もしも、シャーレに赴任してきたのがゴルゴ13だったら… 作:御厨パステル
お待たせしました。
文章めちゃめちゃ長くなってしまって申し訳ない…!
これを皮切りにして、我らがゴルゴが全てのプロットをなぎ倒して引きずり回していきます…!
好ご期待!
あらすじ
補習授業部の皆と強固な信頼関係が生まれつつあるゴルゴ。
果たして2次試験を無事に乗り越えられるのか…!
______________________
トリニティ学園 別館 教室…………
ヒフミ「皆さん!おはようございます!」
「「「おはようございます(〜)」」」
ヒフミ「2次試験までは今日を含めて5日ほどありますが、気を抜かず、頑張っていきましょう!」
スッ…
ヒフミ「アズサちゃん?何か質問でもありますか?」
アズサ「先生の姿が見えないんだが…」
ヒフミ「先生は用事があるらしくて今は席を外していますね。」
アズサ「そうなのか……」
…………………………………………。
場所は変わり、別館 屋外プール。
「…………。」
スタスタスタ…
ミカ「やっほー先生。」
「……。」
ミカ「別館って久々に来たけど、こんなにキレイだったっけ。」
ミカ「もしかして掃除とかしたの?」
「あぁ。」
ミカ「へぇ〜そうなんだね…」
ミカ「このプールに水が入ってるのも久々に見たな〜」
「……。」
ミカ「一つ聞きたいんだけどさ。」
ミカ「私と先生って連絡先交換してたっけ?」
ミカ「気づいたら先生の連絡先入ってたんだけど…」
「知らない。」
ミカ「…ナギちゃん辺りが勝手にやったのかな…?」
「要件を言え。」
ミカ「…せっかちだね、先生って。」
「……。」
ミカ「先生、ナギちゃんから何か言われなかった?」
「……。」
ミカ「…もしかして盗聴とか心配してる感じ?」
ミカ「ここには私しかいないし、ここに来る事は誰にも知らせてないから大丈夫。」
「…トリニティの【裏切り者】とやらの事か。」
ミカ「…やっぱり伝えてたんだね。」
ミカ「…ねぇ、先生。」
「…。」
ミカ「誰が【裏切り者】か教えてあげる。」
「……。」
ミカ「白洲アズサ。」
「……。」
ミカ「なんか反応薄いね…?」
ミカ「……もしかしてある程度予想がついてた感じ?」
「それを伝えてどうする。」
ミカ「……え?」
「早く要件を言え。」
「伝えに来ただけじゃないのは分かっている。」
ミカ「…なんか調子狂っちゃうね。」
ミカ「じゃあ、先生にお願いがあるの。」
ミカ「あの子を…白洲アズサを守ってほしいの。」
「…。」
ミカ「あの子は、私が入学させたの。」
ミカ「生徒名簿とか…経歴とか…色々手を入れてね。」
ミカ「ナギちゃんにも、誰にも言ってない。」
ミカ「私一人で動いているの。」
「…何故だ。」
ミカ「あの子はアリウス分校の出身なの。」
ミカ「…先生にアリウス分校が何なのか話してはない…」
「方向性の違いからトリニティと袂を分かつことになった派閥。」
ミカ「!?」
「元々、大小含めて多くの派閥が存在していたトリニティだったが。」
「《第一回公会議》を経て、争い合っていた3つの主要校が和解することで【トリニティ総合学園】が創立された。」
「しかし、派閥の統合に最後まで抗議していたのが【アリウス】。」
「そして程なく、アリウスとトリニティは対立。」
「大きな力を手に入れたトリニティは徹底的にアリウスを弾圧。」
「その結果、トリニティ自治区から追放され、アリウスは崩壊したと見られた。」
「しかし、今も何処かでアリウスは活動していると言われている…。」
ミカ「凄いね先生。…どこで知ったの?」
「教えられない。」
ミカ「…そう。まぁそこまで分かってるなら話は早いね。」
ミカ「アズサちゃんには和解の象徴となってほしいの。」
ミカ「トリニティとアリウスの…ね。」
ミカ「それともう一つあってね…」
「エデン条約。」
ミカ「…やっぱり大体分かってるよね?」
「……。」
ミカ「…じゃあさ、先生。取引しない?」
「…。」
ミカ「私は今からティーパーティーが秘密にしている事を喋る。」
ミカ「だから先生が分かってる事を全部話してほしい。」
「随分と俺への負担が少ない取引だな。」
ミカ「…先生になら言っても良いかなって思ったの。」
ミカ「…だめかな?」
「…いいだろう。」
「誰にも言うな。」
ミカ「約束する。」
「…。」
「なぜ俺がこうしてトリニティの成り立ちなどの過去を知っているかと言うと、」
「こちらに来てから知り合った奴に教えてもらったからだ。」
「聞けば大抵の事はすんなりと教えてくれる奴だ。」
「それとエデン条約についてだ。」
「お前が言っているのはこのエデン条約が第二の《第一回公会議》になるかもしれないという事だろう。」
「トリニティとゲヘナ。キヴォトス最高峰の戦力を誇る両者を合わせた巨大な武力集団の誕生。」
「果たしてそれが締結された時に何が起きるのか。」
「アリウスのような被害者が生まれるのではないか。」
「…と言う事だろう。」
ミカ「…そこまで予想出来ていたんだね…。」
「それと、真にトリニティの【裏切り者】はナギサなのでは無いかとも思っている。」
ミカ「!」
「ある程度だが、調和を保てていたこのトリニティを巨大な力を手に入れてしまうほどの変革をしようとしているナギサこそが…と。」
ミカ「………。」
「お前たちのやり方は両極端だ。」
「武力行使。対話による和解。」
「目的は同じはずだがな。」
ミカ「……。」
「ナギサの目には内なる恐怖が見えた。」
「焦りと言ったほうが分かりやすいか。」
「今、このトリニティにはストッパーがいない。」
ミカ「……。」
「キーを握っているのは…3人目のホスト…だな?」
ミカ「…その通り。」
ミカ「セイアちゃんは入院中って最初は伝えたけど。」
ミカ「ただ入院してるわけじゃないの。」
ミカ「ヘイローが破壊されちゃったの。」
「……。」
ミカ「誰がやったとかは分かってない。」
