転生したらカラスだった件   作:めろんムーン

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まだストックはあります……


第2羽、名前とスキル

 

 その後一通りこの世界の基本についてヴェルドラは僕に説明してくれた。

 

(そういえば、お前は元は人なのだろう?)

 

(うん、今は鳥だけど)

 

(やはり、元の種族というのは恋しいものだろう。鳥の魔物の中には人化できるものもいるという。お前は違うのか?)

 

(なるほど。ちょっと試してみるよ……というか、竜なのにそんなこと知ってるんだね……気にしなさそうなのに)

 

(むっ……少しな。余のユニークスキルで調べてみたのだ。お前も『森羅万象』を使うことができるのならば、この程度は簡単にできるはずだ)

 

 なるほどー……それで、人化はできるのかな?

 

《解。嵐鴉(テンペストクロウ)は人化スキルを所持していません》

 

 ふーん……どうすれば手に入る?

 

《導。進化などにより、力を得る切掛が必要だと推測されます》

 

 なるほど。

 

(ヴェルドラ、僕は人化は持ってないみたい。でも、進化とかでなにかキッカケがあれば人化を習得できるかもしれないんだって)

 

(ほう、進化とな……進化、進化か。名付けでもすればするやもしれぬな)

 

 

 

(名付け……?)

 

 本来名付けは知らないし、教えてもらった方がいいな。ちゃんと聞いておけばリムルの名付けの手伝いを断る言い訳に使えるし。

 

(うむ。名付けというのは、魔物にとっては一種の契約のようなものでな。親子に見立て、名を与えたものが力も分け与えるのだ)

 

(なるほど、そうすることで進化ができると……)

 

(だがなぁ……力を分け与えると弱くなってしまうのだ。我のようなこの世の上位存在でも、そんなに簡単にはせぬのだよ)

 

(むむむ、難しいなあ……)

 

《導。与えられる力の流入量を、個体名『ヴェルドラ』の回復可能な範囲で遮断することで、懸念の解消を図ることができると推測されます》

 

 ほほう?早速それをヴェルドラに伝えてみる。

 

(ほう……なるほど?しかし、それはできるのか?)

 

(うーん……どうなんだろう?僕のスキルはそう言ってるけどな)

 

(うーむ……我のユニークスキル『究明者』でも似たような結果は出ている。できんこともない、か?)

 

(……そうだ、名前の交換でもすればいいんじゃない?)

 

(しかし、それでは力の交換程度にしか……いや、お前と我では力の差がありすぎる……ということは、我が得る分よりもお前に与える分の方が多くなるのか?)

 

(……多分?)

 

 ヴェルドラさん頭いいよ……さすが、『究明者』とか持ってるだけあるわ。

 

 

 

(ならば、早速やろうではないか)

 

(待ってまって??本当にできるのかまだ未知数だから、もっと演算してからでもいいんじゃない?)

 

(……確かにそうであるな。貴様もその体に慣れてきたころに人に戻るのも違和感があろうよ)

 

(それにね、ヴェルドラ。僕は、あなたみたいな偉大な存在と同格というのは畏れ多いんだよ……)

 

(むっ?気にするな、我は許す)

 

(そうじゃないんだけどなぁー……)

 

 ま、未だ名もなきスライムが来るまで待つとしよかな。

 

 

 

(それにしてもさ、この洞窟暗いよね。ここは水晶があって明るいけど、僕が目覚めたところは真っ暗で何も見えなかったよ)

 

(む?お前、魔力感知をしていないのか?)

 

(魔力感知?)

 

 ……すっかり忘れてた……

 

(うむ。周囲の魔素を感知するものでな。魔素があれば周りを『視る』ことも『聴く』ことも可能だ)

 

(じゃ、それ教えてよ)

 

(よかろう。といっても、周囲の魔素の流れを感じるだけだ)

 

(ふむ……)

 

 感じる……感じるねぇ……確かに何か流れているような……?

 

《エクストラスキル『魔力感知』を獲得》

 

 お、できたできた。

 

《導。膨大な情報を管理するため、『嚮導者』と同期させることを推奨します》

 

 よろしく!

 

 許可した瞬間、今までの視界がより鮮明になり、音も逃さず聞こえるようになった。

 

(おおー!すごいねこれ!)

