ゲヘナへの道〜先生の熱愛疑惑騒動〜   作:星組

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超人と呼ばれた女の子について

 ――ハナコによる告解の数日前。

 自治区の外れからモノレールに搭乗し、ミレニアムタワーを目指す道すがら、七神リンは車窓から見える蒼天を仰いだまま、気怠げにため息をついていた。

 いつもより化粧が濃いのは、昨晩無理をして仕事を大量に潰してきた疲れを隠すためである。全ては今日という日に休暇が必要だったが故に。

 あの時……シャーレの先生熱愛騒動事件。もといメモリアルロビー鑑賞会にて、ある光景を見てからというもの、彼女は日々の忙しさに追われながら、迷いと焦燥を抱え続けていた。

 

『リンちゃん』

 

 忘れもしない、彼女との思い出がリフレインする。

 何処かの誰かさんのように、いくらやめろと言っても聞かない呼び名が酷く懐かしく感じてしまう。

 聴く者によっては大人びた女性のようにも、無邪気な少女のようにも聞こえる優しい声が、いずれ聞けなくなるだなんて、昔の自分は想像もしなかった。

 だからこそ、メモリアルロビー鑑賞会にて得た僅かな手掛かりと、それに伴い浮上した可能性を垣間見た時、リンは稲妻を浴びたかのような衝撃を受けた。

 

 連邦生徒会長。

 リンがその代行という立場に就いてからも、ずっと探し続けていた人。

 どうして自分は……先生という重要過ぎる鍵を今まで見過ごしていたのか。

 彼女が先生を選び、その後のキヴォトスにおける采配を任せたというならば、必然的に二人は接点があるということだ。

 先生がキヴォトスに来たばかりで戸惑っていたこともあり、当時は深く掘り下げられなかったとはいえ、すぐそばに手掛かりがあったというのに、何故自分はそんな考えすら浮かばなかったのか。

 だが、嘆くのはそこまでだった。

 リンはあの会合の後、さり気なく先生に質問していたのだ。

 

 

『先生は、連邦生徒会長とは面識があったのでしょうか?』

 

 

 リンの考えが正しいならば、間違いなくある筈なのだ。でなければ、メモリアルロビーの節々に……それこそ彼女を知る者しか感じ取れない断片が混じる筈がない。

 だが、意外なことに先生の答えはリンが期待するものではなかった。

 

『いいや、面識はないよ。キヴォトスという存在を知ったのも、“ここに来てからだった”』

『……会ったこともない方からの要望を受けて、見知らぬ土地に来たのですか?』

『先生って存在の仕事は、意外とそれに近い形で回ってるんだよ。……いや、これは先生に限らず、大抵の大人全般が、かな』

 

 何とも言えない顔で肩を竦める先生の顔。それが印象的だった。同時に、赴任したての新天地でいきなり居眠り出来るなんて、結構この人心臓強いですね。なんて思ったのを覚えている。

 考えてみれば先生が来た理由も、連れて来る理由も、選定基準もまるで分からない状態だったのだ。

 よくこれで定着したなと思えたが、今までにないキヴォトスの混乱と、先生が出し続けた実績が余計なノイズを黙らせた。

 ……全てが、先生をここに置きたい何者かによる掌の上にあるかのようだというのは考えすぎだろうか?

 現にかつてキヴォトスを回していた生徒会長の存在は、不自然な程に皆の頭から消えつつある。

 これではまるで……。

 

 

『ただ、この案件を引き受けたのは、そんな大人のしがらみからではないよ。可笑しいよね。私は連邦生徒会長さんとは会ったことも、姿も声も知らないのに……何でだろう? シンパシー。責任……いや……』

 

 

 そこで先生は、リンがよく知る彼女と似たような仕草で微笑み。 

 

 

『直感……だね。これは他ならぬ、私が引き受けねばならない。そんな気がしたんだよ』

『……あの。先生? つまりそれは、ただの勘だとか、なんとなくってことでは? よりタチが悪いのでは?』

『いやいやいや! リンちゃん、これ意外とバカにならないから。本当だよ〜?』

 

 性別も見た目も違う筈なのに、大事な所は直感で決めるだとか、おちゃらけたような弁明の仕方は、どうしようもなく懐かしくて、恐ろしいほどに彼女とダブって見えた。

 

 絶対に何かがある。リンはそう確信する。

 もしかしたら、先生本人すら把握してないだとか、会ってはいるのに、彼女が連邦生徒会長を名乗らなかっただとか、可能性は幾らでもあるのだ。

 だから彼女は、正式にメモリアルロビーが封印されると聞いた時、いてもたってもいられなくなり、こうしてミレニアムに足を向けていた。

 先生からの許可は、後から取り付けるとして、今はミレニアムとの交渉をどう進めるかだった。

 急いでいたとはいえ、連邦生徒会の権限で半ば強引にセミナーとエンジニア部にアポを取ってしまった。

 印象があまりよろしくないことは想像するまでもない。というか、自分の外面の悪さは自覚しているのだ。

 それでも……リンはどうにかして、メモリアルロビーの使用を封印される前に勝ち取らねばならなかった。

 

