不幸な小狐は幸せを探す   作:うしさん

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原作開始 アビドス対策委員会編
砂地からの要請


 

 

 

『・・・せんせい』

 

 

呼ばれている。名前が誰かに呼ばれている。

 

 

『先生、起きてください』

 

 

どこか聞き覚えのある声。しかしどこで聞いたのか、何故聞き覚えがあるのかは思い出せない。

 

その声には相手の様子をうかがいながらも、心配するような声色が含まれている。

 

 

「・・・うぅん…」

 

『先生?そんな格好で寝てたら風邪引きますよ?』

 

 

先程からモーニングコールを受けている「先生」と呼ばれる人物は、今しがたようやく反応を示した。寝惚けているのか、口の端にはキラリと滴る水滴がひとつ。喉の奥を鳴らし、情けない声をあげる。

 

 

「あ、あろなぁ、仕事が襲ってくるよ〜...」

 

『先生…。起きている時はしっかりしているのに、どうしてこんな事に…』

 

 

仕事に忙殺される夢でも見ているのか、先生はうつぶせの体勢のままに腕を伸ばし助けを求める。しかし、その部屋には誰の姿も見えない。少女の声はデスクの上のタブレット端末から聞こえてくるものなのだ。

 

その幼い声の主は、先生の情けない姿を見て呆れてしまっている。先程までの先生を気遣う不安気な声は、見事に呆れ声に変わっていた。

 

すると先程の自分の寝言で目を覚ましたのか、先生は身体を起こし目を擦る。そしてそのまま大きく伸びをしながら大欠伸。見るからに眠そうな様子だ。

 

 

「んん、ふぁ〜〜あ…。おはよーアロナ」

 

『おはようございます、先生。体調は問題無いですか?』

 

「うん。問題なし。心配してくれてありがとね」

 

『いえ、そんな!先生の体調管理も秘書である私の務めですので!』

 

 

二人きりの空間で会話を続ける。先生がアロナの頭を撫でると、アロナは嬉しそうに口元を緩め小さく笑い声をあげた。しばらく大人しく撫でられていると、そこで何かを思い出したのか楽しげな声色で話し始めた。

 

 

『こうしていると、なんだか私たちが初めてこの場でお会いした時のことを思い出しますね!』

 

「ははっ、そうだね。まぁ、立場は逆転してるけど…」

 

『確かにあの時は私が……って私はあの時寝てないですからね!?』

 

「えぇー?ほんとかなぁ?寝言みたいに、いちごミルクがあーだこーだとか言ってた気がするけどぉ?」

 

『あぅ…やっぱり先生はいじわるです…』

 

「あー、ごめんごめん。何でもしてあげるから許して欲しいかな」

 

『むぅ…仕方ないですね。それでは私が「いい」と言うまで撫でてください!』

 

 

それを聞いた先生は大きな掌をアロナの頭に再びそっと置き、髪を梳くように優しく撫でていく。アロナは気持ちよさそうに目を細め、その掌を受け入れる。先程までの言い争っていた雰囲気とはまるで変わり、ほんのりと柔らかい空気が青空の広がる教室に漂い始めた。

 

そんなからかわれている少女と、先生との出会いは数日前に遡る。

 

ある時、突然この学園都市キヴォトスに呼び出された「先生」という異端の存在。現在は連邦生徒会長が立ち上げた部活動、連邦捜査部「シャーレ」の担当顧問として活動している。その先生にしか扱えないオーパーツであるシッテムの箱。

 

そのシッテムの箱に居たのは、システム管理者及び、メインOS、そして先生の秘書を名乗る「アロナ」という少女であった。

 

普段は先生の補助として十分に役に立ってくれているが、所々でお転婆でテキトーな部分が見え隠れしてしまっているようだ。先生が担当顧問に就任してから数日間、二人は交流を重ねお互いのことを理解してきた頃合になる。

 

そんな感じの為、つい先生はアロナのことをからかい、アロナは信頼している先生に甘えてしまう。

 

『真剣な時はカッコよく、ふざけてる時は子供のようで可愛らしい』とは、そんなアロナの先生に対する言である。

 

しかし未だに先生の活躍の噂はまだ殆ど聞こえてこない。それもそのはずシャーレに関する噂だけが先行し、先生本人が実際に動いたのは就任当初のサンクトゥムタワー制御権の奪還時のみなのだから。

 

だが先生の元には、キヴォトス中から助けを求める生徒たちの手紙が届き始めている。就任後のゴタゴタが最近片付いて、ようやく生徒たちの助けに耳を傾けることが出来る状態になったのだ。

 

 

『そういえば先生。寄せられていた手紙にちょっと不穏な内容のものがあって…』

 

「うん、私も読んだよ。大きい悩みから小さな相談まで色々目を通したけど、一つだけ頭抜けて気になる内容があった。」

 

