導かれし魔剣戦士   作:神鳥ガルーダ

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約5年振りの投稿になります。

最近、ダイの大冒険がアニメ化され、需要は高まっていると思い、短いですけど久々にこちらを更新します。



エンドールの武器事情

 トルネコの護衛を引き受け、ボンモールに戻ったヒュンケルが見たのは直されていた橋であった。

 なんでも中々到着しなかったドン・ガアデという建築士をボンモールに行かせたのはトルネコの御蔭であったらしい。

 レイクナバの住人であるトムという老人の息子で、村から飛び出したサムという若者が、ボンモールでコソ泥を働き捕まっていたのだが、狐に化かされたドン・ガアデを救う為にサムが飼っていた狐狩りの得意な犬によって、ドン・ガアデを救った功績により、恩赦されたらしい。

 トルネコは橋が直るまで、レイクナバで雇われ武器屋の仕事をしていたらしい。

 そして、エンドールに行きモニカ姫に謁見し、ボンモール王子リックの親書を渡す依頼を受けていたらしい。

 ボンモールは、大国エンドールに戦争を仕掛け侵略したいらしいが、モニカ姫と恋仲になっていたリック王子はその事をエンドール王に伝え、なんとか戦争回避を図ろうとしていたらしい。

 確かに、今エンドールに滞在しているヒュンケルから見ても、ボンモールがエンドールに戦争を仕掛けるのは無謀に等しい。

 エンドールが武器不足に悩まされているとはいえ、兵力差はかなりのモノだ。

 ヒュンケルも客員(ゲスト)として一応、傭兵ギルドに属している。

 たまにエンドールの兵士との合同訓練を見学する事もあるので、エンドールの兵士たちの練度を見ている(客員なので参加はしない…ヒュンケルの強さを直に知らしめると仕官話が持ち上がる可能性が高いから)。

 当然、自分やかつて共に旅をしたアリーナと比べるとかなり弱いが、一般的な兵士としては練度が高い。

 自分の世界の国でいえば、ロモスやパプニカの兵士よりも練度は高い。

 最も、ロモスやパプニカは兵士の練度はそれほどでもない。

 最強の騎士団を擁するカール、城塞王国と呼ばれたリンガイア、兵器の質が高いベンガーナなど同じ大陸に複数の国をようするギルドメイン大陸のある国々に比べると兵士の質はかなり落ちる。

 まあ、パプニカは賢者を擁する国でもあるので、魔法兵団は強いが…。

 それに武器不足と言っても、足りないのは剣であり、戦争の主力兵器はどちらかといえば間合いの広い槍である。

 戦争では、槍が使えなくなった後の武器が剣になる。

 よほどの剣豪でもない限り、剣を主武装とする兵士は少ないのだ。

 そして、ボンモールはエンドールとは逆に防具不足…正直、勝算はかなり低い。

 更にヒュンケルが見た限り、ボンモールの兵士の練度はエンドール兵と大差がない。

 ならば、兵の数が多いエンドールの方が有利である。

 無論、戦争は兵力だけで勝敗が決するわけではないが……ボンモール王としても戦争をするのは今回が初めてらしい。

 初めての戦争で世界一の大国に攻め込むのは、いくら何でも現実的ではない。

 

 

 

 

 

 結局、親書のやり取りでエンドールとボンモールの戦争は回避された。

 ボンモール王は次のエンドール王が自分の息子である事に満足し、領土的野心を満たせた様だ。

 リック王子とモニカ姫の間にできた子供にそれぞれの国を継がせる事になる様だ。

 最も、国力的にボンモールはエンドールの属国扱いになるのだが、どちらの国の王も自分の孫になるので問題ないらしい。

 

ヒュンケル

「成程。ボンモール王はかなり単純な権力志向の持ち主のようだな」

 

トルネコ

「まあ、無駄な戦争が回避できたのですから」

 

 トルネコは、武器商人とはいえ死の商人というわけではない。

 怪物(モンスター)という驚異がある以上、武器の需要は無くならない。

 わざわざ人間同士で戦争しなくても、十分需要があるからだ。

 

トルネコ

「私としましては、今回の事でエンドールに店を構える事を認めて頂けたので、万々歳ですよ」

 