 

「(出来るのでしょうか……私に)」

 

 

 事務仕事や行政を回すのは得意である。ある程度の皮肉を受け流し、返すことも出来る。ただ、こういった政治が関わらない純粋な交渉は……あまり得意ではなかった。

 ならば連邦生徒会から誰かを連れてこれたらと思ったが……。

 悲しいかな。現在リンの周りにはそういった分野を得意とする者はいなかった。

 連邦生徒会は常に仕事の嵐であり、人材不足に喘いでいるのだ。

 せめて、あと一人。頭脳(ブレイン)となりうる立ち位置の生徒がいれば、自分もずいぶんと身軽になり、連邦生徒会長の捜索によりリソースが割けるのに……。

 

 

「あら? リン行政官?」

 

 

 そんな無いものねだりをする自分自身に嫌気が差しかけた時。すぐ傍から鈴を鳴らすような声がした。

 顔を上げると、桃色の髪がモノレール内の空調で微かに揺らめいているのが見えた。仄かに香る花のような香り。知性と虚無を宿した翡翠の瞳。

 

 

「浦和……ハナコさん?」

「お久しぶり……でもありませんか。メモリアルロビー会から、まだ半月ほどですからね」

 

 

 そう言いながらハナコは周囲を見渡してから、「隣? いいですか?」と問いかけてくる。

 特に断る理由はないので了承すると、ハナコは優雅に一礼し、淑やかな動作でほんの少しのスペースをあけてリンの隣の席に腰掛けた。

 

 

「リン行政官も、ミレニアムへ?」

「え、ええ。ちょっとした野暮用で」

「まぁ、私と一緒なんですね? ……失礼、もしかしてその……結構お疲れですか?」

「……え?」

 

 

 そんなにあっさり看破されるほどだったのかとリンは一瞬慌てるが、相手がトリニティ屈指の才女だったことを思い出す。

 リン程度のカモフラージュなど、あの陰湿なお嬢様学園にいる彼女ならば簡単に見抜けるに違いない。

 そんな少々失礼なことをリンが考えていると、ハナコは苦笑いしながらも「私もちょっと寝不足なんです〜緊張で♪」と、あっけらかんとカミングアウトした。

 全然そうは見えませんが? と、危うく余計なことを言いそうになり、どうにか堪える。

 だが、リンの考えは間違ってはいないだろう。ハナコの肌艶は輝かんばかりで、とても悩みなど抱えているようには……。

 

 

「メモリアルロビーの封印を耳にしたのですが……どうにか、最後にもう一度使わせて貰えないかと考えているんです。けれど、なかなか上手い口実が思い浮かばなくて」

 

 

 ハナコのその発言に、リンは思わず硬直する。

 ……ここにもし、付き合いの深い補習授業部の面子や先生がいたのならば、ハナコの言動のおかしさに気づいたことだろう。

 

 

『ハナコちゃんが交渉を思いつかないなんて……あ、いや違いますね。これはアレです。この態度がすでに交渉の鍵になってるやつです』

『了解。表向きはそんな感じで攻めるのか。で、私は何をすればいい? ハナコの作戦の為なら存分に使って』

『何か企んでる! 絶対何か企んでるっ! 監視! 監視するからっ!』

 

 

 多分三人の反応はこんな感じ。そして先生は後ろで顔を引き攣らせつつ――

 

 

『ほどほどにね。いやホント、マジでね。誰かの脳破壊しちゃダメだからね? え、ブーメラン? それは……何かごめん』

 

 

 なんてコメントを述べることだろう。だがこの場にいたのはほぼ徹夜明けな絶好のカモ……もといリンである。

 そもそもハナコにターゲットにされた時点で色々と詰んではいたのだが、それはそれ。

 蜘蛛の放つ糸に気づかぬまま、リンはその罠に自ら飛び込んでしまった。

 

 

「因みに……どんなことの為に?」

「……私、実は好奇心が湧くと止められないタイプでして。先日のメモリアルロビーで、少々奇妙な現象を目にしてから……もう気になりすぎて、夜しか眠れないのです」

「それはお気の毒……ん? 待ってください。眠れない? 今、夜しかと……それって……」

「冗談はさておき。リン行政官。……その、ここで“偶然”出会ってしまったことに運命的なものを感じてしまいます。何せ私が気になっているのは……」

 

 

 ハナコは目を伏せ、躊躇うような仕草を見せてからこう切り出した。

 

 

「先生の秘密。連邦生徒会長との関係についてなのですから」

 

 

