もしも、シャーレに赴任してきたのがゴルゴ13だったら… 作:御厨パステル
これでプロローグは終わりになります。
もうここからはじわじわとイチゴ味になっていきます…。
D.U地区外郭
本来ならここで初めて先生は戦場という物と相対し、
戦術指揮を振るう手腕を初めて発揮する場所だった。
そう……"だった"のだ。
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不良生徒A「ぐわっ!!?」バタッ…
不良生徒B「い、いつの間にこんなに近くに…!?」
不良生徒B「グエッ!」バタッ…
後方に生徒を置いてけぼりにし、
ヘイローもない肉体で現在、敵を蹴散らしながら進んでいる男。
「…………。」タッタッタッタッ…
……彼が先生だ。
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「……。」ガサッ…
先程倒した不良が落としたトランシーバーを拾う。
ジジ…ジジジッ…!
「…。」
hzを合わせている……。
盗聴する気のようだ…。
『…こっちは戦車もあって順調だな。』
『あの【災厄の狐】が前線で暴れてくれているし、』
『あと1時間もすれば建物も占拠できるな。』
「……。」カチッ…
トランシーバーの電源を切った。
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一方その頃、先生と共にシャーレへ向かうはずだった少女たち……。
ユウカ「何なのあの先生とか言うやつ!?」
ユウカ「……絶対、一般人じゃないわッ!」
ハスミ「そうですね、これは…」
スズミ「そう思わざるを得ませんね。」
チナツ『これを…たった一人で……?』
彼女らの前には的確に、胸、頭に弾丸が撃ち込まれた痕がある暴徒たちが壊れた銃と共にそこらじゅうに転がっていた………。
ユウカ「本当に私達、必要だったのかしら…。」
スズミ「何だか、あの人1人でも大丈夫な気が……」
ザザッ……ザザッ…
「聞こえるか。」
「「「!?」」」
ユウカ「せ、先生!?今どこなんですか!?」
「どうやら目的地の近くに戦車が駐在しているらしい。」
「数は1台、型式は分からない。」
「それと【災厄の狐】と言う奴が暴れているらしい。」
「…以上だ。」
ピッ………
「「「……」」」
ユウカ
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シャーレまで後、数km…………
不良生徒「これさえあれば怖いものはねぇ!」
大通りは1台の戦車が鎮座していた。
正面からの突破は難しいだろう……。
しかしそれを、裏路地から黒い影が見ていた…。
「……。」スッ…
「(クルセイダーⅠ型。あれが通信機越しに聞こえた戦車か。)」
「「「先生!」」」
「…!」バッ…!
ユウカ「ここにいましたか…!」
「何故わかった。」
ハスミ「チナツさんが通信元を逆探知をしてくれたんです。」
「…なるほど。」
スズミ「…あれが件の戦車ですか。」
「そうだ。」
「…大通りに回れ。」
「「「…え?」」」
「あの戦車を鹵獲する。」
ユウカ「なるほど…とは、なりませんよ!?」
スズミ「対戦車火器もないのに不可能です!」
ハスミ「しかも鹵獲となると、より難しいかと…」
「…。」
「早く大通りに行け。」
「インカムで合図する。」
ユウカ「あ、ちょっと!!」
スズミ「…信じてみましょう。あんな事が出来たんです。」
ハスミ「私達はいつでも飛び出せるように様子見しておきましょう…。」
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タッタッタッタッ…!
「…。」ピン!
こちらに側面を向けている戦車にまっすぐ走っていくゴルゴ。
そして、上部の開閉ハッチに向けて跳んだ……!
不良生徒A「う、うぉっ!?何だ!?」
不良生徒B「上になんか降ってきた音が…!」
上部ハッチが蹴破られた…!
カラン……
そこに投げ込まれるフラッシュバン。
不良生徒A「…!?グ、グレネー……!」
ピカッッッ!!!
不良生徒A「うわっ!?」
不良生徒B「目、目がぁ!」
「……。」
しっかりとくらっているのを確認し、戦車内部に入る…。
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一方、遠くで見ていた生徒たちは…。
ユウカ「…。」
ハスミ「…。」
スズミ「……なんかこうもあっさりとやられると、私達が間違ってるんじゃないかって思えてきます。」
ユウカ「大丈夫、私達は間違ってなんかないわ…!あの人がおかしいだけよ…!」
ポイッ…ドサッ!
不良生徒A「ぎゃっ!」
ポイッ…ドサッ!
