もしも、シャーレに赴任してきたのがゴルゴ13だったら… 作:御厨パステル
皆さん、お待たせしました。
現在、新シリーズの方も執筆しているので更新が遅れる事が予想されます。
新シリーズの方はこちらのシリーズのパヴァーヌ編が終わり次第投稿したいと思います。
それではどうぞ。
前回のあらすじ。
1回目の学力試験で大ポカをかましてしまった補習授業部。
より勉強に集中する為の合宿として、トリニティ学園の別館に滞在する事になった。
______________________
ヒフミ「ここが別館ですか…初めて来ました…。」
ハナコ「てっきり、老朽化とかが進んでいるかと思いましたけど中は思ったよりキレイですね。」
ハナコ「これなら冷たい床の上で裸で寝る事もないでしょうね。」
ハナコ「裸で…♡」チラッ
コハル「…えっ!?何でこっちを見るのよ!?」
ハナコ「…見れそうになくて勿体無いな…と♡」
コハル「ね、寝込みを襲うとかやめてよね!?」
ハナコ「そんな事はしませんよ?」
コハル「先生!何かあったら守ってよね!?」
「……。」
ヒフミ「あははは…そういえば先生?」
「何だ。」
ヒフミ「それ凄い大きいトランクケースですね…」
ヒフミ「何が入ってるんですか?」
「…日用品だ。」
コハル「どんだけ入れてるのよ!?」
ハナコ「とりあえず、寝泊まりする部屋に行きましょうか。」
……………………………。
ヒフミ「…あれ?そういえばアズサちゃんは…。」
ハナコ「さっきまで居たような?」
「入り口に集まってた時には居なかった。」
コハル「気づいてたなら言ってよ!」
ガチャッ。
ヒフミ「あっ、アズサちゃん!」
アズサ「偵察は完了した。」
ヒフミ「偵察…?」
アズサ「トリニティの本校舎からはかなり離れている。狙撃される危険性は無いと思う。」
アズサ「外からの入口が二つだから襲撃された際の動きが予想しやすいのも気に入った。」
ヒフミ「あの〜アズサちゃん?」
ヒフミ「私たちはここへ戦いに来たんじゃなくて、勉強をしに…」
「俺も把握しておきたい。後で案内してくれ。」
アズサ「分かった。」
ヒフミ「先生っ!?」
______________________
トリニティ総合学園 別館 教室…………。
ヒフミ「コホン…というわけであらためてですが、」
ヒフミ「一次試験に落ちてしまったので、私達はこの別館で合宿をすることになりました。次の試験までの一週間、ここに滞在することになります。」
ヒフミ「何か質問などある人はいますか…?」
ピッ
ヒフミ「はい、コハルさん!」
コハル「何で先生は肩から銃を下げてるの…?」
「…。」
ヒフミ「い、いつの間に…!?」
「セーフティは外してない。」
コハル「そ、そこじゃなくて!もしかしてここにいる間はずっとそうしてるつもり!?」
「ここは校内と違って安全が保障されている訳ではない。」
「警戒はしておくに越した事はない。」
ハナコ「先生って随分と用心深いですね〜」
「俺は臆病だからな。」
アズサ「…?そうには見えないが。」
「…俺は臆病のせいでこうして生きている。」
「虎のような男は、その勇猛さのおかげで早死にすることになりかねない。」
「強すぎるのは、弱すぎるのと同様に自分の命をちぢめるものだ。」
「「「……。」」」*1
アズサ「す、凄い…!」
アズサ「先生が過去に何があったかは分からないが、先生が只者では無いとは初対面から思ってはいたんだ!」
アズサ「お、お願いだ!もっと私にそういう知見を教えてくれ!」
「この試験を終えた後だ。」
アズサ「そ、そうだな……。」
ヒフミ「…はっ!そうですね!まずは次の学力試験に向けて頑張りましょう!」
ヒフミ「それじゃあ早速勉強を……」
ハナコ「…あら、でもその前にやる事があるとは思いませんか、ヒフミちゃん?」