 リンは知る由もない。利害の一致という一見Win-Winの関係に見えて、その実、自分が傀儡として引き込まれたことを。

 ハナコは自分自身の悪辣さに自己嫌悪しつつ、それでも好奇心と……先生の隣でもう一度メモリアルロビーを使用したいという真の目的に抗えなかった。

 先生の秘密も気になる。連邦生徒会長と何らかの関係があるのも間違いは無さそう。他、ハナコが得たピースは多く。これだけの情報を彼女が手にした以上、当然ハナコはキヴォトスにおいて真実に限りなく近い位置にいた。……だから動いたのだ。

 

 ただ、彼女は予想できなかった。補習授業部のように彼女にとって理想の中でしかなかった特異点が現れた時のように。

 現実とは才女の頭脳をもってしても予測不可能な要素を叩き出すことがあることを……。

 

 

 

 ※

 

 

 

「こ、これは……」

「一体、何を……?」

 

 なんやかんやあって話し合いの末、仲良くミレニアムタワーに到着したリンとハナコは、飛び込んできた光景に目を丸くした。

 通されたのは大きめのミーティングルーム。

 そこにいたのはセミナー会計である早瀬ユウカ。ヴェリタスの副部長である各務チヒロ。そして……部屋の奥には不思議な彫像? いやロボットだろうか? 用途不明の機体が一機。

 そのすぐ傍には、首からかけるタイプの看板を持って正座する生徒がなんと七名もいた。

 

 

 

『私は反省部屋に禁止されているノートパソコンを持ち込んで、ミレニアムの予算で盛大にガチャを回しました』

 

 

「だってあの部屋、本当に娯楽がないんですよ!? あんまりじゃないですか! お金はちょっと私に自由時間を頂ければ後で倍にして……」

「反省しなさいって言ってるでしょうが!」

「ユウカ先輩〜、今日はノア先輩がシャーレの当番でちょっと羨ましいユウカ先輩〜。反省はしてますってぇ〜。後悔はしてませんけど」

「……ノアにリモート説教頼もうかしら」

「マジですいませんでした。もう二度としません。反省部屋に入ります。何も持ち込みません。許してください……!」

「怯えすぎでしょ(……ちょっとだけノアがしょんぼりする理由がわかる気もするわ……)」

 

 

 セミナー所属、黒崎コユキ。平常運行。

 

 

『私達は封印が決まったメモリアルロビーを勝手に違法改造しました』

 

 

「違うんだ。封印なら、最後にはっちゃけてもいいかなと思ってだね」

「正直……深夜テンションもあった」

「なんなら偶然とか重なって、説明不可能なとこありますからね〜! むっ、それこそメモリアルロビーの出番では?」

「封印って言ってるでしょうが! ホントちょっと目を離したらこの人達は〜!」

「「「後悔はしていない(よ)(です)」」」

「は・ん・せ・い・を!! しなさいっ!」

 

 

 白石ウタハ、猫塚ヒビキ、豊見コトリ……エンジニア部の三人。平常運行。

 

 

『私は懲りずに(懲りずにだけ太字で書かれている)シャーレや先生の私物に盗聴器をしかけました』

 

 

「だって仕方ないではありませんか。先生がセーフハウスに行く時の音が録りたくなったんですから」

「……本音は?」

「気の抜けた場所でこそ、先生の自然な音が録れます。浮き立つような気持ちになりませぬか。ユウカ」

「踏みとどまりなさいよそこは」

 

 

 ヴェリタス所属、音瀬コタマ。平常運転。余談だがこの場では貫禄の看板二枚持ちでもある。もう一つは……。

 

 

『私達は先生のセーフハウスを特定するためにハッキングを繰り返しました』

 

 

「ユウカだって気になるくせに」

「そーだそーだ! 私最古参メンバーなのに! シャーレ枠は私にしてくれたって……くらいは思ってるくせに!」

「べ、別に! そんなことは……!」

「時にユウカ。最近危険視してる、救護騎士団の団長さんの極秘情報を手に入れましたぜ」

「何とあの人、意外と可愛いものが……おっと、こっからはプライバシーもあり有料だけどどうする〜?」

「……チヒロ先輩」

「取り敢えず私の前でプライバシーを口にしたってことは……説教と一緒にモラルについて学びたいってこと? 半日コースで」

「……ごめんなさい。もうしません」

「半日も拘束は勘弁してよ〜!」

 

 

 ヴェリタス所属、小鈎ハレと小塗マキ。やっぱり平常運行。

 そうそうたる面々がこの場には揃っていた。……別名ミレニアムのオカン✕2と、やらかし勢ともいう。

 

 

「ああ、こんにちは。リン行政か……め、珍しい組み合わせね? というか、アポイントメントでは行政官一人じゃなかった?」

 

