万丈目準は、万丈目グループの系列病院にて兄夫婦のカルテをじっと見つめる。
「…叔父上。」
不安そうな声を受け、そちらに万丈目準は眼を向ける。
病的なまでに白い肌に、腰まで届く柔らかそうな黒髪。 切りそろえられた前髪から黒い瞳が万丈目準の顔を映す。
普段は勝気な瞳が、すっかり弱り切った眼になっている事に万丈目準は気づいたが、気づかない振りをする。
「長作兄さんと義姉さんは間違いなく健康体であるにも関わらわず、意識が戻らない…。庄司兄さんの怒りは当然。まぁ、俺には心当たりがある。」
「それは一体?!」
「闇のゲームだ。」
「闇の…?」
聞きなれない言葉に、少女は困惑の色を隠せない。
「信じがたい話だと思う。俺がお前と同じ年頃にこの話をされたら、一笑に付しただろう。だが、闇のゲームは実在する。魂と命を懸けた負ければ無事では済まない危険なデュエル。」
「叔父上も実際に体験を?」
「ああ。」
そこまで言って、万丈目は姪と向き合う。
「雷姫(らいき)、お前には二つの選択肢がある。」
「二つ?」
「一つ。この一件が片付くまで隠れる。デュエルモンスターズについては、俺の専門だからな。」
「もう一つは?」
「お前が自ら戦う事だ。だがこれは危険が伴う。場合によっては長作兄さん達と同じ目に会うかもしれない。」
どっちを選ぶ?という言葉を万丈目準は言い終わる事が出来なかった。
姪の黒い瞳に戦意が滾ってきたからだ。
「答えは決まったようだな。」
「はい。父上と母上は私が助けます。どれほど困難な道だろうと。」
「それでいい。さて、デュエルするにはデッキが必要だが…。」
「あります。」
そう言うと、姪は太腿に手を伸ばす。スカートの下に収められたカードケースを取り出す。
万丈目もデュエルディスクをバックから二つ取り出す。
プロデュエリストとしてデュエルディスクは予備も含めて普段から持ち歩いている。
「さて、まずは今の実力を見せてもらう。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
「「デュエルッ!!」」
サンダー ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
雷姫 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
「先攻は譲る。」
「私の先攻、ドロー!エレメント・ドラゴンを召喚!」
攻撃力1500の光属性・ドラゴン族のモンスターが現れる。
「攻撃力1500か。」
「装備魔法、幻惑の巻物をエレメント・ドラゴンに装備!これは」
「属性を一つ宣言し、装備モンスターは宣言された属性に変わる。俺にカードテキストの説明は不要だ。」
「失礼しました。私は炎属性を宣言。エレメント・ドラゴンは場に炎属性モンスターが存在すれば、攻撃力が500ポイントアップ!カードを1枚伏せて、ターンエンド!」
サンダー ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
雷姫 ライフ4000
手3 フィールド エレメント・ドラゴン
魔法・罠 幻惑の巻物(炎) 伏せ1
「俺のターン、ドロー!速攻魔法、おジャマッチングを発動!手札のおジャマッスルを捨てて」
「カウンター罠発動!八式対魔法多重結界!」
「何?」
「私は魔法カード、選ばれし者をコストに、魔法カードの発動と効果を無効にして破壊!」
「少しはやるようだな。ならば俺はドラゴンフライを召喚!」
「風属性モンスター…これで」
「「エレメント・ドラゴンが相手モンスターを戦闘破壊すれば、続けて攻撃することが可能になる…。」」
叔父とハモった事に、雷姫は眼を見開く。
「なっ?!」
「魔法カード、強制転移を発動!さぁ、互いにモンスターのコントロールを入れ替えるとしよう。」
「私のエレメント・ドラゴンが…。」
「お前の場にドラゴンフライがいく。さて、バトルだ!エレメント・ドラゴンでドラゴンフライを攻撃!」
「っつ!だけど、モンスター効果発動!」ライフ4000から3400
「何だと?俺はここでエレメント・ドラゴンの効果を発動しておく。」
万丈目は訝しむ。戦闘ダメージを受けた状況で発動するとは、手札誘発モンスターか?
