妖精の尻尾の悪魔の守銭奴 作:魔導士ギルド【ヴィーナスフィスト】
しかし、ミス・フェアリーテイルコンテストにはなんでラキはエントリーしていなかったのだろうか?
キナナはこのときはまだいなかったけどラキは確実にいただろうに……彼女のウッドメイク、木の造形魔法は結構好きだったのに……NARUTOのヤマト隊長みたいで……
「う~ん………あたし1人で行けそーな仕事あるかな~」
ルーシィはクエストボードの前で依頼を見ていた。
「1人?ナツ達と一緒に行かねーのか」
そんなルーシィに話しかけるのは仕事行く行く詐欺師のナブ。
「それがね~」
ルーシィの話によると。グレイはジュビアの面倒をみるように頼まれて2人で仕事へ行き、エルザは新作の鎧が不具合が出て
「ゼニスは?」
そして俺は………
パチパチパチパチ!!………←ソロバンをうつ音
カッカッカッカッ!!……←書類に高速にサインをする音
ダダダダダッッ!!……←書類に決済印を押しまくる音
ビュッビュッビュッ!!←書類を分類ごとに仕分ける音
音速の如くに書類の山に囲まれながらもソロバンを弾きながら経理などの書類仕事を忙しく捌いていた。
「あれで頼める?」
「無理だな……」
「いや、手伝えや!! ルーシィはハートフィリアのお嬢様なら人並み以上に計算とか語学とかの技能は身につけてるだろ!?」バババッ
「い、いや〜、確かに身に着けてるけど……それはちょっと………」
「ナブも!! 仕事いかないならこういう内事仕事手伝え!!」カリカリカリ
「やめとく。それは俺にしかできない仕事では確実にないからな」
ナブのいう、自分にしかできない仕事はいつになったら見つかるのだろうか?
「でも仕事行かないと今月の家賃払えないし……【魔物退治】なんてできるわけないし……【深海の宝探し】……もあたし一人じゃな〜。ん?【子供向け魔法教室先生募集】!!? これなら!!」
とルーシィが依頼書を取ろうとするとガジルが横から掠め取った。
「ちょっと!! それ、あたしが見つけた……」
「早いモン勝ちだろ?」
ガジルは悪びれずに言う。
「つーかアンタこんな仕事できんの!?」
「どんな仕事やろうがオレの勝手だろーが。はりつけにすんぞ、バニーガールさんよぉ」
ガジルはルーシィにそんなことを言って依頼を受注してギルドから出ていく。俺は忙しいので無視……てか誰も手伝う気はないようだ。
「クソ〜、こんなときに限ってウォーレンはどっか行くし……アリアは帰ってこないし……レビィー! 手伝ってくれ〜、ってアレ? レビィは?」
答えたのはルーシィに泣きつかれているナツだった。
「……ジェットとドロイといっしょになんかガジル追いかけていったぞ〜……」
なんとも覇気のない言い方で答えたのだった。
(レビィはガジルに借金背負わせた事で納得してくれたみたいだったが、あの二人は不満げだったからな……)
なんの問題も起こさなければいいが……収穫祭もミス・フェアリーテイルもファンタジアの準備もしなくちゃいけないから今は忙しいから一人でも手伝いが欲しいところだけど………
「やっぱ帰ろう……調子悪ぃ……」
「待ってー、仕事行こうよ!! 家賃払えないんだってばー!!!」
ルーシィはナツのマフラーを引っ張って頼むが、ナツは強引に帰ってしまった。その時、ナツのマフラーは引っこ抜けたようだ。
そしてナツはマフラーが引っこ抜けたことに気づいてないのか、ふらふら帰ってしまった。
「うわーん」
「ナツのマフラーか………内緒で売っちまえば家賃払えるぞ?」
「え!? いや、だめでしょ!? てゆーかこんな汚いマフラー売れるわけないでしょ!!」
「ん? ナツのマフラーはドラゴンの鱗を繊維状にして編み込んだ特注品でこの世に2つとない逸品だぞ? ルーシィの黄道十二門の鍵よりたぶん高値で取引される希少な品だ」
「え……………?」
「気づかなかったか? ナツがドラゴンに育てられた……しかも7年前なんて結構最近までのことなのに誰一人それを虚言と疑わない事に……そのマフラーこそがナツがドラゴンに育てられたという事の証拠だからだよ」
「そ……そうだったんだ………」
「んで、仕事には1人で行くのか? いかないならこの書類を………」
「とりあえず今日は帰るねーーー!!!」
ルーシィは逃げて行った……ミス・フェアリーテイルコンテストのこと教えようと思ったのに……優勝賞金50万Jなのに……
……。
…………。
………………。
マグノリアの街は収穫祭のムード一色だった。
我がギルドでも【ファンタジア】というパレードを行うため、準備で大忙しだった。
しかし、その前に行われるイベントが【ミス・フェアリーテイルコンテスト】なのである。