ミカ「…けど、ヘイローが壊されちゃったって事は…もうセイアちゃんには会えないって事だよね。」
「それは分からないな。」
ミカ「……え?」
「聞いただけで、見てはいないんだろう。」
ミカ「そ、そうだけど…。」
「真実と信じるには材料が少ないな。」
ミカ「…けど!」
「お前たちはすぐに一人で抱え込む。」
ミカ「…!」
「恐らくセイアもそうだろう。」
「何か行動を起こしていて、他の2人を巻き込まない様に…と。」
「わざと自分は死んだも同然の状態であると伝えているんじゃないか。」
ミカ「…」
「ナギサも、自分を犠牲にしてまでもこのトリニティを持ち直そうと足掻いている。」
「そして、お前もだミカ。」
ミカ「!」
「目の敵にされている元アリウス生を誘致してどうする。」
「それがバレてしまったらお前の居場所は無くなる。」
「模索しているのは分かるが、直情型すぎる。」
ミカ「…でもっ!」
「…そうなってしまったなら後の祭りだ。」
「あとは俺がどうにかしよう。」
ミカ「……へ?」
「たった一人でここまで頑張って計画したんだろう。」
「だが瓦解するのは時間の問題だ。仕方のない事でもある。」
「…だがそのまま一人で抱え込んで諦めるのは認めない。」
「…まだ打開できるチャンスはあるだろう。」
「3人だったらな。」
ミカ「…っ!」
「この壊れたままのティーパーティーでは何をやっても上手く行かないだろう。」
「本当に対話が必要なのはお前たち自身なのかも知れないな。」
ミカ「…………。」
ミカ「…先生は…私の味方なの…?」
「違う。」
ミカ「…え?」
「お前だけの味方ではない。」
「素直な生徒の味方だ。」
ミカ「…!」
「ミカ。」
「いつかもっと腹の底からの声を聞かせてほしい。」
「失礼する。」
ザッザッザッザッ…
ミカ「…………先生。」
______________________
トリニティ学園 別館 教室……………。
ガラガラガラッ…!
ヒフミ「…あっ!先生!」
「…。」
ヒフミ「用事は終わったんですか?」
「あぁ。」
「いきなりだが、お前たちに言う事がある。」
ハナコ「…?何ですか?」
「試験の勉強範囲を3倍にする。」
「「「「…………え?」」」」
ハナコ「すみません…先生、今なんと…?」
「試験の勉強範囲を3倍にする。」
ヒフミ「な、なんでそんな事を…!?」
「このままだとお前たちは2次試験には合格できない。」
コハル「どういう事…?」
「言い方は悪いかも知れないが、ナギサはなりふり構わずにお前たちを落第させようとしてくる可能性がある。」
「だから"試験の前日にいきなり試験の範囲を変更したり"、」
「"試験会場を変更したり"」
「"合格ラインを90点に引き上げたり"。」
「そのような事を平気でしてくるかも知れない。」
アズサ「…それは誰かにそう言われたのか?」
「勘だ。」
コハル「勘なの…!?」
「悪いがそれ以外の根拠はない。」
「…無理を言ってるのは承知だ。」
ハナコ「…分かりました!」
ヒフミ「…!ハナコさん…!」
ハナコ「皆さん、信じてみましょう…先生を!」
それから補習授業部は勉強の範囲が広がった事に苦戦しながらも、なんとか歩を進めていった。
______________________
そして、数日が経ち。
二次試験の2日前となった日の夜…………。
コハル「…。」
「………。」
コハル「…出来たわ!」
「…正解だ。」
コハル「やった!解けた…!」
ハナコ「…♡」ニコニコ
コハル「な、何…!?」
ハナコ「全身で喜びを表現してて可愛いな…って♡」
コハル「変な目で見ないでよ!?」
コハル「これはアレだから!疲れてちょっと動きがオーバーになっただけだから…!」
ヒフミ「そういえば、もうこんな時間ですね…」
アズサ「集中しているとあっという間だ。」
ハナコ「……ねぇ、皆さん?」
「「「?」」」
ハナコ「息抜き…しません?」
「「「…息抜き?」」」
……………………………………。
トリニティ自治区 中心街。
ヒフミ「い、いいんですかね…こんな時間に外出しちゃって…」
ハナコ「いつも頑張っていますし、このくらい大丈夫ですよ。」
コハル「せ、先生は止めなくてよかったの…?」
「普通はこのくらいなら好きにさせるものだ。」
アズサ「これが大人の余裕か…!」
ハナコ「このあたりは24時間空いているお店なども沢山ありますから、まだ明るいですね…。」
アズサ「夜でもこんなに活気があるものなんだな…。」
コハル「…ハスミ先輩に見つかったらどうしよう…。」
「賄賂でも掴ませておけ。」
コハル「そんな悪いコトに加担する人じゃないわよ!?」
コハル「先生って時々物騒なこと言うけど、ここに来る前って何してたのよ…」
「教えられない。」
コハル「…気になる…。」
ハナコ「案外、パティシエさんだったりしたらどうします?」
コハル「絶対ウソよ!?」
アズサ「…限定パフェ…か。」
「…。」
ふと右の方にある店の入り口に目をやると、
黒いウェルカムボードには【限定パフェ】の文字が。
「…気になるか。」
アズサ「えっ!?…あっ…いや…。」
「…コーヒーが飲みたくなった。」
「ここに寄っても構わないか。」スッ…
ゴルゴが件の店を指さして伝える。
ハナコ「確かにパティシエとか話していたらスイーツが食べたくなりましたね…」
ヒフミ「わぁっ!このお店、限定パフェがあるらしいですよ!」
コハル「こんな時間に食べて太ったら……」
ハナコ「コハルちゃん、罪の味を知るのもいい経験ですよ…?」
コハル「…。」ゴクリ…
コハル「よ、よし!今日は食べてやるんだから!」
ハナコ「ふふふっ…!」
ヒフミ「じゃあ入りましょうか!」
サッサッサッサッ…
アズサ「…先生。」
「…。」
アズサ「ありがとう。」
「気にするな。」
サッサッサッサッ…
______________________
カランカラン…!
