もしも、シャーレに赴任してきたのがゴルゴ13だったら… 作:御厨パステル
皆さん、お待たせしました。
ようやく浮かんできましたので投稿いたします…!
亀更新で申し訳ない…。
TARGET 5 エデン条約(前編)
前回のあらすじ。
急遽、試験会場や試験範囲の変更があったが、その全ての謀略を予測していた先生のおかげで、補習授業部は無事、特別学力試験に合格する事ができた。
だが、それはナギサにとってはとんでもないイレギュラーだったようで、ナギサはいつものテラスに先生を呼び出す事にした。
______________________
トリニティ学園 テラス……………。
コツコツコツコツ……
「………。」
ナギサ「…こんにちは、先生。」
ナギサ「補習授業部の顧問の仕事を請け負って頂いて、ありがとうございました…。」
「……。」
ナギサ「無事、皆さんが学力試験に合格できたようで嬉しいです。」
「そんな感情、僅かすらないだろう。」
ナギサ「……。」
「本音を言ってみろ。」
ナギサ「……私にとってこの結末は想像していませんでした。」
ナギサ「…この際言ってしまいますが、全ての妨害工作は私が差し向けたものです。」
ナギサ「試験前日に試験範囲を変更したり、会場を虚偽の情報を流して爆破してもらったり…と。」
ナギサ「何かボロが出るまでは、補習授業部を存続させるつもりでした。」
ナギサ「…それがこうもあっさりと合格されてしまうとは。」
ナギサ「会場と共に試験用紙も粉微塵になったと思うんですが、何故答案があるんですか…?」
「是非盗ってくれと言っているようなものだった。」
ナギサ「…なるほど…少々こちらの情報管理体制を見直す必要がありそうですね…。」
ナギサ「そこまでして、彼女達を合格させた…と言う事は彼女達を"白"だと判断したんですか?」
「確固たる証拠はないが、そうだな。」
ナギサ「……証拠はないと?」
「あぁ。」
ナギサ「………。」
「お前もあいつらに会ってみたら分かるだろう。」
ナギサ「……。」
「何か確証が持てないと怖いか。」
ナギサ「…っ!…そう…ですね。」
「別にお前達を傷つけるという理由でこの発言をする訳ではないが…」
「子供のしようとしている事など、手に取るように分かる。」
「悪いが、これが経験の差と言うやつだ。」
「だから、お前が何かを仕掛けてくるだろうと予測が出来た。」
「言ってしまえば、この騒動は俺一人でもどうにかなる。」
「…だが、この先に進む為にはお前達も変わってもらわないといけない。」
ナギサ「…どういう事ですか。」
「成長だ。」
「心の…だがな。」
ナギサ「……。」
「矢面に立ち、何とかトリニティを守ろうとするその心意気は目を見張るものがある。」
「だが、気負い過ぎだ。」
「お前も…他の二人も。」
「背伸びをする必要はない。」
「そんなつもりは無いと思うが、お前は二人を遠ざけているように見える。」
ナギサ「…!」
「…お前達は似た者同士の集まりだ。」
「根本は一緒だ。自己犠牲精神の塊。」
「互いが互いを思うが故に、全て抱え込もうとする。」
「…それを他の二人が知ったら悲しむだろう。」
「勿論、お前も他の二人がそうしていたら諭すだろう。」
ナギサ「……。」
「お前にとってあいつらは心を通える友人じゃないのか?」
ナギサ「…!」
「ただ上辺だけの仲良しごっこなのか?」
ナギサ「ち、違います!」
「じゃあ、もっと支えあってみせろ。」
ナギサ「!」
「ティーパーティーとして…ではなく。」
「トリニティ総合学園の看板として…ではなく。」
「桐藤ナギサとして。」
ナギサ「…っ!!」
「お前がこうして一人で抱え込んていられるのも、他の二人が何かを抱え込んでくれているからだ。」
「だが、それはあまりにも歪だ。」
「それが、友達同士がする事なのか?」
「三人で取り組めば、効率も三倍だろう。」
「手を取り合ってみせろ。」