簡単に言えばギルド内のミスコンである。今年の参加者は7人。
カナ・アルベローナ
ジュビア・ロクサー
ミラジェーン・ストラウス
エルザ・スカーレット
レビィ・マクガーデン
ビスカ・ムーラン
ルーシィ・ハートフィリア
の7人である。ルーシィはあのあと、ハッピーに聞いてエントリーを決めた。
案の定、俺は今回も誰が優勝するのかの賭けのブックメーカーを務めている。
現在1番人気はミラジェーン、次がエルザといったところである。
ビスカも人気がありそうだがアルザックがいるので人気があってもなくても複雑な感じだし、俺個人としては書類仕事手伝ってくれるレビィを応援したいがそれとこれは別。まぁレビィの応援はジェットとドロイがいるから無問題。
ちなみにカナが優勝した場合、踏み倒してる酒代に天引きする予定。
新人のルーシィやジュビアも下馬評では負けていない。
そして司会はマックス。
『マグノリアの町民の皆さん、及び近隣の街の皆さん、え? このイベント見るために死者の国から来たって人もいるの? 終わったら墓に帰ってね』
マックスはジョークを挟みつつ、ギャラリーに注目を集める。
『おまたせしました!! 我が
そして参加者によるアピールタイム。まずはカナから……
『エントリーNo.1 異次元の胃袋をもつエキゾチックビューティ!!! カナ・アルベローナ!!!』
カナはカードを取り出して周りを囲むようにカードが舞っていくと………
『水着に着替えたーーーー!!!』
「50万……いいえ、酒代は頂いたわ」
うん、カナが優勝した場合、賞金は酒代に消えるな……ただし、今までのツケを払うかたちでな……
次はジュビアだった。
『エントリーNo.2 新加入ながらもその実力はS級。雨も滴るいい女、ジュビア・ロクサー』
そしてジュビアも水着でアピール。しかしカナと違い水の身体を利用してうまくみずぎが似合うシチュエーションを作り出す。
続けてお次は第本命。ミラジェーン・ストラウスである。
『エントリーNo.3 ギルドが誇る看板娘、その美貌に大陸中が酔いしれた!!! ミラジェーン!!!』
ホントにもうかつて【魔人】なんて呼ばれていた頃の面影はないな……
そんなミラジェーンのアピールは………
「顔だけハッピー……続けて顔だけガジルくん」
「ぶーーーーー!!」
ガジルご本人は飲んでいたドリンクは吹き出していた……というか優勝候補が自滅したぞ!? いや、ブックメーカーとしては本命が負けてくれたほうが儲かるが……
『エントリーNo.4 “最強”の名のもとに剛と美を兼ね備えた魔導士
とりあえず自滅したミラジェーンに続いての優勝候補、エルザの登場、エルザは「とっておきの換装を見せてやろう」と言って換装で着替えたのは………
『ゴスロリ!!!?』
控室からルーシィの声が……しかし、意外なものできたな……やはりミラジェーンが自滅した以上、やはり本命はエルザか?
続いてレビィ、ビスカとアピールタイムが終わりいよいよラスト……
『エントリーNo.7 我らがギルドのスーパールーキーその輝きは星霊の導きか……ルーシィ・ハー………』
「だーーーー!!! ラストネームは言っちゃダメェ!!!」
ちっ、ハートフィリアの名前だして金持ちアピールさせて父親にギルドに寄付させるように誘導しようかと思ったのにルーシィ自身、やはり優勝を狙ってる以上、金持ちのお嬢様アピールはできないか……
「あたしは星霊と一緒にチアダンスします」
そう言ってルーシィは鍵を出そうとすると………
「エントリーNo.8」
ん? 今回は7人だったはずなのに……ステージに割り込む女が………
「妖精とは私のこと、美とは私のこと、そう…すべては私のこと……優勝は、この私、エバーグリーンで決定〜〜♡ ハ〜イ、くだらないコンテストは終了で〜す♡」
「え〜〜〜」
エバーグリーン!! いつの間に!? てか、あいつがいるってことは………
「なにこのガキ」スチャ
エバーグリーンはメガネを外しながらルーシィを見る。
(あっ!? たしかあいつは……!!)
「え?」カチカチ
ルーシィは石になった。石化魔法……エバーグリーンのセカンドマジック……
マックスは観客に避難するように促し、俺は誘導する。マスターはエバーグリーンに「なにをする!」とお怒りだが、エバーグリーンは……
「お祭りには余興がつきものでしょ?」
そう言って控室への横断幕が剥がれていく……そこにいたのは……
ルーシィと同じように石になったミラジェーン、エルザ、カナ、ジュビア、レビィ、ビスカとコンテストに参加した女達だった。
(嘘だろ……エルザやジュビアまで……エバーグリーンはいつの間にそこまでのチカラを……?)