店員「いらっしゃいませ!」
店員「何名様ですか?」
「5名だ。」
店員「お好きな席へどうぞ〜!」
アズサ「あの…」
店員「はい、なんでしょうか?」
アズサ「げ、限定パフェってまだありますか?」
店員「限定パフェは残り4品となっています。」
アズサ「4つなのか…」
「俺は食べないから大丈夫だ。」
アズサ「いいのか…?」
「あぁ。」
ハナコ「…あら?…あそこに座っているのは…。」
「………。」
何だか座席から大きな黒い羽がはみ出ている。
???「…?」チラッ
視線に気づいたのかテーブル席から顔を出して来た。
ハスミ「……あ。」
「……………………。」
コハル「ハ、ハスミ先輩…!?」
ハスミ「コ、コハル…それに補習授業部の皆さん…!?」
「…息抜きか。」
ハスミ「あっ…と、というか補習授業部の皆さんは外出を禁止されているはずでは……。」
「この店のスイーツを好きなだけ食べていいぞ。」
ハスミ「…えっ!?」
「奢ろう。」
コハル「まさか、先生…!?」
ハスミ「…賄賂のおつもりですか…?」
「食べたくないのか。」
ハスミ「………。」
ハナコ「心中お察しします…。」
ハナコ「ハスミさんも、夜に食べる甘味の犯罪的な甘さに取り憑かれてしまったのですね…。」
ハスミ「ひ、人を重症患者みたいに言わないでください…///」
「同じパフェを3つ注文しているが。」
ハスミ「…!///」(顔真っ赤)
ヒフミ「先生!追い打ちになってます…!」
「すまない。」
ハスミ「だ、大丈夫です…。」
ハスミ「…分かりました。この場は見逃しましょう…。」
「助かる。」
ハスミ「…本当に頼んでいいんですか?」
「あぁ。」
ハスミ「じゃあ…店員さんすみません〜。」
コハル「本当に賄賂渡しちゃったよ…。」
………………………………。
ハスミ「…先生方も息抜きですか…?」
「あぁ。」
ハスミ「コハル?勉強の方はどうですか?」
コハル「ば、ばっちりです!」
ヒフミ「コハルちゃん、この前の模試でも平均点を大幅に越える点数を出したんですよ!」
ハスミ「そうですか、それは良かったです…。」
ハスミ「…先生、コハルをよろしくお願いしますね。」
「あぁ。」
ピピピピッ!ピピピピッ!
テーブルの上に置かれていたスマートフォンから着信音が鳴る。
ハスミ「…?」
ピッ。
ハスミ「…イチカ?何かありましたか。」
ハスミ「…問題…?」
ハスミ「…っ!ゲヘナの襲撃…!?」
「「「「!」」」」
ハスミ「まさか風紀委員ですか…?それとも…。」
ハスミ「……え?4人組…?」
ハスミ「…えぇ、……えぇ…そうですか…。」
ハスミ「アクアリウムを襲撃……?」
ハスミ「……えっ、い、いや…今私はちょっと立て込んでて…」
ハスミ「ツ、ツルギはどうにか止めて……あっ。」
ハスミ「…いえ、電話越しでも聞こえました…。」
ハスミ「分かりました。私も急行します。」
ピッ…
ヒフミ「…な、何かあったんですか…?」
ハスミ「…えぇ。実はゲヘナの【美食研究会】と呼ばれる部活動の部員たちが、トリニティ近郊のアクアリウムを襲撃しているという情報が。」
アズサ「…なぜアクアリウムを…?」
ハスミ「何でも展示されていた珍しいマグロを奪いに…。」
ハナコ「やっぱり【美食研究会】という名前の通り、珍しいものは何でも食べたくなっちゃうんですかね…?」
ハスミ「巻き込むようで申し訳ないんですが、少々手間取る可能性がありまして…。」
ハスミ「どうか先生方にも助力を…………?」
ヒフミ「……どうしました?」
ハスミ「先生がいらっしゃらないようですが…。」
「「「「……本当だ。」」」」
______________________
トリニティ近郊 アクアリウム入口前……。
美食研究会と正義実現委員会がある程度の銃撃戦をしながらも睨み合っていた。
正実モブA「…どうにかしてあのマグロは傷つけない様にしないと……」
正実モブA「しかも人質を連れながら襲撃をするなんて…なんて人たちなの……!」
「あれが美食研究会か。」
正実モブA「そうです!出来れば私達も無駄な戦闘をせずに確保をしたいのですが…………って先生っ!?」
「お前はティーパーティーの所に案内してくれた奴か。」
正実モブA「そ、そうです!覚えてくれてたんですね…ってそうじゃないですっ!」
正実モブA「ど、どうしてここに…?」
「たまたま近くにいた。」
正実モブA「そ、それだけの理由で来てくれたんですか…!?」
「見殺しには出来ない。」
正実モブA「あ、ありがとうございます!先生がいれば百人力ですよ…!」
「拡声器はあるか。」
正実モブA「え?い、一応持ってはいますが…」スッ…
「貸してもらうぞ。」サッ。
ザッザッザッザッ……
正実モブA「は、はい……って生身で前に出ちゃ危ないですよ…!?」
正実モブA「み、皆さん撃つのを辞めてください〜!」
ザワザワザワザワ……
いきなりの戦闘停止発言に現場は困惑している。
「…。」カチッ。
「おい、聞こえるか。」
???「…ん?どなたですか…?」
「そちらから名乗れ。」
ハルナ「あら、失礼しました…私は【黒舘 ハルナ】と申します。」
ハルナ「貴方の名前は?」
「…デューク・東郷。」
ハルナ「…デューク…?もしかしてシャーレの先生ですか?」
???「えっ!?シャーレの先生は不味いよ…!」
ハルナ「あら?ジュンコさん、何か知ってるんですか?」
ジュンコ「あの人、風紀委員の銀鏡イオリをぶん投げたって噂があって…!」
ハルナ「……マジですか?」
「軽く回して投げただけだ。」
ジュンコ「回すに軽くとかあるの…!?」
???「まさか先生も合流してしまうとは…」
???「けどゴールドマグロ食べてみたいよぉ…!」
「…その金色のマグロを置いて帰ってくれ。」
ハルナ「あら、そういう訳には行きませんわ。」
ハルナ「あの伝説のマグロを、ただ鑑賞するだけだなんて……そんな事、美食に対する礼儀がなっていないというものですわ。」
「……。」
ハルナ「美食というのは孤高でありながら、普遍的でなくてはありません。」
ハルナ「…ただ見せ物としてお金稼ぎの手段に終わるなど、この【ゴールドマグロ】さんも望んでいないはずですわ。」
「………。」
よく分からない理論を展開している。
ハルナ「私達はただ、その声に共鳴しただけ!!」
ハルナ「そうですよね、フウカさん?」
フウカ「むぅ〜〜〜!むぅ〜〜〜〜!!」バタバタ
「……。」
ハルナ「御覧なさい!このゲヘナの給食部部長の感涙に咽び泣く程の同意をっ!!」
「………………。」
…面倒くさい奴らだということが良く理解できた。
…………………………………。
タッタッタッタッ…!
