人間の身でファミリアを作るのは間違っているだろうか   作:仙託びゟ

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フレイヤ・ファミリアではアルフリッグくんが好きです。


民衆

 その日、オラリオは()()したと言っていいだろう。

 都市最強『猛者(おうじゃ)』は、『暴喰』の()()()()()()()()ものの傷を与えることすらできず敗北。『九魔姫(ナインヘル)』と『重傑(エルガルム)』は文字通り『静寂』に蹂躙された。

 三者ともに『女神の車輪(ヴァナ・フレイヤ)』、あるいは『万能者(ペルセウス)』によって間一髪助け出され命は助かったものの、敗北の事実それ自体が衝撃となって伝播した。

 さらに、フレイヤ・ファミリアの『白黒の騎士』は『妖魔』の姉妹に敗北。『黒妖の魔剣(ダインスレイヴ)』は急所を避けたものの重傷、『白妖の魔杖(ヒルドスレイヴ)』は守っていた4つの拠点のうち()()()を破壊された上で、『妖魔』の姉妹を取り逃がした。

 『炎金の四戦士(ブリンガル)』はアパテー・ファミリアの『邪神官』が操る狂化兵を相手に、ピュグマリオン・ファミリアから渡されていた『人魚の生き血』を狂化の解除に使うことで11体の狂化兵のうち3()()()()()()したものの、Lv5相当の狂化兵による数の暴力には勝てず、長男アルフリッグ以外が重傷を負って敗北。

 その他に、多くの冒険者たちが自爆兵たちの巻き添えになって命を落とした。

 

 民間人の被害も大きい。自爆兵による爆破や破壊された建物の瓦礫による下敷き、その混乱に乗じた『闇派閥』の襲撃によって多くの民間人が殺されている。

 特に酷いのは子供の被害で、爆破に巻き込まれ原型が残らなかったのか、その被害のほとんどが()()()()として処理されるほどの惨事になっている。

 

 対する『闇派閥』の被害は、『殺帝(アラクニア)』がピュグマリオン・ファミリアのLv3()冒険者、『煽り兎(チェシャ・バニー)』チェレンとその部下であるLv1非戦闘員4人によって重傷、戦闘不能に陥ったという眉唾ものの大戦果こそあったものの、他はそれこそ自爆兵や下っ端への被害しか与えられていない。

 

「事前の契約を違えることはわかっている!! しかしそんな事を言っている場合ではないことくらい理解できるだろう!!」

 

 吠えるのはギルド長、ロイマン。対するは指揮官を担当していたこともあり、ロキ・ファミリア三幹部で唯一無傷である『勇者(ブレイバー)』フィン・ディムナ。

 用件は、ピュグマリオン・ファミリアへの対『闇派閥』の戦闘への参加要請であった。

 

「それはできない。彼女たちは商業系ファミリアだ。戦闘に参加する義務はない」

 

「義務の問題ではない! 戦力を遊ばせておく余裕などないという話だ!! 鍛冶系のヘファイストス・ファミリアの『単眼の巨師(キュクロプス)』や、商業系を兼業するヘルメス・ファミリアとイシュタル・ファミリアの眷属も参加しているのだぞ!!」

 

「……彼女たちは大量の『人魚の生き血』を冒険者と民間人関係なく供給している。お陰でリヴェリアやガレス、フレイヤ・ファミリアの幹部も即座の復帰が叶ったんだ。彼女たちが下層での人魚討伐に戦力を回さなければ、都市防衛に回せる冒険者はさらに減ることになる。しかも彼女たちはこれを『無償』だと銘打っているし、『人魚の生き血』以外にも補給物資をいくつも提供している。彼女たちがいるから、補給線を考えずに戦えるんだ。そのうえで民間人からの人望厚い彼女たちを防衛に参加させようものなら、ただでさえ低迷している民間人からの信用が地に落ちるぞ」

 

 フィンの指摘にロイマンは押し黙る。既に、民間人の不信感は一線を越えるに至っている。さらに言えば、アストレア・ファミリアとガネーシャ・ファミリアから、自爆兵は『闇派閥』の神に誑かされた元民間人であるという情報までもたらされているのだ。

 つまり、これ以上の民間人の暴走は、自爆兵の弾数を補充するという事態に繋がりかねない。

 