「かけがえの無い友として。」
ナギサ「…………。」
『…ナギサ。』
ナギサ「…っ!?セイアさん……!?」
セイア「久しぶりだね…ナギサ。」
ナギサ「なっ……え…?何故ここに…?」
セイア「私も先生に諭されたんだ。」
セイア「同じような事を言われたよ。」
セイア「そして分かったんだ。」
セイア「私達は同じような事で悩んでいる…とね。」
セイア「私は逃げていたのかも知れない。」
セイア「全ての結末を見えているようで、見ていなかった。」
セイア「私は未来に向き合っていなかったんだ。」
セイア「けど…私は、ナギサ達と一緒なら…」
セイア「未来に立ち向かえる気がするんだ。」
ナギサ「……セイアさん。」
セイア「ナギサ……私、ナギサを頼ってもいいかい…!」
ナギサ「…!」
セイア「一人では押しつぶされそうだったんだ…。」
セイア「それはあまりにも、独りよがりな結末で…。」
セイア「怖かったんだ…!」
セイア「この未来が現実となって、立ち塞がってくるのが…!」
セイア「…けど、そんな未来を変えたいんだ…。」
セイア「ナギサ達と一緒なら…それが出来る気がするんだ…!」
ナギサ「セイアさん………。」
ナギサ「…私は何か大切な物を見失ってたのかも知れませんね。」
ナギサ「こんなにも私に信頼を向けてくれる人がいる…。」
ナギサ「なのに私は、一方的な信念でそれを受け取らないでいました…。」
ナギサ「…本当は…私も…怖かったです………。」
ナギサ「セイアさんが居なくなって……裏切り者がいるって言われて…」
ナギサ「ここまで積み上げてきた物が、この両手から…消えてしまいそうで…っ!」
ナギサ「……けど……今、気づきました…。」
ナギサ「今まで、全てが…嘘に見えてました…。」
ナギサ「しかし…この温かさは…本物です…。」
ナギサ「私の信じたかったものは…この温かさだった…!」
ナギサ「セイアさんが気づかせてくれました…。」
ナギサ「ありがとうございます…セイアさん。」
ナギサ「私…もう怖くないです…!」
セイア「私もだよ…ナギサ…っ!」
「………。」
ナギサ「先生もありがとうございます…。」
ナギサ「私達をここまで引き上げてくださって…。」
「まだ終わりじゃない。」
ナギサ「……え?」
「もう一人いるだろう。」
ナギサ「…!そうでしたね。」
ナギサ「ミカさんは私に気づかれて無いとお思いですが、」
ナギサ「何をしようとしているかは大体把握しています。」
ナギサ「…ですが、どう説得すれば……。」
「俺に任せろ。」
「「……!」」
「だが、ここからは俺のプランに従ってもらっても構わないか。」
セイア「…あぁ、もちろんさ。」
ナギサ「はい、私も信じます。」
ナギサ「先生を…!」
______________________
トリニティ総合学園 別館 教室………。
ヒフミ「…またこうして、皆で集まれるとは思いませんでした!」
コハル「もう試験には合格したし、何の用なのよ?」
ハナコ「まぁそれは、先生が説明してくれますよ。」
アズサ「………。」
ガラガラガラッ………。
「………。」
ヒフミ「先生!」
「全員いるな。」
「お前達にやって欲しい事がある。」
「少し重荷になるかもしれないがな。」
「…入って来ていいぞ。」
コツコツコツコツ…
ナギサ「皆さん、ごきげんよう。」
セイア「こうして、他人の前に出るのは久しぶりかもな。」
ヒフミ「………へぇっ!?」
アズサ「…!」
ハナコ「……。」
コハル「な、何でティーパーティーの人が…ここに?」
「お前達に頼みたい事は、この二人の護衛だ。」
ヒフミ「わ、私達がですか…!?」
「俺が今、信用できる奴らと言ったらお前達だからな。」
コハル「そ、それは嬉しいけど……。」
ハナコ「ティーパーティーの皆さんは、了承してるんですか?」
ナギサ「はい、勿論です。」
セイア「先生が信用しているなら、私達も信用できる。」
アズサ「…………。」