ヒフミ「はぁっ…はぁっ…はぁっ…!」
ヒフミ「も、もうすぐ着きますか…!?」
ハスミ「はい!この先を曲がったら見えてくるはずです…!」
ハナコ「先生…いつの間にこんな距離を走っていったんでしょうか…?」
コハル「っていうかあの喫茶店の扉ってベルが付いてたから開けたら音がなると思うんだけど…?」
アズサ「スニークスキルが凄いんだな…先生は!」
ハスミ「…!見えました!アレです!」
「「「「…!」」」」
ハルナ「ふふっ…何を言ってらっしゃるんですか?」
ハルナ「逃げ切れるのかどうかなんて、大した問題ではありませんわ。」
ハルナ「大事なのは食べられるか、否か!」
ハルナ「それだけです!」
「………。」
ヒフミ「せ、先生何やってるんですか…!?」
ハスミ「流石に生身では危ないです!下がってください…!」
「遅かったな。」
コハル「先生が速すぎたのよ…!」
ジュンコ「あっ!正実のNo.2まで来ちゃったよ…!?」
???「…流石に多勢に無勢ですかね…?」
???「ま、また私を置いてけぼりにするのはやめてよ〜?」
ハルナ「何を言ってるんですか?」
ハルナ「私達が掲げるのは【eat or die】ただその二択のみ!」
ハルナ「それこそが、私達美食家が歩むべき孤高なみ……っ!?」
一瞬目を離した隙にハルナの目の前にゴルゴが急接近していた…。
大きな冷凍マグロを掲げながら。
ハルナの脳天めがけて、冷凍マグロを振り下ろした。
土煙が衝撃波と共に広がる…。
土煙が晴れると首から下が埋まったハルナがいた。
「…………。」
ハルナ「……私、今外から見てどうなってます…?」
美食研究会と補習授業部とハスミの声が重なった。
ヒフミ「せ、先生何ですかそれぇ…!?」
「冷凍マグロだ。」*1
ハナコ「わ、私の知っているマグロとはサイズ感が……。」
ハスミ「一体何処から取り出したんですか……!?」
アズサ「キヴォトス人でも簡単には振り回せない大きさだと思うんだが…!?」
「世の中、色々あるという事だ。」
コハル「そんなんで誤魔化せるかぁっ!!?」
口調が崩壊気味のコハルが全力のツッコミをする。
「「「「……………。」」」」
唖然とする美食研究会とフウカ。
【…………。】ピチピチッ!ピチピチッ!
それとゴールドマグロ。
「お前らもだ。」スゥッ…
「「「……へ?」」」
釘を打つように真上から連続して冷凍マグロを脳天に叩き落とす。
ハルナ「…っ!ジュンコさん!アカリさん!イズミさん!大丈夫ですか…!?」
ジュンコ「………。」
アカリ「………。」
イズミ「………。」
ハルナ「……皆さん?」
ジュンコ「…コレ思ったより痛くないわ…。」
アカリ「結構な勢いで殴られた気がしたんですけどね…?」
イズミ「冷凍してあるっぽいから硬いはずなのに…何で?」
ハルナ「…冷静に分析しないでくださいっ!?」
ワーワー!キャーキャー!