「……なら、民間人の誘導に加わらせるのはどうだ。約定は違えていないし、非戦闘員の手隙はいるだろう……」

 

「……要請するのはアリだと思う。けど、無理強いはなしだ。忘れちゃいけない、すべてのファミリアの中で最も貢献しているのは、間違いなく彼女たちだ」

 

 ふたりの話し合いが終わりに近づいた時、部屋にひとりのギルド職員が飛び込んできた。

 

「た、大変です!! 東門にて、民間人が多数殺されました!!」

 

「なっ、『闇派閥』の襲撃か!?」

 

「い、いえ、それが……ピュグマリオン・ファミリアです! ピュグマリオン・ファミリアの団長と『幻白』がっ!!」

 

 ロイマンが茫然自失とその場に座り込む中、フィンは「また()()が増えた」と肩を落とした。

 

 

 一方、西門。

 正確には、東門から北門を通り、西門に回ってきたところだった。オラリオからほど近い港町メレンに通じるこの西門は、オラリオを脱出しようとする民衆と、外を包囲する『闇派閥』から民衆を守ろうとするガネーシャ・ファミリア、ヘルメス・ファミリアが衝突していた。

 しかし、民たちの怒号は唐突な悲鳴でピタリとやんだ。

 ボトリと鈍い音を出して落ちる首。騒いでいたひとりの民間人の首だ。それを落としたのは、純白の小人族(パルゥム)

 そして、恐怖が伝播しきるまえに、民間人の眼前へ彼女が降り立った。

 

「皆様、どうか一時耳を傾けてください」

 

 いつもつけているフェイスベールを取り去り、民衆の前に立った彼女の美しさに、怒りも恐怖も置き去りになった。『幻白』の凶行に憤り、止めに入ろうとしたアスフィでさえ、見惚れて動きを止めてしまった。

 そこに立っていたのは、『隠神の白妃(ハーミッツ・クイーン)』、ガラテア。美神の似姿が、堂々とそこに佇んでいた。

 

「どうやら、『闇派閥』の工作員が皆様のなかに紛れ込み、外を包囲している『闇派閥』に殺させるために、オラリオの外へと扇動していたようです」

 

 万人を魅了するだろう涼やかな声でガラテアが演説を続ける間にも、ボトリボトリと熟れた果実が落ちるように、群衆の首が落ちていく。

 そしてそれを気に留める者ももういない。皆が皆、ガラテアの(かんばせ)に目を奪われている。

 

「ただいま、ピュグマリオン・ファミリアの冒険者が『闇派閥』の工作員を討伐して回っております。工作員と言っても、民衆に紛れさせるため恩恵を得ていない者ばかり。どうかしばし身動きをお止めください。その間に全てを終わらせます。ほら、これで、終わり」

 

 ガラテアの言葉とともに、メリーが落としてきた首を持ってガラテアの隣に降り立ち、手に持っていた首をゴロゴロとその場に転がした。

 どこかで息を飲む音が聞こえた。ヒクッと喉が鳴る音も。

 

「『闇派閥』は皆さまを利用しようとしています。昨日皆さまを絶望させた自爆兵も、『死んだら天界で家族に会わせてやる』などと誘惑した邪神によって自爆兵に仕立て上げられた、皆さまと同じ民間人でした」

 

 だからどうか、利用されないでください。我々の敵にならないでください。

 ガラテアはそう語る。

 

「場を混乱させようとする『闇派閥』に同調しないでください。冒険者を敵対視させようとする『闇派閥』に唆されないでください。『闇派閥』の思惑に乗らないでください。あなたたちは、私たちの敵ではありませんよね?」

 

 多くの民衆は、ガラテアの言葉に矛を収める。当然、()()()()に気づいた者もいるが、だからこそ収めざるを得なかったとも言える。

 街へと引き返していく民衆。その顔には色濃く絶望が映っている。ガラテアはそれを見届けると、最後の南門へ向かおうとして、そこでようやく我に返ったアスフィに呼び止められた。

 

「ま、待ってください! 『隠神の白妃』!!」

 

「……『万能者』ですか。手早くお願いします。まだひとつ残っているので」

 