ヒフミ「やる事ですか?」
アズサ「…敵襲を想定してのトラップ設置か。」
ヒフミ「多分違うと…」
「それは既に完了している。」
アズサ「さすが先生だ!」
ヒフミ「先生っ!?」
コハル「結局なんなのよ。」
ハナコ「お♡掃♡除♡ですよ?」
「「「………ん?」」」
______________________
ハナコの提案により、まずは別館の清掃をする事になった一行。
着替えの後、ひとまず入口前に集合する事になった。
「………。」
ヒフミ「お待たせしました!」
「あぁ。」
ヒフミ「先生…何か農夫?みたいな格好ですね。」
「状況に適した装備をするのは重要だ。」
ヒフミ「こだわるタイプなんですね…。」
ザッザッザッザッ。
コハル「で、私は何をしたらいいの。」
アズサ「少し準備に時間がかかった。」チャキッ
ヒフミ「…アズサちゃん?…何で銃を?」
アズサ「先生の真似っこだ。」
ヒフミ「さ、流石に掃除の時は……」
「俺が辺りの索敵はしておく。銃は置いていけ。」
アズサ「…先生がそういうなら。」
サッサッサッサッ…
ハナコ「皆さん準備が早いですね〜♡」
「「「!?」」」
……また競泳水着を着てきたようだ。
コハル「あ、アウトーーーー!!!」
ハナコ「…?どこか変なところでもありましたか?」
コハル「変っ!変でしかないっ!」
コハル「プールに入る訳でもないのに水着である意味が分からないっ!」
ハナコ「ですが、動きやすいですし…。」
コハル「それじゃなくても動きやすい服はあるでしょ!?」
ハナコ「先生はどう思われますか……あら?」
ハナコ「先生はどちらへ?」
ヒフミ「えっ、あ…確かに…。」キョロキョロ
ブォォォォ…!
ヒフミ「な、何かエンジン音のような音が後ろから…!」
ブォォォォォォ!!!
「……。」
「「「「し、芝刈り機…!?」」」」
ブゥゥゥン………カチッ
ヒフミ「何処に芝刈り機なんてあったんですか!?」
「持参だ。」
コハル「持参!?」
アズサ「まさかあのトランクケースの中に…」
ハナコ「た、多分違うと思いますよ…?」
ヒフミ「けどしっかりと保護ゴーグルも着けているし…」
ヒフミ「もしかして掃除するの分かってたんですか?」
「全く。」
ハナコ「用意周到すぎますけどね…。」
「俺は裏の方をやってくる。」
アズサ「分かった。」
「あとハナコは体操着に着替えておけ。」
ハナコ「あ…す、すみません…。」
「…。」ザッザッザッザッ…
ハナコ「…調子狂っちゃいますね。」
………………………………。
ヒフミ「…周りの草むしりはいい感じですね!」
アズサ「次は別館の中か?」
ヒフミ「そうですね!頑張りましょう!」
「おい。」
ヒフミ「あっ、先生……ってまた格好が変わってる…!」
「一応、モップとはたきは用意してある。」
「ホコリが舞うかも知れないからマスクを着けておけ。」
「それと一応目に入らないように防塵ゴーグルだ。」
コハル「そ、そんな本格的な…てか先生も頭に三角巾巻いてるし…。」
アズサ「手を抜かずに準備を整えて挑めと言う先生の教えだな…!」
ハナコ「アズサちゃんが拡大解釈しています…。」
………………………………………。
ヒフミ「す、凄い…校舎全体がピカピカですね!」
アズサ「仕上げに先生が軽くワックスがけをしてくれたのもあるな!」
コハル「こっちに来る前の先生って塗装屋だったの…?」
「これで終わりか。」
ハナコ「いえ、最後に1か所ありますよ…?」
コハル「…どこ?」
ハナコ「屋外プールが…♡」
ヒフミ「あ…確かに…。」
「プールの清掃は時間がかかる。やるかどうかはともかく状態を見に行こう。」
______________________
ヒフミ「…結構汚れてますね…。」
