妖精の尻尾の悪魔の守銭奴 作:魔導士ギルド【ヴィーナスフィスト】
ララバイと
あのあと、闇ギルドが定例会を狙ったことは大ニュースとなり、カゲヤマ含めて
そしてもう1つ疑問が残った。
ララバイが現場から消えていたのである。俺等の攻撃で消滅したのか、もしくは誰かが持ち去ったのか………もしくはヤツがゼレフ書の悪魔ということは……もしや……
そしてそんな心配事は忘れ、今日はナツとエルザの約束である、ナツとエルザの戦いの日だ。
「さぁ、はったはった! 今のところ8対2でエルザのほうが優勢だよ〜」
この試合の賭け金の担当をしていた。
ルーシィやグレイも見に来て言う。ルーシィは最強チームの2人が戦ったらまずいだのなんだの言うがグレイはぽかんとしながら言う。
「最強チーム?なんだそりゃ」
そういえばグレイはミラジェーンがそう言ってたとき、ナツと緊張で固まってて聞いてなかったっけ? しかし、ルーシィも勘違いしてるようだな……
「エルザとゼニスとナツとあんたでトップ4でしょ?」
「はぁ? くだらねぇ、誰がそんなこと言ったんだよ」
「ミラジェーンだよ」
「(しくしくしくしく)」
「ミラちゃんだったのか!?」
やれやれ、ルーシィに説明してやるか……
「別にミラジェーンもトップ4とかそういう意味で最強チームって言ったわけじゃない。ただ、人間関係とか魔法の相性とかが他のチームよりも良くて強そうだからそう言ったんだよ」
「そうなの?」
「俺も実力者の自覚はあるが、うちにはまだまだ強い魔道士はいる。ラクサスやらミストガンやらギルダーツやら……名前くらいは聞いたことあるだろ?」
近くにいたレビィやエルフマン達も会話に加わる。
「【最強の女】はエルザで間違いないと思う」
「だが【最強の男】は誰か定かじゃねぇ」
その通りだ。そもそもナツもグレイも俺も【最強】と呼ばれるには決定的に足りない資格がある。
「なんにせよ、面白い戦いにはなりそうだな」
「そうか? 俺の予想じゃエルザの圧勝だが」
エルフマンもグレイも考えが甘いな。
エルザは【炎帝の鎧】に換装してナツの炎を対策するつもりのようだ。エルザもナツを侮ってはいないようだ。
「ねぇ、ゼニス。やっぱりエルザにかけていい?」
「ダメ。一度かけたら変更はできませーん」
「なんて愛のない奴らなの!!」
そしてマスターが合図を出し、戦いが始まった……のだが……
「そこまでだ」
パアンと手をたたき、現れたのは……
「全員、その場を動くな。私は評議員の使者である」
評議員だと!? なぜここに……あっ!?
「今期分の税金やその他諸々金は全額払ったはずだぞ!?」
「その件ではない」
「真っ先に疑うのはそれなのね……」
金の話ではないとすると……なぜここに? 評議員は語りだす。
「先日の
……………は?……………
……。
…………。
………………。
エルザが捕まってしまい、ギルドの中はナツはトカゲの姿に変えられビンの中に詰められながらも暴れている。ほかは心配そうにしている。そんな中俺は………
「(パチパチパチ)……ん〜、やっぱりここの予算をもう少し削って……(パチパチパチ)」
1人、ソロバンを弾きながら帳簿をつけていた。
「いや、ゼニス!? こんなときに帳簿つけてる場合!?」
「あ? 場合だが?」パチパチ
「あんたは仲間のことより金のほうが大事だったの!? あんたもギルドの仲間なら……」
「いや、エルザを助けるために帳簿をつけてるんだが?」パチパチ
「へ?」
「もし、評議員相手にちからづくでエルザを取り戻しても俺等が闇ギルド扱いになるだけだ。だから牢から出すための【保釈金】。壊したものの【弁償代】、直すための【修繕費】、今回のことを見逃してもらう為の【示談金】、頭の硬い議員達を説得するための【賄賂金】やら、なんやら集めて正規の方法とは言えないがギリギリのラインで死刑判決を見逃してもらうために帳簿を調整して金を集めて堂々とエルザを取り返すために俺は今、帳簿をつけているんだよ………」パチパチパチ
「ゼニス……ご、ごめん……ゼニスのほうがきちんと考えていたのね……」