イチカ「……私、ちょっと寝不足でしたかね。」
ハナコ「イチカさん。残念ながら現実です。」
ハスミ「…コハル?ちょっと頬をつねってもらっていいですか?」
コハル「そ、そんな事出来ませんよっ!?」
「このマグロと人質は返してもらうぞ。」
ハルナ「はっ!いつの間にゴールドマグロを脇に抱えて…っ!」
「そんなにマグロが食べたいならこいつでも食べておけ。」サッ
ハルナ「えっ…?それ食べれるんですか…?」
「食えない事はないだろう。」
「お前らはそこで大人しくしておけ。」
「…今テープを外してやる。」ペリペリ…
フウカ「ぷはぁっ!…あ、ありがとうございました!」
「気にするな。」
イチカ「うーん…一件落着って事でいいっすかね…?」
ハスミ「…そうですね…。」
ハスミ「…っ!?この足音は…!」
???「くひひっ……きひひひひ………」
イチカ「…あれっ!?私よりも先に現場に急行したはずっすよね…!?」
???「キャハハハハハハハッッ!!!!!」
美食研究会を囲んでいた正実の隊員達を軽々と飛び越えてきたのは、正義実現委員会の委員長【剣先 ツルギ】だった。
ハスミ「…っ!ツルギ!もう制圧は終わってます!」
イチカ「こ、このままじゃ先生にぶつかっちゃいますよ!?」
隊員達を飛び越えた勢いそのままで突っ込んできたツルギ。
自由落下してくる地点にはこちらに背を向けている先生。
ハスミ「せ、先生っ!危ないですっ!」
「…………。」
ツルギ「くけけけけ……っ!!」
「…!」サッ…。
ツルギ「ガッ…!?」
超反応で背後から飛び込んできたツルギを持ちかえたメガホンではたき落とした。
「「「「「「……えぇぇぇぇぇ!!!??」」」」」」
ハスミ「ツ、ツルギ…!大丈夫ですか…!?」
ツルギ「…………。」スッ…
頭上のヘイローがフェードアウトするように消えた。
「「「「「「き、気絶したっ…………!?」」」」」」
コハル「いやなんで冷凍マグロで叩くよりもメガホンで叩いた方が威力があるのよっっ!!!!!」
キヴォトスの夜空にコハルのツッコミが響き渡った。
______________________
トリニティ自治区から外へと繋がる橋にて………。
「……。」
ハルナ「…次から先生が来たら大人しく自首しましょう。」
ジュンコ「勝てる気しないからね…。」
イズミ「本当にコレ貰っちゃっていいの…?」
「あぁ。」
イズミ「私達コレで鎮圧させられたんですよね…。」
イズミ「何か複雑な気持ちですね…。」
「……。」
現在、美食研究会の奴らを縛り上げてゲヘナの生徒へ引き渡しをしようとしている。
トリニティの組織がゲヘナの生徒を拘束したとなると、
今この状況では外交に問題が出る可能性があったので
シャーレが捕まえたことにした。
「……。」
遠くの方から車がこちらに向かってきた。
ブォォン……ガチャッ…サッ。
コツコツコツコツ…。
???「お待たせしました、死体はどこですか?」
「……死体ではないが、引き取って欲しい物ならある。」
???「…失礼しました。死体ではなく負傷者でしたね。」
???「稀に混乱してしまうんです。」
「………。」
???「…そういえばお会いするのは初めてでしたよね。」
セナ「私は【氷室 セナ】と申します。」
セナ「ゲヘナの部活動の一つである救急医学部に所属しています。」
「…風紀委員ではなく、他の部活が来たのは今は色々と問題が起きるからか。」
セナ「恐らくそうだと思われます。」
セナ「私は深い所まで把握してる訳ではありませんので、あくまで憶測に過ぎませんが。」
セナ「ではそちらの4名、貰っていきますね。」
「…。」
コツコツコツコツ…。
『…あら?先生……?』
「ヒナか。」
ヒナ「久しぶりね、先生…これはどういう状況なのかしら。」
「こいつらが騒ぎを起こしたから鎮圧して縛り上げた。」
ヒナ「……この大きな魚は…?」
「マグロを欲しがっていたので渡した。」
ヒナ「………これマグロなのね。」
ヒナ「…先生より一回りくらい大きいけど。」
「そういう物だ。」
セナ「すみません先生。コレ、車に乗せれそうにないんですが。」
「車体の上に縛って乗せるか。」
「ついでにお前らも。」チラッ
ハルナ「じ、冗談には聞こえないのがまた怖いですわ…!」
セナ「じゃあお願いしますね。」
ジュンコ「流石にしないよね…!?」
……………………………。
セナ「運び終わりました。」
ヒナ「セナ、出発はちょっと待って。」
セナ「わかりました。」
ヒナ「…先生はトリニティで今何をしてるの?」
「色々とだ。」
ヒナ「この時期にトリニティにいるのは危ないと思うわ。」
「何処でも同じだろう。」
ヒナ「…まぁそうなのかもだけど。」
「このエデン条約は一筋縄では行かないのは分かっているだろう。」
ヒナ「……えぇ。」
「1つ、聞きたい事がある。」
ヒナ「何かしら。」
「エデン条約機構はティーパーティーとそちらの万魔殿とかいう組織にそれぞれ均等に権限が付与されるという事で良いのか。」
ヒナ「そうね。」
ヒナ「…なぜそんな事を聞くの?」
「理由は言えない。」
「それじゃあ失礼する。」
「気をつけて帰れ。」
ヒナ「え、えぇ…ありがとう…。」
ザッザッザッザッ……。
______________________
トリニティ自治区の何処かにあるセーフハウス……。
???「……ん…んん?」パチッ…
???「この空気感は……。」
???「…この様なタイプの夢を見るのは久々だな…。」
「おい。」
???「…!?」バッ…
「お前が【百合園 セイア】だな。」
セイア「…あ、あぁ。確かにそうだが…。」
セイア「な、なぜこの空間に……?」
「場所は分かった。今から向かうからな。」
セイア「……へっ?」
…………………。
セイア「……はっ!」バッ…
セイア「…な、何なんだ今の夢は……。」
コンコン。
セイア「!?」
セイア「ま、まさか本当に………!?」
ガチャッ。
「………。」
セイア「せ、先生っ…!?」
「俺とお前は初対面なはずだがな。」
セイア「…まぁ色々と噂は耳に入って来るからね…」
セイア「所で、何故このセーフハウスの位置が分かったんだい?」
「それは教えられない。」
セイア「…そうか。」
セイア「それで、此処へ何をしに?」
「お前を連れ出しに来た。」
セイア「…!」
セイア「…どうしてかな?」
「お前がいないとティーパーティーが崩壊する。」
「お前の言い分はあると思うが、一先ずは戻ってくれ。」
「奴らにはお前が必要だ。」
セイア「…………。」
「そんなにあいつらが嫌いだったか。」
セイア「そ、そういう訳じゃ…!」
「じゃあ何故迷う。」
セイア「……。」
「良からぬ未来でも見えているのか。」
セイア「!?」
「自身がティーパーティーに合流する事で訪れる何かを知っていて、動けないでいるのか。」
セイア「…先生も同じようなものを持っているのかい?」
「全く。」
セイア「えっ…?」
「あくまでもブラフだ。」
「まさか本当にそうだとはな。」
セイア「…まんまと釣られてしまったよ…。」
「お前がやけに寂寥感を纏わせている理由はそれか。」
「この先の未来はそんなに酷いものなのか。」
セイア「……あまり口には出したくは無いけどね。」
「そうか。」
サッ…バァァン!!