不良生徒B「ふぎゃっ!」
ハスミ「あ、中にいた人が投げ出されましたね……。」
ザザッ…ザザッ…
「鹵獲した。」
「このままシャーレまで行くぞ。」
ユウカ「り、了解です!」
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不良生徒A「うぉっ!?せ、戦車ぁ!?」
不良生徒B「何でこっち向けて撃ってきてるんだ!?」
不良生徒C「や、ヤバイぞ!みんな逃げろぉぉー!」
「「「キャーー!!!」」」
こちらに牙を向く戦車を見た途端に、蜘蛛の子を散らす様に逃げていく暴徒たち……。
…………………。
ハスミ「…何だか申し訳ない気持ちになってきますね…。」
スズミ「被害を被っているのはこっちなのに…何でしょうねこの感情…。」
ユウカ「というか先生一人で砲手から装填手、操縦手をやってるんでしょ…やっぱりおかしいわよ…。」
ユウカ「…あ!シャーレが見えてきました!」
鋭い硝煙の香りがしてきた……。
「「「!?」」」
「どうやら突入する瞬間に遭遇した訳だ。」
「このまま、砲撃を続ける。」
「撃ちもらしは頼んだ。」
「「「了解です!」」」
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???「あら?てっきりもう建物の中に侵入してると思ったのですが…?」
???「…なるほど、邪魔が入ったようですね…。」
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ユウカ「はぁ…はぁ…大体やったかしら…!」
???「ふふふ…連邦生徒会の犬があらわれましたか。」
ハスミ「!先生、あれが【災厄の狐】です!」
「……。」
ワカモ「ふふっ、お可愛いこと………っ!?」
瞬間、戦車の主砲が火を吹いた。
ワカモ「…くっ…!」バッ…!
跳んで、主砲を避けるワカモ…。
ワカモ「いきなり撃ってくるとは………はっ!?」
「…………。」カチャッ…
ワカモを避けようのない空中に誘い、ゴルゴはサブアームのリボルバーを撃った。
パキャッッ!
ワカモ「っっ!!?」
狐面の右目部分が吹き飛んだ。
ワカモ「(体勢を立て直さなくては…!)」
トサッ……
弾が命中した勢いをどうにか殺し、着地した。
ワカモ「ここは逃げた方が良さそうですね……!」
タッタッタッタッ…!
ユウカ「あ!シャーレの中に…!」
「…。」
『先生。』
「…?」
『リンです。どうやらシャーレまで到着出来たようですね。』
『その建物の地下に連邦生徒会長が残した物があります。』
『それを取りに行ってください。』
ピッ………
「………。」スッ…
コツ…コツ…
バッ…。
ユウカ「あ、先生!」
「…この建物の地下に目的の物があると今、連絡が来た。」
「ここからは一人で行く。」
「周囲の監視を頼む。」
ハスミ「危険です!まだ【災厄の狐】が建物の中に!」
「ついでにそいつも捕まえる。」
ユウカ「……えぇ…(困惑)」
スズミ「…まぁやれる気がしますね。」
スズミ「分かりました。外の監視をしておきます。」
「頼んだ。」
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シャーレ、地下………
ワカモ「うーん…これが、連邦生徒会長が残したオーパーツでしょうか……?」
ワカモ「何かの端末…?けど電源ボタンも無いですし…」
「液晶部分に触れて指紋認証で電源がつくかも知れないな。」
ワカモ「あぁ…なるほど…そういうのもありますよね…。」
ワカモ「…っ!?」
ワカモ「い、いつの間に!?」
「その端末をこっちに渡せ。」
ワカモ「…ふふふ、先程の射撃といい、今といい…。」
ワカモ「先程はよく顔が見れませんでしたが、いったいどんな方な…の……か…」クルッ…
「……。」
ワカモ「わ…わわっ…わ…わぁ…」*1
「……。」
ワカモ「し、失礼しました…お、お返しします…。」
「…顔が赤いぞ。」
ワカモ「だ、だだだ大丈夫です!」
「……。」
ワカモ「あの…お名前をお聞きしても……?」
「…デューク・東郷。」
ワカモ「東郷様……!」
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リン「何故ここに【災厄の狐】がいるかは別に問いただしませんが、無事、〈シッテムの箱〉を手に入れましたね。」
「…コレの名前か。」
リン「そうです。連邦生徒会長が貴方に残した物。」
リン「これがあれば、タワーの制御権を回復させられるはずです。」
「…。」
リン「先生なら起動させられるはずですが……」
ワカモ「東郷様、やはり、指紋認証なのでは?」
「…。」
そっと液晶に触れた。
パッ!
