橘一角から得た車での移動圏、および大型の施設。これらの情報を得た万丈目庄司が束ねる万丈目グループの行動は早かった。
瞬く間に絞り込みを行い、施設を突き止める。
「…雷姫!お前は安全なところに」
「庄司叔父上。私にも戦わせてください!」
「だが!」
「庄司兄さん。あの中にはプロレベルのデュエリストが待ち構えている。だが、俺とプロリーグで競り合っているような実力者は居ないはず。今の雷姫なら問題なく勝てるだろう。」
「…分かった。勝てよ、準、雷姫。」
勝て、勝て、勝て。
プレッシャーをかけられることは今に始まった事ではない。今までもそうだったし、これからもそうだろう。
だが、万丈目家に生まれた者として、プレッシャーに押しつぶされるような軟な精神はしていない。
同時刻。
今回の企てを目論んだ一派も警戒こそしていたが…「見つかるわけがない」と油断しており、彼らが気づいたときにはすでに周辺は万丈目グループの関係者が張り込んでいた。
「こ、これは一体どういう事だ!」
「と、とにかく脱出を!」
「捕まったら、ひ、ひぃいいいい!」
沈む船から逃げ出すネズミのように、老人たちは逃げ出そうとする。その先はすでに袋小路になっているとも知らず。
二世議員は、施設の一室へ踏み込む。
中央のテーブルには苦悶の表情をしている長作夫妻が描かれたカードが、ガラスケースに収められていた。
『おやおやおやーん?一体、何の騒ぎですかぁ?』
ふいに聞こえた声に、二世議員は唾を飲み込む。
「この場所が、万丈目グループにバレた。」
『ふむ。それで、どうするつもりです?』
「決まっている。迎撃だ。」
『なるほど。ではワタシはここで待ち構えておくとしましょう。この封印が解放されたら、貴方達の計画は根底から破綻するでしょう?』
得体の知れない輩ではあるが、もはや後がないため、この超常的な存在の助力を借り受けたかったが…。
人間の下につく気はないようだ。
「任せたぞ。」
部屋から出た二世議員は、施設の司令部にふんぞり返って指示を出す。
相手は腕利きの現役プロ、万丈目準。容易い相手では無いが、その姪である雷姫を倒して人質にとれば勝てるはず。
そのために、手駒を集めた。
「戦いは、数だ。圧倒的な兵力、物量で押しつぶしてしまえばいい。やれっ!」
彼がそう呟いている頃。
雷姫はプロデュエリストと対峙していた。
「朽ち果てた魔王よ、冥府の力を浴びて新たな姿となって蘇れ!シンクロ召喚!現れろ、蘇りし魔王ハ・デス!どうだ!これが『不死王』髑髏林(どくろばやし)の実力だ!」
髑髏林 ライフ4000
手0 フィールド 蘇りし魔王ハ・デス 蘇りし魔王ハ・デス 蘇りし魔王ハ・デス
魔法・罠 ダークゾーン
墓地 おろかな埋葬 ゴブリンゾンビ ゾンビ・キャリア ゾンビ・マスター
除外 馬頭鬼 馬頭鬼
「しかし、何て強力なデッキだ。俺が今まで使っていた【龍骨鬼ビート】よりよほど強いじゃないか。となれば」
そう呟くと、プロの青年は別のデッキケースを取り出し、それを床に投げ捨てる。
「なっ?!なんてことを…」
「お前を倒せば、このデッキは俺の物になる。もう、こんな弱いデッキなんて要らない。バトルだ!蘇りし魔王ハ・デスでセットモンスターを攻撃!」
「罠発動!バースト・ブレス!場の神竜ラグナロクをリリースして、場の守備力1500以下のモンスターをすべて破壊する!」
「な、な、な!蘇りし魔王ハ・デスの守備力は0なんだぞ、や、やめろぉおおお!」
三体の蘇りし魔王ハ・デスが炎に巻き込まれ、破壊される。
不死王、髑髏林の場に残ったのは、フィールド魔法だけだ。
「た、ターンエンド。」
「私のターン、ドロー!融合呪印生物-「闇」を召喚!魔法カード、龍の鏡を発動!場の融合呪印生物-「闇」と墓地の神竜ラグナロクを除外して、竜魔人キングドラグーンを特殊召喚!キングドラグーンの効果で、2体目の神竜ラグナロクを特殊召喚!バトル!神竜ラグナロクと竜魔人キングドラグーンで、ダイレクトアタック!」
「だが、攻撃力の合計は3900!100さえ残れば」
雷姫はそのセリフにやや首をかしげて告げる。
「フィールド魔法、ダークゾーンにより、闇属性の竜魔人キングドラグーンの攻撃力は500ポイントアップして、2900になっている。」