一行の前には寂れた雰囲気を醸し出しているプール。
コハル「さ、流石にいいんじゃない…?ここは勉強では使わないし…。」
ハナコ「いえいえコハルちゃん、考えてみてください。」
ハナコ「キラキラと輝く水で満たされたプール、楽しい合宿、はしゃぎ回る生徒たち……」
ハナコ「……いいと思いませんか?」
コハル「ちょっと何言ってるか分からない。」
ハナコ「この気持ち、分かりあいたいですね…。」
コハル「な、何でちょっと悲しそうなのよ…!?」
コハル「ま、まぁよく分からないけどこのままは…寂しい…かも?」
アズサ「きっと前まではここも皆が使う活気溢れた場所だったんだろう。」
アズサ「それでも、こんな風に変わってしまう。『Vanitasvanitatum』……それが、この世界の真実。」
「…ヴァニタス…?」
ハナコ「古代の言葉で「全ては虚しいものである」と言う意味です。…確かにそうなのかもしれませんね。」
「……。」
「…やろう。」
ヒフミ「え?」
「勉強は明日やればいい。」
コハル「先生がそんなこと言っていいの…?」
「もし明日から忙しくなって楽しむ機会が無いとなったら、いつ羽を休める。」
「今を楽しめるのは今しかない。」
アズサ「…。」
ハナコ「…。」
ヒフミ「そ、そうですよね!」
ヒフミ「私は賛成です!」
「…よし、全員濡れてもいい服に着替えてくるんだ。」
「「「…へ?」」」
「掃除してくれたら、俺があらゆる手を使ってでも落第を防いでやる。」
「「「!?」」」
アズサ「だ、駄目なことじゃないのか…!?」
「駄目かどうかは俺が決める。」
コハル「先生とは思えない発言よ…!?」
ハナコ「…ふふっ。」
ハナコ「さぁ!アズサちゃんもコハルちゃんも!早く水着に……勿論、今の格好のままでもいいですよ!」
コハル「な、何言ってるの!?」
アズサ「水着なら持ってきている!」ダッ!
ヒフミ「アズサちゃん早いっ!?」
コハル「あっ!私も着替えるっ…!」
タッタッタッタッ…
「……。」
ハナコ「先生も着替えていいんですよ?」
「……。」
ハナコ「…私達と一緒に…だめ…ですか?」
「分かった。」
サッサッサッサッ…
ハナコ「……ふふっ♡」
______________________
ヒフミ「…ん?」
アズサ「……。」
コハル「……。」
ハナコ「……。」ニコニコ
4分の3が水着に着替えた。
コハル「いやなんで制服なの!?」
ハナコ「駄目でしたか?」
コハル「濡れてもいい格好になるって言ってたじゃない!?」
ハナコ「私の中では制服も濡れてもいい格好ですよ?」
コハル「せ、制服濡れてもいいの!?」
ハナコ「考えてみてください、コハルちゃん。」
ハナコ「制服の方が、濡れた時に"いい感じ"になると思わないですか?」
コハル「い、いい感じ…?」
アズサ「…"いい感じ"って何だ?」
ヒフミ「わ、私に聞かないでくださいっ…!///」
ハナコ「まぁ制服の下にビキニを着てるんですけどね…?」チラッ…
コハル「み、見せないでいいからっ…!!」
「…………。」
コハル「というか先生もその格好何!?」
「濡れてもいい格好だ。」*2
ヒフミ「それも持参してきたんですか…?」
「そうだ。」
アズサ「服の上からは分からなかったが、すごい筋肉だな…!」
ハナコ「……。」タラァッ…
ヒフミ「ハ、ハナコさん!鼻血出てますよ!?」
ハナコ「……はっ!いつの間に…!」
「ティッシュだ。」スッ…
ハナコ「あ、ありがとうございます…。」
ヒフミ「…で、ではお掃除しましょうか!」
……………………………………。
ヒフミ「…ふぅ。結構まんべんなく出来ましたかね…?」
ヒフミ「アズサちゃん、一度ホースで水を撒いてもらっていいですか?」
アズサ「分かった。」キュイッ…キュイッ…ジャァァァ!!