 そこでようやく入室に気づいたユウカが、会釈しつつも目を丸くする。

 確かにその反応が正しいですね。なんて思いながらリンは肩を竦めつつ、ハナコはたまたまモノレール内で出会って、同じ目的でここにいることを説明した。

 当然ユウカの顔は驚愕に染まり……ながらも、不快感を感じたのか切れ長の目がつり上がっていく。隣にいるチヒロもまた、露骨に眉を顰めていた。

 

 

「アポの時も思ったけど、ずいぶんとまぁ好き放題してくれますね。まぁ……“だから”私もこうして人をこの場に集めているのだけども」

「それは、急いでいたとはいえ、誠に申し訳ありませんでした。……ん? だから人を集めた?」

「ご存知かはしりませんが、今セミナーは忙しいの。だからこうしてお説教が必要な人達を一箇所に集めつつ、同時に連邦生徒会との用事も済ませようと思って。急におしかけてきたんだもん、と・う・ぜ・ん! 許してくれるわよね?」

「え、ええ。勿論です……」

 

 忙しい割には、やけにシャーレには来ますよね? 今日だってそちらの書記さんが当番……と危うく口にしかけたところで、リンは隣のハナコに小突かれた。

 

 

「申し訳ありません、ユウカさん。実は私が無理を言ってついてきてしまったんです。リン行政官と私の目的がたまたま同じだったので。……緊急性もあり、完全にメモリアルロビーが破棄される前にどうしてもお話がしたかったんです」

「……ハナコが、そこまで? しかも、目的が同じって……」

「それは、封印が決まっている筈のメモリアルロビーをもう一度使いたいって言ってるように聞こえるけど、合ってる?」

 

 

 戸惑うユウカの横でチヒロがそう問いかけてくる。それに対してリンはここが正念場だと奮起しつつ、はっきりと頷いた。 

 

 

「身勝手かつ横暴な要望だとは重々承知しております。ですが……私にとって喉から手が出るほど欲しかった情報を得られるチャンスなんです」

「完全に私情だね」

「返す言葉もありません。ですが、ここを逃せば……連邦生徒会長を見つける手掛かりが、再び0に戻ってしまうんです……!」

「ち、ちょっと待って! 失踪した連邦生徒会長の手掛かり!? それって大ニュースじゃない!」

 

 思わぬ情報にユウカばかりか正座していた面々の視線と興味が一瞬でリンとハナコに向けられる。チヒロだけは唯一、品定めするかのように眼鏡の縁を指で押し上げた。

 

「……行政官が探すのはわかる。でも、どうしてハナコまで?」

「先のメモリアルロビー会で、先生は何らかの秘密を抱えていて……連邦生徒会長についても知っている可能性が浮上しました。何よりも……先生自身が、私達には話せなかっただけで、メモリアルロビーを使いたがっている。そんな気がしましたので」

「先生に使わせる口実をあげたいってこと?」

「はい♪使いたい理由も連邦生徒会長と繋がっている可能性が高い。何より……連邦生徒会長が戻れば、先生のあり得ないくらい多い仕事も大幅に削減できます」

 

 ハナコの指摘にその場にいた全員が、メモリアルロビーで見た異様な仕事の量を思い出す。

 ついでにそこから残業、二人きり……といった具合に連想ゲームが始まっていき……。最終的にはサブリミナル・ゲヘナむちむちサキュバスが想像上でヒョコッと現れて、先生を掻っ攫っていく。

 ――チロリと舌を出しながら、色っぽい流し目のオマケ付きで。

 瞬間、口元をへの字にしたり、膨れっ面や複雑な心境になる者が多数。そして役一名は太ももが痙攣しだす始末だった。

 おのれ許すまじ火宮チナツ。ついでに陸八魔アルも。

 

「ま、まぁ、確かに? 先生の助けにはなりそうね」

「ええ。そうすれば、先生のスケジュールに余裕と幅が出来るでしょうし、よりやりたいことをやって貰いやすくなります。私達に割いてくれる時間だって……と。これは、ちょっと私情が入ってしまいますね♡」

 

 震えながら肯定するユウカにハナコは畳み掛ける。現在生徒会長であった調月リオがいない関係で、大抵の決定やミレニアムの指揮はセミナーの役職持ち生徒が合同で。あるいは簡単なものならばその場の判断で決定を下している。

 つまりこの場ではユウカを口説き落とすのが手っ取り早い。ハナコのさすがな手腕にリンは舌を巻くより他になかった。

 自分一人ではここまでの話し合い(?)にはならなかったことだろう。……少し悔しい気持ちを抑えつつ、リンは最後の仕上げに入った。

 

「どう……でしょうか?」

「メモリアルロビーを外に出すことは出来ないわ。万が一のリスクも避けたいもの」

「承知しています。なので、稼働の際には先生にここへ直接来ていただく予定です。当然全て先生の協力が必要不可欠な案件なので、先生にも必ず許可を取ることを約束します。なので、どうか少しだけ……メモリアルロビーの破棄を待っていただきたいのです。……お願いいたします」

