妖精の尻尾の悪魔の守銭奴   作:魔導士ギルド【ヴィーナスフィスト】

2 / 19
エルザ登場回です。

色々カットしてしまいましたが、コツコツ進めます。


妖精女王帰還

 先日、ギルドに入り、住むところを決め、ナツ、ハッピーとともに初仕事へ行き、帰ってきたルーシィは依頼主の事情もあり、結局タダ働きとなってしまったらしく、新しい仕事を探していた。

 

「えっと、魔法の腕輪探し………呪われた杖の魔法解除………占星術で恋占い………火山の悪魔退治!? 魔道士っていろんな仕事があるんだなぁ………」

 

 クエストボードの前で仕事を探しているルーシィは改めて魔道士の仕事について考えていた。

 

「早く稼いでくれよ………俺への仲介マージンまだ支払われてねーぞ〜」

 

「し、仕方ないでしょ!? 前の依頼、ナツが報酬受け取らないとか言ってタダ働きになっちゃったんだから!?」

 

 まったく、依頼主にどんな事情があったのか知らんが金は受け取っておけよ………

 

「気に入った仕事があったら私に言ってね、今はマスターいないから」

 

 ミラがそういうとルーシィも気がつく。そうか、もう定例会の時期か………

 

 ルーシィはなんのことかわかっておらず、ミラジェーンがざっくり説明する。

 

「魔法界で一番偉いのは政府との繋がりもある評議員10人。魔法界における全ての秩序を守るために存在しているの。犯罪を犯した魔道士をこの機関で裁く事ができるのよ。そしてその下に居るのがギルドマスター。評議会での決定事項を通達したり、各地方のギルドとの意思伝達を円滑にしたり、私達をまとめたり………まぁ大変な仕事よね?」

 

「知らなかったなぁ………ギルド同士の繋がりがあったなんて」

 

「当たり前だろ。需要と供給は1つのギルドだけで完結はしない。依頼だってうちで裁けない依頼は別ギルドにまわしたり、逆に別ギルドからまわしてもらったりしてより多くの依頼をこなして稼いでいるんだ。まぁ、回されすぎて焦げ付き依頼になることもあるが……しかも、うちのマスターは意外にも顔が広いしな」

 

「ギルド同士の連携は大切よ? これをお粗末にしてると………」

 

「黒いヤツらが来るぞぉぉぉぉ!!」

 

「あいィィィィ!!」

 

 ナツとハッピーがルーシィを驚かす。ビビったルーシィをビビルーシィなどと茶化して落ち着いたルーシィが疑問に思う。

 

「黒いヤツらって?」

 

「闇ギルドの事だよ」

 

「そう、時には暗殺や犯罪などにも手を染める悪質で危険な連中よ」

 

 ルーシィは絶対に会いたくないといい、再び仕事を探し始める。

 

 すると今度はナツとグレイがいつも通り喧嘩を始め、ロキがルーシィを口説きかけたが………

 

「おいロキ、ルーシィは平気なのか? 星霊魔道士だぞ?」

 

「なんだってエエエ!? すまない、僕らはここまでにしよう!!」

 

 ロキはルーシィから逃げ出した。昔、星霊魔道士に何かされたらしい。

 

 そしてしばらくするとロキが戻ってきて言う。

 

「エルザが帰ってきた!!!!」

 

「「あ゙!!!!?」」

 

 ナツとグレイはビビる。知らないルーシィはミラに聞く。

 

「ね、ねぇエルザさんって誰ですか? 二人の反応からしてヤバそうなんですけど……」

 

「エルザは妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強の女魔導士と言われているのよ」

 

「最強!?」

 

妖精女王(ティターニア)って聞いたことないか?」

 

「ある!? 妖精女王!?」

 

 そして、帰ってきた【エルザ】は巨大な角らしきものを片手で肩にかけて、ズシンズシンとギルドに入ってきた。

 

「今帰った。マスターはおられるか?」

 

「定例会だ」

 

「そうか……」

 

 エルザは担いでいた角を地面において一息つく。当然周りの連中はその角らしきものに疑問を持って質問する。

 

「これは討伐した魔物の角をお礼と村の者が装飾を施してくれた物でな、綺麗だったので土産にしようと思ってな・・・迷惑だったか?」

 