コハル「わっ!?す、水圧強いっ!?」
ヒフミ「アズサちゃん!もっと弱めないと…!」
アズサ「どうやるんだ…?」サッ…
ブシャァァァァッッ!!!
ヒフミ「わぁぁぁ!?急にホースの先をこっちに向けないでくださいぃぃ!!」
コハル「と、止めてって!一旦止めてって!!」
ハナコ「じゃあこっちからも…え〜い♡」
ブシャァァァァッッ!!!
ヒフミ「濡れてもいいって言いましたけど、ちょっと水の勢いが…!」
コハル「ちょっ!や、やめっ……!?」
ハナコ「うふふふふふふ…♡」
コハル「な、何か楽しんでない!?」
ハナコ「濡れるのは良いですね…♡」
コハル「せ、先生助け…!」
「……。」ゴシゴシゴシゴシ…
コハル「デッキブラシで丁寧に掃除してないで止めてぇぇ!!」
ハナコ「先生も濡れちゃいましょうね〜♡」
ブシャァァァァッッ!!!
「…。」
サッ…!!
コハル「よ、避けたっ!」
アズサ「…当てるっ!!」
ブシュゥゥゥゥゥ!!!
「…。」サッ!!
ヒフミ「背後からなのに避けたぁ!?」
アズサ「ここまで来たら濡らしたいっ!!」
コハル「な、なんか闘志が燃えてる…!?」
「どこからでも来い。」
ハナコ「じゃあ失礼しますね♡」サッ!
「…!」
一瞬の隙をついて水のたっぷり入ったバケツを持ったハナコがゴルゴの真横まで近づいていた。
ハナコ「え〜い♡」
バッシャァァッ!
「……。」
ハナコ「せ…先生?」
「……。」ピシュッ!
ハナコ「わっ!」
隠し持っていた水鉄砲でハナコを撃つ。
「隙をつかれた…か。」
「掃除は終わりだ、ここからは俺も混ざるぞ。」チャキッ…
ヒフミ「せ、先生も遊ぶんですか!?」
コハル「なんかめちゃくちゃね…」
アズサ「先生の実力が分かるかもしれない…!」
ハナコ「先生ももっと濡れましょうね…♡」
…結局、プールそっちのけで全員で遊んでいたら水が貯まる頃には日が暮れ始めていた。
プールに入るのはまた今度の機会という判断をして、全員寝泊まりする部屋にに帰っていった。
______________________
その日の夜。屋外プールにて………。
「…………。」
ヒフミ「…。」サッサッサッサッ。
「ヒフミか。」
ヒフミ「…!な、何で分かったんですか?」
「足音だ。」
ヒフミ「凄いですね…。」
「眠れないのか。」
ヒフミ「…はい。」
「……。」
ヒフミ「…夜に見るプールって綺麗ですね。」
「あぁ。」
ヒフミ「明日から本格的に合宿するんですが…大丈夫でしょうか。」
「何がだ。」
ヒフミ「…もし、二次試験に落ちて…それで最後の三次試験にも落ちてしまったら……って…。」
「大丈夫だ。」
「俺に任せろ。」
ヒフミ「…え?」
「俺は言った事は必ず守る。」
「お前たちを落第させない。」
「だから、今出来るだけの事をしておけ。」
「安心して俺に頼れ。」
ヒフミ「………先生…っ。」
「…ナギサに何か言われたか。」
ヒフミ「へっ!?」
「裏切り者を探せと言った内容だろう。」
ヒフミ「…先生の前では隠し事とかは出来ないですね…。」
ヒフミ「…私達の中にそういう人がいるとは思えないし…そう思いたくもないんです…。」
「そういう事は俺がやっておく。」
「気にせず他の奴らと仲良くしておけ。」
ヒフミ「…全部先生に任せっきりになっちゃいますね……。」
「それでいい。」
ヒフミ「…!」
「大人でもないのにこんな事に巻き込まれる事の方がおかしい。」
「ゲヘナとトリニティの両陣営の啀み合い、友好条約、裏切り者…。」