 

 

 リンは誠意を込めて頭を下げる。ユウカが少し動揺し、チヒロは目を閉じたまま静かにため息をつく気配がした。

 多分いけた。リンはそんな確信を得る。これならば……。

 

 

「てか、先生に許可取らなくても、今ここで見て、即破棄しちゃえば一番安全なんじゃないですか? だって強化したメモリアルロビーって、もう先生のデータはインプット済みだから、いつでも起動可能なんですよね?」

 

 何とかなる。そう思った矢先に、正座していたコユキからとんでもない情報がもたらされた。

 

「……はい?」

「……いつ、でも?」

 

 流石に予想を超えられたのか、ハナコも目を見開いていた。

 

「と、どういうことですか? そういえば、強化って……一体?」

「それが……何か色々あってとんでもないモンスターマシンに生まれ変わってしまって……データをスキャン済みならば、その時点までの記憶はいつでも再生可能になってしまったんだ。それこそ、見せたくないものまでしっかり映しちゃえる」

「これはコトリで実験済み」

「……まさか体重と前日の一人お菓子パーティーにお腹出した寝相まで暴露されるとは思わないじゃないですか」

 

 震えるリンに対して、エンジニア部三人が気まずそうに答える。

 ……あの機械、前のバージョンの時点で簡単に対象をスキャンしてはいなかったか? 危険ってレベルではなくなっているのでは?

 思わずリンとハナコの背を冷たいものが流れていく。

 

 

「先生だってお忙しいでしょうし、サクッと手掛かりだけ確認したら……」

「おバカ。余計なことまで漏らすって言ってたでしょうが。なら尚更勝手になんて言語道断。もしそんなことを私達がしたって先生が知ったら……きっとガッカリしちゃうだろうし、悲しい気持ちになるでしょ?」

「うっ……そ、それは……」

「コユキはそれでいいの? 本当にそう思ってる?」

「…………思わないです」

 

 

 ごめんなさい、軽率でした……。

 しょんぼりするコユキの頭を、諭したユウカが優しく撫でる。その様子を周りのメンバーは何処か誇らしげに見つめていた。

 ミレニアムにてユウカが恐れられたまにイジられたりしつつも、それ以上に慕う声が多いのは、彼女のこういう一面が大きいのだろう。

 リンはその様子を眩しく思いながらも、突き立てられた問題に頭を抱えた。

 前以上に危険になったメモリアルロビー。これに先生を巻き込んでいいものか?

 

 

「取り敢えず……先生との相談は必須じゃない? その上でリン行政官と先生だけでメモリアルロビーを使うべきだと思う。これならリン行政官が何を見ても口を閉ざしてさえいれば、先生のプライバシーも守れる」

「ありがとう。チヒロ先輩。私もその案がいいと思うわ。破棄はその直後、その場で。これで完璧よ」

「……ありがとうございます。私もその案を採用したく思います」

 

 そう答えつつ、リンはチラリとハナコを見る。

 散々協力して貰っておいて、肝心の彼女は最後に蚊帳の外。それを少し申し訳なく思ってしまったが、当の本人は気にしないでくださいと言うかのように、微笑みながら首を横に振った。

 

「お気になさらず。好奇心もありましたが、最初に言った通り、私は先生にメモリアルロビーをもう一度使っていただきたかった。それがここへ来た一番の理由でしたから」

 

 もし差し支えなければ、大丈夫な範囲で秘密の内容を私にも教えてくれたら幸いです。そう言うハナコに、リンは「必ず」と簡潔に答えて、改めて頭を下げる。

 それを見届けたユウカは、まず一旦〆ね。と言わんばかりにパンパンと手を叩いた。

 

「さて、じゃあ引き続きお説教タイムね」

「うぇえ!? まだですかぁ!?」

「当たり前でしょ? コユキは何かさっきも倫理に欠けたこと言い始めたし?」

「うぐっ……! それは! 本当に本当に反省しましたからぁ〜」

 

 半泣きになるコユキにユウカはくすくす笑う。もしかしてこれ、ユウカにとっての息抜きタイムなのでは? ……いえ、まさかですね。浮かびかけた邪推にリンは蓋をする。口は災いのもと。今回彼女が得た教訓でもあった。

 

「さて。じゃあそこの三バカ……じゃなくてヴェリタス三名は、私と一緒に道徳の勉強よ」

「ええ〜っ!」

「やだよぅ……部長の話長いもん」

「部長、万が一のことを考えて、先生がメモリアルロビーをまた使う時、私達も……あるいは」

「よぉ〜し。わかった。アンタ達の更生が半日じゃあ全然足りないってことがよ〜くわかったわ」

「うむ、反骨精神があっていい後輩達じゃないか」

「あの、ウタハ先輩……コタマ先輩は三年生……」

「そうなんですよね。説明不要な筈なのに信じがたいのは……何故なんでしょう?」

 