『はい…。恐らく私と先生が思い浮かべている手紙は同じだと思います。暴力組織に学校を占拠されそうだなんて、本来ならあってはならないことです!』

 

「・・・そうだね。確か場所はアビドス高等学校、だったよね?」

 

『その通りです。アビドス高等学校は気候の変化で街が厳しい状態になっているらしく、一面が砂に覆われているんだとか!街もとてつもなく広く、遭難者も簡単に出てしまうそうですよ…!』

 

 

互いに気になる要請について相談を始める。因みに先生の手はアロナの頭にのせられたままだ。話の内容と、二人の顔つきは深刻なものである筈なのに、傍から見たら少しだけシュールな光景である。

 

アビドス高等学校に対する認識を共有し合い、これからどうするのかの話し合いが続けられる。

 

 

「一先ず、物資自体はいくらでも用意出来る。だけど、どうしてそんな事に…?」

 

『そうですね…。学校の占拠なんて、ただ事ではありません…』

 

 

二人して騒動の原因について考える。しかしいくらこの場で考えたところで、答えが出る訳が無い。現地に行き、目で見て肌で感じてようやく様子が分かるのだから。それを分かっている先生は、次に移す行動を既に決めているようだ。

 

 

「・・・よし!アロナ、今すぐに出よう!」

 

 

『おぉ!さすが先生です!大人の行動力はやはり違いますね!かしこまりました!すぐに出発しましょう!』

 

 

アビドス高校の緊急性の高さを鑑みて、先生は今すぐ出張に出かけることを即決した。アロナもそれに頷き、二人で向かうことになる。

 

さっきまでの緩い空気は霧散し、生徒の為を思い真剣な表情を浮かべる先生の姿がそこにはあった。その真面目な空気のままに、先生は三度アロナに話しかける。

 

 

「その前にアロナ。キミに言いたいことがあるんだ…」

 

『はい!なんでしょうか!』

 

 

「私は何時まで頭を撫でていればよろしいのでしょうか…!」

 

 

『あ、すみません。もう大丈夫です。気持ちよかったのでまたお願いします!』

 

「あぁ、うん。別にいいけど…」

 

『それでは先生、シャーレとしての初仕事です!張り切って行きましょう!』

 

「お、おー!」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

あれから数日後、アビドスの広大な砂漠に一人の男性が遭難していた。

 

アビドス自治区に着いたはいいものの、先生は肝心のアビドス高等学校に辿り着くことが出来ずに彷徨っているのだ。

 

現在の気温は軽く三十度を越している。そんな砂漠で力が尽きたのか、臀部を空に突き上げるような形で地面に倒れ込む。顔には大量の汗が滲み、白かったワイシャツは砂埃で黄ばみ始めている。

 

先生の傍には一枚のタブレット端末。先生の耳には、その場に居る筈のない少女の声が聞こえてくる。

 

 

『先生…大丈夫ですか…?!』

 

「はぁっ、はぁっ…。むり。あつい。しにそう…」

 

『あわわ…どうしましょう…。水も切らしてしまいましたし、人が居そうな建物も見当たりません…!先生!なにか、なにか食料はお持ちでは無いですか!?』

 

「・・・んぅ?何かって、何も……」

 

 

水も食料も尽きて、最後の希望に縋るかのようにポケットの中を探り始めた。体勢は変わらず、腕だけをモゾモゾと動かしている。すると、何かを見つけたのか、先生のポケットをまさぐる手の動きが止まった。

 

 

「・・・アロナ?」

 

『はい!どうしましたか?!なにか見つかりましたか!?』

 

「あー…、あったと言えばあった」

 

『本当ですか!?今すぐに口に入れてください!先生の命が一番大切なんですから!』

 

「う...うん。でもね、コレ人用じゃないかも。」

 

『え…。それでは、何があったんですか…?』

 

 

「─────ちゅーる」

 

 

『・・・・・へ?』

 

 

「いや、だからちゅーる」

 

 

『・・・・・・えぇぇぇぇ!!!??』

 

 

驚きの声をあげるアロナを余所に、先生は全てを諦めたかのようにちゅーるの成分表を眺めている。どうやら、人間にも食べる事が出来るのかどうかを確かめているようだ。

 

 

『先生!どうしてそんな物を持ち歩いているんですか!?』

 

「何でって、そりゃぁ猫と仲良くなりたいからに決まってるじゃんね」

 

『さも当たり前かのように言わないでください!確かに猫ちゃんは可愛らしいです!仲良くなりたい気持ちも解ります!でもなんでよりにもよってこんな緊急事態に出てくるのがちゅーるなんですか!」

 

「だって仕方ないじゃん!まさかこんなことになるなんて、私も思いもしなかったんだから…!」

 

『・・・うぅ。どうしましょう…このままじゃ先生が…』

 

 

為す術も無く、アロナは頭を抱えるかのような呻き声をあげる。先生も先生で、ちゅーるなんかより別の物を持ってきていれば、と後悔をし始めた。

 