「さながら冷戦時代のようだ。」
「本来ならそういうのは大人に任せておくべきだ。」
「俺にとって、このキヴォトスの成り立ち方は。」
「子供には荷が重すぎるとしか思えない。」
「…そういう物だと言われればお終いだがな。」
ヒフミ「……。」
「…この部活が出来たのも一種のミスリードかも知れない。」
ヒフミ「…ミスリード?」
「エデン条約を阻止しようとしている奴が暗躍しているという情報はトリニティだけが察知してる訳ではないだろう。」
「恐らくゲヘナ側も何かしらの探りを今入れているはずだ。」
「何故トリニティの中にいると絞れた?」
「他校の生徒の可能性もあるはずだ。」
「誰かが『学園内に裏切り者がいる』という誤情報を流して、トリニティ全体を瓦解させようとしているかも知れない。」
ヒフミ「た、確かに…。」
「ナギサも人だから仕方が無いが、ナギサの言った全ての言動が真実に基づくとは限らない。」
「ナギサも偽の情報に踊らされているかも知れない。」
ヒフミ「……。」
「正直に言ってみろ、一気に考えるのが面倒くさくなっただろう?」
ヒフミ「…少しだけ。」
「それでいい。」
「そう思うのが普通だ。」
「今ここでお前たちが苦悩する事は無い。」
「…いずれ苦労するんだ。」
ヒフミ「…そうなんですかね。」
「…そういう物だ。だから、今は任せておけ。」
「お前はありのままでいろ。」
ハナコ「………ありのまま…ですか…。」
______________________
翌日……。
ヒフミ「皆さん!おはようございます!」
「「「おはようございます(〜♡)」」」
ヒフミ「今日から本格的に試験の為の勉強をしたいと思います。」
ヒフミ「…早速ですが今日はこれをやりたいとと思います!」サッ!
ヒフミが束になった紙を取り出す。
アズサ「それは?」
ヒフミ「昨年、トリニティで行われた試験の問題用紙を持ってきました!」
ヒフミ「今日はこれを説いて、自分が今どのレベルなのかを再確認したいと思います!」
ハナコ「確かにそれは大切ですね。」
ヒフミ「はい!試験時間などは本番と同じように設定します!早速やってみましょう!」
「お前らカンニングするなよ。」
コハル「し、しないわよそんな事!?」
…………………………………。
そして、模擬試験が終わった…。
「採点が終わった。」
「ボードに張り出すぞ。」サッ…
ヒフミ「す、凄い!ハナコさん、100点満点です!」
コハル「えっ!?1次試験の時はめちゃめちゃ低かった気が…!」
ハナコ「えっへん!」ドヤァ…
コハル「な、なんかキャラ崩壊してるような…」
ハナコ「…ありのままで良いかなって…」ボソッ
ヒフミ「…?今なんて?」
ハナコ「いえ〜実は1次試験の時は1個ずらしで解答してしまってて…」
ヒフミ「えっ!そうだったんですか!?」
「あぁ、確かにそうだ。」
ヒフミ「そういえば…アズサちゃんに問題を聞かれて、教えてもいましたもんね…。」
「…。」
ハナコ「先生!」
「何だ。」
ハナコ「100点取りました!私、偉いですか…?」
「……偉いぞ。」
ハナコ「えへへへ…///」
コハル「…やっぱり何かキャラが変わったよね…。」
アズサ「…そうか?」
コハル「絶対そうよ!?」
______________________
その日の夕方……。
アズサ「…ハナコ、質問していいか?」
ハナコ「はい、勿論ですよ♡」
コハル「…………。」
「ヒフミ、そこを教えてやれ。」
ヒフミ「はい!」