「…どうした、アズサ。」
アズサ「……い、いや…。」
「何か言いたい事があったら言っても構わない。」
アズサ「…皆に言わなければ行けないことがある…。」
アズサ「皆が探している、トリニティの【裏切り者】は。」
アズサ「私だ。」
ヒフミ「………え?」
ナギサ「えぇ、知っていましたよ。」
ヒフミ「……え!?」
アズサ「知っていたのか……?」
ナギサ「はい、貴方がアリウス分校の生徒という事も。」
アズサ「………。」
ナギサ「けど、だからと言ってどうとするつもりは無いですけどね。」
アズサ「…てっきり私を捕まえに来たと思っていたんだが…。」
ナギサ「貴方には敵意を感じません。」
ナギサ「初めから私達を裏切るつもりも無いでしょう?」
アズサ「…そうだ。」
アズサ「私は気づいたんだ。」
アズサ「何かを学ぶということ、みんなで何かをするということを。」
アズサ「この優しくも美しいこの時間を。」
アズサ「私は守りたい。」
アズサ「アリウスに、このトリニティを潰させはしない…!」
ヒフミ「アズサちゃん…。」
アズサ「…本人にバレていたとは思わなかったが。」
ナギサ「セイアさんが教えてくれました。」
セイア「あまり、細かい事は言えないが私は未来が分かるんだ。」
セイア「だから、君が皆に自分の身分を暴露するというのも分かっていた。」
セイア「それを伝えたんだ。」
アズサ「…初めから上手くわけが無かったんだな。」
セイア「まぁ、そうなるな。」
アズサ「…皆を騙していてすまない。」
ヒフミ「全然大丈夫ですよ!」
ハナコ「それに、ようやくアズサちゃんの心の内を聞けて嬉しい気持ちもあります。」
コハル「…何をしようとしててもアズサはアズサでしょ?」
アズサ「みんな……っ!」
「……。」
「これからの話をしよう。」
ヒフミ「…これから?」
「この後アリウスの手先にナギサが襲撃される。」
ヒフミ「そ、そうなんですか!?」
セイア「安心してくれ、まずここにナギサがいる時点でその未来は回避できている。」
「奴らは真っ直ぐにナギサの自室に向かうだろう。」
「その襲撃を皮切りに、恐らく本陣が攻めてくる。」
「それら全てを退けて、カウンターを仕掛ける。」
ハナコ「…カウンターですか?」
「遅かれ早かれ、ここにナギサがいる事はバレてしまうだろう。」
「だが、1週間もいて、地形も知り尽くしている俺達の方が情報戦では有利だ。」
「ここに誘い込み、真の【トリニティの裏切り者】を炙り出す。」
「恐らく、俺達以外の組織は動いてくれないと考えるのが妥当だ。」
「増援は来ない。」
「…それでも、手伝ってくれるか。」
ハナコ「勿論です。」
ハナコ「トリニティの、私達の未来の為に。」
ヒフミ「私もナギサ様を精一杯お守りします!」
コハル「これでも私は正義実現委員会よ!そんなの、見過ごすつもりはないわ!」
アズサ「私が私としてやれるべき事をやる。」
「………。」
ナギサ「とても心強いですね、先生。」
「そうだな。」
セイア「未来は、確実に良い方向に傾いているな…。」
「これから、作戦の概要を伝える。」
「その後すぐ行動に移すぞ。」
______________________
トリニティ総合学園 敷地内 ナギサの自室。
サッサッサッサッ…………。
ナギサの自室の前に数人のアリウス生が張り付く。
アリウス生A「……。」サッ、サッサッ。
アリウス生B「……。」サッ…。
ハンドサインで意志疎通をする。
アリウス生A「…。」スチャッ…。
アリウス生B「…。」スッ…。
ドアを蹴破り、部屋に侵入する。
アリウス生A「……?」
アリウス生A「……人の気配がしないぞ…。」
アリウス生B「まさか…既に逃げられたか…?」
「その通りだ。」スゥッ……
「「!!?」」
アリウス生A「グァッ…!」ドサッ…
アリウス生B「くっ…!」
「…。」タッタッタッタッ…!
アリウス生B「が…っ!!?」ドサッ…!
