Duelist Story   作:光る闇

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黒い旋風

第14話「黒い旋風」

 

・・・俺、影井 勇吾にはライバルがいる。

 

「ガイア・プレートでダイレクト・アタック!!」

 

「やーん」

 

星:LP2000→0

 

それは今、俺の隣で現在デュエル中のデュエリスト、天幻寺 宇宙・・・では無い。

それは・・・

 

「どうしたんだぃ?君の先攻だろ?」

 

今、俺の目の前にいる金髪に色黒の色男で、新たに俺のクラスに転校して来た女たらし、黒風 瞬だ。

 

「それにしてもあの星ちゃんて娘、可愛い声だよなぁ。思わずイジメたくなっちゃうよ、フフ・・・」

 

加えてサディスティックなところもある。一言で言い表すなら「変態」か「危険な香りのする男」の2択である。

 

こいつが転校してきたのは今朝の事だった。

新学期の始まりなどの特別な日でもないのに、このタイミングで転校生である。

正直、奴が何を考えているのか全く分からない。

 

自分の追い求めてる人物を追って転校して来たのか、はたまた単なる気まぐれか。

兎に角、そんな得体の知れない輩に俺の連勝記録を止められる事は何があっても避けたい。

 

過去に散々味わった敗北を、ここでもう1度味わう事になったら恐らく俺は自分の人格を保てなくなり、発狂死してしまうかも知れないだろう。

 

そして現在、俺はこの転校生君と放課後にデュエルをしているのだ。

まぁこの部活の様な日課に誘ったのは、宇宙の双子の妹、星ちゃんなのだが。

 

「あ、あぁじゃあ行くぜ?俺はモンスターをセット、カードを2枚セットしてターンエンドだ」

 

勇吾:手札2枚 モンスター:裏守備1体 魔法・罠カード:2枚 LP8000

 

「ボクのターンだ、ドロー。お?良い引き・・・」

 

瞬はドローしたカードを確認すると、素直な反応をとった。

 

「ボクは今ドローしたカード、黒い旋風を発動!そして手札からBF-蒼炎のシュラを召喚!!」

 

手札には高打点のBFモンスター、そしてドローカードは召喚したBFモンスターより低い攻撃力を持つBFモンスターをデッキから手札に加える事の出来る永続魔法、黒い旋風。確かにこれは良い引きをしていたと言えよう。

 

「何もなければボクは黒い旋風の効果を処理させてもらうよ?」

 

「チェーンは無い」

 

「ふむ、ではボクはデッキからBF-黒槍のブラストを手札に加える。そして特殊召喚!!何かチェーンは?」

 

「無い」

 

「よし、じゃあボクは手札からBF-疾風のゲイルを特殊召喚!!」

 

(・・・ここだ)

 

「俺はこの瞬間、罠カード、激流葬を発動する」

 

「・・・手札には罠カード、デルタクロウ・アンチ・リバースがあったのだがね、残念・・・」

 

まだ勝負がついた訳でもないのに、自らの手札情報を教える瞬。

これは俺の気を緩めさせる為の作戦か何かだろうか?

 

「・・・俺は激流葬の効果で破壊されたシャドール・リザードの効果を発動。デッキからシャドール・リザード以外のシャドールモンスターを墓地に送る。俺はこの効果でシャドール・ビーストを墓地に送り、デッキからカードを1枚ドローする」

 

「・・・ボクはカードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

場を一掃され、少し考えると瞬は場に2枚のカードを伏せてターンを終了した。

 

瞬:手札:1枚 モンスター:無し 魔法・罠:黒い旋風、伏せカード LP8000

 

「エンドフェイズに俺はリバースカード、サイクロンを発動!対象はEXデッキ側のカード」

 

「・・・やるね勇吾君」

 

エンドフェイズにリバースカードを破壊されたのでは破壊されざるを得ない。

瞬は先程伏せた、ゴッドバード・アタックのカードを墓地に送った。

 

「俺のターン、ドロー」

 

ターンが再び俺に移ると、俺はドローフェイズにカードを1枚ドローした。

 

「俺は魔法カード、影衣融合を発動!手札のシャドール・ビースト、シャドール・ドラゴンを墓地に送ってエルシャドール・ミドラーシュを融合召喚!!まずはシャドール・ドラゴンの効果で最後の伏せカードを破壊する!!」

 

「・・・リビングデッドの呼び声は破壊、か」

 

「そして最後にシャドール・ビーストの効果でカードを1枚ドロー」

 

「・・・エルシャドール・ミドラーシュ、確かそのカードは・・・」

 

「そうだ、このカードが場に表側表示で存在してる限り、お互いは1ターンに1度しかモンスターを特殊召喚出来ない!!更に魔法カード、死者蘇生を発動!対象はシャドール・ビースト!!バトル!!2体のモンスターでダイレクト・アタック!!」

 

瞬:LP8000→3600

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

勇吾:手札:0枚 モンスター:2枚(エルシャドール・ミドラーシュ(ATK/2200)(シャドール・ビースト(ATK/2200))魔法・罠:無し LP8000

 

「・・・ボクのターン、ドロー・・・」

 

(たった1ターンでこのボクに4400ものダメージ・・・この男、相当デキるな・・・)

 