「は、え?は?ま、待った!デュエルアカデミア出身でもない子供に負けたとあっては、プロデュエリストとしてアラフォーまで稼ぎ、その後はメディアに転向してウハウハ生活という完璧な人生プランが」
プロが妄言を吐いていたが、竜魔人キングドラグーンのブレスを浴びて倒れ伏す。
同時刻。
万丈目準は、一人のアイドルデュエリストと対峙していた。
薄紫色のカウボーイハットをかぶり、同色のホットパンツ。胸元をはだけた青いシャツを着こなしている。
「前々からおジャマみたいな雑魚カードが入っているデッキで勝ち続けられるなどおかしいと思っていた。その化けの皮を剥がしてやるわ、ザコ丈目!私はカードを1枚伏せて、ターンエンドよ。」
アイドルデュエリスト ライフ4000
手2 フィールド ケンタウルミナ
魔法・罠 フュージョン・ウェポン 伏せ1
墓地 融合賢者 聖騎士の槍持ち 花騎士団の駿馬 融合
除外
「俺のターン、ドロー!」
「この瞬間、リバースカードオープン!罠カード、義賊の入門書!お前の手札が5枚以上ある時、その中から1枚をランダムに捨てさせる!私から見て右から2番目のカードを墓地へ送りなさい!」
「いいだろう。」
墓地に送られたのが魔法カードだったことで、馬氷 さやか(まごおり さやか)は笑みを浮かべる。
「フフフ、魔法カードか。魔法カードは再利用が難しい。これでお前の戦術は瓦解したわね、ザコ丈目!」
「墓地へ送られたおジャマジックの効果発動!デッキからおジャマ・イエロー、グリーン、ブラックを手札に加える!」
「なっ?!だ、だけど所詮攻撃力0の雑魚モンスター。融合した所でケンタウルミナの敵ではない!雑魚は何をしようと雑魚のまま!」
「どっちが雑魚か、思い知るがいい。俺はおジャマ・レッドを召喚!効果発動、手札のおジャマ三兄弟を特殊召喚!」
「だから、雑魚を並べた所でチューナーが居ない以上、次のターンで一匹ずつ破壊されるのが関の山!」
「魔法カード、おジャマ・デルタハリケーン!!行け、雑魚ども!」
三匹のおジャマが竜巻を起こし、ケンタウルミナに迫る。罠カードを無効にできるケンタウルミナだが、魔法カードには無力。
目をグルグル回しながら、空高く飛ばされてしまう。
「け、ケンタウルミナが!だけど、そいつらの攻撃力は0!ダイレクトアタックされてもダメージは」
「フィールド魔法、おジャマ・カントリーを発動!場におジャマが存在するとき、場のモンスターの攻撃力と守備力は入れ替わる!」
「ま、待て!おジャマとかいう雑魚でトドメを刺されたら、まるで私がザコ以下みたいじゃない!別のモンスターで」
返事は4体のおジャマによるダイレクトアタックだった。
散々万丈目準を侮辱した彼女は、おジャマ・イエローのケツアタックでトドメを刺されてしまい、長い赤髪をたなびかせながら仰向けに倒れる。
プロデュエリストを次々と撃破している中、雷姫はある部屋にたどり着き。
今回の謀略を主導していた表向きの黒幕、東風平 龍騎(こちひら りゅうき)と対峙する。
「貴方が、父上と母上を…。絶対に許さない!」
「役立たず共が!成功報酬どころか、前金の全額返金に加えて罰金だ!」
もはや言い逃れは出来ないと悟った二世議員は、汚れ仕事を自ら行う。
今までの人生において、彼は汚れ仕事をする時、必ず誰かを使った。発覚すれば責任を全て押し付け、自分の手は綺麗なように見せかけてきた。
小中学校の頃の凄惨な虐め、高校生と大学生での試験での不正行為、社会人になってからのパワハラ、セクハラ、脱法行為。全て他人の仕業にしてきた。
「星々の輝きを宿した風の竜よ!その身を犠牲に破壊を防げ!シンクロ召喚!スターダスト・ドラゴン!」
「これは…。」
二世議員 ライフ3200
手1 フィールド スターダスト・ドラゴン
魔法・罠 デザートストーム 強者の苦痛
墓地 サモン・ストーム ドラグニティ-ドゥクス ドラグニティナイト-ヴァジュランダ ドラグニティ-ファランクス
除外
「この白銀の輝き!生まれながらにして栄光を約束された私にふさわしい!私はこれで、ターンエンド!」
その言葉に、スターダスト・ドラゴンが吠える。
