妖精の尻尾の悪魔の守銭奴 作:魔導士ギルド【ヴィーナスフィスト】
「あんのバカタレめぇっ!!」
マカロフが悔しげに吐き捨てる。
「クソォォオオオオッ!!姉ちゃんたちを助けねえと!!」
「あいつらぁぁ―――――!!!」
エルフマンたちはラクサス達を探しに外へと駆けだした。
ギルド皆が一丸となって全員で女性たちを助けようとしている。
「ワシが………ワシが止めてやるわ!!クソガキがっ!!」
(エルザもミストガンもギルダーツもいない今、ラクサスを倒せる可能性のあるのは俺しかいない。最悪、正体を晒してでも止めなくては!!)
怒り心頭のマカロフ。迷いがありながらも俺もギルドの出口に向かって走る。―――――が。
ゴチ―――――ン!!✕2
外に出る一歩手前で見えない壁にぶつかったかのようにマカロフと俺の動きが止まった。
「何やってんだじーさん、ゼニス!」
「なんじゃコレは!? 進めん! 見えない壁じゃ!」
「これは……まさか!?」
マカロフが外に出ようと体を押し付けるが、やはり何かに阻まれ出れない。
「こんな時にどーしちまったんだよ。見えない壁なんかどこにもねーだろ」
「んごおおおおお!!?」
グレイがマカロフを引っ張ってみても確かにマカロフだけがこっちに来られない。
その時、空中に文字が浮かんだ。
「これは………フリードの術式か!?」
フリードの術式!!? ということは……
「結界の一種じゃ。踏み込んだものを罠にはめる設置魔法。おそらく、このギルドを囲むようにローグ文字の術式が書かれておる!」
反芻するグレイにマカロフが説明する。
「術式に踏み込んだ者はルールを与えられる。それを守らねば出ることはできん。見よ」
グレイはマカロフに言われて浮かんだ文字を見た。
<ルール「80歳を超える者と石像の出入りを禁止する」>
「何だよこの言ったモン勝ちみてーな魔法は!?」
つまり、この場合80歳を超えるマカロフと石像になったエルザたちは外に出られないということである。
「術式を書くには時間がかかる………ゆえにクイックな戦闘には向いておらんが罠としては絶大な威力を発揮する」
そう、フリードはその術式を最善の方法で活用し使って戦う。頭の良さならギルド内でもトップクラスだ。前に俺の財政管理の書類仕事手伝ってもらったこともあるがミスなしでできるため、俺は高評価していた。
「【年齢制限】と【物質制限】の二重術式……フリードのやつ、いつの間にかここまでできるようになっていたのか……」
「ゼニスでも破れないか?」
「書き換えるのにしても、俺じゃ時間がかかる。3時間じゃ無理だ……レビィならもう少し早くできるかもしれないが……」
「あの状態ではな……」
まさか俺もこの年齢制限に引っかかってしまうとは………
しかし、これでは俺も雷神衆を倒せない……
「初めからじーさんとゼニスは参加させる気がねえって事か。周到だな。いや、ゼニスは予想外か?」
グレイはそう吐き捨てるとマカロフに背を向けて駆けだした。
「こうなった以上オレたちがやるしかねえな」
「グレイ!」
マカロフの呼びかけにも振り向かずにグレイは覚悟の決まった目つきで走る。
「アンタの孫だろうが容赦はしねえ。ラクサスをやる!」
グレイはそう言って街へ向かった。
しかし、ラクサスの実力は本物だ。倒せるとしたらギルダーツかミストガンだが……しかし、どちらもいないし、エルザ……石になってるし……石化を治す類の魔法のメダルはない……アリアやガジルも強くはあるがどこまでラクサスに通用するか………
そんなふうに考えていると………一人だけ飛びださずに扉の陰に隠れて震えているリーダスを発見した。
「ご………ごめ………オ………オレ………ラクサス怖くて………」
ギルド内でも屈指の温厚なリーダスなら仕方ないな……
「よい、それより東の森のポーリュシカの場所は分かるな?」
「ウィ」
「石化を治す薬があるかもしれん。行ってこれるか?」
「ウィ!そーゆー仕事なら!」
なるほど一人だけでも残っていてよかった。リーダスには悪いがあいつはあまり戦闘力は高くない。
なので、別方向から石化を治すことに協力してもらうことにしたわけだ。
そしてポーリュシカさんならなんとかできるかもしれない。
「ごあ―――――っ!!!」
そこで、ようやくナツが起きた。
「あれ!?ラクサスはどこだ!?つーか誰もいねえ!!」
気絶している間に皆出ていってしまったのでナツだけ置いてけぼりになってしまったのだ。
(ナツが本気になれば………もしかして………)
ナツを見たマカロフは彼に可能性を賭けた。
「祭りは始まった!!ラクサスはこの街マグノリアの中におる!!倒してこんかい!!!」
「おっしゃああああああああああ!!!」
マカロフからもはっきり許可を得たためかテンション爆上がりのナツ。雄叫びを上げながら外に突っ込んでいく!
