからイビルジョーの怒りの咆哮が聞こえた。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 さて、どうしようか。

 イビルジョーについて知識があり、メラルー二匹を背負って走る転生者――マッカォは冷静に考える。

 イビルジョーは、貪欲な狩人だ。一度獲物と定めたものを簡単に逃しはしない。

 きっと、追ってくる。こちらの体力が尽きるまで。

 

 メラルーたちの住処に逃げ込もうか?狭い洞窟を利用したそこなら、イビルジョーは入ることができない。

 しかし、もしイビルジョーが洞窟を壊してまで追いかけてきたら?もし奴がそこら一帯を

縄張りとしてしまったら?

 メラルーたち、そしてその周辺に大きな被害が及ぶかもしれない。

 

 

 チッ

 

 転生者は心のなかで舌打ちした。

 まさかモンスターの中でも最強格と名高いイビルジョーにあってしまうとは。

 実に運がない。

 

 考える。

 最強と謳われる奴に敵うのはなにかと。

 

 

 

 モンスター? 奴には勝てない

 

 

 地形?  辺りにそんな場所は見当たらない。

 

 

 

 そして気付いた。奴の天敵は自分たち(モンスターハンター)だと。

 

 

 マッカォは追いかけてくるイビルジョーの気配を感じながら、メラルーたちを連れ、とある場所を目指した。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 蜘蛛の巣を越え、毒沼を越え、ツタのエリアを超える。

 

 「…ニャ」

 

 メラルーたちは自分たちを守るマッカォを信じ、必死にしがみついている。

 

 辺りを駆け回り……

 

 

 いた!!!

 

 

 マッカォが目指していたのは、フィールド:原生林。モンスターハンター4に登場するエリアで、狂竜化したイビルジョーとなれば、おそらくハンター(主人公)がいるはず。

 いなかったら、なぜかモンスターの出現しないベースキャンプに逃げ込もうと考えていたが、その必要はなくなった。

 

 

 

 マッカォの予想道り、ハンターたちはとあるクエストで原生林に来ていた。

 

 

 クエスト 高難度:最狂の暴君

 

 

「あ、ユイカちゃん!見てください、あれ!」

 

「ん?…メラルーを乗せた…見たことないモンスター?」

 

「めちゃくちゃかわいくないですか?」

 

「うーん、たしか…に……って、あれを追いかけてるの、討伐対象のイビルジョーじゃない!?」

 

「わわわ、しかもこっちに来てますよ!」

 

 

 マッカォの誤算は、村クエ(一人用)なのに、ハンターが二人いることだろうか。

 しかし、それは悪いことではない。

 

 ハンターが一人でも、金獅子も、恐暴竜も、天廻龍も倒せる。二人いれば、なおさら心強い。

 

 

 

 

 マッカォは、あっけに取られているハンター二人の間を抜け、立ち止まった。まるでイビルジョーにかかってこいと言わんばかりだ。

 

 メラルーたちは、目を開け二人のハンターを見た。彼女らが、救世主となることを祈りながら。

 

 ハンターたちは、呆然とした――のもつかの間、ヘヴィボウガン、大剣を手に取り、構える。

 

 

 

 イビルジョーは、逃げる獲物に怒りを滾らせながら、口からどす黒い障気を出す。

 

 そして、新たに増えたハンターたち(獲物)を見据え、咆哮した。

 

 

 

 

 

 





設定供養だからってはっちゃけて、前話から雰囲気をまるっきり変えてしまった…どうしよ…

誤字訂正:最強の暴君→最狂の暴君
1話タイトル変更
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。