 

(そうであろうそうであろう)

 

(これで僕もなんとか生きていけるかな〜)

 

(お前は外の世界で見たら強い方ではあると思うが……まぁ、なんとかなるのは確かであろう)

 

 なんかヴェルドラが気さくに話しかけてくれるの嬉しいな。向こうもこっちも気を遣わずに済んでる感じ?

 

 

 

 あとは、自分のスキルを確認して過ごしたり、カラスみたく光物……水晶のかけらを集めたりして過ごしたりした。

 

(ヴェルドラ、鐘聞こえる?)

 

(うむ。りんごんりんごんと、人間の国で聞こえてきたことのあるような音が聞こえるぞ)

 

(うーん、これなんなんだろう)

 

(ふーむ……刻印を刻まずとも、鐘自体は鳴らせると。ますます訳がわからんな)

 

(うーん……断頭処刑とかもわかんないしなぁ、試すわけにもいかないし。嚮導者、何か使い道を考えてくれ)

 

《導。『告示者』と『執行者』を同期させることを推奨。刻印を刻び、特定の行動をして鐘の音が聞こえた相手に、死を強要することが可能となると推測できます》

 

 

 

(…………は?)

 

(どうした?)

 

(いや、なんか俺のスキルが、『刻印弔鐘』と『断頭処刑』を合わせると、刻印付きの鐘が聞こえるやつをピンポイントで殺せるとか……)

 

(……なるほど、組み合わせることで真価を発揮する類か。ならば、同期はさせておいた方が良い。幸い、刻印を刻まずとも鐘は鳴らせるようだ。よく確認するといい)

 

(……わかった)

 

 その後、色々と『嚮導者』に教えてもらったところ、『刻印弔鐘』と『断頭処刑』は以下のことができるとわかった。

 

 

 

『刻印弔鐘』は支援系のスキル。

 

・鐘を鳴らす。鐘の音があるところに転移ができる。

・印と『徳の鐘』を生み出す。この印は友好の証であり、印を持つものがこのスキルによって生み出した『徳の鐘』を鳴らせば、様々な良い効果をそのものにもたらすらしい。

・刻印を刻む。この刻印は罪人の証であり、設定した罪を犯した者には『罪の鐘』の音が聞こえる。こちらは任意で『罪の鐘』の音の聞こえる者に対して優位に立てるらしい。どう優位に立つのかはわからないが。

 

 

 

『断頭処刑』は攻撃系のスキル。

 

・心が折れた者の『首』を断つ。

・罪禍に応じて対象への干渉力が増加する。

・『首』への攻撃に対する絶対優位性の保持。また、『首』を攻撃することに関する最適行動を行うことができる。

・部位として『首』として認識すれば発動する。

・『首』を断った存在からの相性のいい力の回収。

 

 

 そして、これらを組み合わせることで、刻印を刻まれ、『罪の鐘』の聞こえたものを処刑できるらしい。

 

 

 

 ……なんだこの限定的すぎる尖りイカれたスキルたちは……もしや、耐性が『痛覚無効』しかないの、これにリソース持ってかれたからか?

 

(お前、首にどんな恨みがあるのだ?)

 

(僕、首に恨みなんてないはずなんだけどなぁ……どうしてこうなった)

 

(……前世は圧政者や暴君かなにかか?)

 

(僕、一般人だったけどなぁ???)

 

 ま、同期させて損はないし同期させておこう。

 

 願わくば、使いませんように……転スラ世界だし、無理そうだなぁ……

 

 

 




ヴェルドラ、胃袋の中で『究明者』使ってたしスキル封印されてないのでは?疑惑。ここでは解析鑑定と森羅万象のみ扱えることにしました

 ステータス
名前:なし
種族:嵐鴉(テンペストクロウ)
称号:なし
魔法:なし
ユニークスキル:『嚮導者(ミチビクモノ)』『告示者(ツゲルモノ)』『執行者(オコナウモノ)
エクストラスキル:『魔力感知』
コモンスキル:『念話』
耐性:痛覚無効

ヴェルドラ日記は

  • 各章終わりにヴェルドラ日記の章に投稿
  • ヴェルドラ復活後にまとめて投稿
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