リン「…!パスワード入力画面になりましたね。」
リン「先生、パスワードは生徒会長から聞いていますか?」
「聞いてない。」
ワカモ「え?それじゃあ開けないんじゃ……。」
「……。」
パスワードなどは聞いてはいない。
…聞いてはいないはずなのに。
「……。」スッ…
【…我々は望む、七つ嘆き】
【…我々は覚えている、ジェリコの古則を】
「…………。」
【承認が確認されました。】
【メインオペレートシステムA.R.O.N.Aに移行します…。】
液晶から眩い光が放たれた…。
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「……!」
「……教室か。」
目の前に広がるのは教室…。
……といっても半壊している。
積み重なった椅子と机。
何故か教室の奥に広がっている海のようなもの。
どこか、あの列車と似たような。そんな雰囲気。
???「うーん…むにゃむにゃ……」
「…。」
誰かが机にうつ伏せになって寝ている。
列車で会った、あの少女と瓜ふたつだ。
「……。」
???「…いちごは最後まで取っておくんですよ……Zzz……。」
「………。」カチャッ…
持っていたリボルバーを天井に向ける。
???「…ふがっ!?な、何事ですかぁ…!」
「起きたか。」
???「え、あれ…あれれ……。」
???「も、もしかして先生ですか!?」
「そうだ。」
???「すみません、居眠りしていて…。」
「気にするな。」
???「というか、アラームに銃声は心臓に悪いですよ!」
???「あと何でこの空間に銃を持ち込めてるんですか!」
「……。」
???「もう…最初から貴方は他とズレていますね…。」
「…最初から?」
???「……あ。」
「………。」
???「……。」(汗)
「……。」
???「……。」(滝のような汗)
「…依頼料の3億円だが。」
???「わ、分かってますよ!ちゃんと……。」
「…ちゃんと?」
???「せ、生徒会長から聞いてますから!」
「……。」
???「な、何ですかその表情…。」
「……あの砂漠の怪物についてなんだが。」
???「あれですか、何で一人で倒しちゃうんですかね…。」
???「生半可な火器じゃ効かないような装甲を持っているはずなのに…。」
「あの光景は、お前とあの薄緑色の髪の奴しか見てないはずだが。」
???「……あ。」
「……。」
???「……。」(ゲリラ豪雨の時に外出したのかってくらいの汗)
???「…っ!」
???「て、手の平を出してください!」
「…。」スッ…
ガシッ!
???「はいこれで生体認証と指紋認証できました!」
???「あとで認証書を制作しておきますね!」
アロナ「あと私の名前はアロナです!」
アロナ「現在の外の状況は分かったので、サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管しときますね!」
アロナ「はい!詳しいことは後で話しましょう!」
アロナ「ではまた!」
まるでマシンガンの様に言葉を浴びせられたあと、
目の前が光に包まれた。
アロナ「はぁ…はぁ…はぁ……」
アロナ「ご、強引に追い出しちゃいました…。」
アロナ「……よし!次は何事も無かったかのように白々しくしときましょう!」
アロナ「案外押しには弱い事が分かりましたし…。」
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「……。」パチッ…
リン「先生、大丈夫ですか。」
「…問題ない。」
リン「良かったです、目を閉じたまま応答が無かったので心配しました…。」
リン「今さっき、サンクトゥムタワーの制御権の確保を確認しました。」
リン「これである程度は混乱も収まると思います。」
「…【災厄の狐】とやらがいないぞ。」
リン「え?……いつの間に……」キョロキョロ
リン「…まぁここを攻撃した生徒などは追々捕まえましょう。」
リン「さて、最後に【シャーレ】の部室に案内します。」
「…分かった。」
リン「エレベーターで行きましょう。」ピッ…
ゴウンゴウンゴウン…
チーン!
ウィィィン…
「…先に乗ってくれ。」
リン「え?何故ですか?」
「あまり人に背中を見せたくはない。」
リン「…分かりました…。不思議な感性をお持ちですね。」
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……チーン!
ウィィィン…
リン「ここがシャーレのメインロビーになります」コツコツ…
「…。」コツコツ…
ガチャッ……
リン「…ここがシャーレの部室になります。」
「……。」
リン「ようやくこの部屋が使われる時が来たという感じですね。」
リン「ここでお仕事などをしてもらいます。」
「…内容は。」
リン「…これと言って、というものはありませんね。」
「…。」
リン「まぁもしかしたら、連邦生徒会長が失踪してしまった穴を埋める為に、この拘束力のないシャーレに、これから仕事が舞い込んでくるかもしれませんね。」
リン「実はもうすでにそちらの机に書類を置いてあります。」
リン「内容は様々です。」
リン「時間がある時に読んでみてください。」
「…分かった。」
リン「では、失礼しますね。」コツコツ…
ガチャッ……
「……。」
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サンクトゥムタワー入り口………
ウィーン…
「…。」コツコツ…
ユウカ「あ!先生!」
ハスミ「大丈夫でしたか?」
「問題ない。」
スズミ「良かったです。」
ユウカ「タワーの制御権の確保、こっちでも確認出来ましたよ!」
ユウカ「これで一応、一段落ついたって感じですかね〜。」
スズミ「ですがまだ問題は山積みですね。」
ハスミ「そうですね…着実にやっていかないと…。」
ユウカ「あ、そろそろ帰らなきゃ…。」
スズミ「!もうこんな時間ですか…。」
ハスミ「先生、ここでお別れになります。」
ハスミ「もし機会があれば、トリニティ総合学園にいらっしゃってください。」
チナツ「ゲヘナ学園にも是非、」
ユウカ「あ!ミレニアムサイエンススクールにも来てくださいね!」
「…機会があれば行こう。」
ハスミ「それでは失礼しますね。」ペコッ…
スズミ「失礼します。」ペコッ…
ユウカ「また今度!」タッタッタッタッ…
「………。」
右から斜陽が差し込んでくる。
「…。」
カチッ…カチッ…
ボォウ…!
ジュッ……
タバコに火をつける。
「……。」
どうやら、ここからの景色は長い間見ることになりそうだ。
いかがでしたでしょうか。
はい、ある程度(ここ大事)真面目なパートはここで見納めです。()
後はフルスロットルで行きますよ……多分!