「……。」ガシッ…
片方の生徒を蹴り倒し、地面にうつ伏せの状態で両手を掴み抑え込んだ。
「……増援はいつ来る。」
アリウス生B「そ、そんな簡単に言うとでも…!」
アリウス生B「…っ!?」
「俺は本気だ。」
アリウス生B「……。」
「ここで情報を吐くのなら、身の安全は保障してやる。」
「まだ死にたくはないだろう。」
アリウス生B「……。」
「それとも、お前達のトップに殺されたいか。」
アリウス生B「何故それを…!」
「鎌をかけたつもりだったんだがな。」
「やはり、絶対的な何かがアリウスを支配しているんだな。」
アリウス生B「…あぁ、そうさ。」
アリウス生B「1度しか会った事はないけどね。」
アリウス生B「いつもは親衛隊みたいな奴らを通じて通達が来るんだ。」
「親衛隊?」
アリウス生B「【アリウススクワッド】って奴らだ。」
アリウス生B「私達は一つ一つの部隊で分けられているんだ。」
アリウス生B「数ある部隊の中でもトップクラスの実力者たち。」
アリウス生B「それが…【アリウススクワッド】。」
アリウス生B「そいつらはえらく贔屓されてる様にみえる。」
アリウス生B「まぁ、何でかは知らないけどね。」
「………。」
アリウス生B「な、なぁ…本当に全部話したら、身の安全を保障してくれるのか…!」
「約束しよう。」
アリウス生B「…信じていいのか?」
「お前がそれ相応の事をしてくれるのならな。」
アリウス生B「……実を言うと、本当にトリニティを恨んでる奴なんて数えるほどしかいない…。」
アリウス生B「私達はあくまでも殺されない為に行動しているんだ。」
アリウス生B「そもそも私は元からアリウスの生徒では無かったんだ…。」
アリウス生B「いきなりあいつが現れて、私達を恐怖で縛り付けた。」
アリウス生B「あいつは化物だ…一目見て、勝てないと分かった…!」
「………………。」
アリウス生B「増援は、桐藤ナギサを追っている。」
アリウス生B「あくまでも私達は虱潰しにここの襲撃を任された。」
アリウス生B「多分、本当の居場所は分かっていると思う。」
アリウス生B「内通者が教えてくれるからな。」
「…誰だ。」
アリウス生B「そいつは………。」
アリウス生B
______________________
トリニティ総合学園 別館 教室……。
ヒフミ「…先生、大丈夫ですかね…。」
ハナコ「先生ですもの、大丈夫ですよ。」
ピピピッ!ピピピッ!ピピピッ!
ヒフミのスマホに先生からの電話が来た。
ピッ!
ヒフミ「先生!無事ですか!」
「問題ない。」
「どうやらナギサ達の位置はバレているようだ。」
「後、数刻もしないうちにそちらに敵が来るだろう。」
「防衛の準備に取り掛かって欲しい。」
ヒフミ「分かりました!」
「俺もなるべく早く、そちらに戻るようにする。」
「それと、ナギサに変わってくれないか。」
ヒフミ「分かりました!」スッ…
ナギサ「…え?」
ヒフミ「先生がナギサ様に話があると…。」
ナギサ「…はい、ナギサです。」サッ…
「ナギサか、1つ聞きたい事がある。」
ナギサ「何でしょうか。」
「トリニティの礼拝堂の柱を、1本取っていいか。」
ナギサ「……………え?」
「後で補修はするつもりだ。」
ナギサ「ちょっと何言ってるか分かりませんね。」
ナギサ「まぁ…現地の人たちと交渉して頂かないと…」
ナギサ「私の口からはなんとも言えませんね。」
「そうか。」
「聞きたい事はそれだけだ。」
「切るぞ。」
ピッ……………。
ナギサ「…………。」
ヒフミ「先生は何と…?」
ナギサ「……トリニティの礼拝堂の柱が欲しいと。」
ヒフミ「………はい?」
______________________
トリニティ総合学園 敷地内 礼拝堂…。
ゴォォ………。
トリニティの中の一つの礼拝堂の扉を開け、中には行っていく。
時間も相まってか、明かりは灯ってない。
「……。」
コツコツコツコツ………。
「……。」スッ…ペタペタ…。
支柱に触れるゴルゴ。
???「誰かいらっしゃるのですか。」
「…。」クルッ…
???「…貴方は。」