「いんや、ナイスだエルザ! こいつは確か一部の職人に高く売れる逸品だ。うまく金額を釣り上げれれば今月分の赤字を埋められる! むしろお釣りがくるな!」

 

「そうか……飾ろうと思ったが、赤字なら仕方ないな。それよりお前たち、また問題ばかり起こしているようだな。マスターが許しても私は許さんぞ」

 

 エルザは何人かを学校の風紀委員のように注意していく。

 

「カナ……なんて格好で飲んでいる。ビジター、踊りなら外でやれ。ワカバ、吸い殻が落ちているぞ。ナブ、相変わらずクエストボードの前をウロウロしているのか? 仕事しろ」

 

 いいぞいいぞ、もっと言ってやれ!

 

「ゼニス、お前も金の事ばかり考えないでたまには他にないのか? 美味しいものを食べるとか、ファッションとか」

 

「いや、ねーよ……」

 

 てかそれはエルザの趣味だろ……エルザは話を変えてキョロキョロする。

 

「そういえば、ナツとグレイは居るか?」

 

「そこにいるぞ」

 

「や、やぁ………エ、エルザ!今日も俺達、な、仲良くしてるぜ………!!」

 

「あいー!」

 

「ナツがハッピーみたいになってる―――!?」

 

「2人とエルザはいわゆる幼馴染というやつでな、ガキの頃は一緒に風呂に入ってた仲なんだが、その頃から2人ともエルザに頭が上がらなくてな」

 

「そうなんだ……」

 

 エルザは2人を見て言う。

 

「そうか………親友なら時には喧嘩もするだろう。しかし私はそうやって仲良くしているところを見るのが好きだぞ」

 

「い、いや………俺達別に親友って訳じゃ………」

 

「あい」

 

「こんなナツ見た事ない………」

 

「ところで、ナツ、グレイ、ゼニスに頼みたいことがある」

 

「エルザが俺等に?」

 

「私も本来ならゆっくりしたいところだが・・・そうもいかない状況になってしまった。普通はマスターの許可を仰ぐところだが、今、マスターは居ない。よって、早期解決が望ましいと私が判断した」

 

周りのメンバー達がざわめく。

 

「ど、どいうことだ!?」

 

「エルザが誰かを誘うなんて滅多にないことだぞ………!」

 

 そのとおりだ。つまり、かなり急を要する案件ということか?

 

「こいつと………」

 

「チームだと………」

 

 ナツとグレイは不満そうだが、拒否権は無いと思っているようだ。

 

「日時と場所と必要予算は?」

 

「助かる。出発は明日だ。準備しておけ。詳しいことは明日話す」

 

 そんな中、見ていたミラジェーンがつぶやく。

 

「これって……妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強チームかも……」

 

 確かに……シャドウギアや雷神衆よりは強いかも……主にエルザのおかげで……でも他にも最強で心配なことがあるが……大丈夫だろうか?

 

 ………………。

 …………。

 ……。

 

 こうして俺らはエルザの頼みを聞くことになったのだった。 

エルザの頼み事を聞くべく、俺、ナツ、ハッピー、グレイ、ルーシィはマグノリア駅へ来ていた。

 

「ルーシィも大変だな~、ナツとグレイのお目付け役に任命されるなんて」

 

「本当によ! てかお目付け役ならハッピーがいるじゃない!」

 

「あい!」

 

「おいまて、俺もナツやグレイの同類扱いか!?」

 

 ルーシィもここ数日でギルド内の面子に理解が及ぶようになったな……

 

 そしていつも通りナツとグレイはケンカをしていてエルザが到着。

 

「荷物多っ!!」

 

 相変わらずだな。異空間に入れとけよ………

 

 エルザとルーシィはお互いに自己紹介をしているとナツが割り込んできた。

 

「なんの用事か知らねぇが、今回はついてってやる。条件付きでな」

 

「条件?」

 

 ナツがエルザになんの条件つけんだよ……金か? グレイは珍しくナツを心配してナツはエルザに条件を言い渡す。

 

「帰ってきたら俺と勝負しろ、あのときとは違うんだ」

 

 はぁ!!? 何を言ってんだ!? このバカは……前にボコられたのにまだやる気なのか!?