「……民間人に、『闇派閥』の工作員が混ざっていたという話は、()()()()()?」

 

 アスフィの問いに、フェイスベールをつけながらガラテアは微笑む。それは、答えとして十分だった。それでガラテアを糾弾するほど、アスフィは愚かではない。助けられたのは自分たちなのだから。

 しかし、それで命が喪われたことを仕方のない犠牲だとは、彼女は考えられなかった。ただ愚かなだけで罪のない12の命。見せしめになり、『闇派閥』の汚名を背負って死ぬこととなった、ただの民間人。

 それは、他のヘルメス、ガネーシャ両ファミリアの団員皆が同じだった。

 

「外の『闇派閥』は現在、救援として来ているアルテミス・ファミリアの皆さまが少しずつ削ってくださっています。幸い、市壁への『闇派閥』の侵入は阻止できていますし、状況は最悪とは言えません。あの市壁から、爆弾や魔法を撃ち込まれていたらと思うと、ゾッとしますね」

 

「そう……ですね……ありがとうございました、『隠神の白妃』……」

 

「……適材適所です。我々は英雄ではありませんが、だからこそ英雄では採れない手を採ることができます。王女(あなた)なら、理解できるでしょう。英雄が採るべきでない手の有用性を」

 

「副団長!! 南門で、女神イシュタルが『魅了』を解放! その後、イシュタル・ファミリアの団員によって暴動が鎮圧されたようです!」

 

 アスフィに入ってきた報告。それは、他の門でガラテアたちがやったことの顛末を聞いたイシュタルが、同様の手段を用いて残った門を鎮圧したというものだった。

 

「私たちが行くまでもなくなりましたか……では、私たちは再び物資の調達に参りますので、これで失礼します」

 

 遠ざかっていくガラテアとメリーを、アスフィらは苦い顔で見送った。

 

 

 

「なにやってるの……」

 

 聞こえてきた幼い声を誰よりも知る母親は、弾かれるようにそちらを見る。血塗られたテディベアを見て精神が瓦解しかけていたリューも同じく、先ほどまで石を投げていた者たちも、正義の眷属も、同様の視線をそちらへ向ける。

 死んだと思われていた少女がいた。多くの子供たちが、ハーメルンの笛吹きに引き連れられていたが如く行方不明になっていた子供たちが、そこに無傷で立っていた。

 

「なんでおねえちゃんたちをいじめてるの!!?」

 

 喪ったと思っていた我が子を見て、抱きしめようと手を伸ばした母親は、しかし娘からの糾弾に怯み、愕然とその手を下ろす。

 言い訳などできない。彼女のやった行為は、娘のためにやったことなどでは、決してないのだから。

 

「あ〜、今、()()()()()()子供たちを親御さんに配達中ぴょん」

 

 正義の眷属たちにぶつけられた理不尽に憤る少女を抱き上げて、『煽り兎』は()()困ったように嗤う。

 

「だいたい聞こえてたけど、よくもまぁ守られるだけだった存在が、自分たちの怠惰を棚に上げてあそこまで責任を押し付けられるもんだぴょん」

 

「……………………はぁ?」

 

 可愛らしい口から吐きかけられた悪辣な批判に、石を持つ民衆の頭に空白が生まれる。

 

「お前ら、この子たちが生まれた時に『自分が守るんだ』って思わなかったぴょん? この子たちが育つのを見ながら『自分が守らなくても冒険者様が守ってくれる』って思ってたぴょん?」

 

「そ、それは……だって……」

 

「恩恵がないから? ならなんで貰いに行かないんだぴょん? 慈愛を司る女神デメテルなら、畑仕事っていう危険もない仕事と引き換えに恩恵を貰えるぴょん。被服に細工、非戦闘系ファミリアはいくらでもオラリオにあるのに、今までの生活を保ちながら手に入る自衛手段を探す手間をかけようとは思わなかったぴょん?」

 

「あ……う……」

 

「ここ1ヶ月、『ギルド』は避難を呼びかけてたぴょん。実際、この襲撃が始まる前に港町(メレン)や近くの街に避難した家族は少なからずいたぴょん。なんで避難しなかったぴょん?」

 

「…………」

 