「勝手に入ってしまってすまない。」
???「あ、いいえ…問題ないです。」
???「ちょうど今、ここの戸締まりをしようとして来ただけですので。」
???「…貴方が先生、ですよね?」
「そうだ。」
サクラコ「初めまして、私はシスターフッドに所属している【歌住 サクラコ】と申します。」
「…デューク・東郷だ。」
サクラコ「よろしくお願いします。」
サクラコ「それで、支柱を触っているようですが…何かありましたか?」
「そうだな。1つ頼みがある。」
サクラコ「…?何でしょうか。」
「1本、持っていっても構わないか。」
サクラコ「……はい?」
サクラコ「…もしかして…その支柱を、ですか?」
「そうだ。」
サクラコ「…持っていくと言われましても、一体どういう事なのか…。」
「こんなに支柱は沢山あるんだ、1本取れてもちょっとの時間なら崩れたりはしないだろう。」
「勿論、取った後に必ず補修は行う。」
サクラコ「そこを気にしてる訳では無いんですよ!?」
サクラコ「…というか、持っていくって…取り外せたりはしませんよ?」
「構わないかどうかを聞きたい。」
サクラコ「何で私が詰められてるんですか!?」
サクラコ「絶対、逆ですよね?よく分からない質問をしている先生に私が質問をするんですよね?」
「YESかNOかで答えろ。」
サクラコ「強引ですね!?もう、柱を取る前提で話を進めてますよね!?」
サクラコ「………シスターフッドとして、礼拝堂を壊すなんてしてはいけない事だとは思いますが……。」
サクラコ「…今の先生に必要なら……構いません。」
「助かる。」
サクラコ「それで…その柱を取って何に使うんですか…?」
「移動手段だ。」グッ……
サクラコ「…はい?」
柱を両手で抱え込む様にして、力を込め始めるゴルゴ。
ミシッ……ミキミキミキミキミキ………。
サクラコ「……え?」
抜き取ったかのような綺麗な断面のまま、柱をもぎ取った。
サクラコ「えぇぇぇぇぇぇ!!!?」
「このまま外に持っていく…そこにいると危ないぞ。」
サクラコ「せ、先生ってヘイローとかお持ちでないですよね…?」
サクラコ「というか、ヘイローを持っていてもこんな所業できる訳……。」
「悪いが急いでいるんだ。」
サクラコ「あっ…すみません…。」スススッ…
「……。」ノッシノッシ…ノッシノッシ…
サクラコ「(一切よろけたりせずに運んでいらっしゃる…。)」
サクラコ「(…先生は同じ人間なのでしょうか……?)」
…………………………。
ノッシノッシ……ダァァン!!
礼拝堂の外に持ち出し、地面に突き刺すように置いた。
「…………。」
サクラコ「移動手段に使うと仰ってましたが…どうやって?」
「見てもらった方が早い。」
「……別館の方角は…こちら側か。」ガシッ……。
ゴルゴは先程抜いた支柱を右手に持ち、槍投げの様なポーズをした。
サクラコ「……ま、まさか。」
「それじゃあ、失礼する。」
先程の体勢からもう一段階振りかぶり、柱をぶん投げた。
そのまま投げた柱に飛び乗り、一緒に飛んでいった。*1
サクラコ「………………。」ギュミッ…
サクラコ「…頬の痛みはあるので、夢では無いですね……。」
______________________
トリニティ総合学園 別館………。
『まぁ、黒幕登場…ってところかな?』
ヒフミ「そ、そんな…っ。」
コハル「何でよりにもよって…ティーパーティーなのよ…!」
ミカ「…?予想外だった?」
ミカ「まぁ…そうだよね。」
ミカ「ここにナギちゃん、いるんでしょ?」
ミカ「何処にいるの?」
ハナコ「何故、アリウスと手を組んだんですか…。」
ミカ「…うーん。利害の一致って感じ?」
ミカ「私はね、エデン条約なんて締結してほしくないの。」
ミカ「何でゲヘナなんかと仲良くしないといけないの?」
ミカ「そんな事、私はこのトリニティを壊してでも阻止する。」
ミカ「アリウスの子たちはトリニティが嫌いでしょ?」
ミカ「私もトリニティを壊そうと思ってる。」
ミカ「後は説明しなくても分かるよね?」
ミカ「じゃあ聞くね、ナギちゃんは何処。」キッ…!
