Duelist Story   作:光る闇

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獣神機王バルバロスUr(前編)

第4話「獣神機王バルバロスUr(前編)」

 

「エルシャドール・シェキナーガでダイレクト・アタック!!」

 

「超融合発動!!対象はシャドール・ドラゴンとそちらの場のD-HERO Bloo-D!!」

 

放課後になると、昼休み中に出来なかったデュエルを生徒会室で行っていた。

それにしても、違うデッキ相手とは言え、連戦は想像以上にしんどい。

 

「よし、次は俺とデュエルだ」

 

「ちょっと待って下さい、少し休憩させて下さい・・・」

 

「むぅ、仕方ないな・・・」

 

次から次へと現れる挑戦者相手に俺は、疲れきっていた。

生徒会室に来るなり、いきなり5人もの先輩達にデュエルを申し込まれ、今の今までずっとデュエルをしてきたのだから無理も無い。

 

それに1回のデュエルに掛かる時間は長くて、およそ30分。

相手のプレイ待ちやこちらから相手への攻め方、相手の出方を予測してどのタイミングでどのカードを発動すれば良いのかという事まで考えなければならない。

つまり、連続で頭を働かせ続ける必要がある。こんな面倒臭くて辛い事はそうそう無いだろう。

 

(連戦のおかげで俺とまだデュエルしてない人達にも俺のデッキの動きが、読まれてる可能性があるな。今のうちにデッキの構築を見直しておくか)

 

俺はデッキを少しいじる為に、生徒会室を出てある場所に向かった。

良作を作る為には、雑音1つ無い静かで落ち着ける場所がベストな事は、古来より知ら示されている。

ここまで言えば、大体の人が想像つくだろう。そう、図書室である。

 

俺の通う学校の図書室は本校舎の3階にある。俺は、デッキを強化する為に今、図書室に向かっているのである。

 

生徒会室のある1階から図書室のある3階までは、徒歩3分程度で着いた。

俺は図書室内に入ると、適当な席に腰を掛けて用意してきた予備のカードとデッキを取り出して、あれこれ考え始めた。

 

「うーん、このカードを入れるとなるとこっちのカードは3枚も必要なくなるな・・・」

 

人の殆ど居ない図書室で俺は独り言を呟きながら、デッキの調整をしていた。

すると、突然1人の人物に声を掛けられた。

 

「あれ?勇吾じゃん」

 

その声に反応して、ふと顔を上げると正面に宇宙がいた。

 

「・・・何だ宇宙か」

 

「何だって何だよ・・・」

 

「・・・他に何て言えば良いんだよ・・・てか、あれ?今日は星ちゃんと一緒じゃないのか」

 

「星なら今日は先に帰ったよ。今日はいつも読んでる雑誌の発売日なんだとさ。ってか、いつも妹と一緒の訳無いだろ。小学生の時ならともかく、高校生にもなって常に身内と一緒とかある訳ねぇだろ。人をシスコン扱いすんな!」

 

「別にシスコン扱いになんてした覚えはないけどな。ところで何の用だよ?」

 

「・・・ゃ、さっき生徒会室の前を通ったら先輩達がお前がいないって騒いでたからさ」

 

「いけね、ついデッキの調整に夢中になっちまって時間を忘れてた。・・・てかお前何で俺がここにいるって分かったの?」

 

「お前がこの学校でよく行く所と言ったら、生徒会室とここくらいしか無いだろ?」

 

(・・・そうだったのか。気付かなかった。てっきり自分はもっと色々な場所に足を運んでると思ってたのだが・・・やっぱ他人は自分以上に自分の事を見てるもんなんだな・・・)

 

俺は改めて「人というのは自分以上に人の事を見ているんだな」という事を痛快した。

 

「おっと、こんな事やってる場合じゃなかった。もうそろそろ戻らねぇと・・・じゃあな」

 

「お、おぅ・・・」

 

俺は机に少しだけ広げたカードを片付けると、デッキをデッキケースにしまい、急いで生徒会室に戻った。

 

「すみません、ちょっと図書室に行ってまして・・・」

 

俺は相手からの「今までどこに行ってたか?」という質問を待つ前に自分が今までどこに行ってたかという事を喋った。

 

「・・・あ、あれ?」

 

俺は部屋の中を覗いたが、そこには誰もいなかった。

 

「・・・部屋を間違えたかな?」

 

不安に思った俺は部屋の外に付けられた表札に目をやったが、やはりそこには「生徒会室」と書かれていた。

 

「・・・ひょっとして先輩達、怒って帰っちまった?」

 

自分が生徒会室に向かって走って来たところ、着いた先はやはり生徒会室だった。

この事実がある以上、考えられる可能性は先輩達が帰ってしまったという事だった。

 

「・・・マズイ、どうしよう。・・・てか、もう少しくらい待っててくれても良かったんじゃないか?」

 