 

 エルザも承諾して無事に帰ったらエルザとナツの勝負が行われることが決まった……とりあえず俺はその時にはどっちが勝つかのトトカルチョの準備でもするか………

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

「うっぷ……おぅ……うぇ……」

 

 列車に乗ると、ナツはいつもどおり、乗り物酔いで潰れていた……

 

 とりあえず俺等の列車代は経費で落とせるな……

 

 うっとおしく思ったグレイは文句をタラタラ言い、エルザは自分の隣に呼んで、ナツの腹に一撃入れて気絶させた……いや、最善手だとは思うが、他になかったのか?

 

 そしてナツが静かになったところで俺等は会話が弾みだす。

 

「そういやあたし、フェアリーテイルでナツ以外の魔法見たことないかも……エルザさんはどんな魔法使うんですか?」

 

 エルザは「呼び捨てでいい」といって自分よりグレイのほうがきれいな魔法を使うといい、グレイは魔法を使う……

 

「氷の魔法さ」

 

「あっ、だからナツと相性悪いのね」

 

「カンケーないだろ、それは………」

 

「ちなみにゼニスは?」

 

「俺は最初から呼び捨てかよ……まぁいいが……お前と同じホルダー系だよ……鍵じゃなくてメダルだがな……」

 

 俺は魔法メダルを数枚出して説明する。

 

「このメダルにはいろいろな魔道士の魔法が付与(エンチャント)されていて、俺の魔力を流すことで俺がその魔法を一時的に使用できるようになる。まぁ、使い捨てだがな……」

 

「へぇ~、いろんな魔法があるのね~。どうやって作られてるの?」

 

「メダルの製造方法は完全に秘匿させてもらってる。マスターにすら秘密にしてる。当然、お前にも教えん」

 

「なによ、ケチ……あっ、だから銭ゲバの守銭奴なのね?」

 

「そのとおり!!」

 

「いや、いばんな!?」

 

 そして、エルザが本題に入る。今回はなんの目的で呼ばれたのかを……

 

「仕事帰りに偶然立ち寄ったオニバスにある魔導士が集まる酒場で4人組の男達が集まり、封印されていると言われる『ララバイ』という魔法について話していた。その『ララバイ』には封印が施されているらしく四人組の一人である、『カゲ』と呼ばれる人物が封印を解き『エリゴール』という人物に届けると言っていた」

 

「ララバイ……何処かで聞いた事あるような気はするな……」

 

「詳しくはわからんが封印されているということは危険な魔法には違いない。そして私は『エリゴール』の名を思い出して奴らの正体に確信がついた」

 

「エリゴール? ………鉄の森(アイゼンヴァルト)か!!」

 

「そう、死神 エリゴール。暗殺系の依頼をこなして六年前に魔導士ギルド連盟から追放されたギルドだ」

 

「本来、暗殺系の依頼は正規ギルドではどんだけ大金積まれても受注するのは禁止されている。それでも活動を続けて闇ギルドとなったのがその鉄の森(アイゼンヴァルト)だな」

 

「なんか帰りたくなってきた………」

 

「ルーシィ、汁が出てるよ~」

 

「汗よ!」

 

 エルザは拳を握った。

 

「不覚だった!………あの時、エリゴールの名に気付いていれば、全員血祭りにあげることができたものを!」

 

「怖っ!?」

 

 そんなことをしているうちに目的地のオニバス駅に到着し、エルザの大量荷物を一緒におろしつつ、話を続ける。

 

「とりあえず血祭りにあげるのはやめておけ、もし違ったら賠償問題になるぞ? せめて金が関わらない方法をとってくれ、評議員に情報を売るとか、あとをつけてそれっぽいものや金目の物を奪って売るくらいでよかったろ?」

 

「ここでも金の心配かよ」

 

 まぁ、ここまでの話からエルザの目的は………

 

鉄の森(アイゼンヴァルト)に乗り込むぞ」

 

 というわけだ。奴らが何人残っているのかはわからんが、エルザ1人では限界があるということか……グレイとナツと俺を呼んだ理由がわかった気がしたな……

 