先生の胃の中身は殆ど空っぽ。水分を補給したのはかなり前。辺りに人の気配はなく、助けを求めようにも求められない。

 

先生の身体は脱水症状一歩手前のところまで来ており、これ以上は危険な状態だ。思考回路もだんだんとおかしくなり始め、唐突におかしな事を言いだした。

 

 

「ねぇ、アロナ。もうちゅーる食べてもいいかな…」

 

 

『(うっ…先生がちゅーるを必死に舐めている姿は見たくありませんが、背に腹はかえられません…)』

 

『わ、分かりました。生き延びるため、ですもんね』

 

 

「ありがとう…。私の最期の晩餐はちゅーる。来世は猫になるのかなぁ…」

 

『縁起でもない事言わないでください!!』

 

 

もう諦めて、ちゅーるの袋に手をかけ開けようとしたその時、アロナが何かの気配を感じ取って先生に声を掛けた。

 

 

『待ってください…!先生、何かがこちらに猛スピードで向かってきています!』

 

「へ?ほんとうに…!?」

 

『はい!恐ろしく速いですが、この感覚だと恐らく自転車…!到達まで七秒、五秒、三秒…』

 

 

そのカウントがゼロになった時、先生の倒れている場所には自転車の甲高いブレーキ音が鳴り響いていた。

 

自転車に乗って現れたのは───────

 

 

 

「・・・・・大丈夫?」

 

 

 

─────灰色の髪を靡かせた少女だった。

 

 

 

その少女はロードバイクに跨り心配そうな表情を浮かべている。若干の焦りが含まれた声色は、その心配を裏付けるかのようだ。

 

その少女の姿を確認した先生は、なんとか返事を返す。

 

 

「あぁ、うん…。ギリギリ、ね…」

 

「あ、生きてた。そんな所で倒れてるから、死んでるのかと」

 

「まぁ、死にかけではあるかも。本当に君が来てくれて助かったよ…。危うく人としての尊厳を失うところだった」

 

「ん?手に持ってるのは…ちゅーる?お腹すいてるの?」

 

「お腹も喉もからから…。店も人も居ない中で何日彷徨ってたんだろう…」

 

「もしかして、ホームレス?それならアビドス高校うちに寄って。少しくらいなら助けになれると思う。」

 

「あ、ありがとう…!本当にありがとう!」

 

「ん、大げさ。喉乾いてるんだっけ。とりあえずはい、これ」

 

 

先生の危機に駆け付けた少女は、カバンの中をゴソゴソと漁りだした。そのカバンの中から出てきたのは一本のエナジードリンク。先生の酷くやつれた様子を見て、気を利かせてくれたようだ。

 

その少女は先生にコップを渡そうと再びカバンの中身を漁り始める

 

───────が、しかし…

 

 

「えっと、コップは…」

 

「ありがとう!!いただきます!」

 

「・・・・!」

 

 

 

 

「・・・んっ、ぷはぁっ!!生き返ったぁ〜!」

 

「あ……」

 

「本当に助かったよ。ありがとう。

・・・あれ、どうかしたの?」

 

「ううん、何でもない。それより連邦生徒会の大人がこんな所で何してたの?この辺りには私たちの学校しか無いけど…」

 

 

先生は少女が用意してくれたコップを一切気にせず、口をつけてそのまま浴びるように飲んでしまった。その姿を見た少女は若干気恥ずかしそうな表情を浮かべるものの、すぐに無表情に戻る。

 

少なくなったエナジードリンクのボトルを受け取りながら、少女は先生に対して質問を投げかけた。先生はその質問にすぐ答える。

 

 

「うん、アビドス高等学校に用事があって来たんだ。もしかして君はアビドスの生徒だったりするのかな」

 

「うん、そうだよ。ここからすぐ近くだし案内してあげる」

 

「・・・とてもありがたい申し出なんだけど、情けないことにお腹が空いて動けないんだ…」

 

「そっか…。

うーん…どうしよう。」

 

 

念願叶って、目的であったアビドス高校に案内して貰えることになった。しかしお腹がすいて動けない先生をどうするか、という新たな問題が発生してしまった。

 

そこで先生は、少女が乗ってきた自転車に目を付ける。

 

 

「あのさ。もし良ければ君が乗ってきた自転車に乗せて欲しいんだけど、いいかな?」

 

「えっと…これ、一人乗りなんだ」

 

「そっか…」

 

 

その答えを聞いて、先生はがっくしと肩を落とした。少女も申し訳なさそうにしている。先生はアビドス高校に何としてでも辿り着こうと、疲労で働かない頭を必死に回転させる。

 

そこで妙案が思い浮かんだとばかりに勢いよく顔を上げた。だが少しだけ口に出すのを渋っているようだ。「いやいや、でも、だけど…」と、ボソボソと一人で呟く。その様子を少女は困ったような顔で眺めていた。

 

すると先生の中で葛藤が終わったのか、ついに恐る恐る口を開く。

 