コハル「ま、まだ何も言ってないから!?」
ハナコはアズサを付きっきりで、コハルは俺、時々ヒフミという形で苦手な箇所を克服する形になった。
ハナコ「…」ジーッ。
「…?」
ハナコ「…」スッ…
時折、ハナコが熱っぽい視線を向けてくる様にはなったが。
コハル「うーん……。」
「…教えるか?」
コハル「…いい、参考書見るから…」ゴソゴソ…
コハル「持ってきたよね…?」ゴソゴソ…
コハル「あっ、あった!」ガサッ…
参考書にしては薄くて、如何わしい雰囲気の本が出てきた。
「……これが参考書か。」
コハル「…そう、これに載って……た……。」
ハナコ「あら…エッチな本ですね…♡」スゥッ…
ヒフミ「…へっ!?」
アズサ「…?」
コハル「ち、違っ…!?な、なんでこれがっ!?」バッ…
ハナコ「コハルちゃん、今更隠しても遅いですよ…?」
ハナコ「しっかりと【R-18】と書いていましたし、帯に書かれてた文章もそれはそれはいやらしかったですよ…♡」
ハナコ「それに本の表紙の絵を見る限りでは、余程の事じゃない限り手を出さないレベルの内容が予想される本でした…♡」
ハナコ「…ね、先生♡」
「話を振るな。」
アズサ「参考書なのか?参考書なのなら見させてほしい…」
コハル「さ、参考書じゃないです!み、見なくて大丈夫ですぅ…!」バッ!
テンパったコハルはアズサの目を塞いでいる。
コハル「ほ、本当に違うの!これは私が持ってきた訳じゃないの!」
「…逆にどういう経緯でそれをカバンに入れるんだ。」
コハル「こ、これは正義実現委員会としての活動中に押収品の整理とかしてて……。」
「たまたまカバンに入れたまま来てしまったって事か?」
コハル「そ、そうなの…。」
コハル「…押収品なら早めに返した方が良いんじゃ…?」
コハル「た、確かにそうだわ…!」
コハル「い、今からでも返しに行こうかな…」
コハル「で、でも押収品を勝手に持ち出した事かバレちゃったら…」
「俺も行こう。」
ハナコ「そうですね、先生と一緒ならきっと大丈夫ですよ、コハルちゃん。」
コハル「わ、分かった…。」
______________________
ザッザッザッザッ…
コハル「……。」
「……。」
コハル「ね、ねぇ!」
「何だ。」
コハル「こ、これは本当に私の私物じゃないからね!?」
「さっき説明された。」
コハル「う、疑ってないなら良いけど…」
「いつもはもっと厳重な管理をして、バレない様に持ち歩いていると言う訳か。」
コハル「そうそう…って違ぁう!!!」
「一瞬でボロが出たぞ。」
コハル「ほ、ほぼ誘導尋問みたいなもんでしょ!?」
「気を抜いている方が悪い。」
コハル「いつも気を張ってるわけ無いでしょ!?」
コハル「て、てか先生だって何か気を抜いてる時あるでしょ!?」
「ない。」
コハル「なっ…!?ぜ、絶対嘘よ!」
「今、俺が咎められる理由はない。」
コハル「ま、まぁそうだけど…!」
「…別にそれが悪い事だとは一言も言ってない。」
コハル「…え?」
「それは年齢に伴って芽生えるものだ。」
「押し殺せという方が難しい一面もある。」
「世間から見たら少し破廉恥なものだとは思われるがな。」
「殺害手段が不明なら犯人を特定出来ない様に、バレなければそれでいい。」
「気張ってわざわざ自分を抑える必要はないと言う事だ。」
コハル「なんか例えがすっごい物騒だけど……。」
コハル「…それでいいのかな…。」
コハル「私、正義実現委員会に入ってる訳だし…」
コハル「いつも誠実でいた方が……」