いや、不意打ちなら可能なのか?
そしてステージに一線の雷が落ちてそこに現れたのは……
「よォ………
「ラクサス!!」
そしてフリードとビックスローも居た。つまり、ラクサスとラクサス親衛隊【雷神衆】が揃ったのだった。
「遊ぼうぜ、ジジイ」
笑みを浮かべたまま、マカロフに語りかけるラクサス。
「バカな事はよさんか!!ファンタジアの準備も残っとるんじゃ。今すぐ皆を元に戻せ」
マカロフが言い聞かせてもラクサスのニヤニヤは止まらない。
「ファンタジアは夜だよな。さぁて何人が生き残れるかねぇ………」
ルーシィの真上に雷が……
「よせぇ!!!」
マカロフが叫んだ直後、雷はルーシィを避けて床に落ちた。
みんな、安堵でホッと息をつく。
「この女たちは人質に頂く」
ラクサスがルーシィの肩を抱いて言った。
「ルールを破れば1人ずつ砕いていくぞ。言ったろ、余興だと」
「冗談ですむ遊びと、そうはいかぬものがあるぞ、ラクサス」
あまりにも非道な行いにマカロフが怒気を含ませて言いつける。しかし、それを物ともせずにラクサスは答えた。
「もちろんオレは本気だよ」
フリードとビックスローが続けて言った。
「ここらで妖精の尻尾フェアリーテイル最強は誰なのかをはっきりさせようじゃないか」
「ーーーーつう遊びだヨ」
ビックスローの後ろでは樽の様な人形たちが「遊びー」「遊びー」と復唱している。
「ルールは簡単。最後に残った者が勝者。………バトルオブフェアリーテイル」
全員の顔つきが変わる。
まるで、本当に余興をするかの様な説明。
この中での強者を決める、という傲慢さ。
そして、ラクサスの目には大きな野心が渦巻いていた。
誰もが、ラクサスが本気だと認めざるを得なかった。
……一人を除いて……
「はっ、ミストガンもギルダーツもいない上、エルザは人質……それで最強を決めよう? 随分と小物くさいことするなラクサス」
「なんだと……」
「だってそうだろ? ギルド最強候補が全員揃ってるならばともかく、ラクサス以外の候補は全員不参加……それで最強? せめてエルザくらいは解放しろよ」
するとラクサスは……
「はっ、ゼニス……そうはいかねぇよ。お前がそうやってエルザだけでも助けようって魂胆だろ? そしてエルザとお前でエバを捕まえて石化を解かせようって作戦なのはわかってるぜ?」
ちっ、ダメか……すると今度は……
「いいんじゃねぇの? わかりやすくて、燃えてきたぞ」
さっきからずっと体調不良だったナツが復活した。
「ナツ……オレはお前のそういうノリのいいとこは嫌いじゃねえ」
ラクサスが好意的に言った。
「ナツ」
「祭りだろ?じっちゃん」
ナツは軽く腕まくりすると。
「行くぞ!!」
ラクサスに向かって飛びかかっていった。
「だか………そういう芸のねえトコは好きじゃねえ」
「オラァ――――!!」
「落ち着けよ、ナツ」
「ぴぎゃああああああああ!!!」
あっさり、雷で返り討ちにされてしまった。去年もひどくやられたのに、学習していない。
そのまま黒焦げになって気絶するナツ。
せっかく復活したのに………
そんな出来事など気にしてないかのようにエバーグリーンとビックスローが口を開く。
「この子達を元に戻して欲しければ私たちを倒してごらんなさい」
「俺たちは4人!そっちは100人近くいる。うっわぁ!こっちの方が不利だぜ!ぎゃはははっ!!」
「制限時間は3時間ね。それまでに私たちを倒せなかったら、このコたち………砂になっちゃうから」
そして宣言される女性たちの命の危機。
「バトルフィールドはマグノリア全体、オレたちを見つけたらバトル開始だ」
「ふざけおってぇぇ!!!」
怒りで巨大化するマカロフ。
「だから慌てんなって………祭りの余興さ。楽しもうぜ」
ラクサスは閃光の魔法を使って………
「バトル・オブ・フェアリーテイル開始だ!!」
マグノリアを舞台としたラクサスによる最強決定戦がはじまってしまったのだった。
しょうじき、ゼニスはフリードの年齢制限術式を通れるのだろうか? 通れないほうが普通な気も……どっちにするべきか………