 

「・・・それなら背負って貰えないかなぁー、なんて…」

 

 

「・・・。」

 

 

先生の提案に数瞬の間、その場に沈黙が訪れる。しかし、少女は長考を必要とせずにすぐ返事を返した。

 

 

「まぁ、そのほうがいいか」

 

「へ…ほんとに?」

 

「それじゃ、ロードバイクはここに停めて、と…」

 

 

まさか了承されるとは思っていなかったのか、先生も驚いているようだ。少女の方は自転車を道の脇に停め、先生を背負うための準備を淡々と始める。そしてあらかたの準備が終わったのか、先生の傍にしゃがみ込み、受け入れる体勢が整った。

 

 

「はい、のっていいよ」

 

「・・・それでは、失礼して…」

 

「あ、待って。」

 

「ハイ待ちます」

 

「さっきまでロードバイクに乗ってたからちょっと…」

 

 

先生が背負われようとしたその時、少女からストップの声がかかった。先生は従順に従い、背筋をビシッと伸ばして立っている。

 

少女はどうやら、自分の汗の匂いについて心配しているみたいだ。しかし先生はそんな事では決して動じない。暑さで頭がやられていようが、シラフであろうが、文字通り平気で生徒の脚を舐める位のことは出来る漢なのだ。

 

 

「私は何も気にしないよ。今も汗の匂いなんて一切しないし、寧ろいい匂いがするくらい」

 

「───────!!

うーん…気にならないならまぁいっか。それじゃ、しっかり掴まってて」

 

 

そうして先生はその少女に背負われて、目的の場所へと向かって行った。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「ただいま」

 

「おかえり、シロコせんぱ、い…?

うぇ!?どうしたの!?後ろにいるのだれ?!」

 

「わあ、シロコちゃんが大人の人を拉致してきました!」

 

「え…!?シロコ先輩、ついにやってしまったんですか…?後ろに背負ってるのはまさか、死体!?」

 

「み、みんな!一旦落ち着いて…!冷静に死体を処理するのよ…。何がなんでもユキちゃんには見つからないようにね…」

 

「・・・。」

 

 

無事にアビドス高等学校に到着した。

 

しかしその場の様子は無事では無いようだ。どうやら少女が背負っている人間が死体だと思われてしまっている。その場に居る生徒の内、二人が死体だと思い込んで教室内は軽くパニックに陥ってしまった。

 

勘違いが加速していき、このままでは先生が校舎の裏庭に埋められてしまう。といったところで灰色の髪を持つ少女は先生から手を離した。ドスッという鈍い音と共に先生は地面に転がる。

 

 

「いてっ」

 

「わぁ!生き返った!?」

 

「生き返ってない。元々生きてるから。」

 

「死体じゃ、なかったんですか…?」

 

「アビドスに用があるって言うから連れてきた。」

 

「それでは久しぶりのお客さんですね〜」

 

「はぁ〜びっくりしたぁ…。心臓に良くないからもうやめてよね、シロコ先輩」

 

「勝手に勘違いしたのはセリカでしょ」

 

「うぐっ…」

 

 

そんなやり取りが行われている間、先生は「賑やかだなぁ」と呑気なことを思いながら地面に転がっていた。しかし流石にそろそろ挨拶しようかと思い、身体のホコリをはたきながらゆっくりと立ち上がる。

 

生徒たちはそんな先生の様子を、興味や疑いの目でじっと眺めていた。ようやく立ち上がり、先生は自分を見つめる生徒一人一人に目を合わせていく。そしてついに口を開いた。

 

 

「はじめまして!私は連邦生徒会、連邦捜査部『シャーレ』の担当顧問です!気軽に先生って呼んでね」

 

 

「「「「───────!!!」」」」

 

 

先生の自己紹介に、どうやら四人は驚いているようだ。その驚きが冷めやらぬままに会話が続いていく。

 

 

「連邦生徒会の先生、ってことは…」

 

「はいっ!これでようやく弾薬や補給品などの支援が受けられます!」

 

「わぁ☆良かったですね、アヤネちゃん!」

 

「早くホシノ先輩にも知らせてあげないと…!

あれ?ホシノ先輩は?」

 

「ホシノ先輩なら隣の部屋でユキちゃんと寝てるよ。私、起こしてくる」

 

 

そう言ってツインテールの少女は部屋から出て行った。どうやら隣の部屋にも生徒がいるらしい。先生は女子生徒たちが嬉しそうにしている様子を見て満更でもなさそうだ。

 

今回がシャーレとしての実質的な初仕事。そんな緊張を孕んだ先生の内心では心配や不安が多かった。遭難するなど幸先の悪い出だしだったが、無事にこうして喜んで貰えている。それだけで先生の心は幸福で満たされているのだ。

 

 

 

(ダダダダダダッッ!!)