とてつもないプレッシャーを放ちながら、こちらを睨みつけるミカ。
ハナコ「…っ!」ゾワッ…
ハナコ「…教えないと言ったら?」
ミカ「見て分からない?勝ち目なんて無いよ?」
ミカ「貴方達に増援は来ない。」
ミカ「時間稼ぎのつもりかどうか知らないけど。」
ミカ「早くしないと皆、死んじゃうよ?」スッ…
チャキッ………。
ミカが右手を掲げると、後ろに控えていたアリウス生が射撃体勢を取る。
ハナコ「…どうやら時間稼ぎが間に合ったようです。」
ミカ「……?」
ハナコ「お忘れで無いですか…?」
ハナコ「先生の存在を……っ!!」
ミカ「!?」
ミカ「…まさか…ミサイル…!?」
「……………。」
ミカ「…くっ…回避が…っ!!」ブワッッ…!
ミカ「そんなデタラメな事してくるなんて…!」
シュゥゥゥゥゥ………。
間一髪、ミカは回避運動が取れたが、大多数のアリウス生が落ちてきた柱の衝撃波で吹き飛ばされた。
「……………。」
砂煙が晴れ、先生の姿がはっきりとする。
ミカ「……。」
「ミカ。」
ミカ「…何?先生。」
「…何でも無い。」
「これでお前の仲間はほぼ壊滅した。」
「まだやるか。」
ミカ「私がどんな覚悟でこんな事をしてるか…先生なら、分かるでしょ?」
「………。」
「だが、俺は止めなければならない。」
「お前にとっての最善の道を見せる為に。」
ミカ「……邪魔するの?」
「挫折を経験しないと、成熟した大人にはなれないぞ。」
ミカ「………ちょっと無謀じゃない?」
ミカ「先生はヘイローもないのに。」
「「「「!?」」」」
ミカ「…!!?」
ゴルゴのリボルバーから放たれた弾丸が、ミカの顔の数cm横を通過した。
「言っておくが、挑戦する側はお前だ。」
「俺を止めてみろ。」
ミカ「…っ!」ゾワッ…
ヒフミ「せ、先生っ!」
「悪いが手を出さないでくれ。」
「この場は、俺が決着をつけなければならない。」
「………いつでも来い。」
「ミカ。」
ミカ「……良いんだね…?」
「もう一発撃たれたいのか。」
ミカ「…どうなっても知らない…よっ!!!」グァッッ…!!!
地面を蹴るように駆け出したミカ。
ミカ「………ふっ!!」グオッ!
持ち前の瞬発力でゴルゴの懐に飛び込み、大振りのブローをかます。
「………。」シュッ…!
自身のボディめがけてきたブローを、ゴルゴは左足を上げ、脛の部分で抑えた。
「………。」シュバッ…
ブローを抑えていた左足を軸足にし、瞬時に右足で前蹴りをする。
ミカ「…!」グッッ……ズザザザッ……
どうにか腕をクロスさせ、ダメージを軽減する事に成功したミカ。
ミカ「……。」
ミカ「(ヘイローが無いとは思えないんだけど…!)」
ミカ「(というか何でパンチを受け止められてるの…!?)」
「油断するな。」ダッ……
ミカ「!!」
一瞬の隙を見せたミカに、高速の右ストレートが飛んでくる。
ミカ「くっ……!」ガシッッ…
回避は間に合わなかったが、何とか両手で拳を抑えようとするミカ。
ミカ「(両手で抑えてるっていうのに…何で止まらないの…!?)」
段々とパンチの勢いを抑えきれずに、拳を止めた姿勢のまま後退してしまうミカ。
ミカ「(ど、どう頑張っても…止められない……っ!)」
「…………。」グオッッ!