そんなスターダストを自慢げに見つめる二世議員だが、雷姫にはまるで「勝手な事を言うな」という怒りを感じた。
デュエルモンスターズには精霊が宿るという。もしかしたら、これもその類いなのかもしれない。
攻撃力は2500だが、デザートストームにより攻撃力は3000となり、しかも強者の苦痛でこちらのモンスターの攻撃力は下げられる。
「私のターン、ドロー!魔法カード、古のルールを発動!チューナーモンスター、ラブラドライドラゴンを特殊召喚!さらにシンクロ・フュージョニストを召喚!レベル2の闇属性シンクロ・フュージョニストに、レベル6のラブラドライドラゴンをチューニング!闇と切り裂き現れろ!ダークエンド・ドラゴン!シンクロ召喚のために墓地送りとなったシンクロ・フュージョニストのモンスター効果発動!デッキから融合を手札に加える!!」
「ふっ、シンクロ召喚を決めてきたか…。だがそいつのレベルは8!強者の苦痛により、攻撃力は2600から1800となる!」
「効果発動!攻撃力と守備力を500ポイント下げる事で、相手モンスターを墓地へ送る!」
「甘い!スターダスト・ドラゴンのモンスター効果発動!カード効果を破壊するカード効果が発動した時、リリースする事でそのカードの発動と効果を無効にして破壊する!」
「ダークエンド・ドラゴンの効果は墓地へ送る効果。破壊ではない。」
「な、なんだと!」
「魔法カード、死者蘇生!墓地からスターダスト・ドラゴンを私の場に特殊召喚!」
「す、スターダスト!こ、こんな事が!」
雷姫の場に現れたスターダスト・ドラゴンが鋭く吠える。
「強者の苦痛で攻撃力は800ポイント下がるけれど、デザートストームにより攻撃力は500ポイントアップ。攻撃力は2200!バトル!ダークエンド・ドラゴンでダイレクトアタック!」
「うわああああ!」ライフ3200から1900
「スターダスト・ドラゴンで、ダイレクトアタック!スターダスト・クロー!」
「や、やめろぉおおおお!うわああああ!」ライフ0
二世議員に向かって、スターダスト・ドラゴンが腕を大きく振り下ろしてトドメを刺す。
倒れた二世議員に、雷姫はスターダスト・ドラゴンのカードをデュエルディスクから外してその場に置く。
これは、自分が持っていていいようなカードでは無い。そんな直観がしたから。
今回の事件における首謀者を姪が撃破している同時刻。
「森に潜む獣王よ、その英知で魔を払え!森に潜む古竜よ、その智謀で罠を払え!ダブルシンクロ召喚!ナチュル・ビースト!ナチュル・パルキオン!どうだ、万丈目ェ!私の新たなロックデッキは!」
「フン。」
殿能 ライフ4000
手1 フィールド ナチュル・ビースト ナチュル・パルキオン
魔法・罠
墓地 切り込み隊長 柴戦士タロ 二重召喚 ソード・マスター マジック・ストライカー
除外 増援
「万丈目ェ!私は考えに考え抜いたのだ!お前のデッキへの対策を!」
「それがこれか。」
「魔法と罠カードをお前は駆使している。ならばナチュル・ビーストで魔法を、ナチュル・パルキオンで罠を封殺してしまえば、お前のデッキはやられ専門の雑魚カードだらけの屑デッキ!ハハハハ!」
「くだらん。」
「何ぃ?」
「お前が相手の動きを封殺しよう、何もさせないようにしようとするのは相手を恐れているからだ。だから小細工で封じ込めようとする。正面からぶつかる事を恐れている。」
「だ、黙れだまれぇ!封殺しようとして何が悪い!何もさせずに倒す事の何が悪い!勝てばいいんだ、勝てば!」
「そんなに魔法と罠が恐ろしいなら、モンスター効果だけで戦ってやろう。俺は砲撃のカタパルト・タートルを召喚!こいつをリリースする事で、デッキから暗黒騎士ガイアか、Lv5のドラゴン族を特殊召喚出来る。現れろ、アームド・ドラゴンLv5!」
「…えっ?」
「バトルだ、アームド・ドラゴンLv5で、ナチュル・ビーストを攻撃。」
「ぐううう!」ライフ4000から3800
「バトル終了。アームド・ドラゴンLv5はLv7へ成長する。さらにLv7をリリースして、アームド・ドラゴンLv10を特殊召喚!効果発動、手札を1枚墓地へ送り、お前の場のモンスターをすべて破壊する。」