「ドラゴンフライが戦闘で破壊され、墓地へ送られた事で私はデッキから。」
「何を言っている。」
「えっ?」
「ドラゴンフライは俺のカード、よって俺の墓地に戦闘破壊された状態で埋葬される。戦闘破壊された状態でな。現れろ、ドラゴンフライ!」
二体目のドラゴンフライが現れる!
「行け、エレメントドラゴンでダイレクトアタック!」
「くうううっ!」ライフ3400から1400
「そしてドラゴンフライでダイレクトアタック!」
「きゃあああああっ!」ライフ0
相手がプロデュエリストとはいえ、後攻1ターンで瞬殺されたことで雷姫は崩れ落ちる。
「そんなっ、こうもあっさりと…。」
「デッキを見せてみろ。」
こくり、と頷き、デッキを叔父に手渡す雷姫。
素早く中身を確認する。
基本的な必須カードは投入されている。モンスターカードについては、先ほども使用した「エレメント」モンスターが主軸のようだ。
それ以外には、巨大ネズミ、UFOタートル、ドラゴンフライといったリクルーターが並ぶ。シャインエンジェル、キラートマトといったリクルーターが二枚だけ入っていた。
幻惑の巻物で属性を変更する事で戦うビートダウン。シャイン・キャッスルが入っているが、これは幻惑の巻物が破壊されたり、引けなかったときに打点を底上げするためのカードだろう。
彼女のデッキには、強制転移やシエンの患者など、リクルーターを送り付けるカードは入っていなかった。
「…叔父上、このデッキで父上の敵を討つのは」
「無理だ。」
「でも!炎属性モンスターが場にいる状態でエレメント・ドラゴンにシャインキャッスルを装備すれば攻撃力は2700ポイントに。」
「たらればが通用するような世界じゃあない。これなら別のデッキを使った方がまだ勝率がある。」
酷な話だと万丈目準は理解した上で、現実を突きつけた。これではデュエルアカデミアの中等部であればまだしも、高等部では通用しないだろう。
「しかし、そうなると叔父上の仕事に支障が」
「何を言っている。俺のデッキをお前が使ったところで使いこなせるわけがないだろう。だが、お前でも使いこなせるようになれるデッキがある。」
「えっ?」
万丈目準は兄の持ち物を探る。
ややあって、デッキケースを見つけ出す。
「それは、父上の【宝石ドラゴン】?!」
「これは、長作兄さんが俺とのデュエルで使ってきたデッキ。長作兄さんの仇を討つというなら、これ以上相応しいデッキは無いだろう。とりあえず、中身を確認するぞ。」
そう言ってデッキを裏返した次の瞬間、万丈目の眼に入ってきたのは永続罠カード、竜の逆鱗だった。
ドラゴン族に貫通効果を付与する永続罠。どうやら長兄は攻撃力0のモンスターに時間稼ぎを許した結果敗北した事に思う所があったらしい。
「よし、まずは基本的な動きから説明するぞ。そこからどういう方向にデッキを改造するかを決めていく。」
万丈目準はニヒルに笑う。
その悪者感満載の顔立ちは、雷姫にとって一番好きな顔だ。
翌日。
万丈目雷姫は、両親が襲撃を受けたという裏路地に来ていた。
『犯人は現場に戻ってくるもの』という叔父の推理から、あわよくば犯人を見つけ出せるかもしれないという期待。
それが無くとも、何かしらの手がかりが得られるかもしれない。
ふと、雷姫は気づいた。
周りの物音が消えた。気配もない。
周囲はいつの間にか、薄暗い闇に覆われている。
誰かの足音が聞こえてきたため、雷姫はそちらに眼を向ける。
20代前半だろう。同年代と比較しても高身長でオールバックの髪をしている。角ばった眼鏡をかけており知的な印象を与えるが、その瞳には相手を見下す傲慢さが宿っている。
「おやおや、どうしたのかね?」
「…両親の手がかりを求めてきました。龍牙先生こそこんな時間に一体何を?」
「見回りだよ。知っての通り君のご両親、長作議員とその奥さんが意識不明になったからね。」
「先生は何かご存じなのですか?」
