そうさく部!〜天才と出逢ったので、ゲームを作ろうと思う〜   作:藍間道逸

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第四話「帰り道。友だちと友だちについて話す。」

 

 5限の鐘が鳴る10分前。

 僕は楽しいひと時を終えて、自分のクラスに戻り席につく。

 

「おぉ、どうしたにやにやしてら気持ち悪りぃな」

「隣の席に友人に最初にかける言葉は本当にそれであってるか?」

 

 そして、授業の準備をしていればすかさずタツに捕まった。

 いつもはうざったい時もあるが、今日に限ってはそんなことはない。

 

「てか、どうだった?その調子だと上手くいったのか?」

「あぁ、それはもう100点満点といっていいだろうよ」

「ま、まじか、七条綾瀬って言ったら高嶺の花ってイメージが合ったからそういう誘い乗らないと思ってたのに……」

 

 なぜかショックと期待を半々に織り交ぜた表情のタツ。

 そんなタツに僕はしっかりと訂正を入れる。

 

「あ、ちなみに部活は無理だった」

「え?じゃあ、ゲーム制作の方を手伝ってもらえることになったのか?」

 

 タツの言葉に僕は首を横にふる。

 

「いいや、それはもうキッパリと断られたよ」

「はい?じゃあ何が100点なんだよ、全然赤点補修コースじゃねぇか」

「それ以上にいいことがあったんだよ」

「いいこと?なんだそれ」

 

 その言葉に僕は僅か30分前ほどの時間を脳裏でもう一度再生する。

 いけない。これではまた唐突ににやける気持ち悪いやつななってしまう。

 そして、それを隠すように僕は鼻を鳴らしてニヤリとだけ笑って見せた。

 

「内緒♪」

 

 人差し指を唇に当て、最大限カッコつける僕にタツは激高する。

 

「はぁ〜!!?ここまで引っ張っといてそれは犯罪だろ!?」

「内緒ったら内緒〜」

「く、おま、散々相談乗ってやってるのにそれはどうなんだよ!?」

「それとこれとは話はべっつ!」

「ぐ、くそ、なんでこいつを裁く法律がこの国にはねぇんだ。」

 

 そんなことを言っても、未だに諦められないのか、

「とびらが喜びそうなこと、とびらが喜びそうなこと」

 と呪詛の如く吐いては、当てにくるもそのことごとくがはずれである。

 

「だぁぁうぜぇぇ!」

「あっはっはっは!言わないったら言わないんだよ〜ばかタツ〜!諦めろ〜」

 

 そして、そんな会話をしていたらいつの間にか先生は教卓についていて、この後しっかりと怒られた。

 

 

「んじゃ、お前ら気をつけて帰れよ〜」

 

 最後の鐘。

 気怠げな担任の挨拶を機に、クラスは一斉に賑わいを取り戻す。

 チラリと教室の端を見れば、タツは何人かに囲まれていた。

 

(陽キャだなぁ〜)

 

 それを見て、ふとそんか感想を抱く。

 まぁでもタツを見ればそれも納得の容姿ではある。

 健康的な小麦色の肌。

 短く切られた髪をワックスで立たせて、いつ見ても快活そうに笑っている。

 人を惹きつけるような人間とは、恐らくあいつのようなことを言うのだろう。

 

「ん?あぁわりぃ!んじゃあ今日は俺予定あるから!また誘ってくれ!」

 

 そんなタツをよそに、僕は席を立ちクラスを出ようとしたところで後ろからバンと背中を叩かれる。

 

「おいおい、帰るなら誘えよトビラ」

「いやいや。どこぞの陽キャ様はクラスメイトに囲まれて忙しそうだったし、邪魔しちゃ悪いかなと思って」

 

 廊下は同じ学年の人たちで溢れかえっており、その先で

「おいまだ授業中だぞ!」

 と怒られているのが聞こえて声をひそめる。

 

「なんだよ、嫉妬か?意外と可愛いところあるんだなお前も」

「ほざけ。哀れみの間違いだろう。もしかしてタツ……お前友だちが多ければ多いほどいいとか思ってるタイプか?」

 

 廊下を2人で抜け、正面玄関をくぐり外に出る。

 

「そりゃあな?仲良くできる人は多い方がよくね?」

「じゃあお前、例えば友達が10人いたとしてその全員に助けを求められたらどうする?」

「……全員助ける?」

 

 裏も表もない、恐らく本心から出たタツの言葉を聞いて目が引き攣る。

 

「主人公かお前は……」

「えへへ」

「褒めてねぇよバカが。そんなこと無理だろって話をしたいんだよ僕は」

「無理かどうかはやってみないとわかんないじゃないか」

 

 心底不思議そうな顔をするタツ。

 僕は思わず頭を抱える。

 

「そりゃあそうだが……じゃああれだ全員に遊びに誘われたらどうする?同じ日に同じタイミングで」

「……それは、まぁなんとかリスケしてもらうしかないな」

「だろ?」

「だろって何がだよ」

 

 僕ははぁ、とため息をついて肩をすくめる。

 

「リスケして全員と遊べたとして、その時にはもう自分の時間はないじゃないかっていいたいんだよ」

「なるほど?」

 

 僕としては結構理路整然に話したつもりだが、タツのこれは完全にわかったない時の返事である。

 

 

「友だちの数が多いほど、自分が少なくなるってそう言いたいんだよ、僕は」

 

 故にこれ以上話しても、あまりが意味がないと思って僕はそう話を締め括った。

 タツはというと

「ふぅ〜ん。なるほどなぁー」

 と、わかったようなわかってないような反応をして

 

「ま。トビラは友だちが少ないってことだな!」

 

 ニシシ、と笑ってタツはそう結論付けたらしい。

 グサ、と心が抉られる音がした。

 自分で言うのと人から言われるのでダメージ量が違うと言うことはこいつは習ってこなかったのか。

 

「違う。僕は友だちいないんじゃなくて、作ってないだけだ」

「でもこの前お前がオススメしてくれたアニメで、そういうやつは友だちができないやつのセリフって言ってたぜ?」

「うぐっ」

 

 グサ、グサと容赦なく石を投げてくるタツ。

 僕のライフは既に真っ赤だ。

 これ以上続けると僕は周りも気にせず泣き喚くことになるだろう。

 だから、僕はこの話を最大限かっこよく終わらせることにした。

 

「あまり、強い言葉を使うなよ?それ以上は死人を出すことになるぞ」

 

「ふ、誰が死ぬと言うんだ?」

 

「僕だ」

 

「お前かよ!」

 




どうも藍間です。
今回も見てくださりありがとうございます。
もしよろしければ感想や評価などいただけるとやる気が……でますっ。
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