「ボクは手札からBF-蒼炎のシュラを召喚!!黒い旋風の効果でデッキからBF-疾風のゲイルを手札に加える」

 

(・・・黒い旋風を残したのは大きな間違いだったな、影井 勇吾)

 

「更に疾風のゲイルを特殊召喚。エルシャドール・ミドラーシュがいる限り、特殊召喚は1ターンに1度しか出来ないんだったね。ボクはゲイルの効果でエルシャドール。ミドラーシュの攻撃力と守備力を半分にする」

 

エルシャドール・ミドラーシュ:ATK/2200→1100 DEF/800→400

 

「バトル!!BF-蒼炎のシュラでミドラーシュを攻撃!!」

 

勇吾:LP8000→7300

 

「更にこの瞬間、シュラの効果を発動!!デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を効果を無効にして特殊召喚!!ボクはこの効果でデッキからBF-隠れ蓑のスチームを特殊召喚!!」

 

「・・・こっちも破壊されたミドラーシュの効果を発動する。墓地から影衣融合を手札に加える」

 

「メインフェイズ2に移行して、ボクは隠れ蓑のスチームとシュラでシンクロ召喚する。そして鉄壁のブラック・フェザー!BF-アーマード・ウィングを特殊召喚!!」

 

(アーマード・ウィング、攻撃力は2500もあるくせに戦闘では破壊されないという厄介なモンスターか・・・)

 

「更に隠れ蓑のスチームが場を離れた事により、場にスチームトークンが特殊召喚される!!この効果は強制だからタイミングは逃さない!!更にスチームトークンとゲイルでシンクロ召喚!!アームズ・エイド!!そしてアームズ・エイドの効果発動!!このカードを攻撃力1000ポイント上昇の装備カード扱いとして自分の場のモンスター1体に装備する。俺はアーマード・ウィングにアームズ・エイドを装備!!」

 

BF-アーマード・ウィング:ATK/2500→3500

 

「更にカードを1枚伏せ、ボクはこれでターンエンド!!」

 

瞬:手札:0枚 モンスター:BF-アーマード・ウィング(ATK/3500)魔法・罠:2枚(1枚はアームズ・エイド) LP3600

 

「・・・俺のターン、ドロー」

 

(相手の場にはアームズエイドの効果で更に強化されたアーマード・ウィング、そしてあのリバースカード、恐らくは罠カード、デルタクロウ・アンチ・リバース、ここは・・・)

 

「俺はシャドール・ファルコンを召喚!!」

 

(チューナーモンスター?シンクロ召喚をする気か!?)

 

「俺はレベル5のシャドール・ビーストにレベル2のシャドール・ファルコンをチューニング!シンクロ召喚!!月華竜ブラック・ローズ!!」

 

「・・・はっ!何を出すかと思えば。そのモンスターじゃアーマード・ウィングは破壊できないぜ?」

 

「分かってる。だからこうするのさ。影衣融合を発動」

 

「影衣融合?融合素材は場にも手札にもいないはず・・・」

 

「影衣融合は相手の場にEXデッキから特殊召喚されたモンスターが存在する時、デッキのモンスターを素材に融合召喚を行う事が出来る」

 

「な!?そんな効果が?」

 

「俺はデッキから超電磁タートルとシャドール・ビーストを墓地に送り、エルシャドール・ネフィリムを融合召喚!!ビーストの効果でカードを1枚ドロー!!そしてネフィリムの効果により、デッキからシャドール魔法・罠カードを墓地に送る。俺はこの効果で影衣融合を墓地に送る。更に貪欲な壺を発動!!墓地からエルシャドール・ミドラーシュ、3枚のシャドール・ビースト、シャドール・ファルコンをデッキに戻してシャッフル。その後。2枚のカードをドロー!!バトル!!エルシャドール・ネフィリムでアーマード・ウィングを攻撃!!この瞬間!ネフィリムの効果が発動!!相手の場の特殊召喚モンスターを破壊する!!」

 

「何?」

 

「更にブラック・ローズでダイレクト・アタック!!」

 

瞬:LP3600→1200

 

「く・・・だが、ライフはまだ残る。次のターンで・・・」

 

「次なんて無い!!俺はこのバトルフェイズ中に速攻魔法発動!!神の写し身との接触!!対象はエルシャドール・ネフィリムとレッド・デーモンズ・ドラゴン!!エルシャドール・ミドラーシュを融合召喚!!」

 

「・・・まさか、これ程までとは・・・」

 

「これでトドメだ!エルシャドール・ミドラーシュでダイレクト・アタック!!」

 

瞬:LP1200→0

 

「見事だ。ボクの完敗だよ」

 

「お前は知らねぇだろうけど、勇吾はこの学園の誰よりも強いんだよ。俺にコテンパンにやられて、死ぬ気で努力してからな」

 

宇宙が俺の過去を語り始めるが、余計な事まで言い出したので、俺は話すのを辞めさせた。

 

「・・・負ける恐怖との戦いって奴かな?・・・あの人と同じだな・・・」

 

「え?」

 

瞬が最後に気になる事を言ったので、聞き返すが、彼はその後「何でもない」とだけ言い残してその場を去っていった。

100%何らかの事情を抱えてそうな怪しい奴が見せるリアクションなどは一切見せずに・・・。

 

to be continued

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