そうさく部!〜天才と出逢ったので、ゲームを作ろうと思う〜 作:藍間道逸
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カチカチ、と打鍵音が意識に入ってきて手を止める。
「ふぅ」
集中してる時は、周りの音は全部消える。
だからそれが、僕の作業の終わりの目安だった。
心地の良い疲労感と茹だった頭。
背中を椅子に倒して天井を仰ぐ。
「集中できねぇ〜」
言い訳だというのは分かってる。
でも目を閉じるといつも、あの時見た先輩の絵が脳裏をよぎるのだ。
「凄かった」
あまりの衝撃に今でもその程度の感想しか出てこない僕は物書きとしては終わっているだろう。
その衝撃を言葉にするのが僕の仕事だと言うのに。
でも、残念なことに不快ではない。
むしろ、思い出せば思い出すだけ高揚感が僕の中身を満たしていく。
ーーゾク、と鳥肌がたった。
あの時、確かに物語が頭に流れたんだ。
音豊かに、色鮮やかに。
1人の少年が英雄と言われるまでの道のりだ。
「書いて、見ようかな」
パソコンの画面で開いていたページを閉じる。
そして何もない真っさらなページを用意する。左下には0文字という文字。
これまで、1作を書き切るまで次の作品に手をつけたことはなかった。
それは、僕なりの作品への誠意のようかものだったのだが。
「ごめん」
それでも、僕はこの衝動を抑える術を持ち合わせてなどいなかった。
気づけば手は動き始めていた。
「物語の始まりはそう、例えばこんな感じ……」
カチカチ、と叩き始めたキーボードは止まることなく次々と押されていく。
「世界観は……、主人公は……、それで、この後……、いや待ってでもこれだと矛盾するか、それなら、こうか?……違う。こんなのじゃない、そう、こんな感じ、そう、そう、で……だめだ。違う、こんなもんじゃない、あの時の衝撃は、感じた理想はこんなもんじゃない、もっと、もっと……」
もっと楽しかった。もっとかっこよく、もっと素敵な物語だった。
幻想的で、だけど現実的で。
思わず先を見てしまうような、続きが気になるような、無理やり感情を動かされるようなそんな物語。
「………」
今、僕はどんな表情をしているのだろうか。
頭にある理想と今目の前で形になっていく現実のギャップにイライラする。
上手く形にできない自分の不甲斐なさに、能力のなさが悔しい。
でも、それでも
「あぁ……楽しいな」
ーーそれでも、どうしようとなく今が楽しかった。
そして、気づけば朝日は登っていて。
その少年は力尽きたようにデスクに突っ伏していた。
その傍には丁寧に梱包された封筒。
そしてデスクには20pほどの文字列が並んでいた。
その一番上にはファイルの名前
『例えば、こんな物語』
そう記されていた。
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どうも藍間です。おはようございます。
今回は、話の節目ということで少し短めです。
夢中になってるトビラ君、かっこいいです。
閑話休題。
もしこの作品が面白い、続きが気になると思っていただけましたら評価や感想などくれるとやる気が…………でますっ。