七彩灰は女の子   作:一文字 更新

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三話 控えめに言って大嘘

 

 夢というものはやっぱりロマンの塊です。

 

 夢の中では空を泳げるようにある程度の制限は有れど、想像できる限り際限がないように思えます。

 

 同時に夢の世界は非常に狭い空間であるとも言えると思います。私の夢は視界までしか存在しません。後ろを振り向いた時、あるのはモヤだけでそれまで感じていた風景は存在しないのです。

 

 しかし、慣れ親しんだ教室や家は後ろまで続いています。おそらく記憶の強度が関係しているのだと推測できますが、現実も似たようなものなのでしょうか…?

 

 ポエム終わり。

 

 

 はい、何故急に…と感じた方もいますね。実は昨日、良い夢を見ました。

 

 人参ハンバーグです。大きな人参がハンバーグに聖剣よろしく刺さっています。

 

 人参はスプーンで掬えるほど柔らかく、口の中で甘く蕩けます。唾液が分泌された口に容赦なくハンバーグを運びます。溢れ出る肉汁の暴力。デミグラスの濃厚さと重厚なお肉のダブルタッグです。堪らず白米で回復です。はふはふっ。炊きたての白米によって熱されたデミグラスと肉汁が優しい余韻を奏でます…。

 

 私は人のお肉を食べたくないのです。

 

 

 だから夢でしか、味覚を感じない。

 

 それでいいと思っていますけど。

 

 

 

 

 忘れたくないですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しおらしい女の子って可愛いですよね?そうてすよね。はい、私超可愛い。この調子なら世界が私の価値に気付くのも遅くなさそうです。

 

 

 今日は烏になってお散歩しましょう。空中散歩ですよ、空、中、散歩っ!

 

 とりあえず隙間から外に出ました。わざわざ鳩の多い街中を歩いて人目につく必要なんてないですからね。人の気配がない屋上から飛びます。

 

 おぉ~。やっぱり扇風機とは風が全然違いますね。翼に当たるこの風の大きさ。なんだか飛べそうです!

 

 ふっふっふ!テンション上がってきました。

 

 体重を胸部に集中させながら、翼で風を感じて。そして力一杯蹴り出せば体は宙に浮き上がります。翼に体重が乗りました。離陸成功!

 

 私は空の旅を楽しんできます!

 

 

 あ、そうです。思い付きました!

 

 

 

 

 ついに…ついに来てしまいました。理知的な私でさえ野次馬根性には抗えなかったッ!興奮と若干の恐怖が入り混じって酔いそうです。

 

 

 二十区

 

 比較的遠いといっても空路でしたから時間はほとんど掛かりませんでした。

 

 

 わぉ…。

 

 おっきな反応がいっぱいありますね。でも先程から私の赫子センサーがここから離れようって言ってます。

 

 面倒に巻き込まれると死んじゃうので、危なくなる前に退避です。さっきから冷や汗が止まらん…。

 

 鳩。

 

 

 

 あの人が真戸特等…じゃなかった。ぁー会いたくない人に遭遇してしまいました。冷静に飛んで距離を取らないと。

 

 

 …ぁ、あれ?

 

 上手く飛べる気がしない。

 

 

 だ、大ピンチッ!

 

 

「おや?可笑しいですね…微かですが、こちらの方から喰種の気配を感じたのですが」

「ま、真戸特等…。もしや、あの"カラス"がそうだとでも言うおつもりですか…」

 

 ゴメイサツ!?ナニソレ、コワイ!

 

「いえ、いえいえ。案外あり得るのでは…とねぇ」

 

 近寄らないで?!詰め寄らないで!?

 

 急ぎ足で距離をとっているのに、ジリジリと距離を詰め寄られているかのような閉塞感があった。うわぁーん!勘弁してください!

 

「フッフッ。冗談ですよ…」

「そ、そうでしたか」

 

 ん…バレてない?

 

 冗談に聞こえなかったけど。何もしないでこのまま帰ってくれますか?私、信じていいんですか?

 

 

 

 

 

 

土門くん、クインケを構えなさい

「ぇ、はいッ」

 

 

 駄目だったかー。

 

 

 

 

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