大量の流血、俺の血、視線を動かし腹部を見る、そこには大きく切り裂かれ臓物が飛び出ていろじぶんの腹ある、ゼロ距離で放たれた斬撃によって俺の腹部が切り裂かれこの勝負には決着がついた。
玉犬、鵺、大蛇、蝦蟇、満象、脱兎、貫牛、円鹿、虎葬、そして魔虚羅、十種類の式神を用いた全力戦闘に領域展開、炸裂させた四度の黒閃、出し惜しみはしていない。今までの俺の全てを用いて宿儺に挑んだのだ。
顕現させた十体の式神は魔虚羅を残して全滅したがみんな十分にやってくれた、数多くの縛りとともに展開した領域は奴の領域との押し合いに打ち勝つ程のものになった。
しかし負けた
「戦いの内容に対しては、幕引きの仕方が残念なものになったな。」
「よく言うぜ、途中で手印と呪詞による自己強化を身体能力じゃなくて呪力効率の方にしただろ。」
「複数種類の式神を同時に動かし自身もその戦闘に加わるような戦いを続けた、その上で俺の領域に対抗するために領域を二度も展開し、反転術式も相当な回数を回した、呪力効率には目を見張るものがあったが故に惜しかったな。」
嗚呼その通りだよ...わかってはいた、おそらくは足りないということぐらい、こんな負け方...
呪力切れによる敗北、あとほんの少し呪力がもっていれば俺の魔虚羅は宿儺の首を両断していただろうそうなれば俺は最強になれたのだ、最強になって家の連中を見返すことが出来たのだ、だが黒閃をキメすぎてハイになっていた俺は自分の残りの呪力量に配慮が回らなくなっていた...いやわかってはいた気づいていたが気づかないふりをして無理に攻勢に出た、それだけじゃない自分の技が、磨き上げてきたものが相手に通用しているのが嬉しかったのだろう。
「...しかし、ここまでの負傷を負ったのは初めてだ誇るといい」
俺は奴を見る、四本あった腕は一本しか残っておらず腹部の口は歪み反転術式の煙が立ち上っているが一向に再生する気配がない、幾度もの攻撃を当て反転の出力を弱めたうえで一本は魔虚羅が切り落とし、二本は俺が引きちぎった、腹の口は俺の炸裂させた黒閃によって歪んでいる。
「貴様の名前をまだ聞いていなかったな。」
「...名前なんてねえよ。」
俺には名前はないあるとすれば禪院だがあれを自分の家とは思いたくない、仮にも自分の生まれた家に何をと言われるかもしれないが、糞みたいな場所なのだ、いや”みたい”なんかじゃないな糞そのものだ
「...?」
「あいにく、女なんでな。」
いいとこの出なら女でも名前をもらえるが実家はあの禪院であり呪術師は男尊女卑が激しい、故に俺には、名前はない。
「そうか、なら俺がつけてやろう...」
声が聞こえづらくなってきたほんとに死んでしまうのだろうか実感がわかない、俺はあの世にでも行くのだろうか天国か地獄かはたまたどちらでもないとこなのだろうかどこに行くにせよ俺には魔虚羅がいるから問題ないな、魔虚羅にも悪いことをしたな調伏して能力の確認がすんで戦術に組み込んですぐに宿儺との戦いになった、倒した後にやりたいことはたくさんあったのだが、
「貴様の名は刹那、それでいい生涯貴様を忘れることはないだろう」
「はっは、そうかいい名前だ」
なんで死ぬときに名づけされているのだろうか、普通は生まれるときだろう、疑問を口にすることは出来ず俺は死んだ。
後悔がない訳ではない、むしろ悔しいし別の作戦で行けば勝てた可能性もあるのかもしれない、でも自分の全てをぶつけて負けたのだ、その点ではまあ満足だ。
めちゃ不安