もしも、シャーレに赴任してきたのがゴルゴ13だったら… 作:御厨パステル
皆さん、お待たせ致しました。
『船上のバニーチェイサー』編はプロローグ含めて3話構成で完結する予定です。
それではどうぞ!
TARGET EX 船上のバニーチェイサー プロローグ
連邦捜査部"シャーレ" 部室……。
早朝、ゴルゴはいつも通り書類仕事を終わらせてベランダで一服していた。
「……。」ジジジジッ……フゥ__…。
このキヴォトスで紙タバコはほぼ死滅しており*1、ゴルゴも自然と電子タバコに変えていた。
携帯に着信が入る…。
「…どうした。」ピッ…。
ユウカ『先生、朝早くすみません…今お時間大丈夫ですか?』
「問題ない。」
ユウカ『では一度、セミナーまで来てくれますか。』
ユウカ『要件はそちらでお話します…。』
「分かった…。」ピッ…。
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ミレニアムサイエンススクール セミナー 会議室…。
コツコツコツコツ……。
「…。」コンコンコン…。
ユウカ「はい、どうぞ!」
ガチャッ…。
「来たぞ。」
ユウカ「お待ちしてました、先生!」
アカネ「おはようございます、先生。」
広々とした会議室には、ユウカとC&Cのアカネがいた。
「C&Cがいるという事は…そういう案件か。」
ユウカ「はい…コユキの事なんですが…。」
「……コユキ?」
ユウカ「?…はい、今日お呼びしたのはコユキの事で…。」
「…俺はてっきり、もっと違った何かだと思ったんだが。」
ユウカ「……あれ?お伝えしてませんでしたっけ?」
軽く話を聞く限り…どうやら、俺が預かり知らぬだけでコユキはミレニアムでも指折りの問題児だった様だ。
「……そうだったのか、コユキが…。」
ユウカ「少し前の事、覚えてませんか?」
「…?」
ユウカ「ほら…先生の通帳を……。」
「…………。」
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数週間前……。
連邦捜査部"シャーレ" 部室……。
その日のゴルゴはシャーレで書類仕事を行っていた。
「…………。」カタカタカタカタカタカタ…。
ガチャッ…。
コユキ「せんせ〜い。」グデェ〜。
少し気の抜けた様子のコユキがやってきた。
「次からはノックをしてから入れ。」カタカタ…。
コユキ「先生、何か面白い事しません〜?」
コユキ「私、今すっごい退屈で〜。」
「…生憎だが、まだ俺は手を離せない。」カタカタ…。
「……コユキの考える面白い事は何だ。」カタカタ…。
コユキ「あ〜ゲームとかそういう娯楽ですね〜。」
「…ダーツとかはどうだ。」カタカタ…。
コユキ「先生めっちゃ強いじゃないですか…却下です。」
「……チェスはどうだ。」カタカタ…。
コユキ「何でそんなチョイスが古臭いんですか!?」
コユキ「ここキヴォトスですよ!?」
「…そこまで言うなら何か案を出してくれ。」カタカタ…。
コユキ「じゃあレースゲームしましょう!」
コユキ「前にゲーム開発部の子たちからお古の家庭用ゲーム機を貰ったんですよね?」
コユキ「それやりましょ!」
「……そういえば、ユウカがお前を探してた気が。」カタカタ…。
コユキ「〜♪」(汗)ヒュ~ヒュルルル~…♪
口笛と共に、露骨に目を逸らしまくるコユキ。
「…………。」カタカタ…。
「…まぁ俺の管轄外ではないから気にはしないがな。」カタッ…。
「一服してからでも構わないか。」スッ…。
胸ポケットから電子タバコを取り出し、アピールをする。
コユキ「はい!じゃあ用意して待ってますよ〜…っと。」ガサガサ…。
「…。」ガタッ…コツコツコツコツ…。
ガラガラガラ……バタン。
ゴルゴは椅子から立ち上がり、ベランダに向かった。
コユキ「ふんふふ〜ん〜♪ディスクはどこかな…。」キョロキョロ…。
コユキ「…ん?」
ふと、テレビ台の収納部分にある金庫が目に入った。
コユキ「…。」ジーッ……。
コユキ「(これはお宝の予感…。)」スッ…。
コユキ「…こういうアナログなのも面白いですね〜。」カチャカチャ…。
どこからともなく取り出したロックピックを使い、よく分からない感想を語りながら金庫をいじるコユキ。
コユキ「…!」
パカッ……。
コユキ「こ、これは…!紙の通帳…!」キラキラキラキラ…!