…パリィィン!!
ゴルゴは銃を抜き、セイアの背後の強化ガラスを撃ち抜いた。
セイア「ッ!?」
セイア「な、何をしてるんだっ!?」
「予測できなかっただろう。」
セイア「当たり前だ!」
「皆そうだ。」
セイア「…え?」
「誰も先の事なんてはっきりとは分からない。」
「ましてや、もっと先の未来の事もな。」
「あいつらは今しか見れない。」
「だがお前は、今を生きていない。」
セイア「…!」
「お前は今を蔑ろにしているんだ。」
「未来に執着しすぎてな。」
「違うか。」
セイア「……。」
「お前は未来を見て、静観しているように思えるが本当はそうではない。」
「お前は諦めている。」
「未来に囚われている。」
セイア「じゃあ、今見ている未来を信じるなとでも言うのかい!?」
「そうだな。」
セイア「…は?」
「そんなもの信じるな。」
「前例がいくらあろうともだ。」
セイア「…じゃあどうしたら…。」
「皆がいるだろう。」
セイア「!」
「今を生きている奴らと一緒にいたほうが、後の後悔も少ないと思う。」
「その力は身を守る為だけの力だ。」
「お前が動かなかったら、変わろうとする未来もそのままだ。」
「短絡的になれとは言わない。」
「少しは足掻いてみせろ。」
「いずれ死が迎えに来る、その時まで。」
セイア「……。」
「如何とでもなる。なんとでもなる。」
セイア「…!」
「お前のようなタイプはそう考えた方が気が楽になるぞ。」
「言いたい事は伝えた。」
「失礼する。」
コツコツコツコツ…ガチャッ、バタン。
セイア「………。」
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夜が明け、第二回特別学力試験を2日後に控えたその日。
ある一人の生徒からの連絡が来た。
コツコツコツコツ…。
「……。」
ナギサ「お待ちしておりました。お変わりないですか、先生。」
ナギサ「合宿の方は如何でしょう?何か困った事などありませんでしたか?」
「何も無い。」
ナギサ「そうですか…。」
「要件を言え。」
ナギサ「……先生から見て【裏切り者】は誰か、見当がつきましたか?」
「あの中に【裏切り者】はいない。」
ナギサ「…本当ですか?」
「嘘は付いていない。」
ナギサ「では、誰だと思うんですか。」
「トリニティには居ない。」
「ましてやゲヘナにも居ない。」
「その【裏切り者】が、生徒か如何かも疑わしい。」
ナギサ「…つまり誰ですか。」
「大人だ。」
ナギサ「…大人…?」
「そうだ。」
ナギサ「大人と言われましても…。」
「誰かが生徒の弱みに付け込んで支配している。」
「例えば、トリニティを恨んでいるアリウスとかな。」
ナギサ「!?」
ナギサ「……一体、それをどちらで…?」
「教える事はできない。」
ナギサ「…そうですか。」
「考えてもみろ。そんな簡単に【裏切り者】が潜んでいると情報が流れると思うか。」
ナギサ「……。」
「まるでそちらに意識を向けられているように思えないか?」
ナギサ「…私が踊らされていると言う事ですか?」
「お前は少し素直過ぎたな。」
ナギサ「……。」
「今、薄氷の上にいるかの様なこの状況だが焦る事はするな。」
「何か信じられるものに縋りたいのは分かる。」
「だが、しっかりと情報の取捨選択をしろ。」
ナギサ「………。」
ナギサ「ご忠告ありがとうございます。」
ナギサ「でも私はまだ先生が仰っている事が真実であると、信じる事が出来ません。」
ナギサ「私は私なりに行動させてもらいます。」
「そうか。」
「誰も彼も疑うばかりではなく少しは心の底から信じてほしいものだがな。」
ナギサ「……。」
「失礼する。」
コツコツコツコツ……。
ナギサ「………………。」
______________________
第二回特別学力試験 前日…………。
ヒフミ「いよいよ明日です…!」
ヒフミ「私含めて皆さんも、とても成長したと思います!」
ヒフミ「満点を取る勢いでいきましょう!」
ハナコ「いきなり勉強範囲を3倍にすると聞いた時は驚きましたけど、案外何とかなるものなんですね…。」
コハル「ほんと、心臓に悪かったわよ…。」
アズサ「昨日の模試も90点超え、今が最高のコンディションだ…!」
「……。」
「ヒフミ、明日の会場はトリニティ学園の中なのか。」
ヒフミ「あっ、まだ見てませんでした…。」
ヒフミ「ちょっと掲示板を………ッ!?」
コハル「な、何かあったの…?」
ヒフミ「……補習授業部の『第二次特別学力試験』に関する変更事項のお知らせと言うのが出てまして…。」
ヒフミ「"試験範囲を、既存の範囲から約3倍に拡大"……」
ヒフミ「また、"合格ラインを60点から90点に引き上げ"とする…。」
ヒフミ「試験会場は"ゲヘナ自治区へ変更"……。」
「「「「…。」」」」
ヒフミ「疑ってた訳じゃないんですけど、予測どおりに起きるなんて…。」
ハナコ「何か先に『これからドッキリされます』って言われてからドッキリを掛けられた感じですね…。」
アズサ「動揺を誘っているのかも知れないが、全くもって無意味だったな…。」
コハル「け、けど試験会場はゲヘナなんでしょ…!?」
コハル「今行ったら結構マズいんじゃないの…?」
「俺がどうにかする、気にするな。」
「体調を崩さないように今日はもう寝ろ。」
「明日は早いぞ。」
「「「「はーい…。」」」」
「…………。」
______________________
翌日…………。
「…………。」
ガチャッ…
ヒフミ「おはようございます……。」
「まだ眠いか。」
ヒフミ「ちょっとだけなので平気です。」
ヒフミ「まさか試験時間もこんな朝早くになるとは…。」
「よほど、合格させたくないのかも知れないな。」
ヒフミ「けど、こんな事をしてまで…。」
「それほど今、ナギサは焦っている。」カチッ…カチッ…
「この一件で頭を冷やしてもらわないとな。」
ヒフミ「…先生?そのアタッシュケースは…?」
「…中身は秘密だ。」