「な、ナチュル・パルキオンまで…。」
「ターンエンド。」
「わ、私のターン…。ドロー!よし、速攻魔法発動!リロード!手札を1枚デッキに戻し、新たに1枚ドローする!」
引いたカードを見たは、顔を歪める。
「か、カードをセット!ターンエンド!」
「俺のターン、ドロー。ドラゴンフライを召喚。バトルだ、ドラゴンフライとアームド・ドラゴンLv10でダイレクトアタック。」
「う、うわぁああああああああ!」
サイコ流の門下生である殿能 共平(でんのう きょうへい)は倒れる。
伏せカードは王宮のお触れだった。
「フン。封殺しようとばかりするから、こういう目にあう。」
どうやら、あらかた片付いた。
万丈目準がそう確信した次の瞬間。
「…お前は。」
「久しぶりだな。万丈目サンダー。ミズガルズ・キングダムでの決勝戦以来か?」
「そうだったな。準決勝でお前に勝った選手が開始時間を過ぎても現れず。三位決定戦で勝利したお前が、急遽戦う事となったな。」
「全く。デュエルモンスターズの大会では必ずトラブルが起きる。不正参加、イカサマ、八百長。さて、あの時と違って、今回はミズガルズ新国王陛下とその王妃も居ないが。」
「関係ない。」
互いにデュエルディスクを構える。
万丈目準としても、相手にとって不足だらけの連中相手でやや物足りなかった所だ。
「「デュエルッ!!」」
サンダー ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
イリーナ ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
「私の先攻だ。ドロー!フィールド魔法、魔法都市エンディミオンを発動!おろかな埋葬を発動!デッキから神聖魔導王エンディミオンを墓地へ送る。」
魔法カードが発動した事で、エンディミオンに1つ目の魔力カウンターが置かれる。
「魔法カード、魔力掌握を発動!場の魔法都市エンディミオンに魔力カウンターを一つ載せ、デッキから2枚目の魔力掌握を手札に加える!」
魔法カードが発動した事と、魔力掌握によりエンディミオンに3つ目の魔力カウンターが置かれる。
「手札からジェスター・コンフィの効果発動!このカードを手札から攻撃表示で特殊召喚!私は装備魔法、ワンダー・ワンドをジェスター・コンフィに装備。装備モンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる。」
魔法カードが発動した事で、エンディミオンに4つ目の魔力カウンターが置かれる。
「ワンダー・ワンドのもう一つの効果を発動!装備モンスターとこのカードを墓地に送って、カードを2枚ドロー!」
「さて、次はどうくる?」
「私はデュアルモンスター、クルセイダー・オブ・エンディミオンを召喚!装備魔法、スーペルヴィスを装備!これにより、デュアルモンスター、クルセイダー・オブ・エンディミオンは再度召喚した状態になる!」
「デュアル、だと?フィールドおよび墓地に存在する限り、通常モンスターとして扱う特殊なカード群だったな。」
魔法カードが発動した事で、エンディミオンに5つ目の魔力カウンターが置かれる。
「クルセイダー・オブ・エンディミオンの効果発動!場の魔力カウンターを乗せることが出来るカードに魔力カウンターを一つ載せ、攻撃力をターン終了時まで600ポイントアップする!」
「これでエンディミオンの魔力カウンターが6つになったか。」
「私は、墓地に眠る神聖魔導王エンディミオンの効果発動!魔法都市エンディミオンの魔力カウンターを6つ取り除く事で、墓地から特殊召喚出来る!」
6つの魔力カウンターが消滅すると、エンディミオンの上空に魔法陣が出現。
そこから悠然と、神聖魔導王エンディミオンが降り立つ。
「この効果で特殊召喚に成功した時、墓地の魔法カードを1枚、手札に戻す。装備魔法、ワンダー・ワンドを手札に!そのままワンダー・ワンドをクルセイダー・オブ・エンディミオンに装備!」
魔法カードが発動した事で、エンディミオンに1つ目の魔力カウンターが置かれる。
「これは」