 民衆の怒りが急速に冷めていく。先程、正義の眷属の団長の少女が懺悔したときとはまた違う、青褪めるように血の気が引いていく。

 戦わぬ者が戦った者に石を投げる醜さを直視させられるのではなく、できることをやってこなかった怠惰を直視させられて。

 

「だからピュグマリオン・ファミリアは、とにかく子供を保護したぴょん。()()()()()()()()()()()()()()()()()から。大人がオラリオから逃げなかったら子供だけで逃げるなんてできないから。なんならこのまま預かって保護してやってもいいぴょん?」

 

「あ……あ……」

 

「ねぇ、戦えない者が戦える者の責任を問うなら、お前らは()()()()()()()()()をまっとうしたのかぴょん?」

 

「あああああああああああああああああぁぁぁぁぁ…………」

 

 泣き崩れる母親を見て、兎の腕から飛び降りた少女は母親を慰める。

 

「……言っておくけど、別に親としての責任だけじゃないぴょん? 大人になった時点で、自分の身を守るのは基本自己責任ぴょん。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、冒険者に守られるだけっていう選択肢に逃げたくせに、よくもまぁ今できることをほっぽりだして力と正義感があるだけのガキに石投げに来れたもんだぴょん。ご立派な大人だぴょんね」

 

「うぅ……」

 

「見てみろぴょん。お前らが石投げてた相手、誰ひとりとして20を超えてない子供だぴょん? なぁ、お前例えば、その子が恩恵得てたら『守ってくれなかった』って石投げんのかぴょん?」

 

 首で保護されていた子供を指しながらそう問うチェレンに、水を向けられた男は一瞬泣き崩れている人の親を見て、力なく首を横に振る。

 

「そ、それでも……それでもあの人は帰ってこないのよぉ!!」

 

 恋人を亡くした女の獣人が行き場のない感情を制御できないままに、手に持っていた石をチェレンに投げつける。それは、チェレンの額に当たり、チェレンは仰け反りもせずにそれを受ける。

 それと同時に、石を投げた女性が悲鳴を上げて額を押さえた。突然の出来事に、群衆がざわめく。

 

「……あーしのスキルに、自分の受けた傷を相手に返すってスキルがあるぴょん。今お前が受けた傷は、お前自身がつけた傷だぴょん。確かにあーしらは恩恵のお陰でお前らの石程度で傷はつかないけど、恩恵がなかったらそうなるほどのことを、お前らはこいつらにやってたんだぴょん」

 

 石を投げた女性もまた、泣き崩れる。どうしようもなく、自分が惨めだった。

 

「ほら解散解散! こんなとこに集まってたら、それこそ『闇派閥』の的だぴょん! そんなに石投げたいならいい場所があるぴょん……午後から、ガネーシャ・ファミリアの本拠地内で、『闇派閥』の()()()()があるから、そこで好きなだけ投げればいいぴょん!」

 

 再び、沈黙が下りた。

 民衆だけではない。リューも、アリーゼも絶句する。輝夜は苦々しく顔を歪め、ライラはむしろ感心したふうに口をすぼめた。

 

「あーしらが進言して、『ギルド』が決心して、ガネーシャ・ファミリアが説得されて認めた形になるぴょん。お門違いの怒りをぶつけるより、お前らの大切な相手を殺した奴らに直接石ぶつけるほうがずっといいぴょん? わかったら解散!」

 

 どんな感情を抱いているのか、民衆たちは思い思いに去っていく。保護された子供たちの親は、チェレンに保護を依頼して、子供たちを預けていった。

 残された正義の眷属は、リュー・リオンはチェレンに問いかける。

 

「……公開処刑とは……どういうことですか……」

 

「磔と石投げ。民衆が満足したら斬首だぴょん。基本は民衆の怒りを鎮めるためのパフォーマンスだから、処刑そのものはあっさり終わらせる予定ぴょん」

 

「そうではない!! そんなことを……そんな残虐なことを『ギルド』が……ガネーシャ・ファミリアが認めたというのか……」

 

「当たり前だぴょん。これは『秩序』を守るための措置だぴょん。『秩序』の使徒たるガネーシャ・ファミリアが認めないわけないぴょん、それがあいつらの『正義』なんだから。どうせ、処刑されるのは更生の余地がなくって、全部終わったらどっちみち処刑される予定だった『闇派閥』ばかりで、自爆前に捕まえられた自爆兵や、『闇派閥』に入らざるを得なかったやつは保留だけど……それが民衆の息抜きになるなら、これほどコスパのいい措置は他にねーぴょん」