 

 

優しい目付きで生徒の様子を眺めていると、唐突に外から銃声と怒声が聞こえてきた。

 

 

「ヒャッハー!!攻撃、攻撃だぁー!!」

「あいつらの弾薬はもう既に尽きかけてる!占拠するなら今のうちだっ!!」

 

 

「──────っ!!」

 

「銃声!?」

 

「わわっ!武装集団が学校に接近しています!どうやらカタカタヘルメット団のようです…!」

 

「あいつら…性懲りも無く…!」

 

「弾薬が切れそうなこともバレてしまってますね…」

 

 

その銃声で先生の身体は一瞬強ばるがすぐに落ち着く。未だ鳴り止まぬ銃声。襲撃に嘆く生徒たち。それに対して焦りを一切見せない先生のその姿は、頼もしさすら感じさせる。

 

 

「みんな!だいじょーぶ!補給物資は大量に用意してあるよ。今までよく頑張ってきたね。存分に使ってきな!!」

 

「あ、ありがとうございますっ!!」

 

「さすがです〜!これならすぐに迎え撃てます!」

 

 

いつの間に現れたのか、先生の傍には弾薬等の補給品が大量に用意されていた。生徒たちは感謝の言葉を簡潔に告げ、ヘルメット団を迎え撃つ準備を整えている。

 

 

「ホシノ先輩を連れてきたよ!先輩!寝ぼけてないで起きてっ!ユキちゃんもしっかりと隠れてなさい!」

 

 

すると教室のドアが開かれ、先程出ていったツインテールの生徒が戻ってきた。隣には眠そうに目を擦る生徒二人。ピンク髪のゆるい雰囲気を漂わせる背丈の小さな生徒。そしてさらに背丈の小さな、幼女ともいえるほどに幼い生徒の姿。

 

その二人は互いに手を結び、大きな獣耳としっぽを持つ幼女は隣の生徒に身を寄せている。さらにふわふわとした大きな尻尾は脚に絡められている。

 

 

「むにゃ…まだ起きる時間じゃないよぉ〜」

 

「うわぁ…パンケーキが暴れてるよ〜…。ひなちゃん助けてぇ」

 

「パンケーキ…?」

 

 

寝惚けたままに発された言葉に先生は疑問を持つが、考えるだけ無駄である。他に気にする者は居らず、暴れるパンケーキの謎は闇に葬られた。

 

そんな事を考えている間にも、話は進んでいく。

 

 

「ホシノ先輩!ユキちゃん!ヘルメット団の襲撃です!」

 

「あ〜またかぁ。本当に懲りないね〜」

 

「・・・はっ!ヘルメット団…!?早く隠れないとっ!」

 

「お二人とも!こちらの方はシャーレの先生です!支援要請に応えて下さいました!」

 

「ん?先生?あーよろしくねぇ」

 

「・・・せんせい?おとなのひと?」

 

「うん、二人ともよろしくね。」

 

 

緊急事態の為、二人にも簡単に挨拶を済ませる。ヘルメット団の襲撃と聞いて二人の眠気は完全に覚めてしまったみたいだ。ホシノと呼ばれる生徒は慣れた様子で淡々と戦闘準備を整えている。

 

しかしもう一人の幼女は、ホシノにしがみつき銃声が鳴り響く度に怯えているようだ。その証拠に大きな耳はへなへなと下げられ、しっぽの毛は逆立っている。

 

 

「まったく、おちおち眠れやしないよ…。ヘルメット団め〜」

 

「そんな事言ってる場合じゃないわよ!しっかりして先輩!」

 

「オペレーターは私が担当します!ユキちゃんは先生と安全なところに!」

 

「先生、この子は身体が弱いの…!二人で安全な所に避難して!」

 

 

「身体が弱い」というところに先生は疑問を持つが今はそれどころでは無い。避難して欲しいと言われてしまうけれど、先生にもやれることはある。信用できる大人であることを示すことが出来るまたとない機会だ。いざとなれば肉の盾にだってなれる。この幼い子どもを身を呈して護ることができるのだ。

 

 

「私はここに残るよ。この子は私の命に変えてでも護る。だからみんなのサポートをさせて欲しいんだ。」

 

「・・・でもっ…!」

 

「待って、セリカちゃん。

先生、その言葉は本当?信じてもいいの?」

 

 

先生の言葉に雰囲気が急変するホシノ。左右で色彩の異なる瞳は鋭く先生を射抜く。先程までの、のんびりとした態度が嘘のようだ。

 

先生は突然降りかかるピリピリとしたプレッシャーに、一瞬も怯むことなく即答する。

 

 

「もちろんだよ。大人である私を疑うのは君たちが持つ当然の権利だ。怪しいと思うのなら今のうちに撃ち抜くなり拘束するなりしてくれて構わない。」

 

 

「・・・。」

 

 

教室の外は銃声で騒がしい筈であるのに、その場は静寂で支配されている。先生の頬には一粒の冷や汗。いくら怯んでいないといえども、強いプレッシャーに晒されたせいだろう。