「君同様、何か手掛かりがあれば、と思って事件現場の近くに来たのだがね。」
収穫無しだよ、と肩をすくめる教育実習生。
「先生。さっきから周りが静かすぎませんか?」
「うむ。言われてみればそうだね…。まだ深夜というわけでもないのに。」
「先ほどから人の気配もありません。それに何だか空気が重苦しい感じもします。」
「…何が言いたいのかな?」
「先生が来てから、この感覚が強くなりました。…本当になにも心当たりがないのですか?」
そう告げた瞬間。龍牙の纏う雰囲気がガラリと変わる。
「…苦労知らずのお嬢さんにしては、中々どうして敏いじゃないか。」
「何か知っているんですね。ならば全部話してもらいます。」
「どうやって?まさかとは思うが…この私とデュエルするつもりかね?」
「その通りです。」
デュエルディスクを構えた教え子を前に、龍牙は舌なめずりをする。
「どうやってデュエルに誘い込むか悩んでいたのだが…手間が省けた。では、特別授業といこう。万丈目 雷姫(まんじょうめ らいき)君。」
そう言うと、龍牙の指にはめられた指輪から黒い霧のような物が噴き出し、周囲の闇がさらに濃くなる。
「「デュエルッ!!」」
龍牙 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
雷姫 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
「先攻は譲ろう。」
「…私の先攻、ドロー!モンスターをセット。ターンエンド。」
龍牙 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
雷姫 ライフ4000
手5 フィールド セットモンスター
魔法・罠
「私のターン、ドロー!手札から古代の機械像を通常召喚!」
現れた小型の機械族を見て雷姫はやや驚く。
「アンティーク…。先生のデッキは、暗黒と名の付く地属性の恐竜族が主軸のはず。」
「あれはダミーデッキだよ。授業で生徒相手にするのに本気なんて出していられるか。さて、この低レベルモンスターの使い道を見せてあげよう。」
龍牙はそう言うと、場の古代の機械像を指さす。
「このカードをリリースすることで、手札から古代の機械巨人を召喚条件を無視して特殊召喚出来る!現れろ、古代の機械巨人!」
機械仕掛けの巨人が現れ、雷姫を見下ろす!
「攻撃力3000…」
「さて、特別講義をしてあげよう。古代の機械巨人には、攻撃宣言時、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードの発動を発動出来ないというモンスター効果と、攻撃力が守備力を超えていればその数値分のダメージを与える効果がある。」
「…それで?」
「つまり、君のエレメント・ザウルス、エレメント・ヴァルキリーを強化する【装備ビート】など通用しないという事だ。」
獰猛な目つきになった龍牙は、攻撃宣言を下す。
「バトルフェイズ!古代の機械巨人でセットモンスターを攻撃ィ!どうせそいつはシャインエンジェルかキラートマトのようなリクルーターだろう!」
「…っ!」ライフ4000から2100
思わぬ衝撃に悲鳴を上げそうになるが、雷姫は必死で抑える。
この男は悲鳴を聞いて喜ぶタイプの人種だ。敵を喜ばせてやる義理も義務もありはしない。
「おやおや。悲鳴を上げても構わないよ。どうせ私にしか聞こえない。」
「これが、闇のゲーム…。モンスター効果を発動!」
破壊したのがリクルーターではあったが、そのモンスターを見た龍牙は訝し気になる。
「仮面竜?」
「モンスター効果発動!戦闘破壊されたとき、デッキから攻撃力1500以下のドラゴン族を特殊召喚出来る!神竜ラグナロクを特殊召喚!」
現れたパラレルレア仕様の神竜ラグナロクを見た龍牙は軽く笑う。