コユキ「先生はこういうアンティークな感じの物が好きなんですかね〜。」サッ…。
金庫から通帳を取り出そうと、手を入れ通帳を掴む。
コユキ「……!?」
だが、何かに気付いたようだ。
コユキ「この通帳………重い…ッ!!!」*2
コユキ「いったいどんな金額を入れたらこんなに重くなるんですかね…ッ!!」グググッ…!*3
コユキ「ぐぬぬぬぬ………!!!!」ガシッ……!
コユキ「だぁっ!!」バッ…!
コユキは両手を使って、何とか通帳を取り出す。
コユキ「はぁっ…!はぁっ…!」
あまりの重さ()に肩で息をするコユキ。
コユキ「よ、ようやく中身を見れますね…。」サッ…。
コユキ「………!!?」
どうやらまた、何かに気付いたようだ。
コユキ「固くて……開けないッッ!!!」*4
コユキ「ッッ……………!!」ググググググ……!
コユキ「まもなく、最後の扉が開かれる!!」グググ…!
コユキ「私が開くッ!!!」バサッ…!*5
何とか開けた様だ。
コユキ「さてさて金額は………っ!?」
……………………………………………………。
「……。」タッタッ…。
ガラガラガラ……。
「……?」
ベランダから戻ったゴルゴの目の前には……。
コユキ「____。」
ゴルゴの通帳を顔の上に乗せながら失神しているコユキがいた。
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「…あれが最初で最後だと思っていた。」
ユウカ「残念ながら常習犯なんです…。」
「それで、今回は何をしたんだ。」
ユウカ「…無断での負債発行です。」
「……。」
アカネ「以前にも、未遂で終わってたりするのもありましたよね。」
ユウカ「まだ刷り続けてるらしくて…このままいったら、セミナーが破産します。」
「…。」
ユウカ「今、絶っ対1人で行こうとしましたよね!?」グググ…。
ユウカ「確かに先生1人でも解決はするとは思うんですが、ちょっと今回は色々と事情があって……!」グググ…。
ユウカ「逸る気持ちは分かりますけど、一旦席に付いて……いや、力強っ…!」グググ…。
アカネ「先生って本当に外の世界の人なんですかっ!?」グググ…。
「…すまない、話を続けてくれ。」スッ…。
ユウカ「ふぅ…で、では話を続けますね。」
ユウカ「いつもなら懲罰房から逃げても、ミレニアムのドローンや監視カメラを使って足取りを追えるんですが…。」
ユウカ「どうやら他の学校の自治区に逃げ込んでて、あまり大きくは介入できないんです。」
「どの自治区にいるんだ。」
ユウカ「『オデュッセイア海洋高等学校』という複数の船で構成された学校です。」
ユウカ「その内の1つのクルーズ船である『ゴールデンフリース号』の中にコユキはいます。」
「…。(船で構成された学校…?)」
ユウカ「オデュッセイアとミレニアムは多少交流がありますので聞いてみたんですが…。」
ユウカ「どうやら、その船だけの独自の運用がされていて、生徒会も船の中の様子を把握しきれてない。と言う事で…。」
「…つまり、今の状態は双方にとって問題ありきな場所になっているんだな。」
ユウカ「はい…。」
アカネ「そんな場所で債権を発行しているなんて、中で何をしてるんですかね…。」
ユウカ「その当たりが不透明なのも不安なのよね…変な事に巻き込まれてないといいけど…。」
ユウカ「…まぁそういう理由で今回は"C&C"に依頼した訳です。」
ユウカ「なるべく早く、静かに…ね?」
アカネ「あはは…了解です。」
ユウカ「いつもみたいに滅茶苦茶しない様に、今回は先生を同行させるから。」
ユウカ「スマートに!…よろしく頼むわ。」
ユウカ「先生も、よろしくお願いします…。」
「分かった。」
「引き受けよう。」
如何でしたでしょうか。
途中の【コユ・キ・クルーゼ】をしたかっただけです…許してください…。
果たして、C&Cはスマートにコユキを連れ戻す事が出来るだろうか…!
それではまた。