 

ホシノは先生を見据えたまま沈黙を貫く。しかし遂に口を開いた。

 

 

「うへぇ、まいったまいった。そこまで言われちゃ仕方ないか〜。先生、私たちのサポートよろしくね。ユキちゃんのことも絶対護ってね」

 

「っ!任せて!」

 

「それじゃ、サクッと片付けよっか」

 

 

実際にその戦闘は数分にも満たなかった。元々総合的な戦闘力が高い五人は、先生が居なくともヘルメット団を撃退することは可能だっただろう。しかしそこに先生の指揮が加わったことにより、戦闘効率がさらに上がった。

 

アビドスの生徒たちも、自身の戦闘力が上がったと錯覚するほどだ。先生の力を疑っていた生徒も、先生のことを信じざるを得ない状況になった。

 

戦闘が終了し、全員が元いた教室へと帰ってくる。因みにユキと呼ばれる幼女は五人が戦闘中、ずっと先生の傍におり、シャツの裾をちょびっとつまみながら小声で応援していた。初対面の大人と一対一で緊張していたのか、大きな声が出そうになる度、必死に声を抑え込んでいた。

 

 

「いやぁ、まさかこんな簡単に勝てちゃうなんてねぇ〜」

 

「そうね!今までの何倍も戦いやすかったわ!」

 

「これが大人の力…。大人ってすごい」

 

「ふふっ、そう言って貰えると私も嬉しいよ」

 

 

教室内では皆口々に今の戦闘の話をしている。どうやら先生の指揮はアビドスの生徒達にかなり好評のようだ。先生もそれを聞いて柔らかい笑みを浮かべている。

 

すると先生の隣にいた幼女は、先生のことを見上げながら蒼色の瞳を輝かせて喜びの声を上げた。

 

 

「すごいすごい!先生ってすごい人だったんだね!とってもかっこよかったよっ!」

 

「─────っ!!」

 

 

その瞬間、先生の心の内から沸き上がるとある感情。

 

目の前にいる真っ白な小狐が浮かべる満面の笑み。左右にフリフリと暴れ出すふわふわのしっぽ。全身を使って楽しそうに飛び跳ねる幼女は先生の感情を激しく揺さぶった。

 

その感情の名前は───────

 

 

「・・・うわぁぁ、ありがとねぇ〜!よしよし、大人しく出来て偉かったねぇー!欲しいものとかある?先生が何でも買ってあげちゃう!」

 

「わぁ。えへへっ」

 

 

善意百二十パーセントの愛情であった。愛情とは言っても庇護欲が殆どを占めている。

 

実際今は、小狐の頭や頬っぺたをわしゃわしゃと両手を使って優しく撫でている。綺麗に整えられた髪を崩さないように撫でている辺り、かなり撫で慣れているようだ。小狐も満更でも無さそうにその手を受け入れている。

 

 

「え…先生?なにやってんの…?」

 

「何って、愛でてるの。こんなの愛でない方が失礼ってものでしょ?」

 

「えぇ…」

 

 

突然の行動に一部の生徒は若干引き気味である。しかし先生の言い分が理解出来てしまうのか、それ以上の反感は示していない。そこで口を挟んだのはホシノであった。

 

 

「いやぁ〜先生、その気持ち分かるよ〜。おじさんもよく色んな物買ってきてみんなに怒られちゃう事が多くてさぁ」

 

「いやいや!ホシノ先輩に関しては本当に変なものを買ってくるからでしょ!?」

 

「ボクは嬉しいよ?」

 

「うぐっ…まぁ、それならいいの、かな…?」

 

「あはは…すみません、先生…」

 

「全然気にしないで大丈夫だよ」

 

「それでは、少し遅れちゃいましたけど改めてご挨拶しますね。」

 

 

共通の愛でる対象が生まれたことで、その場の空気も温まってきた。互いの距離が少し近付いたところでアビドス生徒たちの紹介が始まる。

 

彼女たちは、アビドス高等学校の「アビドス対策委員会」

 

アビドスを蘇らせるために集まった有志の部活である。全校生徒五人で構成される校内唯一の部活動なのだ。

 

まず先程から苦労人ポジションにおり、赤い眼鏡と尖った耳が特徴的なアヤネ。オペレーターと書記を担当している。

 

次に同じ一年生であるセリカ。そして二年生であるノノミとシロコ。遭難した先生を助けてくれたのがシロコである。最後に三年生で委員長を担っているホシノが紹介されていく。

 

先生の頭の片隅では、未だに先生の傍にくっ付いて離れない小狐の存在が揺蕩っている。彼女が一年生にも二年生にも三年生にも属していないことに疑問を持っているようだ。

 

 

「改めてみんなよろしくね。ところでこの子は?見た感じ高校生のようには見えないけど…」

 

「その子の名前はユキちゃん。少し前に保護した子で、歳はおじさんたちも本人も分からないんだ〜」

 

