Duelist Story   作:光る闇

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E-HEROダーク・ガイア(後編)

第7話「E-HEROダーク・ガイア」

 

「最初はグー、じゃんけん・・・ポンッ!!」

 

全ての準備が整うと、じゃんけんで先攻・後攻を決めた。

今回、じゃんけんに勝ったのは俺、故に先攻・後攻を決める権利は今回、俺にある。

俺は迷わず先攻を選んだ。

 

「俺のターンから、俺はカードを2枚伏せてターンエンド」

 

宇宙:手札:3枚 モンスター:無し 伏せ:2枚 LP8000

 

(モンスターを召喚せずにターンエンド?手札に召喚できるモンスターが無かったって事か?)

 

「俺のターン、ドロー」

 

(兎に角、ここはいつも通り、魔法・罠カードの除去から行わせてもらうか)

 

「俺はマスマティシャンを召喚!!そして効果発動!!このカードが召喚に成功した時、デッキからレベル4以下のモンスター1体を墓地に送る。俺はデッキからシャドール・ドラゴンを墓地に送り、シャドール・ドラゴンの効果発動!!お前の場のEXデッキ側のカードを対象にする」

 

「・・・伏せていたカードはサイクロンだ。このカードは破壊される」

 

(サイクロンか、俺の手札には次のターンへの布石の為に伏せるべきカードがある。これは破壊しておいて正解だったな。エンドフェイズにサイクロンなんて発動されたら、俺の戦略は大きく乱れる所だった・・・)

 

「このままバトル!マスマティシャンでダイレクト・アタック!!バトル・カリキュラム!!」

 

宇宙:LP8000→6500

 

「先手は影井が取ったか」

 

「やっぱ校内最強の名は伊達じゃないよなぁ」

 

「カードを2枚セットしてターンエンドだ」

 

(外野が何やら影井のプレイングを褒めてるが、それも今日までさ。俺のデッキは今までとは一味も二味も違うんだからな)

 

「エンドフェイズ時に罠発動!!」

 

「!?」

 

「永続罠、王宮のお触れ」

 

「王宮のお触れ!?しまった・・・」

 

「お?何だぁ?今度は宇宙が何か仕掛ける気だぞ?」

 

(拙いな、俺が今伏せた2枚のカードはいずれも罠カード、発動は出来るが効果を封じられたんじゃ成す術ない・・・)

 

「・・・俺はこれでターンエンドだ」

 

影井:手札3枚 モンスター:マスマティシャン(ATK/1500) 伏せ:2枚 LP8000

 

「よし!その反応、今伏せたカードは2枚共、罠カードだな?」

 

「・・・さぁな」

 

図星を突かれてそれをはぐらかそうとするが、宇宙には俺が事実をはぐらかしている事が見抜けている感じだった。

 

「俺のターン!ドロー!!さぁ、見せてやるぜ!俺の新しい力を!!」

 

(・・・来るか!?)

 

「っと、その前に・・・魔法カード、トレード・イン発動!!手札からレベル8モンスター1枚を捨てて、カードを2枚ドロー!!俺は手札から磁石の戦士ーマグネット・バルキリオンを捨てて2枚ドロー!!」

 

「マグネット・バルキリオン?」

 

(確かにアイツのデッキは岩石族中心のデッキ、だがマグネット・バルキリオンなんてカードは入ってなかった筈・・・)

 

俺がキョトンとした顔をしていると、宇宙はこう返した。

 

「言ったろ?俺は新たな力を手に入れたって、そしてその新たな力に合わせて、俺のデッキも変えたのさ」

 

(・・・デュエリストの中にはお気に入りのカードの為に、デッキの内容を変える者もいる。だが、宇宙の場合はデッキを大きく変更してしまっている気がする。まるで、新たな力の為だけに、今までのデッキを捨ててしまった様なそんな気がしてならない・・・)

 

俺は宇宙の使用するカードの1枚1枚に、宇宙がこれまで使って来たカード達の思いを感じる事が出来ずにいた。

もしも、力を欲するあまり、宇宙がオリジナリティを捨ててしまったというのなら、その責任は俺にあるかも知れない。

 

何故ならあいつは俺に勝ちたいが為に、今まで必死になってたんだし、今日だって俺とデュエルで勝ちたいが為だけに、半日中どこか辛そうだった。

 