「効果モンスターであるエレメント・ドラゴンでは無くて低ステータスな通常モンスターを出すとは。レアリティが高いから入れたのか?私はカードを1枚伏せてターンエンドだ。」
龍牙 ライフ4000
手3 フィールド 古代の機械巨人
魔法・罠 伏せ1
雷姫 ライフ2100
手5 フィールド
魔法・罠
「私のターン、ドロー!魔法カード、融合を発動!」
「ゆ、融合?!馬鹿な、教えた覚えはないぞ!」
「フィールドの神竜 ラグナロクと手札のロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-を墓地に送り…融合召喚、竜魔人 キングドラグーン!!」
現れたパラレルレアのドラゴン族融合モンスターを龍牙は目を丸くして見つめる。
「…なるほど、父親のデッキを持ち出したか。」
その発言で雷姫は確信する。父がこの男とデュエルをしたことはない。
にも拘らず、パラレルレア仕様のキングドラグーンを見ただけで父のデッキと分かる以上、父を倒した勢力と情報共有している事は明白。
この男が最初から自分を倒すために教育実習生としてもぐりこんだのか、あるいは唆されて凶行に走ったのか。
手先か、黒幕か。いずれにせよ倒さねば未来はない。
「私は竜魔人キングドラグーンの効果発動!手札のドラゴン族モンスターを特殊召喚出来る!真紅眼の黒竜を特殊召喚!」
「何ぃ?!」
龍牙の眼が見開かれる。
続けて現れたのはパラレルレア仕様の真紅眼の黒竜。
「まさか、真紅眼の黒竜のパラレルレアとは…。」
眼に欲望の光がともる龍牙。
レアカードである真紅眼の黒竜の相場は40万円だが、パラレルレア仕様の真紅眼ともなればその末端価格は590万円である。
「装備魔法、ニトロユニットを古代の機械巨人に装備!」
「ニトロユニット?だが装備された所で古代の機械巨人は攻撃力3000!その装備魔法は、装備モンスターを君が戦闘破壊出来なければ意味はない。」
「装備魔法、デーモンの斧を竜魔人キングドラグーンに装備!これで攻撃力は1000ポイントアップ!」
攻撃力3400になったキングドラグーンを見た龍牙の顔色が青くなる。
「ば、馬鹿な!」
「バトル!竜魔人キングドラグーンで、古代の機械巨人を攻撃!トワイライトバーン!」
ブレスを浴びた古代の機械巨人が爆砕される!
「うわあああああああ!」ライフ4000から3600
次の瞬間、龍牙の足元にニトロユニットが落下してくる。
それがまばゆい輝きを放っていた。
「ニトロユニットの効果発動!装備モンスターが戦闘破壊されたとき、相手はその攻撃力分のダメージを受ける!」
「ぐがああああああああああ!」ライフ3600から600
爆発に巻き込まれ、龍牙は悲鳴を上げる。
「終わりよ。真紅眼の黒竜でダイレクトアタック!」
「馬鹿な、こんな、こんなはずでは…」
「ダーク・メガ・フレアッ!」
「うぎゃあああああああああ!」ライフ0
龍牙が敗北すると同時に、黒い霧が晴れる。
倒れこんだ龍牙のカードが地面にばらまかれる。
リビング・フォッシル、古代の整備場、超電磁タートルのカードだった。
「伏せカードは、次元幽閉か。」
これが龍牙の本来のデッキ。叔父が言うように自分が今まで使っていたデッキで挑んでいたら勝ち目は無かった。
「お嬢様、ご無事でしたか!」
父のカバン持ちをやっている青年が駆け寄ってくる。
それ以外にも夜中だというのに律儀にサングラスを掛けた黒服の男女が集まってくる。
「問題ない。連行して。」
「お任せください。」
そう言うと青年は龍牙を担ぎながら電話をかけ始める。
あとは任せておいて大丈夫だろう。
一安心すると、雷姫はその場にへたり込みそうになる。
それでも気丈に振舞うべく、足に力を入れた瞬間、その肩を支えられる。
振り向くと、そこには万丈目準が居た。
「どうだった。初めての闇のゲームは。」
「…怖かったです。負ければ、無事では済まないと。」