 

 チェレンの身も蓋もない言葉に、リューは助けを求めるように仲間たちの方へ視線を彷徨わせる。しかし、それを向けられたアリーゼは視線を逸らし、輝夜とライラは口々にこう答えた。

 

「……極東でも、犯罪者の処刑は民衆の娯楽だ。むしろ『朝廷』は進んでやっていた。斬首だけではない。裸に剥いて都中を歩かせたり*1、煮え滾った油で煮たり、落とした後の首を曝すこともままあった……」

 

「犯罪都市じゃ治安はまともに仕事してなかったけどな。治外法権だったからこそ、露骨な掟破りがいたら、それはもう口には出せないような見せしめにあってたもんだったぜ。まぁ、綺麗好きなオラリオのお(かみ)にしちゃ、よく決断したとは思ったけどな」

 

 自分の価値観からは信じられない悍ましい刑罰が、無辜の市民の眼前に娯楽のごとく晒される。そして、仲間さえそれをさも当たり前に語る。リューは気が遠くなるのを感じ、段々と呼吸が浅くなる。

 

「そもそも、あいつらが責めるには落ち度が多いってだけで、お前らが責められる理由もまぁあるっちゃあるぴょん」

 

「なっ……」

 

「なんでガネーシャ・ファミリアがやってることの後追いしかしてこなかったぴょん。街の秩序なんて平時は警邏で十分ぴょん。正義を標榜するなら、ガネーシャ・ファミリアが手に負えない相手を仮想敵にして、平時はパトロールよりもダンジョン潜ってレベル上げすべきだったぴょん。そうすれば、こういう有事のときにガネーシャ・ファミリアと役割分担できる。お前らが強くなってれば、雑魚はガネーシャ・ファミリアに任せて、お前らは『殺帝』みたいな幹部級に専念して遅れを取ることはなかったんじゃないかぴょん?」

 

 『悪』ではないが『愚かな正義』だった。そう告げられて、リューは心が折れるのを感じた。

 

「『巨正』だのなんだの言われてキレてたけど、言い方が煽りだったとはいえお前の言う『正義』は間違いなく力がないと意味のない『正義』だったのに、あるかもわからない将来の危機に備えて力をつけることより、身近の手軽な悪を狩ることに傾倒したのがお前の愚かさだぴょん」

 

 そうして遂に、リューは意識を手放した。

 

 

 

「……安い結果論でウチの末っ子虐めねぇでくれねぇかな……分かってて言ってるだろお前」

 

「ぴゅひゅしゅしゅ! まぁ分かってて言ってるけど? Lv3に上げるだけでも普通は十分強者だってことも、最終的に結果論でしかないってことも。でもさぁ、あの邪神様、随分とポンコツエルフにご執心だったし、どっかお前らの知らないとこでイジメられるよりは、あーしがイジめてお前らがケアしたほうがよくない?」

 

「……語尾忘れてんぞ」

*1
本来の市中引き回しの刑である。引きずり回させるわけではない。




・原作との差異
民間人、冒険者の被害が少ない(自爆兵と下っ端が減った分と纏化による防御力向上分)
オッタルがザルドの剣にヒビ入れた(纏化分)
ディース姉妹が拠点を2つしか落とせてない(拠点ひとつ分はパラケルススがコピーした『シレンティウム・エデン』で守った)
ガリバー兄弟が狂化兵を3体撃破(人魚の生き血効果)
撃破された幹部たちの怪我が即治療された(人魚の生き血効果)
市壁が占拠されてない(下っ端が足りなくて手が回らなかった)
アルテミス・ファミリアの増援がだいぶ早い(ピュグマリオン・ファミリアによる救援要請)
イシュタル・ファミリアが暴徒鎮圧に協力(だいたい対抗心)
子供たちが死んでない(配達部隊によって保護され、瀕死の子は人魚の生き血で治癒された)

 なんで人魚の生き血がこんなにあるのかはそのうち。
 なお、ぴゅひゅしゅしゅは笑い声です。
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