俺は人を怒らせてしまったという罪悪感と、でもよくよく考えてみればもう少しくらい待っててくれても良かったんじゃないか?という考えが一緒になって、自分で自分の感情がよく分からなくなっていた。

 

この先どうしようかと悩んでいると、いきなり背後に人の気配を感じた。

 

慌てて振り返るとそこには、前回デュエルをして俺に敗北した荒木 先輩の姿があった。

 

「あ、荒木 先輩!?」

 

「お前、ここにいた奴等を探してるのか?」

 

「え?」

 

荒木 先輩の口調から生徒会室にいた先輩達が姿を晦ました原因が、荒木 先輩にあるのではないかと察した。

 

「・・・奴等なら屋上だよ。俺が連れてった」

 

「屋上?連れてったって、何故そんな事を?」

 

「良いから黙って着いて来い」

 

そう言うと荒木 先輩は俺の手を引いて歩き始めた。

 

「ちょ、そんな引っ張らなくても自分で歩けますから・・・」

 

「・・・・・・・」

 

俺が何を言っても彼は聞く耳を持とうとせず、ただひたすら俺の手を引いて歩き続けるだけだった。他の生徒も見ているというのに、全く何を考えているんだこのでくの坊は・・・。

 

生徒会室から移動しておよそ10分後、ようやく屋上前に着いた。

外に出る為、ドアを開けるとそこには屈強な肉体の男達と生徒会室で待機したいた筈の先輩達の姿があった。

 

「こ、これは一体・・・」

 

「勇吾君!!」

 

「黙れ!!貴様はここで大人しくしてろ!!」

 

屈強な肉体の男の1人が、俺に声を掛けた事により、腹部に膝蹴りを喰らわされる。

 

「先輩!!」

 

「おっと、人の心配をしてる場合じゃないぜ?影井 勇吾。貴様にはこれからここで、俺とデュエルをしてもらう」

 

「デュエル?」

 

何故、態々屋上でデュエルをする必要があるのか分からなかったが、俺はその後、荒木 先輩に投げ渡されたデュエルディスクを受け取った。

 

「これはデュエルディスク・・・アンタ学校に何持ち込んでんだよ・・・」

 

「デッキだって本来は持ち込み禁止の不要物だ。同じ先公に見付かって拙いものなら、ディスクを持ち込もうが関係ねぇだろうが」

 

言ってる意味がよく分からなかったが、今回もまたデュエルをしてやるしかない様子だった。

今回は荒木 先輩の仲間とも思える男達までついている。

下手な行動は人質となった先輩達にまで影響を及ぼしかねない。

 

「・・・分かりました。そのデュエル、受けてたちましょう」

 

「ククク、そうこなくちゃなぁ・・・但し、今からやるデュエルはちと特殊なルールを設けてある」

 

「特殊なルール?」

 

「そうだ、貴様のLPが減る度に、コイツ等は俺の雇った男達に殴られる」

 

「そんな無茶苦茶な・・・」

 

(そもそも雇ったって何だよ。アンタまだ高校生だろうが、高校生がどうやってこんなガタイの良い連中を雇ったって言うんだ・・・)

 

「フン、貴様が俺に勝ったってのが本当なら、貴様はライフを1ポイントも削らせる事無く、俺に勝利できるはずだろ?因みに殴られた人質が倒れたり、意識を失ったりしたら強制的に俺の勝ちとする。最早、手段は問わねぇ」

 

「・・・どこまでも卑怯な手を。じゃあもし俺が勝ったらアンタを少年院にブチ込んでやるからな?」

 

「・・・フン、次は貴様が敗北と屈辱を味わう番だ」

 

本気で俺に勝つ気でいるのか、荒木 先輩は俺の出した提案に怯む事なく、その条件を呑んだ。

 

じゃんけんの結果、先攻は俺からとなった。

 

「先手必勝!!俺のターン!」

 

5枚の手札の中から俺は、1枚のカードに手を掛けた。

 

「モンスターを裏守備表示でセット!!カードを3枚伏せてターンエンドだ!!」

 

勇吾:手札1枚 モンスター:セットモンスター1体 伏せ:3枚 LP8000

 

「フン、俺のターン、ドロー!!俺は手札からこのモンスターを召喚だ!!召喚!!激昂のミノタウルス!!」

 

「・・・激昂のミノタウルス・・・確かそのモンスターは」

 

「あぁ、こいつは俺の場の獣族・獣戦士族モンスターに貫通能力を付与する効果を持ったモンスターだ。そしてこいつ自身も獣戦士族、つまりこいつ自身にも貫通能力があるって訳さ」

 

「・・・俺のデッキのモンスターはどれも守備力が低い。成程、この俺を研究してきたって訳か」

 

「年下相手に何度もナメられるのは気分が悪いんでな!!やれ!激昂のミノタウルス!!」

 