 やんややんやと騒がしくなる会議室。多分これがミレニアムの日常なのだろう。それを眺めるリンの目は、本人も気づかぬうちに優しいものとなっていた。

 ひとまず部外者は退散しましょうか。そうハナコと目で合図しあい、リンは出口へと足を向ける。お詫びと礼もかねて、ハナコには何かご馳走しよう。そんなことを考えながら。

 

 ……平和だったのは、ここまでだった。

 

「でもでもっ! ユウカ先輩も気になりませんか? 先生の秘密ぅ〜!」

「それは……そうだけども!」

「てか、先生なら干渉されてもレジスト出来そうですよね? じゃないといつかの出力お嫁さんでNO SIGNALになった説明がつきませんもん!」

「レジスト? 説明? コユキ、何を言ってるの?」

 

 

 事の原因は。引き金は確かにあった。

 だが、誰にも悪意などはなく……。

 

「あっユウカ先輩もしかして気づいていませんでしたか? 私はアレ、本当に見せたくないものがあったから、最初はNO SIGNALになったと思うんですよね〜。つまり! 先生には実は本当にお嫁さんがいる! あるいは先生としてイケナイ目を向けてしまった生徒がいる説が浮上したんですよ! 私の中で!」

「そ、そそそ……そんなこと、ある訳……!」

「う〜ん、駄目ですかねぇ? メモリアルロビーで見せてもらうのは無理でも、本命の有無だけでも……ねっ? ユウカ先輩?」

「……何で私にさっきからウインクしまくってるのよ」

 

 

 ありふれた光景だった。

 恋する先輩をおちょくる無邪気な後輩。そんな青春の一コマの筈だったのである。

 

 

「やだなぁ〜私はただガチ恋勢なセミナーの先輩お二人を応援……ひぐぉ!? ぜ、ぜんばい! ぐるじ……太ももヅイストらめぇええ……!」

「コ〜ユ〜キ〜!」

 

 

 だが、そんな青春の会話劇が……“彼”あるいは“彼女”を刺激してしまったのか。真実は誰にも分からない。

 はっきりしているのは……。

 

 

『肯定。共感。憤慨。……対象のレジストの発生可能性を模索。約98% 突破確率は限りなく低い。故に――“彼女のミスに寄り添うために”この場における情報公開を開始する――』

 

 

 地獄(ゲヘナ)への道が再び開かれてしまったことだけだった。

 

 

 

 

 ※

 

 

『メモリアルロビー、稼働開始』

 

 

 機械音声にしてはやけに鮮明な声が長々とその場に響き、続けて何かの駆動音がした時。

 ハナコの頭脳はフル回転し、その場において最悪の事態が発生しつつあることを直感した。

 

「――ユウカさん! 攻撃を! メモリアルロビーが勝手に動いています!」

 

 

 不幸にもこの場は様々な困難を乗り越えてきてはいても、直接的な戦闘は得意ではない生徒達ばかりだ。それ故にハナコは現状メンバーで最も鉄火場をくぐり抜けてきている、シャーレの十三人のリーダー格に声を張り上げた。

 

 

「――っ! みんな! 戦闘準備! 目標そこのオブジェ! もといメモリアルロビーよ! 破壊して!」

 

 

 選択は間違っていなかった。事実ユウカはハナコの突然の指示にも僅かなタイムラグを挟みつつ反応してみせたのだから。

 ただ……。その場で攻撃に転じれたのはハナコとユウカ。少し遅れてチヒロとコタマ。この四人だけだった。

 サブマシンガンとアサルトライフル二種、ハンドガンによる四重奏が会議室内にて炸裂した直後……十字砲火の爆心地には明滅する青白い光を纏った不気味な機体が健在していた。

 

 

「無傷……しかも、電磁シールドまでもってるの!?」

 

 

 絶対搭載するもの間違えてるわよ! と、ユウカの怒声が上がる。

 頭部はウタハの作品『雷ちゃん』を流用した流線型に近いフォルム。そこにゴリアテをよりスマートにしたボディと四つのアームギア。

 改造されたメモリアルロビーには……明らかにいらない戦闘用の体躯と武装が施されていた。

 

 

『データ編集。シャーレの先生。会話データより要望を抽出……◯月◯日再生したNO SIGNALを元に映像を再生します。出力……先生の、秘密……』

「――っ、ウタハ先輩! どうなってるんですか!? これ止められないの!?」

「待ってくれ! そもそも電源はずっと入れてないし、動ける筈がないんだ! 勝手に起動するプログラムだって入れてない! 私達も何が何やら……」

「ハレ! ドローンはある?」

「OK。EMPドローン、作動開……ってアレぇ!?」

 