「誰もそれを強要してはいない。」
コハル「…!」
「…お前が知らないだけで、他の奴らも頭の中はそういう事で溢れてるかも知れないからな。」
コハル「な、何てこと言ってんの!?」
「部室に着いたぞ。さっさとそいつを置きに行こう。」
コハル「あっ…!最後にとんでもない事言わないでよ…!?」
………………………………………。
「ここが押収品の置いてある部屋か。」
コハル「そう。…まぁこの辺りに置いておけばいいかな…?」
ガチャッ…
ハスミ「…あら…コハルに…先生?」
コハル「えっ!?ハスミ先輩っ!?」
ハスミ「どうしてこちらに…?」
ハスミ「確か、成績が良くなるまでは本館への立ち入りが禁止だと聞いたのですが…。」
コハル「あ、あの…えっと……!」
「押収品と判断されるであろう物を置きに来た。」
ハスミ「そうだったんですね。」
「あいにく正義実現委員会の部室の場所を忘れていたから道案内をコハルに頼んだんだ。」
「出入り禁止だと言う事を俺もコハルも把握はしていなかった。すまない。」
ハスミ「…それならまぁ…仕方ないですかね…。」
「すまない。じゃあ失礼する。」
ハスミ「あっ、少しコハルをお借りしてもいいですか?」
ハスミ「お話したい事があって…」
コハル「わ、私ですか…?」
「俺は構わない。」
ハスミ「ありがとうございます。コハル、こちらに…。」
コハル「…。」ジーッ…
ハスミ「…?私の顔に何か付いていますか?」
コハル「…はっ!いえ何も…!」
コツコツコツコツ…ガチャッ…バタン。
「……。」
『…、……。』
『………。』
壁が薄いようで薄っすらとあちらの会話が聞こえる。
ハスミ「……ですか、コハル…………てください。」
ハスミ「本来の……を……ないで……………い。」
「……。」
………………………。
ガチャッ…。
コハル「……。」
「話し合いは終わったか。」
コハル「あ、う…うん。」
「じゃあ帰るぞ。」コツコツコツコツ…
コハル「…。」サッサッサッサッ…
______________________
そして、その日の夜も更けた頃。
「………………。」
何故かまた屋外プールに来てゴルゴは考え事をしていた。
サッサッサッサッ…
「…ハナコか。」
ハナコ「凄いですね……こんばんは、先生。」
「…眠れないのか。」
ハナコ「まぁそんな感じです。」
「……。」
ハナコ「水面に映る月、幻想的ですね。」
「……。」
ハナコ「私、昨日ここで先生がヒフミちゃんと話しているの聞いてたんです。」
「……。」
ハナコ「…先生は面白い人です。」
ハナコ「頑なに私達に負担を負わせないようにしていたり、」
ハナコ「コハルちゃんにも【ありのままでいい】と言ってましたし…。」
ハナコ「それが、大人…なんですか…?」
「そういう訳ではない。」
「俺はお前たちに混沌と隣り合わせの青春を送ってもらいたくないだけだ。」
「凪いだ海のような、そんな青春を送ってほしい。」
ハナコ「…………。」
「…何か言いたい事でもあるのか。」
ハナコ「…いえ……特に…。」
「…。」
「俺はスナイパーだった。」
ハナコ「……え?」
「有り体に言えば殺し屋だ。」
ハナコ「…殺し屋。」
「何千…何万もの人間を手に掛けた。」
「…俺に先生が務まるとは思わなかった。」
「だが、俺はこのキヴォトスにおける【先生】と言うものを少し勘違いしていたようだ。」
「ただの教職者ではない、本当の意味で生徒を導くものだと…俺は思った。」
ハナコ「………。」