「謝罪はいい。俺自身、そう思われても仕方ない行動をしてるしな……でも、金よりも仲間が大切というのは俺もわかってる。金は金より大事なものを守るために必要なものだ。……しかし、それでもやっぱり足りないな……ミラジェーン、今月のソーサラーのグラビラのギャラ、こっちに使っていいか?」パチパチパチ
「ええ、使って頂戴!」
「サンキュー、あとは俺の貯金や分割にしたカナの酒代やロキの議員の孫娘への慰謝料の支払いをギルドの経費払いから本人払いに変更してその分をこっちに回して……」パチパチパチ
「いや、ちょっとまて!?」
「そこは相談してくれないか!?」
カナとロキが何か言っているが俺は無視。
「あとは今度作る予定だった売店の出店費もこっちに……あと前々から頼まれてたビスカもソーサラーでグラビア掲載させてギャラも先払いにしてもらってこっちへ入れてルーシィとレビィをヌード掲載に売っぱらい……」パチパチ
「いや、なんか今、不穏なこと言わなかった!?」
「わ、私は本を売るから、身体売るのは勘弁して!?」
(お、レビィは割とレアな本いっぱい持ってるからな。あとは……)
俺はギルド内の面子をジーと見て周る……
「お、俺はタバコ代を少し節約しよっかな〜」とワカバ
「し、出店したときに売ろうと思ってた売り物の制作費、よかったら使ってくれ!」とマックス
「い、今から最速で終わって稼ぎのいい仕事ないかな~」とナブ
「今から広場でダンスを披露しておひねりもらってくるのである!」とビジター
「漢なら己の食い扶持を減らしてでも仲間を助けるべし!」とエルフマン
「「レビィが出すなら俺達も!!」」とジェットとドロイ
などなど、いろいろなメンツが協力してくれた……でも足りない……
そう思っていると……
「ゼニスやめい。金を工面できたとしてもその方法は正々堂々とはいえん。むしろ贈賄罪に問われる可能性が増えるだけじゃ、金も皆に返せ」
マスターに止められてしまった……くそ、贈賄罪を忘れていた……
すると今度はビンに閉じ込めていたナツが……
「出せー!」
「本当に出してもよいのか?」
ん? マスターの返事にナツのやつ急に大人しく……まさか!?
マスターはナツ?を出すが現れたのは……
「マカオ!?」
ナツと同じ火の魔道士、マカオだった。なんでもナツには借りがあって身代わりになったらしい……
なら本物のナツは!? やべぇ! 評議員殴って、本当にうちが闇ギルド扱いになる可能性が!?
なのにマスターは……
「全員、黙っておれ、静かに結果を待てば良い」
何故か冷静だった……まさかと思うが……もしかして………
……。
…………。
………………。
翌日、ナツとエルザはあっさり帰ってきた。
やはりというかなんというか、今回の逮捕は【儀式】だったらしい……なんでも魔法界の秩序を守るためにも評議会として取り締まる姿勢を見せなければいけなかったらしい……
つまり、形だけの逮捕で有罪判決にはなるが罰は受けなくてよかったらしい……
しかし、ナツが暴走して評議会に乗り込んだせいで1日は牢屋に入れられてしまったらしい……
まったく……心配して損した……
「で、エルザとの勝負はどうなった?」
周りも「あ!」という感じに思い出す。そしてナツはエルザに挑むが……「やれやれ」といった感じに……
スパゴーンッ!!
エルザのフルスイングにナツは惨敗したのだった。あーあ、大番狂わせなしか……
そんなことを思っていると……
パタン、パタン、パタンとギルド内の面子が次々に眠っていく……俺も眠くなる……これは……ミストガンか……
ミストガンはシャイなせい?か仕事へ行く前にギルドに顔を出すといつもメンバーを全員眠らせてから行く……いい迷惑だ。
すると今度は2階から声が…………うちの最強候補、ラクサスである。
「ミストガンはシャイなんだ。あんまり詮索してやるな」
ナツはラクサスに勝負を挑むが、2階へ行くことはマスターに止められているため、勝負はできなかった。
そう、2階のクエストボードにはS級クエストと呼ばれる難易度の高い仕事ばかりが貼られている。
ナツにはまだ、S級クエストへ行く資格がない。
これが俺もナツもグレイも【最強】を名乗れない理由である。
しかし、ナツもグレイも実力はつけているし、次の昇格試験には選抜されそうではあるが………
次回、ガルナ島編本格始動