「させない!!リバースカード発動!!堕ち影の蠢き!!デッキからシャドール・ビーストを墓地へ送り、場のシャドール・リザードを表側守備表示に変更!!そしてシャドール・ビーストの効果発動!そしてそれにチェーンしてリザードの効果発動!!リザードの効果で激昂のミノタウルスを破壊!最後にシャドール・ビーストの効果でカードを1枚ドロー!!」

 

「チィ!ミノタウルスは破壊されるか。だがまぁ良い。俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

荒木:手札3枚 モンスター:無し 伏せ:2枚 LP8000

 

「俺のターン!ドロー!!」

 

(荒木 先輩の場には2枚の伏せカード、下手に動けばどうなるか分からない。だが、場にモンスターカードは無い。攻めるなら今のうちだ・・・)

 

「・・・俺はシャドール・リザードを攻撃表示に変更!バトル!!シャドール・リザードで荒木 先輩にダイレクト・アタック!!」

 

「フン!罠発動!!次元幽閉!!こいつでテメェのモンスターは除外だ!!」

 

(守備貫通能力のモンスターに、モンスターを除外する次元幽閉か。俺への対策はバッチリと言った感じだろうが、俺はその先を行く!!)

 

「・・・リバースカード発動!!禁じられた聖槍!!このカードの効果でシャドール・リザードの攻撃力を800下げる代わりに、このターン、シャドール・リザードはあらゆる魔法・罠カードの効果を受けない!!」

 

「ハッ!!テメェがそう来るのはお見通しよ!!永続罠発動!!リビングデッドの呼び声!!」

 

「なっ・・・」

 

「このカードの効果で俺の墓地の激昂のミノタウルスを蘇生させる!!攻撃力が1000にまで落ちたそのモンスターじゃミノタウルスは倒せない!!さぁここからどうする?」

 

「・・・なぁ~んてね」

 

「何?」

 

「俺は手札から速攻魔法、サイクロンを発動!!対象はリビングデッドの呼び声!!」

 

「な、何だとぉ?」

 

「これにより、激昂のミノタウルスは再び墓地に送られる!!そしてシャドール・リザードの攻撃がアンタを捉える!!」

 

荒木:LP8000→7000

 

「メインフェイズ2に移行して更にモンスターを伏せる!これでターンエンド!!」

 

勇吾:手札1枚 モンスター:シャドール・リザード(ATK1000→1800)伏せモンスター 伏せ:1枚 LP8000

 

「クソ!俺のターン!ドロー!!俺は魔法カード、ブラックホールを発動!!その忌々しいモンスター共を破壊する!!」

 

「シャドールモンスターはカードの効果で破壊された時にも効果を発動する。その事を分かっていながらのブラックホールってところですか?俺は破壊されたシャドール・リザード、シャドール・ヘッジホッグの効果を発動!まずはリザードの効果でデッキからシャドール・ビーストを墓地に落とし、ビーストの効果でカードを1枚ドローする。続いてシャドール・ヘッジホッグの効果発動。デッキからシャドール・ヘッジホッグ以外のシャドールモンスターを手札に加える。俺はこの効果でシャドール・リザードを手札に加える」

 

勇吾:手札1→3

 

「貴様の手札が2枚以上になったところで俺は速攻魔法、手札断殺を発動!!お互いに手札を2枚捨て、その後2枚ドローだ。俺は手札の神獣王バルバロス、可変機獣ガンナー・ドラゴンを捨てて2枚ドロー!!」

 

「俺は影依融合と激流葬を捨てて2枚ドロー・・・」

 

「更に俺は墓地の獣戦士族、神獣王バルバロスと機械族のガンナー・ドラゴンを除外し、獣神機王バルバロスUrを特殊召喚!!」

 

荒木 先輩の場に前回のデュエルでは見なかったモンスターが召喚される。

そのモンスターは鋼鉄の鎧を身に纏ったバルバロスと言った感じのモンスターだった。

 

「ば、バルバロスUr?攻撃力3800?」

 

「バルバロスUrは容易に特殊召喚できるモンスターでありながら、3800という驚異的な攻撃力を誇るモンスターだが、代償として相手に戦闘ダメージを与えられないモンスターなのさ。行くぞ!バルバロスUrでダイレクト・アタック!!」

 

(相手にダメージを与えられないモンスターで攻撃?一体何をする気・・・)

 

「・・・まさか!!なら、攻撃宣言時に罠カード、強制脱出装置を発動!!対象はバルバロスUr!!」

 

「ちぃ、こっちの攻撃は通さないくせに、自分からの攻撃は一方的に通してきやがる。俺はこのデュエルでテメェを完膚なきまで叩きのめす!!絶対にだ!!俺はこれでターンエンド!!」

 

荒木:手札2枚 モンスター:無し 伏せカード:無し LP7000

 

to be continued

 

 

 

 

 





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