「行くぞ、更に俺は手札からーーー」

 

俺がアイツの言う通り、手加減してやってればあいつはこんなに変わらずに済んだのかも知れない。俺の所為であいつは、俺の知ってる天幻寺 宇宙はどこかに行ってしまったのかも知れない。だが、これだけは分かって欲しい。俺はただーーー

 

「影井?影井ぃ?」

 

「!!・・・はっ!!・・・あ、宇宙・・・!?」

 

「何ボケっとしてんだよ?俺はダーク・ガイアでマスマティシャンに攻撃するぞ?」

 

「?ダーク・ガイア・・・?」

 

宇宙の場に目を移すと、そこには1体の融合モンスターの姿があった。

 

「E-HERO?ダーク・・・ガイア?攻撃力・・・不明?」

 

「何言ってるんだよ?ダークガイアの攻撃力は5700だぜ?」

 

「・・・へ?」

 

宇宙の場をよく見ると、EXデッキゾーンの上に軍神ガープのカードとマグネット・バルキリオンのカード、そして墓地ゾーンには魔法カード、ダーク・コーリングのカードが置かれていた。

 

「あ・・・」

 

「『あ・・・』じゃねぇよ全く。良いか?もう1度、説明するぞ?ダークガイアは悪魔族モンスターと岩石族モンスターを素材に融合召喚されるモンスターで、攻撃力は融合素材になった悪魔族と岩石族モンスターの攻撃力を合計した数値になる。そしてこいつが攻撃する時、相手モンスターは攻撃表示になり、リバース効果も発動できない、分かったか?」

 

(リバース効果が使えない?シャドールモンスターはリバース効果とカード効果で破壊された時に効果を発動する。リバース効果が使えなくなるのは痛いな・・・)

 

「行くぞ?バトル!!ダーク・ガイアでマスマティシャンを攻撃!!」

 

勇吾:LP8000→3800

 

「ぐ・・・」

 

「おぉぉぉ、あの宇宙が影井相手に4200ポイントもの戦闘ダメージを与えたぁぁぁ!!」

 

「・・・マスマティシャンが破壊され、墓地に送られた事により、俺はデッキからカードを1枚ドローする」

 

勇吾:手札:3→4

 

「モンスターとカードを1枚セットしてターンエンドだ」

 

宇宙:手札:0枚 モンスター:ダークガイア(ATK/5700) 伏せモンスター 伏せ:1枚 王宮のお触れ LP6500

 

「俺のターン!ドロー!!」

 

(これで俺の手札は5枚になった。だが、枚数だけじゃ駄目だ、ここはこのカードで攻める)

 

「俺は魔法カード、ブラックホールを発動!!場のモンスターを全て破壊する」

 

「させねぇ!!リバースカード発動!!わが身を盾に!!」

 

「なっ、わ、わが身を盾に!?」

 

「ライフを1500ポイント支払い、このターン俺の場のモンスター1体は破壊されねぇ!!ダーク・ガイアは死守する!!」

 

宇宙:LP6500→5000

 

(宇宙、そのモンスターの為にライフまで支払って・・・よほど手に入れた力が気に入ったんだな・・・けどな・・・宇宙・・・)

 

「さぁ、次はどう出る?まぁ何が来ようとも俺のダーク・ガイアはこのターン、破壊はされないけどな。ハハハハハ!!!・・・!?影井?」

 

「・・・俺は召喚僧サモン・プリーストを召喚。効果で手札から魔法カードを捨ててデッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する。俺は手札から手札抹殺を捨てて、デッキから終末の騎士を特殊召喚。効果でデッキから闇属性モンスターを墓地に送る。俺はこの効果でシャドール・ビーストを墓地に送り、シャドール・ビーストの効果でデッキから1枚ドローする」

 

(・・・・・・・・)

 

「お、おい・・・何か影井の様子が変じゃねぇか?」

 

影井の変化に身の回りがざわつき始めた。

俺もこれから何か嫌な予感が起こりそうな気がしてならなかった。

 

「俺はサモン・プリーストと終末の騎士でオーバーレイ!!エクシーズ召喚!!来い、No101 S・H・Ark Knight」

 

「あ、アークナイト・・・まさか・・・」

 