「他の奴らも起こしてこい。」
「出発するぞ。」
______________________
ゲヘナ自治区 市街地………………。
「試験会場の詳細は載っているか。」
ヒフミ「はい、多分もう少し着くと思います!」
アズサ「先生、試験時間までにだいぶ時間があるが着いて良いのか?」
「何が起こるか分からない。早めに到着しておこう。」
アズサ「なるほど。」
スケバンA「おっ?見慣れない顔だなぁ…?」
「邪魔だ。」キッ
スケバンA「あっ…すみません……。」
ハナコ「…やっぱり、先生が一番怖いですね。」
コハル「…分かるわ。」
???『おい、そこの奴!止まれ!』
「「「「!」」」」
風紀委員会モブA『ここからは立入禁止だ!』
「…立入禁止?」
風紀委員会モブA「知らないのか?今日は自治区の中心部には立ち入る事は出来ない!」
「……。」
風紀委員会モブA「…と言うか…その制服はトリニティ!?」
風紀委員会モブA「ゲヘナに何をしに来た!目的を言え!」
「特別学力試験の会場がこの先にある。通してくれ。」
風紀委員会モブA「試験…?トリニティの生徒がゲヘナに試験を受けに来るわけ無いだろっ!」
風紀委員会モブA「もっとマシな嘘をつくんだな!」
「………。」
ヒフミ「せ、先生…どうしますか…?」
「信じてもらえないだろうと思ってこれを持ってきた。」サッ
風紀委員会モブA「…何だこれは?」
「証書だ。」
「俺達がゲヘナ自治区にある会場で試験が行うという事実と自治区の中心部への通行を許可する証明書の役割もある。」
「両陣営の印が押されているだろう。」
風紀委員会モブA「…た、確かに風紀委員と万魔殿の印が押されている…。」
風紀委員会モブA「だ、だが聞かされてないぞ…!?」
「今朝方に締結したものだからな。」
「まだ連絡が行き届いていないのも仕方ない。」
風紀委員会モブA「…………。」
「まさか、両陣営印が押されている正当な書類を疑っているのか。」
風紀委員会モブA「い、いや…そういう訳じゃ…。」
「ここで俺達を通さなかったら、一個人の勝手な理由でこの証書に書いてある事を無効にされる事になるからな。」
「それを上が知ったら、それは凄い事になるだろうな。」
風紀委員会モブA「わ、分かった!通っていいぞ…!」
「助かる。」
ザッザッザッザッ………。
ヒフミ「…あ、あの…先生。」
「何だ。」
ヒフミ「その証書って本物ですか…?」
「偽物だ。」
コハル「偽物なの…!?」
ハナコ「…けど…この判子は本物にしか見えませんけど…?」
「そんなもの幾らでも加工できる。」
アズサ「そ、そんな事をしていいのか…?」
「言っただろう。」
「お前たちを絶対合格させると。」
「「「「!?」」」」
ヒフミ「今の爆発音は…!?」
アズサ「ちょうど向かっている方向からだ…!」
コハル「やっぱり、ゲヘナ怖いわ…!」
後方から車の音がする。
コハル「こ、今度は何…!?」
ハナコ「後ろから黄色いトラックみたいな車が来てます…!」
ヒフミ「凄いスピードでこちらに来てます…っ!」
「ちょうど良いタイミングだ。」サッ…
「「「「………え?」」」」
ザッザッザッザッ…タッ…
向かってくるトラックを真正面で待ち構える体勢を取るゴルゴ。
ヒフミ「せ、先生…!?危ないですよ!?」
「…………。」
ゴルゴの目の前で何とか車が止まった。
ジュンコ&ハルナ「「………あ。」」*2
「…………。」
「降りろ。」
ジュンコ&ハルナ「あ……はい…。」スッ…
「お前たちは風紀委員に引き渡したはずだが。」
ハルナ「自治区の中心部で温泉開発部という組織が暴れてて…」
「それに乗じて、だな。」
ハルナ「は、はい…。」
「………。」
「その車はお前らの所有物じゃないな?」
ハルナ「!」ビクッ…
「……荷台を見せてもらうぞ。」スタスタスタ…
ハルナ「あっ…」
ガチャッ……。
アカリ&イズミ「……あ。」
???「む〜〜!!むーーっ!!!」バタバタ…
「……………………。」
ハルナ「…あ、あの……このまま私達を風紀委員に突き出すのはどうか……。」
「…分かった、見逃そう。」
ハルナ「ほ、本当ですか!?」
「だが、条件がある。」
ハルナ「なんですか…?」
「ちょうど温泉開発部が爆発を起こしていた辺りに用事がある。」
「その辺りまでその車で連れてってもらおう。」
ハルナ「…………へぇっ!?」
……………………………………。
ブォォォォ………!
「ヒフミ、後何分くらいだ。」
ヒフミ「会場まで、後10分くらいだと思います!」
「分かった。」
「後ろの奴らもしっかり捕まっておけ。」
コハル「いやここ荷台だから捕まる所なんて無いわよ!?」
アズサ「一応、縄なら持ってきているが…。」スッ…
コハル「命綱みたいな使い方はしないわよ…!?」
ハナコ「よく見たら、もちもちしてて可愛らしい顔してますね…♡」
イズミ「ヒェッ…た、食べられる……!」
コハル「そこぉ!何しようとしてるのぉ!!!」
ヒフミ「わぁっ!?く、車が…!」
ヒフミ「皆さん、大丈夫ですか!?」
ハナコ「ええなんとか…」フニフニ…
コハル「ちょっ…!どさくさに紛れてどこ触ってるの!?」
ハナコ「気のせいですよ…」フニフニ…
コハル「せ、先生!私、前の席に座りたいぃ!!」
「…後ろから何かが追いかけて来ているな。」
ヒフミ「…えっ!?風紀委員会の人たちですか!?」
「おそらく違うな。」
コハル「聞けぇぇぇ!!!!」
「「温泉がここら辺にあるって言ってた!開発だぁ!!」」
「…あれが温泉開発部か。」
ヒフミ「先生!何かブルドーザーとかショベルカーまで追いかけてきてますよっ!」
「……ヒフミ、一瞬だけハンドルを握ってくれ。」
ヒフミ「えっ!な、何をするんですか…!?」
「ちょっとした鎮圧活動だ。」カチャッ…*3
ヒフミ「いやどこから取り出したんですかそれ!!?」
「アクセルは踏んだままにしておく。ハンドル頼むぞ。」
ヒフミ「えっ!ちょ、ちょっと待ってくだ…!」
バァン!!…グワッ!