「まってろォラクサスゥゥゥ!!!!」
ゴチーン!!
外に出る直前、ナツは先ほどのマカロフのように見えない壁にぶつかった。……っては?
「なにこれ?」
「「「ええええぇぇぇぇ!!!?」」」
なんでナツが出られないんだよ!? ナツは80超えてるのか!? 石像でもないぞ!?
(そういえばナツはイグニールと出会う前の事は全然覚えていないとか自分の年齢とかわからないって言っていたし何年くらい一緒にいたのかもわからないって言ってたが、まさかナツも俺と同じで人外で80年以上……? いや、だとしたらビックスローが知らないわけが……あいつ、今にして思えば俺やロキの正体、正確になにかはわかっていなかったが人とは違うと感づいてはいそうだったし……)
そんな事を考えていると、術式の壁に何やら文字が浮かびだした。
「バトル・オブ・フェアリーテイル途中経過速報?」
そこにはさらにこう書かれていた。
《ジェットVSドロイVSアルザック》
は? なんでこの3人が? まさか街中に術式が張られていて味方同士で戦わされているのか!? だとすると街の人が巻き込まれないように魔導士以外には適応されないように作られているはず……そんなことを考えていると……
《勝者 アルザック》
三つ巴の戦いはアルザックが勝利……ビスカを助けたいアルザックとレビィを助けたいジェットとドロイ……激戦だったに違いない……そんなこと言っていると、次々と味方同士の戦いの速報が刻まれていく。そして……
《
43人!? 同士うちでもう半分以上戦闘不能に!?
「マスター、リーダスをポーリュシカさんのところへ向かわせるのはやめたほうがいい」
「なんじゃと!?」
「ウィ?」
「おそらく街中に術式が張られてる。多分魔導士は街の外へも出られないようにされてるはずだ」
「な……そ、そうか……」
「だからリーダス、街の中へウォーレンを探しに行ってくれ」
「おお! そうか!! あやつの念話ならポーリュシカに連絡を……」
「街の端っこギリギリならポーリュシカさんのいる森の中の家まで届くかもしれない。ダメなら町民の誰か信用できる人に行ってもらおう……魔導士以外には適応されないように作られているはずだからな……」
「ウィ、わかった!!」
そう答えてリーダスは走って行った。
そしてナツは……
「くぅ〜〜〜、オレもまざりてぇ!!! 何なんだよこの見えねぇ壁はよぉ!!!」
あ〜、うん、ナツはそうだよな……マスターも「まざってどうする」とナツにチョップ。
「最強決定トーナメントだろ、これ!!!」
いや、トーナメントと言うには殺伐としすぎだろ……仲間の命までかかっていて石にされた7人は砂にされてしまう……
マスターも否定するがナツは言う……
「いくらラクサスでもそんなことはしねーよ。ムカツクやつだけど同じギルドの仲間だ。ハッタリに決まってんだろ」
と言う。その考えはなかったな……しかしハッタリか……たしかにそう考えたらそうかもしれないが……
すると経過速報に『エルフマンVSエバーグリーン』『グレイVSビックスロー』『フリードVSアリア』の名が刻まれた。雷神衆が動き出したようだ。
……。
…………。
………………。
「やはり街の外へは出られませんか……悲しい!!」
「元
「あなたは……フリードさん」
「バトルフィールドはマグノリア全体。それが掟だ」
「ええ、一応聞きますが、あなたさえ倒せば、この街中の術式も消えるのですか?」
「いいや、街の術式にはすべて『オレ自身がリタイアした場合でも術式の効力はゲーム終了まで続行する』としてある。オレを倒しても術式はゲーム終了まで消えない」
「そうですか……では、あなた達雷神衆とラクサスさんを倒さねば終わらない……悲しい!! ですが、やるしかありません!!」
「元ファントムのお前はそこまでギルドの為に戦わないと思っていたのだがな……借金返済のためか?」
「いいえ、もちろん入ったきっかけはそれかもしれませんが、今は違います。その答えはフリードさんもわかってはいるのでしょう?」
「そうだな……だがオレはラクサスが最優先だ」
「そうですか……元エレメント4の筆頭、そして今は
「ラクサス親衛隊【雷神衆】……覚悟!!」
ゼニスは出られないになりました。
出られるにしてビックスローと戦わせようかとも思いましたが、やはり出られないのが自然かなと……
あとアリアの口調がわからん……