ミカ「くっ……!」ヨロッ……
力任せに振りぬかれた拳の反動で、よろけるミカ。
ミカ「ハァ……ハァ……ッ!」
「息が切れているぞ。」
ミカ「私だって、あまりしたこと無い経験だよ……っ!」
ミカ「こんなにも…疲れるなんて…!」
「…………。」
ミカ「…!セ、セイア…ちゃん……?」
セイア「ミカ……もう止めるんだ。」
ミカ「し、死んじゃったんじゃない…の?」
セイア「…騙していてすまない。」
セイア「私は自分の身を守る為に死んだ事にしていたんだ。」
セイア「本当に、すまない。」
ミカ「あ…あはっ…ほ、本当に死んじゃったかと思ったんだよ……!」
セイア「ミカ………。」
サッサッサッサッ……
ギュッ………
ミカ「…え」
セイア「…苦しませてしまってすまない。」
ミカ「…………う」
ミカ「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
ミカ「よかっだ……よ゙がっ゙だよ゙…………!!」
ミカ「ゼイ゙ア゙ぢゃ゙ん゙……!!」ギュゥゥゥ……
セイア「ミ、ミカ…ちょっと痛いかもしれない…。」
ミカ「やだ!うそつきなセイアちゃんのことなんて聞かないもん…!!」ギュゥゥゥ…
セイア「…ナ、ナギサ…。」
ナギサ「…まぁ私達を騙していたのは事実ですし…。」
セイア「ナギサ…!?」
ナギサ「そのまま大人しく抱かれててください。」
セイア「ナギサぁ……。」
「…………。」
………………………………………。
ミカ「…グスッ……グスッ……。」
「もう涙は止まったか。」
ミカ「……うん…何とか。」
ミカ「……ありがとうね。先生。」
「…………。」
ミカ「最後にセイアちゃんに会わせてくれて。」
「何を言っているんだ。」
ミカ「………え?」
「お前はこのまま二人と合流してティーパーティーを立て直して貰うんだぞ。」
ミカ「い、いや…だって私は…。」
「アリウスを誘致した悪者……だと?」
ミカ「じ、事実そうじゃん…もうどうしようもない…」
ミカ「私は…トリニティを混乱に陥れた…悪い…」
「既にシナリオは考えてあるぞ。」
ミカ「…は?」
「アリウスの謀略を白州アズサによって察知した補修授業部は、ティーパーティーの2人を連れて別館まで逃走。」
「もうだめかと思われたその時に、柱をぶん投げてミカが登場。」
「難なくアリウス生を撃破。」
「実は白州アズサはミカからの命でアリウスにスパイとして送り込まれていて、それで情報を横流しにしていた。」
「その情報によると、アリウス生は何者かに恐怖政治をされておりアリウス生自体は被害者であると。」
「それを知ったミカはかつて敵対していたアリウスに手を差し伸べ、立ち上がった。」
「エデン条約を混乱させようとしていたのは【アリウスの裏にいる悪い大人】……といった感じだ。」
ミカ「そ、そんなのって…」
「全て事実に基づいている…探しても粗は見つからない。」
「ここの生徒はゴシップが好きそうだからな、適当に真実と嘘を混ぜておけばどうにかなるだろう。」
ミカ「そこまでして私を…?」
「当たり前だ。」
「お前達に限った話ではないが、このキヴォトスには誰か導いてくれる様な人がいなかった。」
「だから何か過ちを犯してしまっても、誰も助言をしてくれず、擁護もしてくれなかった。」
「それは、この世界のとてつもない欠陥だ。」
ミカ「………。」
「ミカ。」
ミカ「…?」
「まだ、エンドロールには早すぎる。」
「大団円で終わらせようじゃないか。」
「皆で。」
ミカ「………!!」
ミカ「た、頼ってもいいの……?」
「俺は素直な生徒の味方だ。」
「正直に生きろ。」
「トリニティがどうとか、ゲヘナがどうとか。」
「お前が常にありのままで生きれたら、気にもしない事だ。」
「お前の魂は、何を望んでいる。」
ミカ「私は…………。」
ミカ「私は!皆で仲良くすごしたい…!」
ミカ「ずっと笑顔でいたい……っ!」
「それでいい。」
「後は、俺がなんとかしよう。」
いかがでしたでしょうか。
まだまだゴルゴは止まらない…!
次回も好ご期待!
それではまた。