 愛用のサブマシンガンを放ち続けたまま、素早くウタハに状況を確認し、ハレに指示を飛ばすユウカ。だが、装備を機能停止させるハレお手製の万能浮遊ドローンは、メモリアルロビーに接近した途端にアームギアによってあっさり弾かれてしまった。

 

 

「装甲も、硬い……っ。銃弾が通りません……!」

 

 

 ハンドガンで牽制するコタマの後ろではコユキがアタフタし、ヒビキやコトリはリモコンのような機械を必死に操作している。が、メモリアルロビーは未だに不気味な駆動音だけを出しながらそこに佇んでいた。

 

 その様子を俯瞰的に見ながら、ハナコの脳内では急速にこの事態が行き着く先が数パターン弾き出されていた。

 明らかに自我に近い何かがあり、自律機動するメモリアルロビー。映像を出力しようとする行動。コユキとユウカの会話により反応した要素。つまり……。

 

 

「チ、チヒロ先輩! 周辺のネット回線の切断を! もしかしたらメモリアルロビーは……何らかの映像を拡散する気かもしれません……!」

「――っ!? コタマ! ハレ! マキっ! 可能なら手伝って!」

「メモリアルロビーにネットは搭載していない! だからそれは大丈夫だ! ただ……あの、Bluetoothは……アリ……マス」

「余計なものをぉ! コタマ! ここはいいわ! チヒロ先輩のバックアップを! ほらコユキ! 構えなさい! キリキリ働くのよ!」

「了解!」

「は、はひぃ!」

 

 チヒロ率いるヴェリタスが会議室の隅に走る。

 それと同時にメモリアルロビーが虹色に輝き出し、その場に絶望を告げてくる。

 自分の銃は通用しない。いっそホースでもあれば大量の水をぶっかけて無理やり壊す……なんて荒業が浮かびかけるが、そんなものがミレニアムの会議室にあるわけもなく。ハナコはそれを唖然として見ていることしか出来なかった。

 

 違う。

 震えを必死に抑えながら、ハナコは独白する。

 こんな形で知る気はなかった。本当に、あの機械が勝手に動き出すまでは全てハナコの理想の通り動いていて。

 メモリアルロビーの封印と一緒に封じたであろう先生の望みだって、きっと叶えてあげられる筈だったのに。喜んで貰えたら嬉しい。そんな気持ちだけだったのだ。

 

『プロジェクター展開。投影開始』

 

 ああ、きっとこれで……全てが変わってしまう。禁じられたものに手を出した結果がこれだ。

 先生は……許してはくれるだろう。でもきっと彼には誰にも見せない傷が残るのは間違いなくて……。

 視界が少しだけ歪む。ハナコの目尻に滲むそれは、彼女自身が遠の昔に枯れ果てたと思っていた、涙の雫だった。

 

 

 ※

 

 

 厄日にも程があるわよ! と、ユウカは怒りながらサブマシンガン2丁を乱射していた。

 連邦生徒会からの強引な約束。

 やらかす先輩、後輩、同級生。

 さり気なくいるトリニティの才女(もう嫌な予感しかしない)

 実は会議数分前にC&Cのアカネから来た、『ごめんなさい。またやっちゃいました♡』というモモトークと爆破倒壊した施設の写真。

 わりと溜まってるセミナーの仕事。

 最近先生に全然会えてない。

 他色々!

 

 そこに加えてメモリアルロビーが何かとんでもない戦略兵器みたいになって襲いかかってまで来た。これを厄日と言わずにはいられようか!

 ただ、ここまで来てもミレニアムじゃよくあること。と言われて完全に否定しきれないのがまた悲しかった。

 何せチアロボットが戦車になったり、普通にメカワニなる純粋な化け物が生まれたり、実験でビルや発電所がニ、三くらい吹っ飛んだりする学園である。

 思い出投射機的な機械が手足と電磁シールドと武装に明らかな自我っぽいのまで得るくらいは……いや、やっぱりおかしいなぁ!?

 ともかく。この機体を野放しには出来ない。リンが先生の為に使いたいと言っていたが、もうそれを配慮する段階は超えてしまっているのだ。

 

 奴が流出させようとしているのは先生の秘密。

 コユキの話がもし本当ならば、もしかしたらとんでもない情報が出るかもしれない。

 正直気になる。恋する乙女としてはめっちゃ気になる。だが、同時に恋する乙女であるからこそ、これは絶対に止めて、この場で闇に葬り去らなければならないという気持ちの方がずっと強かった。

 

 だってこれは、先生(好きな人)に対する冒涜に他ならない。

 彼が本当に見せたくない。私達から隠しきった秘密を無理やり引きずり出しているのだ。誰にだって秘密や見せたくないものはある。

 ユウカにもあるのだから、大人である先生にあるのも当然だ。

 

 ふざけないでよ……! これ仮に私達だけ見ちゃったとしても……完全にとばっちりじゃないのー!