「更に俺は手札から魔法カード、影依融合を発動。相手の場に相手がEXデッキから特殊召喚したモンスターがいる為、デッキのモンスターを素材に融合召喚!!俺はデッキからシャドール・ドラゴン、シャドール・ヘッジホッグを墓地に送り、エルシャドール・ミドラーシュを特殊召喚!!墓地に送られたシャドール・ヘッジホッグの効果により、デッキからシャドール・ヘッジホッグ以外のシャドールモンスターを手札に加える。俺はこの効果でシャドール・リザードを手札に加える。そしてシャドール・ドラゴンの効果も発動。王宮のお触れを破壊する。更にアークナイトの効果発動。オーバーレイ・ユニットを2つ取り除き、相手の場の攻撃表示の特殊召喚モンスター1体を吸収し、自身のオーバーレイユニットとする」

 

「くっ・・・それはさせねぇ!!手札からエフェクト・ヴェーラーを発動!!アークナイトの効果は無効だ!!」

 

「無駄だ!!王宮のお触れが無くなった今、場に伏せたこのカードを使わせてもらう」

 

「!!ま、まさか・・・」

 

「そのまさかだ!!カウンター罠!天罰を発動!!手札を1枚捨てて、効果モンスターの効果を無効にし、破壊する!!」

 

「そ、そんな・・・」

 

「これでアークナイトの効果は有効だ。さぁ、忌まわしきそのモンスターをこっちによこせ」

 

「・・・一体どうしちまったんだよ?影井?」

 

「・・・宇宙、今まですまなかったな」

 

「は?一体何を言って・・・」

 

「さっきからずっと思ってたんだ。宇宙の使用するカードについて・・・」

 

「俺のカード・・・?」

 

「お前は俺に勝ちたいが為に、デッキの内容を大幅に変えて俺に挑んできたんだろう?」

 

「・・・そ、そりゃあまぁ、そうだけど・・・」

 

「俺が手加減をしてやらなかったから、だから宇宙は新たな力を求め、その力の為に思い出を潰してしまった。違うか?」

 

「・・・影井にはそう見えるのか?」

 

「見える!!誰がどう見ても今のお前は新たな力を過信しきっている。そしてその力を疑おうとしない!!でも、何故そこまで力に拘る?お前だって努力をしてるなら、俺にも勝てるはずだろう?ただ、それがいつになるか分からないってだけであって!!」

 

「・・・散々惨めに負け続けてきた奴の気持ちが分かるってのか?」

 

「分かる!!お前はもう忘れてしまったかも知れないけど、俺だってこのゲームを始めたばかりの頃はお前に負け続けたじゃないか」

 

「・・・あ」

 

「俺はその度にお前が羨ましくて、お前みたいになりたくて必死だった!!そして今、俺は校内最強とまで呼ばれる様になった。そう、全てはお前がいてくれたから!!お前が俺に勝ち続けたからこそなんだよ!!だから、俺はお前とデュエルする度にお前に敬意を払って、手を抜かずに全力で戦って来た!!でも、それがいけなかったとでも言うのか?ならば、今後は気を付ける!!だから、もう新たな力に振り回されないでくれ!!俺をここまで成長させてくれたお前を、俺の知ってる天幻寺 宇宙を俺の前から消さないでくれ!!」

 

「・・・・・・・」

 

俺の必死の訴えを聞いた宇宙は、デッキに手を置きサレンダーをした。

 

「・・・宇宙?」

 

「悪かった、俺が間違ってたよ。考えてみれば影井にも今の俺と同じ時期があったんだよな。俺はもう、力に振り回されたりしない。あの時のお前みたいに自分で道を切り開いて前に進む。いつ、建てられたかも分からない様な怪しげな店で手に入れたこのカードももう俺には必要ない」

 

そしてクスリと笑うと、こう言い放った。

 

「さーてと!デッキを元に戻さなきゃあな!あ、でも前と同じ構築だとまーた連敗地獄を見そうだなぁ、てな訳で影井!今日は帰りに俺ん家に来いよ?デッキ構築を手伝ってもらうからな?星!お前も手伝えよ?」

 

すっかりと元の調子に戻り、明るい表情で笑う俺の大親友の姿がそこにはあった。

 

to be continued




皆さんもプライドだけは失くさぬ様に・・・。


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