「それが闇のゲームの恐ろしさ。それで、どうする?長作兄さんと義姉さんの事は俺が何とかする。それまで安全なところに隠れるのも一つの手だが。」
「いえ。やります。やらせてください、叔父上。」
「いばらの道だぞ。」
「それでも、です。」
強い意志を秘めた黒い瞳を見つめ、万丈目は口元をわずかに緩める。
「わかった。ならば俺がさらに鍛えてやる。さて、お前が今からやるべきことは一つ。」
真剣に耳を傾ける姪に、万丈目は真剣な顔で告げる。
「今すぐ家に帰って心と体を休めることだ。」
「…えっ。」
「何を言っている。今から教えた所で教えた傍から抜け落ちてしまうだろうが。今は休め。体調が戻ってからだ。」
やや不満げな姪だが、万丈目の眼を見つめた後、黙って頷く。
万丈目長作議員の事務室にて。
「準様。お嬢様を止めて下さい!」
「駄目だ。」
「何故ですか!デュエルモンスターズ界の担当は」
「俺だ。」
「だったら!」
「雷姫が自分の意思で立ち向かおうとしている。ならばそれを止めるのではなく、支えるのが俺達の役割のはずだ。」
長作議員の部下からすれば、言語道断である。
「現職の国会議員の一人娘」が成人男性である上司を意識不明にするような危険な勢力との戦いに飛び込む、しかもオカルトがらみの事件だ。
冷静に合理的に考えるのであれば、デュエルの専門家でありオカルト方面にも強いプロである万丈目準に任せ、お嬢様は安全な場所に隠れるべきなのだ。
それでも犯人か、共犯者と遭遇せず空振りに終わってくれれば。お嬢様がこれ以上危険な事に突っ込むのを辞めてくれるかもしれない、という希望は砕け散った。
実際に闇のゲームを体験してもなお、戦いから降りないと言っている。自分達で説得できないなら、身内の方々にお願いするしかない。
一方で万丈目準はデュエリストだ。故に、デュエリストがデュエルをするというのであれば『デュエルを止めさせる』という選択肢など最初からない。
あるのは「どうやって勝たせるか」という一点である。
万丈目準が兄の部下を説得している同時刻。
高価な調度品が多数置かれた豪奢な部屋。
だが、統一感が無く調和がとれない事で「品がない」代物に成り下がっている。
そこに集うのは、上品なスーツを着こなし、高価な腕時計に宝石が目立つ指輪を装着しているものの、下劣極まりない品性は隠しきれていない。
「龍牙がしくじった。」
その発言に、その場の男たちは動揺する。
「ど、どういう事だ?シミュレーションでは確実に勝てるはず!」
「まずいぞ。あの小娘がそれだけの実力を兼ね備えていたとなると、万丈目グループを乗っ取る計画に支障をきたす!」
その一団で、最も若い男が口を開く。
「どうやら、長作議員のデッキを使ったようです。」
「長作議員…あの【宝石ドラゴン】か?」
「はい。攻撃力2400の融合モンスター、竜魔人キングドラグーンが切札のデッキです。」
その発言を受け、周りの中年男性達は動揺する。
「だ、だが龍牙のデッキは攻撃力3000の古代の機械巨人で戦うデッキ。」
「ということは、デッキのエースモンスターの攻撃力が600も低い相手に龍牙は負けたという事か。役立たずめ」
そんな様子を見ながら、若い男は考える。
(どうにも、デュエルモンスターズについては素人のようだな…。攻撃力3000の青眼の白龍がエースモンスターのデュエリストは、攻撃力2500がエースのデュエルキングに何度も敗れているというのに)
該当のデュエリストかその弟が知れば怒り狂うような事を考えながら、若い男は思考をめぐらす。
(これを機に用済みの駒を処分させれば、取り分が増える…。さて、誰から処分するか。)
男は脳内でリストを作る。万丈目グループ乗っ取り計画において、もはや不要な駒を。
ご意見・ご感想をお待ちしております。真紅眼の黒竜って万丈目長作議員は所持しているんですよね。
真紅眼の黒竜は40万、パラレルレアで590万としましたが、あの世界だともう少し値が張るかもしれません…。