 トルネコは今回の戦争回避の立役者として功績を認められ、エンドールで店を開く許可を貰えたのだ。

 正直、これほど簡単に許可が下りるのは稀である。

 何より、エンドールにはすでに武器屋があるのだ。

 世界一の大国とはいえ、城下町の規模はベンガーナに比べると小さい。

 ベンガーナは二つの世界一の大国と言えよう。

 なので、武器屋も一軒あれば十分なのだ。

 

ヒュンケル

「にも関わらず、新たな武器屋の開店許可が出たのは、トルネコの功績だけではなく、やはりエンドールの深刻な武器不足が原因だろうな」

 

 以前に記したが、エンドールは武器不足なので、正規兵が銅の剣を使っている有様である。

 エンドールの武器屋の在庫にはナイフ系や槍系はあるが、剣系が一品も無いのだ。

 無論、この店も何とか剣を仕入れたいとは思っている様だが、その為の努力を怠っていたと言わざるを得ない。

 この世界で国が武器を仕入れるのは、国内の武器屋に受注するのが基本の様である。

 国内で不足しており、ボンモールには橋が壊れて行き来できなかったとはいえ、エンドールは定期船での貿易も行っており、アネイル地方のコナンベリーやスタンシアラ国などから輸入するという手段もあった。

 輸入分割高にはなるが、その分くらい余分に払う甲斐性はエンドールにはある。

 防具屋の充実した品揃えを見るに、武器屋は仕入れを疎かにしていたのだろう。

 主力武器が槍とはいえ、やはり帯剣は戦士や兵士にとっての誇りである。

 それが銅の剣では格好がつかないという理由もある。

 そこで、新たな武器屋を認める事で、発破をかける目的もあるのだろう。

 ブライに呆れられたエンドール王だが、調子に乗りさえしなければ為政者として無能ではない様だ。

 

 

 

 

 

 

 ちなみに現在閉鎖中のカジノには、はやぶさの剣という強力な剣があるが、これはカジノコインで65,000コインでゴールドに換算すると650,000Gになるので、現実的ではない。

 

 

 

 

 

トルネコ

「さて、問題の武器屋の開業資金ですけど……35,000Gかかります。私貯めた資金は10,000Gですから、あと25,000足りません…工面するのに時間がかかりますね」

 

ヒュンケル

「…そういえば、前にこの町の富豪の依頼を受けた事がある。その富豪は骨董品マニアで、ボンモールから南にある洞窟に眠っていると言われている【銀の女神像】を欲しがっていたな。まあ、流石に俺を護衛にしても自分で洞窟に取りに行く勇気は持ち合わせていないので、独り言の様に呟いていたが、宝探しは傭兵ギルドの仕事ではないからな。

無論、お前が自分で取りに行くというのなら、護衛として付き合うが…」

 

トルネコ

「無論です。人任せにして夢を果たすつもりはありません。当然、自分で取りに行きますとも」

 

 こうして、トルネコとヒュンケルは女神像の洞窟に向かう事になる。

 そこでヒュンケルにとって、重要な出来事が起こるとは、二人とも予想だにしていなかった。

 




トムじいさんの息子の件は、ゲームブックや小説の方にしました。
流石にゲームでは、どう考えても脱獄幇助……犯罪です。
エニックスは何故、あんなんにしたのか、今でも疑問です。



ダイの大冒険の世界の武器は、オリジナルを除きFC版ドラクエⅢに準拠しています。

つまり、市販品で最強の槍は鉄の槍になり、PS4/3DS/スマホ版にはあったホーリーランス、正義のそろばんはありません。
最強の槍は間違いなく、ロン・ベルク作「鎧の魔槍」となります。

ドラクエⅣの方はDS/スマホ版に準拠しています。

ゲームでは定期船はキングレオ地方だけでしたが、この話では別の大陸にも定期船は出ているという設定です。

カジノコインの基準は第2章の1コイン10Gです。
ちなみに第3章では、再開後は1コイン200Gになりますので、はやぶさの剣の値段は13,000,000Gになります。
そんな額の品を兵士の支給武器にしたら、いくら世界一の大国でも国家予算が無くなりますね。
いくら王制とはいえ、無理に接収なんぞすれば、カジノは閉店せざる得なくなり、最大の娯楽を失えば、国民の支持が下がり、下手すれば反乱がおきますからね。
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