「なので学年も一応保留という事になってるんです」

 

「雪白ユキです!よろしくお願いします、先生っ!」

 

「そうなんだ。うんうん、よろしくね〜」

 

 

元気いっぱいの挨拶。それを見た先生の頬は思わず緩み、優しい笑みが溢れ出る。他のアビドス生もその様子を微笑ましそうに見守っている。

 

今度こそ全員の紹介をうけて、アビドスの現状についての聞き取りが始まった。アビドスがあの有様であるため、ここに残っている生徒以外は退学や転校で居なくなってしまったようだ。

 

そうして学園都市から住人もほとんど居なくなり、自然と先程のような三流チンピラに学校を襲われるようになった。今までは何とか襲撃を防ぐことが出来ていたが、今日は今度こそ万事休すという状況だったらしい。先生が来るタイミングは完璧だったみたいだ。

 

 

「でも今回退けたからといって、もう来なくなる訳じゃない」

 

「あー確かに。しつこいもんね、あいつら」

 

「こんな消耗戦をいつまで続けなきゃいけないのでしょうか…」

 

 

どうやらヘルメット団の襲撃はかなりの頻度で起こっているという。いくら先生が来て物資が補給されたとはいえども、このままではジリ貧の状態が続いてしまう。この状況を変えるためには根本となる原因を叩くしかない。

 

その思考に思い至ったのか、ホシノがとある提案を告げる。

 

 

「こんなことがあろうかと、ちょっと計画を練ってみたんだー」

 

「えっ!?あのホシノ先輩が!?」

 

「うそっ…」

 

「・・・ちょっとその反応は酷いんじゃない…?おじさんだってやる時はやるのさー」

 

「で、どんな計画?」

 

「ヘルメット団は数日もしたらまた攻撃しに来るはず。だからこのタイミングでこっちから仕掛けて、奴らの前哨基地を襲撃しちゃおっかなって」

 

「今ですか!?」

 

「うん、今」

 

 

ホシノの口から飛び出してきたのは、正しく現状を打破するための案であった。ヘルメット団の前哨基地まではここから約三十キロメートル。ヘルメット団からしても、まさか今から反撃に来るなんて思いもしないだろう。

 

先生にも意見を求められるが当然賛成である。戦うのは先生では無いにしても、一人の大人としての意見は生徒たちにとって心強い。その提案を後押しする形で同意した。

 

 

「よっしゃ、先生のお墨付きも貰ったことだし、この勢いでいっちょやっちゃいますか〜」

 

「善は急げってことだね。」

 

「ユキちゃんはアヤネちゃんとお留守番をお願いしますね?」

 

「うん。ボクが居てもじゃまになるだけだし、ここで応援してるね」

 

「すぐ帰ってくるので安心して下さい☆お土産買ってきてあげますから!」

 

「ほんと!?じゃあ、おいなりさん食べたい!みんなと先生で!」

 

「ふふっ、了解です♪」

 

 

戦う手段を持たないユキは、オペレーターであるアヤネとお留守番という事になった。向かうのはユキ、アヤネ以外の四人と先生。お土産にはおいなりさんをご所望らしい。

 

助けになれなくて先程までしょんぼりしていた尻尾は、今ではゆらゆらと動いている。感情のよく出る尻尾に先生はくすっと笑ってしまう。

 

 

「それでは、出発しましょ〜!」

 

 

(くぅー)

 

 

ノノミが出発の掛け声を発する。しかしほぼ同時に小さくも目立つお腹が鳴る音が教室内に響いた。その場にいた一人を除く全員が、虚をつかれたような表情でその音の出処をきょろきょろと探り始める。

 

音の発生源はすぐに見つかった。先生を含む六人が視線を動かしている中、ただ一人だけ恥ずかしそうに俯いている子がいたのだ。その場のちょっとした気まずい空気に負けてしまったのか、その子はゆっくりと口を開く。

 

 

「ご、ごめんなさい…。おいなりさんの話してたらお腹すいちゃったみたい…」

 

「ふふっ、気にしないで大丈夫だよ。私も学生の頃は腹の虫がずっと鳴いてた時期があったからね」

 

「そうね!先生のお腹の音に比べたらユキちゃんなんて可愛いものよ!」

 

「セリカ…?それはそうなんだけど、私たち初対面だよね…?」

 

「大人なんだからそんな小さなこと気にしないで!先生、なにかお菓子とか持ってないの?私たち、今ちょうど食料も切らしてて…」

 

「いや、そんな事急に言われても………あ。」

 

 

お腹を空かしたユキの為に先生は身体中を手でまさぐる。セリカの無茶振りと、ユキの期待に応えようと先生も必死に探るが中々見つからない。

 

それもそのはず、先程まで先生は遭難していた身。食料があればもう少し気を紛らわすことが出来たはずなのだから。

 