「クルセイダー・オブ・エンディミオンとワンダー・ワンドを墓地に送って、カードを2枚ドロー!フィールドから墓地へ送られたことで、装備魔法、スーペルヴィスの効果発動!墓地の通常モンスターを特殊召喚!蘇れ、クルセイダー・オブ・エンディミオン!カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」
サンダー ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
イリーナ ライフ4000
手2 フィールド 神聖魔導王エンディミオン クルセイダー・オブ・エンディミオン
魔法・罠 エンディミオン(1) 伏せ2
「俺のターン、ドロー!俺の場にモンスターが存在しない事で、このカードを発動する!魔法カード、予想 GUY!」
魔法カードが発動した事で、エンディミオンに2つ目の魔力カウンターが置かれる。
「デッキから通常モンスターを特殊召喚するカード、ユニオンモンスターか、はたまたおジャマか…。」
「現れろ、X-ヘッド・キャノン!そしてZ-メタル・キャタピラーを召喚!」
「ふっ。Y-ドラゴン・ヘッドは引けなかったようだな!」
「俺は永続魔法、X・Y・Zコンバインを発動!行くぞ、俺はX-ヘッド・キャノンとZ-メタル・キャタピラーを除外!合体召喚!XZ-キャタピラー・キャノン!」
「え、XZだと?」
魔法カードが発動した事で、エンディミオンに3つ目の魔力カウンターが置かれる。
「ここで永続魔法、X・Y・Zコンバインの効果発動!俺の機械族・光属性のユニオンモンスターカードが除外された場合に発動!デッキから「X-ヘッド・キャノン」「Y-ドラゴン・ヘッド」「Z-メタル・キャタピラー」の内1体を特殊召喚する。デッキから現れろ、Y-ドラゴン・ヘッド!」
「それでどうするつもりだ?」
「こうする!俺はX・Y・Zコンバイン、第二の効果発動!場の融合モンスターをエクストラデッキに戻す事で、除外されている俺のモンスターから、「X-ヘッド・キャノン」「Y-ドラゴン・ヘッド」「Z-メタル・キャタピラー」を2体まで選んで特殊召喚する!XZ-キャタピラー・キャノンをエクストラデッキへ戻し、帰還しろ!X-ヘッド・キャノン!Z-メタル・キャタピラー!」
「XYZが揃ったか!」
「場のX、Y、Zを除外し!現れろ!XYZ-ドラゴン・キャノン!」
ユニオンモンスターであるXYZが変形合体し、起動する!
「俺は手札からサンダー・ドラゴンの効果発動!こいつを墓地へ送る事で、デッキからサンダー・ドラゴンを2枚まで手札に加える!俺はXYZ-ドラゴン・キャノンの効果発動!手札のサンダー・ドラゴンを2枚捨てて、キサマの神聖魔導王エンディミオンとクルセイダー・オブ・エンディミオンを破壊する!」
エースモンスターである神聖魔導王エンディミオンの破壊に対して、かなり苛立たしい顔を見せる一方で、クルセイダー・オブ・エンディミオンの破壊には何とも思っていない二面性を、イリーナは示す。
「バトルだ!XYZ-ドラゴン・キャノンでダイレクトアタック!」
「カウンター罠!攻撃の無力化!バトルフェイズを終了させる!」
「チイッ、姑息な手を」
「攻撃するだけが、デュエルモンスターズでは無い。先達者として忠告してやろう。防御が薄いのがお前の弱点だ。」
「俺は守るより攻める方が性に合う。カードを2枚伏せて、ターンエンドだ!」
サンダー ライフ4000
手0 フィールド XYZ-ドラゴン・キャノン
魔法・罠 X・Y・Zコンバイン 伏せ2
イリーナ ライフ4000
手2 フィールド
魔法・罠 エンディミオン(3) 伏せ1
「私のターン、ドロー!手札を1枚捨てて、THEトリッキーを特殊召喚!ここで手札から墓地へ捨てられた、魔轟神獣ケルベラルのモンスター効果発動!このカードを墓地から特殊召喚する。蘇れ、チューナーモンスター、魔轟神獣ケルベラル!」
「チューナー、という事は。」
「私はレベル5の魔法使い族、THEトリッキーに、レベル2の魔轟神獣ケルベラルをチューニング!神聖なる魔力蓄えし大賢者よ、魔導の輝きと共に現れよ!シンクロ召喚!アーカナイト・マジシャン!」
場に攻撃力400の魔法使い族のシンクロモンスターが現れる!