「本拠地はここにあるのか?」

 

「わからん。が、聞き込みや調査をするならゼニスは適任だろう」

 

 こうして聞き込みをしようとしたら問題が発生した。

 

「あれ? やだっ……嘘でしょ!? ナツがいないんだけどっ!!」

 

 あっ、列車の中に忘れてきた………しかも列車もう発進してるし………

 

 エルザは駅員さんに列車を止めるように言っているがもちろんそんなことは無理。

 

「エルザ、やめろ。列車なんて止めたら賠償問題じゃ済まないぞ、ハッピーに列車追いかけてもらって………」

 

 俺がそこまで言うと、ハッピーが緊急停止信号のレバーを引いて列車に停止信号を送ってしまった……

 

「ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙っ!? またギルドに請求書が………赤字がぁぁ」

 

「安心しろゼニス、賠償は最悪私が払う! あと、列車を追いかけるために魔導四輪をレンタルしてきてくれ!」

 

「経費にならんぞ?」

 

「それも私が払う!! 急げ!!」

 

 無茶振りをしまくるエルザ。その様子をみてルーシィは呆れていた。

 

「フェアリーテイルってみんなこんなのなの?」

 

「おいこら、聞き捨てならないな」

 

「俺らはまともだぞ?」

 

「銭ゲバと露出魔のどこが!?」

 

 とりあえず俺はエルザの言う通り、魔導四輪をレンタルしてエルザに運転させて列車を追う。ハッピーが一時的に停止させたが、すぐに再発してしまったためどんどん距離は離れていく。

 

 すると列車の窓からナツが飛び降りてきた。

 そして飛んできたナツは乗り出していたグレイとぶつかり、魔導四輪を止めた。

 

 ナツの話によると、列車の中で変な奴に絡まれたらしい、その相手は………

 

「バカモノォォッ!!」

 

 鉄の森(アイゼンヴァルト)のカゲとか名乗るやつだったらしい……まさか目的の人物が乗っていたとは………しかし、ナツは話していたときには気絶していたため俺等の目的を知らなかった上、乗り物酔いで捕まえることも倒すこともできなかったらしい……

 

「んで、そいつ変な笛みたいなの持っていたな……三つ目のドクロがついたやつ」

 

 ………三つ目のドクロ? 笛? そんでララバイ………はっ!?

 

「そうか!? 呪歌のララバイ!?」

 

「そうよ! それ!? ゼニスも気づいた!?」

 

「どういうことだ?」

 

「かつて、黒魔道士ゼレフが呪殺のための道具だった笛をさらなる魔笛へ進化させた集団呪殺魔法【ララバイ】その笛の音を聴いたものは全て命を奪われるとされてる禁断の魔法だ!!」

 

「そう、あたしは本でしか知らなかったし、実在するなんて思わなかったけど……」

 

「黒魔道士ゼレフの遺産はフィオーレのいたるところにある。ララバイもそのうちの1つだ。封印が本当に解けたならやばいぞ」

 

 俺等は魔導四輪を再び走らせて次の駅であるクヌギ駅へ向かった。が、時すでに遅しで鉄の森(アイゼンヴァルト)の連中は列車をジャックして次のオシバナ駅へ向かったらしい。

 

 エルザは魔導四輪を再び走らせて向かうが……

 

「おい、この魔導四輪、レンタル品だから無茶して壊すなよ!」

 

「人の命がかかっているんだ! 金には代えられん!」

 

「それにSEプラグが膨張してる! エルザ自身の魔力も持たんぞ? 運転変わるか?」

 

「なに、いよいよとなれば棒きれでも持って戦う!」

 

 いや、たしかにエルザなら棒きれ1本でも100人くらいは余裕でしばき倒しそうだが……

 

 そんな会話を俺とエルザでやっている中、ルーシィとハッピーは何か話してた。

 

「オイラ、何かルーシィに言う事あった気がする。忘れたけど」

 

 忘れたならあとにしろよ……ルーシィは乗り物酔いでダウンしてるナツを介抱しながらきいているが、ハッピーは結局思い出せずにオシバナ駅に到着した。




次回、ようやく戦闘回です。

ゼニスの実力はいかに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。