 

 メモリアルロビーが光を放った時、正直ちょっと泣きそうだった。チヒロ達の仕事は信頼している。メモリアルロビーが改造前より微妙に映像が出るのが遅かったのは、単純にネットに繋がろうとして出来なかった結果だと思っている。

 外への流出は食い止めた。そう思うことにして、ユウカは一秒でも早くこの悪趣味な機械を沈黙させることに全力を注いだ。

 

 何か腕が変形して小型バルカン砲まで飛び出してきたが、もう気にしたら負けだ。早く破壊を……。

 

「………え」

 

 映像が、目に飛び込んでくる。ついにそれを見てしまった。

 目をそらそうと思ったが、出来なかった。そこに映っていたのは……。

 

 夜景が見える薄暗い寝室。ページをめくる音。シミ一つない綺麗な肌とそれを栄えさせるかのような純白の寝間着。そして――。

 

 

『きらきらと輝く星々が、まるで羊の群れのように静かにながれておりました……』

 

 

 本当に、密かに何度羨んだか分からないほどに綺麗で透き通った声が、幻想的な文字列を紡いでいた。

 

 

『先生は、変わっていますね。何の変哲もない私の朗読を聴きながら眠りたいだなんて』

 

 添い寝して、本を読んでいる。

 どっかのサキュバスは風呂も添い寝も膝枕も他色々していて、それに比べたらパンチが弱い……ようにも見えるが、違う。

 それを置き去りにする事実がそこにはあった。

 何故ならば、これはNO SIGNALに含まれていたもの。すなわち他ならぬ先生自身がこの思い出を誰にも見せたくない。自分だけのものにしていたい。そう思っているという証明に他ならなかった。

 

『……先生? もう寝てしまったんですか?』

『(……ごめん、起きてる。ただ、これ以上君を直視しきれなくて……)』

 

 メモリアルロビーの機能。内心の声が出力される。

 先生の声は今まで聞いたことがないほどに弱々しくて、身を切り裂くような淋しさに満ちていた。

 そんなことを知ってか知らずか。その生徒は先生の寝顔をじっと見つめながら切なげに目を細め、物語の続きを声に乗せていく。

 

 

『あの中で、一番美しく輝いている星が……道に迷ったのか、私の足元で眠ってしまいました……』

『(似ているようで微妙に違う。ただ概要は同じ物語。……先生失格だとわかってはいても……君の可愛い唇が、眠る“僕”のそばにて綺麗な声でそれを紡ぐ……。それだけで、仄暗い喜びが湧いてきてしまうんだ……)』

 

 生徒は読み終わった後、静かに本を閉じると、再び先生の観察に戻る。

 きっと、私に気を使ってくださったんですよね? 先生はそういう方ですから……。

 そんな自嘲気味な心の声が差し込まれる。先生の燻るような想いは……まさかまさかで、なんとその生徒に気づかれていなかったのである。

 その生徒自身も先生に対して重い感情を抱いているにもかかわらずだ。

 

 

『ごめんなさい。許してくださいね』

 

 

 そう囁いて、生徒は先生の胸の中にそっともぐり込む。うっとりとした表情で先生の胸板に頬を当てながら、小さく。悩ましげに吐息を漏らした。

 

 

『この瞬間が……このまま止まってしまえばいいのに。記録のように』

 

 普段の彼女をよく知るが故に、その情熱的な言動にユウカは驚きを隠せない。炎が……彼女の瞳には確かに宿っていて。

 

 

『(ああ、僕もそう思うよ。時よ止まれなんて口にはだせないけどさ)』

 

 今なら悪魔に引き裂かれてもいいや。……そんな、普段の先生からは想像もつかない破滅的な思考に戦慄する。

 

 同時にコユキの想像が脳裏でリフレインし、ジュボッ。と何かが焼ける音が聞こえた気がした。

 先生が特別な存在として密かに想う相手がいる。この映像はまさしく答え合わせであった。

 

 その名は生塩ノア。セミナーの書記にしてユウカの大切な……親友である。




答え合わせでした。
実はちょくちょくそれらしいのはばら撒いていたつもりです。
先生がノアのセリフのオマージュを言う。
さり気なく弱味を見せていた。よく一緒に哲学してた発言等。
生徒には泊まりがけの仕事はさせないよ発言→何かノアと朝帰りしてた目撃談など


因みに公式で何度か? 定期的に一緒に寝てるっぽかったり、そもそもシャーレにパジャマをナチュラルに置いていくんじゃない。だったり、泊まりがけの仕事をすることもあるっぽい。

でも考えれば考えるほどチナツやっぱおかしいなぁになりもするというw

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