影の地の純血騎士   作:王朝万歳

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ちょっと…アイディアに詰まってました。


真実の母

 王都ローデイル戦役で君主連合を内部から崩壊させたモーグ率いる純血騎士たち。彼らは協力者たちを新たに仲間に加え、居住地を探していた。彼らの主。モーグが君臨するモーグウィン王朝設立のため

 

 どうも、俺だ。最近はモーグウィン王朝設立のため狭間の各地を巡っています。主に情報収集で、各地の領主と話している。

 

「……つっっ」

「またか」

 各地の領主と話しあいの終わった帰り道。頭痛が走り出した。

 

この所、頭痛が続くのだ。血授の儀の影響だろうか。

 

「…………か」

 いつもなら頭痛だけなのだが、今日は違った。頭の中で声が響いきだしたのだ。

 

「……き……え……ますか。わ……が……け……よ」

 ……言葉は途中で途切れて聞こえない。だが……声の調子から女性であることは分かった。

 

「聞こえますか。我が眷属となったものよ」

 声が聞きとれた。

 

「はい。貴方は誰ですか」

「聞こえているようですね。私は真実の母。貴方たちに血の祝福を与えるものです」

 

 真実の母。なんとなくだが……知っている。確か、弱者救済の神だったはずだ。

 なぜ、急に声をかけてきた。血を受けいれたことが原因か。

 

「なぜ、私に声をおかけになったのですか」

「貴方に祝福を与えにきたのです」

「貴方のことは知っていました。それこそ、貴方が地下にいるときから。そのときから声をかけていましたが繋がらず。やっと、私の祝福を受け入れてくれたのですね」

 

 ……ん? どういうことだ。一度も俺はそんな声を聞いた覚えはないのだが。

「貴方の声を聴いたのは今日が初めてのはずなのですが」

 

「え!? そんなはずは。私は貴方へ祝福を与えようと」

 そこで会話が途切れ、真実の母は一人言を呟きだした。

 

「なるほど。わかりました。そういうことですね」

 長い一人言の後、真実の母は何かに納得したようでこちらに話してかけてきた。

 

「なるほど、この件について私なりの考察を話したいと思います」

「少し時間がかかりますがよろしいですか」

「大丈夫です」

 

「結論から言うと貴方の中にもう一人誰かがいます」

「はい!?」

 考察を聞くために構えを取った俺は。真実の母から衝撃の事実を知らされた。

 

 

 

 真実の母の話曰く、俺の中にもう一人忌み子の魂が入っており、幼少期の頃からずっと俺と共にあったそうだ。

 普通は気づくはずだった。その魂は俺が目覚めたときには、ほぼ消失しかけており。それ故に俺に認識されなかったそうだ。

 

 真実の母はそちらの魂に声をかけ続けていたため、俺と会話が出来なかった。いくら話かけても返事を返さない俺に、母は祝福を拒まれていると考えたのだ……

 

「貴方の中にいる忌み子を起こしてあげてくれませんか。彼はまだ、完全に消失してはいません。私は彼も救いたいのです」

「もちろんです。でも、どうすれば……」

 もちろん。救いたい。今世における一つの体を共にした双子にも等しい存在なのだから。

 

「私が貴方の魂に語り掛けるので、その魂を起こすようにしてください。……貴方がよくしている角降ろしと似たような感覚です」

「なるほど。では、お願いします」

 

「母に捨てられた哀れな子よ。聞こえていますか。私は真実の母」

 真実の母の声かけにより、俺の中のもう一つの魂が感じられた。

「ふん。起きろ」

 俺はその魂に精一杯の力を込め、たたき起こした。

 

「ここはどこだ。俺は地下で死んだはず」

 俺の頭に響く声が増えた。俺はそんな彼に話しかけた。

 

 

「聞こえるか。兄弟よ」

「誰だ!?」

 

「俺はお前の体に宿った魂だ。今はお前の体を共有させてもらっている」

「魂を共有。わけがわからん。説明してくれ」

「もちろん、説明しよう。その前にもう一人紹介させてくれ」

 

「私は真実の母です。よろしくお願いします」

「真実の母。夢で聞こえた声の持ち主か」

「ええ、そうです。彼女と共に説明していこうと思います」

 

 俺は忌み子の魂に真実の母を紹介し、二人で協力して忌み子に事の経緯を説明していった。

 

「まずは、俺が彼女から声をかけられて…」

「そこで、貴方の存在に気付き……」

 

「色々あったんだな。言いたいこともあるがお前たちのおかげで命を繋げられた。感謝する」

 説明を終えると忌み子から礼を伝えられた。

 

「俺もこの体には助けられた。だから、礼には及ばない」

「私も構いません」

 

「それでは貴方たちに祝福を与えます。受け取ってもくれますか」

「「ああ、ありがたく頂戴します」」

 真実の母は俺たちに血炎の祝福を渡し、去っていった。

 

「すまない。話がある。俺の出自について」

 真実の母が去った後、忌み子から出自について話がしたいと声をかけられた。

 

「俺は母である黄金律の女王マリカに捨てられた。しかも、罪を背負わされて」

俺は女王マリカの子であり角人の呪いを背負わされて忌み子であるという衝撃の事実を知らされた。忌み子の目的についても聞かされ、協力を頼まれた。

 

「俺は女王マリカが憎い。俺に角人の呪いを押し付け、厚顔無恥にも黄金の女王を騙る奴が。奴の恩恵に預かる黄金律の者たちも同罪だ」

 

「頼む。奴らへの復讐を手伝ってくれ」

「それはモーグ様と彼を擁する我らがモーグウィン王朝の人民も対象か」

 

「モーグ様? ああ、彼らは俺を保護してくれた。彼らもまた、黄金律から祝福されていないはぐれ者たちだ。彼らは復讐の対象外だ」

 モーグウィン王朝に牙を剥かないなら構わない。それに、俺も自身を捨てた女王マリカに思うところはある

 

「ならばいい。お前の復讐に協力しよう。お前もモーグウィン王朝の繁栄に貢献してくれ」

「ああ、恩は返す。では、ここに復讐の誓いを」

「いいぞ。共に……」

 

「「女王マリカとその黄金の祝福を受けし、すべての者に、死を」」

 

 

 

 

 

 

 

 

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