すると突然先生の動きが止まった。「あ」という言葉と共に。右手はズボンのポケットの中に突っ込まれている。先生の様子はどこかおかしい。顔の表情が次々に移り変わり、どうやら葛藤しているであろうことが読み取れる。

 

 

「先生?どうしたんですか?」

 

「ちょっとどうしたの?暑さで壊れちゃった?」

 

「うへ、先生。何があったのか見せてみてよ」

 

 

心配した生徒たちが口々に先生に声を掛ける。未だに葛藤している先生はそれを聞いて、ポケットの中から何かが握られた拳をそろりそろりと出していく。なんだなんだと、生徒たちはその様子をごくりと唾を飲み込みながら見ていた。

 

拳が全貌を見せ、歯を食いしばり苦悶の表情を浮かべながら先生はゆっくりと手を開く。

 

そこから現れたのは───────

 

 

 

「─────って、なんでちゅーるが出てくるのよ!!!?」

 

 

 

ちゅーるだった。

 

さっき先生がギリギリで食べずに済んだちゅーる。今になって再び登場するとは思っていなかった先生。これを生徒に食べさせてもいいものかと先程は葛藤していたようだ。

 

幸いな事にちゅーる自体は人間でも食べることができる。これを食べるかどうかは、全て雪白ユキにかかっているのだ。当の本人はと言うと…

 

 

「なにそれ!ちゅーる?そんなのボク食べた事ないや!先生、それ食べさせてくれるの!?」

 

 

ちゃんと興味津々である。困った先生。困ったアビドス生徒。少しずつ場の空気がおかしくなり始める。

 

 

「あ、あのね、ユキちゃん。これは猫ちゃんが食べるおやつなんだ。人間が食べるのはちょっとやめておいた方が…」

 

「えー?ボク元々ゴミ捨て場に住んでたから何でも食べれるよ?生ゴミよりもきっと美味しいよ!」

 

「えっ…」

 

 

唐突な告白に先生は頭が真っ白になってしまう。その結果、まともな思考が出来ない大人が誕生した。生徒たちはあわあわとし始め、この事態をどう収めようか悩んでいる。

 

 

「ちょっとホシノ先輩!これどうするのよ!?ユキちゃん食べる気満々じゃない!」

 

「うへぇ…本当にどうしようね…?」

 

「ん、困った…」

 

「先生!ちゅーるちょうだい!」

 

「・・・え?うん…わかった。」

 

 

教室内は軽いカオス状態だ。ユキの言う通りにちゅーるの切り口を開く先生。これでもう後戻りは出来なくなった。

 

 

「先生が袋を破いてしまいました…!」

 

「ちゅーる自体は人体に害は無いので、万が一というのは無いと思いますが…」

 

 

完全に開き切ったちゅーるの袋。それを持つ先生はちゅーるの先端をユキへ向ける。嬉しそうに口を開けるユキ。ゆっくりと近づいて行くちゅーる。

 

楽しそうにしているユキを他の五人は止められない。その場の緊張が高まり、先生とユキの様子を眺めている事しか出来なくなった。

 

 

そして遂にちゅーるの先端がユキの小さな舌によってちろっと舐められる…

 

 

 

「あ、おいしい」

 

 

「そっか。よかった。」

 

 

 

一口食べた感想は「おいしい」。まだ放心状態の先生は何となく返事を返す。そのままの勢いでユキはちゅーるを舐め続けた。

 

 

「・・・ほっ。これで良かった、のかな…?」

 

「ユキちゃんも満足そうにしてますし、良かったのではないでしょうか…?」

 

「いや、どう考えても絵面的にアウトでしょ」

 

「ふぅーん?ちゅーるって美味しいんだ。おじさんも今度…」

 

「ホシノ先輩?ダメだからね?」

 

 

なんだかんだでその場は流れそうな雰囲気になっている。だけどそこで行われていることは普通では考えられない事なのだ。若い大人の男性が幼女にちゅーるを与えている。字面だけ見てもおかしい。

 

場の空気にあてられ、全員の思考は少しおかしくなってしまっているようだ。

 

 

「・・・ふぅ、ごちそうさまでした!おいしかったぁ」

 

「・・・っ!あれっ?私は今何を…ってちゅーる食べちゃってるじゃん!ユキちゃん、ペってしなさい!ペって!」

 

「え?ちゅーるおいしかったよ?また食べたいかも」

 

「え…そう?まぁ、そう言うならまた持ってくるけど…」

 

 

先生の意識も戻ってきた。またちゅーるを持ってくる約束もちゃっかりと取り付けられている。ユキのお腹も膨れたところで、ホシノは先程までの本題に戻そうとなんとか努める。

 

 

「それじゃ、気を取り直してヘルメット団の殲滅に行きますか〜」

 

 

「なんか締まらないわ…」

 

 

 

 

 

 




とりあえず冒頭部分だけ投稿します。
ここからは基本三人称視点で、原作沿いに進めて行きます。
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