「それじゃあ等価交換だ。」
ハナコ「……え?」
「俺は今、俺の秘密を話した。」
「お前にも、お前の秘密を話すのがお互い平等って物だ。」
ハナコ「…ふふふっ…!」
ハナコ「ズルい人ですね…。」
ハナコ「………私は1年の時には既に3年生の教育課程を終えました。」
ハナコ「…言っては悪いですが、簡単でした。」
ハナコ「けど、何もいい事はありませんでした。」
ハナコ「私をいいように駒にしようする人が出てきたり。」
ハナコ「私を祭り上げて、トリニティの権力争いに巻き込もうとしていたり……。」
ハナコ「皆、私を利用しようとしてきました…。」
ハナコ「だから私、疲れてしまったんです。」
ハナコ「優秀である意味とか、清純である意味とか…。」
ハナコ「ここは嘘と欺瞞で溢れています…。」
ハナコ「…醜くて…浅ましくて………。」グッ…
ハナコ「本当は壊したいくらいに憎いんですっ…。」
「………。」
ハナコ「……すみません。つい声が大きくなってしまいました。」
「吐き出していいぞ。」
ハナコ「…!」
「その方が次へ進むときに迷いが生まれないものだ。」
ハナコ「…グスッ…何で…何で皆…仲良くできないんですかっ…!」
ハナコ「何で…グスッ…すぐに相手より上の立場に立とうとするんですかっ……!」
ハナコ「権力を握る事に…何の意味があるんですかっ…!」
ハナコ「……なんで…なんで……っ!」
「………。」
ポスッ…
ハナコ「…!」
ナデナデ…
その時、私の頭を撫でてくれた先生の手は温かったです。
………………………………………。
「……落ち着いたか。」
ハナコ「はい…もう大丈夫です…。」
「そうか。」
ハナコ「…………。」
「人は傲慢なものだ。」
「『あいつが憎いから始末してくれ。』」
「『あいつが俺の地位を揺るがす存在になってきているから始末してくれ。』」
「『俺がより上の立場になる為に邪魔になるから奴を始末してくれ。』だの。」
「暗殺の依頼は、そんな自分勝手なものばかりだ。」
ハナコ「……。」
「そんな依頼をこなしている俺も十分、悪人だがな。」
ハナコ「……そ、そんな事は…。」
「壊そうじゃないか。」
ハナコ「……え?」
「このトリニティを。」
ハナコ「!?」
「壊すと言っても野蛮な意味じゃない。」
「1からやり直す。」
ハナコ「…。」
「お前はそれを何処かで望んでいるはずだ。」
ハナコ「…でも。」
「大丈夫だ。俺がいる。」
ハナコ「…!!」
「道のりは長いかも知れない。」
「一人ならな。」
「けど、何のために先生がいると思っている。」
「生徒を助ける為だ。」
ハナコ「先生…っ。」
「すべての生徒の味方という訳ではない。」
「敵対するのならとことん応戦する。」
ハナコ「…容赦ないですね?」
「結局最後には肉体言語で説教する必要も出てくる。」
ハナコ「…『その体に刻み込んでやる…』ってやつですか♡」
「誤解を招く言い方をするな。」
「普通に殴るだけだ。」
ハナコ「それはそれで酷いですけどね…。」
ハナコ「………先生が来てくれて良かったです。」
「そうか。」
ハナコ「…私、ありのままで突き進もうと思います。」
「…。」
ハナコ「だから、しっかりと着いてきてくださいね。
ハナコ「先生♡」
「あぁ。」
いかがでしたでしょうか。
既に既存のシナリオから逸脱していますが、
次からもっと脱線しまくると思います。
ずっとゴルゴのターン!()
次回投稿は未定です。
どうか気長にお待ちくださいませ。
それでは。