ゴルゴは運転席側のドアを開け、RPG-7を構え、半身を乗り出した。
「…………。」
ヒフミ「わっ!!わわっ……!」グイグイ…
「あまり揺らすな、標準がズレる。」
ヒフミ「は、初めてハンドル握る人にそれは無いですよね!?」
「…………。」カチャッ…
「フゥー…………」
「……。」
「ハンドル操作、助かった。」サッ…
ヒフミ「い、いいえ…!」
コハル「ちょっと!何か凄い音なったけど…!」
「気のせいだ。」
コハル「絶対ウソよね!?」
「…あの建物でいいんだな。」
ヒフミ「そうです!あの建物であってます!」
「…人がいるな。」
ヒフミ「……そうですね、ヘルメットを被ってて……まさかっ!?」
温泉開発部モブA「住所はここであってるか…?」
温泉開発部モブB「そうだね、多分ここからここまで…だね。」
温泉開発部モブA「どこからの情報だかよく分からないけど、
親切な人がいるんだな!」
温泉開発部モブB「この情報を送ってくれた人も温泉を探し求めているのかもね…!」
温泉開発部モブA「よし!何処かの同士の為に開発だぁぁー!!」
温泉開発部モブB「発破準備よーし!」
温泉開発部モブA「行くぞみんなぁ!!」
温泉開発部一同「うぉぉぉぉぉ!!!!」
温泉開発部モブA「発破ァァ!!!」カチッ!
ヒフミ「……えぇぇぇぇぇ!!!?」
「………………………。」
コハル「こ、今度は何!?」
ヒフミ「し、試験会場が…爆破されましたっ!!」
「「「…えぇぇぇぇぇ!!!?」」」
コハル「ちょ、ちょっと試験はどうなるの…!?」
ハナコ「恐らく試験用紙なども会場の中にあるので…受けるのは不可能かと………」
アズサ「……そんな…!」
「………。」
ヒフミ「ど、どうしますか…先生…。」
「どうやら補導する対象が増えたようだな。」
ヒフミ「………え?」
キュイッ……。
「全員、戦闘態勢をとれ。」
「あいつらを制圧するぞ。」
「「「「……え?」」」」
「美食研究会の奴らもだ。」
ハルナ「えっ!?…私達は関係ない気が……」
「手伝ってくれたら、ゴールドマグロを渡そう。」
ハルナ「皆さん!いきますよ!」カチャッ…!
ジュンコ「手のひら返しが凄い…!」
ヒフミ「わ、私達も行きましょう!」
アズサ「作戦開始だ…!」
コハル「…こうなったらやけくそよ!」カチャッ…!
______________________
温泉開発部モブA「くそっ!我々はただ温泉を掘っていただけなのに…!」
温泉開発部モブB「あなた達は温泉に入りたくないの!?」
「言いたい事はそれだけか。」
モブA&B「ひっ……!」ガタガタガタガタ…
ヒフミ「先生!抑えて抑えて…!」
ハナコ「…会場、めちゃくちゃですね……。」
アズサ「…2次試験は不合格になってしまうのか…?」
コハル「そんな…頑張ってきたのに……!」
「……まだ開始まで3分ほどあるな。」
「「「「……え?」」」」
ヒフミ「ま、まだこの状況から試験を始められるんですか…!?」
「あぁ。」
「適当な椅子と机を探してくる。」
「待っておけ。」スタスタスタ…
アズサ「先生は何か策があるのか…?」
ヒフミ「けど、試験用紙も何もかも残ってないと思うんですけど…。」
ガガガッ…ガガガッ…。
「ちょうど4人分あったぞ。」
「会場は壊れていてほぼ屋外になってしまうがな。」
ハナコ「あの…先生?試験用紙がないと…。」
「あるぞ。」
ハナコ「………え?」
ドサッ……カチャッ…カチャッ。
ゴルゴが持ってきていたアタッシュケースの中には学力試験で使われる試験用紙が入っていた。
ハナコ「そ、それって今回の試験用紙ですか…!?」
「あぁ。」
ヒフミ「な、なんで先生が持っているんですか!?」
「持っていってくださいと言われたからな。」
コハル「絶対ウソでしょ!!」
「嘘だ。」
コハル「でしょうね!!」
「取っていってくださいと言わんばかりの杜撰な管理だったな。」
アズサ「先生が悪い大人に見える…!」
コハル「いやここまで来たら悪い大人でしょ!?」
「とりあえず、試験を開始するぞ。」
「全員、筆記用具を用意しろ。」
______________________
数時間後、トリニティ総合学園 テラスにて……。
ナギサ「……………。」
トリニティ生徒A「…ナギサ様、お茶の最中にすみません。」
トリニティ生徒A「補習授業部の学力試験の結果が届きました。」
ナギサ「ありがとうございます。そちらに置いておいてください。」
トリニティ生徒A「それでは失礼します…。」
サッサッサッサッ……。
ナギサ「………さて。」スッ…
パサッ…
ナギサ「……………へ?」
いかがでしたでしょうか。
ゴルゴの前ではちょっとした謀略は効かないのである!
次から本格的にエデン条約の完結へと向かって行きます…!
それではまた。