「アーカナイト・マジシャンの効果発動!シンクロ召喚成功時、魔力カウンターを2つ乗せる。そしてこのカードの攻撃力は、魔力カウンター1つにつき、1000ポイントアップする!」
「つまり、攻撃力は2400。XYZ-ドラゴン・キャノンが場に居るのに関わらず出してきたという事は、モンスター効果で対処するつもりだな?」
「ふっ。すぐにわかる。」
「ああ、そうだな。すぐにわかる。永続罠発動!調律師の陰謀!」
「なっ?!」
「相手がシンクロ召喚に成功した時、発動できる!そのモンスター1体のコントロールを得る!」
「知っていたのか、私が、シンクロ召喚を使う事を!」
「これで打つ手はあるまい!」
「舐めるな!永続罠、漆黒のパワーストーンを発動!発動時、魔力カウンターを3つ乗せる!さらに1ターンに1度、このカードに乗った魔力カウンターを他のカードに置くことが出来る。魔法都市エンディミオンに魔力カウンターを移動!」
エンディミオンに4つ目の魔力カウンターが置かれる。
「魔法カード、魔力掌握を発動!場のエンディミオンに魔力カウンターを乗せ、3枚目の魔力掌握を手札に加える!」
魔法カードが発動した事で、エンディミオンに6つ目の魔力カウンターが置かれる。
「エンディミオンの魔力カウンターが6つ、という事は。」
「墓地に眠る神聖魔導王エンディミオンの効果発動!魔法都市エンディミオンの魔力カウンターを6つ取り除く事で、墓地から特殊召喚出来る!この効果を使用した時、墓地の魔法カードを1枚、手札に戻すことが出来る!墓地からワンダー・ワンドを手札に戻す!」
「エンディミオンは1ターンに1度、手札の魔法カードを捨てることで場のカードを破壊する効果があったな…。ならば罠発動!破壊輪!」
「っつ!」
「エンディミオンを破壊し、互いにその攻撃力分のダメージを受ける!」
「きゃああああっ!」ライフ4000から1300
「ぐううううっ!」ライフ4000から1300
神聖魔導王エンディミオンで調律師の陰謀を破壊し、アーカナイト・マジシャンを取り戻す。その後、ワンダー・ワンドを神聖魔導王エンディミオンに装備。
魔法都市エンディミオンに魔力カウンターが一つ乗るため、それを取り除いてアーカナイト・マジシャンの効果でXYZを破壊。
二体のダイレクトアタックで雪辱を晴らすつもりだったが。その目論見は破綻してしまった。
「…ターン、エンド。」
サンダー ライフ1300
手1 フィールド XYZ-ドラゴン・キャノン アーカナイト・マジシャン(2)
魔法・罠 X・Y・Zコンバイン 調律師の陰謀
イリーナ ライフ1300
手2 フィールド
魔法・罠 エンディミオン(0) 漆黒のパワーストーン(2)
「俺のターン、ドロー!バトルだ!アーカナイト・マジシャンでダイレクトアタック!」
「くううっ…。」ライフ0
ライフが尽きた物の、イリーナ・アトラスは膝を折らない。
「…負け、か。」
「フン、当然だ。」
完結に向けて物語が動き始めました。
新しい描写として、「後攻1ターンで瞬殺されるキャラクターの先攻1ターン目は省略、墓地と除外ゾーンから展開が予想できる」というのを試してみました。
『ザコ丈目』は「万丈目さんとその関係者に敗北するキャラの敗北フラグ」に最適だと思います。
ラスボスっぽいキャラが登場。5D'sに登場したキャラクターです。