新一のいとこですけど......   作:ヤヤヤンヤ

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短いです。


Kitty ※

 

去年の12月25日、クリスマスに無事初彼氏ができた私はその日のうちに母に彼氏ができたと報告した。

やっと、やっと……!と母は号泣し、神よ感謝しますといつも祈りもしない神様に感謝してた。…………そこまで嬉しがられるの複雑なんだけど。ちなみに新しい年になりもうすぐ6月になろうとする今でも優作さんや盗一さん達にはまだ伝えていない。日本に帰ってからでも別にいいかな〜って。でもここ1,2ヶ月有希ちゃんや千影さんが頻繁にいい人いた?と聞いてくるので女性陣には母経由でバレてるんだと思う。帰ってからの追求が怖いよぉ……。

 

「あら、そんな顔してるとせっかくの可愛い顔が台無しよ。私と過ごすのは退屈かしら、kitty?」

「そんな訳ないです!!」

 

いつもの様に有希ちゃんからの勘繰りのメールを見ていると顔を顰めていたのか、シャロンさんに咎められる。

 

「久しぶりにシャロンさんと会えて退屈なんて感じません!!絶対に!!」

「ふっ。それなら良いわ」

「はい!!」

 

私は5月末に20歳を迎えたが、そのお祝いとしてシャロンさんがお茶会に誘ってくれた。手紙のやり取りは今の今まで続けていたけれど実際に会うのは約15年ぶりだった。

 

「でも最後に話した時は私ちんちくりんだったのに、よくわかりましたね」

「貴女が手紙と一緒に毎回入学式や卒業式の写真を送っていたからよ。嫌でも覚えるわ」

「えへへ」

 

シャロンさんは自分が出演していた舞台のポストカードを手紙の代わりに送ってきてくれていたので、大事に保管している。だって言ってみればシャロン・ビンヤードの15年分の記録だよ?保管しないなんてありえないでしょ!15年の変化を特殊メイクや身体のつくりで表現なんて流石は変装の達人だよね。何度もファイリングしたポストカードや写真を見てしまうのはシャロンさんには内緒。

 

「さあ着いたわよ」

 

到着するまで秘密と言われてシャロンさんの運転でやってきたのは高級ブランド店。入ったことありますよ?ありますけどね、ここってハリウッドの芸能関係者しか入店できないっていう所じゃなかったっけ…。

 

「気に入った物があれば言いなさい、買ってあげるわ」

「よ、予算は…?」

「そんなもの無いわよ」

 

ま、まじかぁ……。

 

「早くしないと私が選ぶわよ」

「あっ、こ、これとか好きだなぁ、この指輪も、セ、センスいいなぁ…!」

 

シャロンさんが選ぶ物なんてめっちゃ高いに決まってる!!

こ、この店の中でも比較的お手頃な値段でシャロンさんが買ってくれそうな物を探せ、工藤誉!!!

 

「これで良いのね?」

「はい!これがいいです!!」

「そう…。Excuse, please do this.」

「Sure.」

 

ギリギリお眼鏡にかなったみたいだ。よかったぁ……。その後も色んな高級ブランドのお店を周り、着せ替え人形にされて気づけば何個ものショッパーやケースが後部座席に乗せられていた。

 

「つ、疲れた……」

「お疲れ様。もう少しお喋りしていたけれどごめんなさい、仕事が入ったわ」

「ひぇー、流石大女優は多忙ですね」

「嬉しい悲鳴よ」

「じゃあ私そこで降ります。買った物だけ郵送していただいていいですか?」

「そうしてくれると有難いわ」

 

バス停に停まってもらい車を降りる。改めて外から後部座席を見るとパンパンにショッパーが置かれている。総額は……いや考えないでおこう。

 

「今日はありがとうございました!楽しかったです!」

「私も良い気分転換になったわ。kitty、またいつか会えるといいわね」

 

捨て台詞?もかっこよすぎて惚れるわ。さてここから家に帰るには……メトロで帰るか。

 

 

――――――――――

 

車のミラーに写る誉の姿が遠ざかり見えなくなると、シャロンはタバコに火をつけ吸い始める。何度か煙を吐き出すとタバコを口で咥え、懐から携帯を取り出して写真アプリを開く。アプリ内の写真の中から誉の証明写真を大きくする。

 

「……よく似ているものね」

 

赤信号で車が停止すると次々に写真を右にスワイプしていくが全て誉が映っているもので中には誉自身が自撮りした様な写真もあった。シャロンは写真を確認し終えたのか全ての写真を誰か宛で送信した。

 

ブーブー

 

送信して数分後にシャロンの携帯に着信が来る。非通知からの着信だったがすぐに通話ボタンを押す。

 

「ハーイ、中々良く撮れてるでしょう?」

『ベルモット、テメェ何なんだ』

「ジン、貴方とそっくりな子でしょ?隠し子か何かと思って気になったのよ。正解かしら?」

『残念ながら外れだ。気色悪ぃ事してる暇があるんだ、仕事は終わってんだろうな?』

「えぇ、勿論よ。あの社長はクロ。組織にはもう必要無いわ」

『報告ご苦労』

「ねぇジン、私の仕事にバーボンを呼んでおいて頂戴」

『生憎と俺は忙しい。自分で呼ぶこったな』

 

ブチッ

突然通話が切れる。

 

「kitty……、これから楽しくなるわよ」

 

シャロンは鼻歌を歌いながら車を走らせる。

 

 

――――――――――

 

 

「くしゅっ!」

 

風邪ひいたかなー?今日少し肌寒かったし、服装失敗したなぁ。

 

 

 

 




久しぶりのシャロン・ヴィンヤードでしたー。
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