人間の身でファミリアを作るのは間違っているだろうか 作:仙託びゟ
『異端児』騒動が終わり、ベルはLv4に上がったうえに、アステリオスとの死闘によって既に偉業さえこなせばLv5に上がるだけの経験値を得ていた。
『
そんな彼女たちは、ヘスティア・ファミリアのメンバーに加え、『
そこで冒険者を襲う強化種のモンスターとの死闘を経て、一行は一度リヴィラの街へ戻ってきたのだが、そこではある冒険者を追う討伐隊が結成されていた。
討伐隊に参加していたリュー・リオンによると、なんと彼女が殺人事件の犯人疑惑を受けていたという。
リューはクノッソス侵攻作戦で仇敵の男を発見し、それを追っていた。しかし、リヴィラの街へ逃げ込んだ男は協力者と共に殺人事件を起こし、目撃者としてリューへその罪を被せようとした。
しかし、至る所にピュグマリオン・ファミリア配達部隊の待機班がいるリヴィラの街でそんな偽証が通じるはずもなく、ガネーシャ・ファミリアへ連絡を入れたから地上で証言の真偽を神に確かめ、その後リヴィラの街で裁けばいいという流れになった途端、男は魔導具で深層のモンスターをリヴィラの街へけしかけ、その間に逃走したのだという。
仇敵を追うため討伐隊に参加するリューから協力を依頼され、『戦争遊戯』や『異端児』騒動での恩があるうえにお人好しなベルは協力を快諾。再び犯人が逃げたという25階層へ向かうことになる。
24階層で犯人の協力者たちのうち一部を捕らえ、それ以降の階層は下層となるため、一部の冒険者が選抜隊としてさらに下へ行った犯人を追うことに。
しかし、そこで犯人の協力者が大量の火炎石を爆破させて階層を大規模に破壊することで、先んじて犯人が破壊していた27階層と合わせて条件を満たした、かつてアストレア・ファミリアを全滅に追い込んだとされるジャガーノートというモンスターが27階層へ出現し、討伐隊は壊滅。
ベルが重傷を負いながらも『人魚の生き血』によって回復しながらジャガーノートに大きなダメージを与えるが、その隙にベルとリューは犯人の使役していたモンスター、ワーム・ウェールに飲まれ、さらに下層へと連れ去られてしまった。
そして、不幸というのは連続して起きるものだ。
「……マジかよ……ッ」
ヴェルフが呻きのような声を漏らす。仕方ないだろう。今この場にいる者の中では、唯一、春姫と共にヘスティア・ファミリアへ入っていた*1元イシュタル・ファミリアのアマゾネス、『
にも関わらず、彼らの前に現れたその巨体は下層の階層主。徘徊する
本来は
そして、眼の前の双頭が
「ッ!! 勝機はあります!!」
リリルカはバックパックから取り出した簡易結界の魔導具を起動し、注がれる息吹をなんとか弾き返す。これでアンフィス・バエナ相手でもほんの1分程度、バックパックをひっくり返す時間は稼げる。
「千草様は『
「は、はい!」
「春姫様は『ウチデノコヅチ』の、カサンドラ様は回復魔法の合間に協力してその魔導具で簡易ではない結界の作成を! その魔導具で作ればアンフィス・バエナ相手でも実用に耐えます!!」
「わかりました!」
「それから皆さんこちらに!!
「お、おう!」
「前衛の方々はなんとか耐えてください! リリが魔剣を撃ち込んで、体内の燃料に誘爆させます!!」
リリが
簡易結界が砕け散り、息吹が地面に届く前に全員がその場を離れることができた。
『ウチデノコヅチ』でアイシャへのバフをかけ終えた春姫が、説明書通りに魔導具のセッティングを行う。アンフィス・バエナがそれを咎めて息吹を吐いてくるが、桜花が油を塗り終えた大盾でそれを逸らす。
一時的にLv5になったアイシャを中心として、前衛はアンフィス・バエナを後衛に近づけさせないように立ち回りながら、リリルカが一撃をいれる隙を作ることに尽力する。
リリルカが戦闘できるのは30分が限度。それまでに勝負を決める必要があった。
千草が砲身回転式重魔笛で支援しながら、リリルカが言っていた体内の燃料への誘爆を狙う。弾丸の発射と弾丸からの魔法は、アンフィス・バエナの発する魔法拡散の霧『紅霧』による拡散対象であるが、発射された弾丸は物理法則に則って飛んでいっているため威力減衰されることはない。
そして『紅霧』を突き抜けてアンフィス・バエナの鱗に突き刺さった弾丸から放たれた魔法であれば、拡散されることはない。城壁を崩すほどの威力を誇る魔剣が次々とアンフィス・バエナの体表で爆発する。
鱗が剥げて肉が露出するが、柱のように巨大な尾を叩きつけて反撃してきた。千草はなんとかその場から逃れたものの、砲身回転式重魔笛は尾に潰され砕け散る。
装甲が剥がされたアンフィス・バエナは危機と見たか、アクア・サーペントやハーピーを呼び出すことで空中の自身を狙うアイシャたちを牽制するが、呼び出されたモンスターは『紅霧』を纏っていないため、リリルカの放つ鎧のレーザーと『単騎駆け』によって撃ち抜かれ、薙ぎ払われていく。
しかしそれを意に介さないモンスターもいる。スピードだけならLv6級と言われる『不可視のモンスター』、
ベルのようにすべての閃燕を斬り払うことなどできるはずもなく、鎧が阻んでダメージこそ薄いものの、リリルカは空中で大きく体勢を崩す。
そこを狙い撃つかのように、
「【燃え尽きろ、外法の業】《ウィル・オ・ウィスプ》!!」
その瞬間、内一体の体がヴェルフの放った魔法封じの魔法によって『
「大丈夫かリリスケ!?」
「助かりました!! ッ……! 好機!!」
リリルカがバックパックから取り出した大型の『魔笛』をアンフィス・バエナへと向ける。
『魔笛』の銘は『
その名の通り、電気をほぼ完全に遮断する金属『
すなわち、レールガンである。
「いっけぇええええええぇぇぇぇ!!」
電気を纏いながら放たれたアダマンタイト製の弾丸は運動エネルギーのみによってアンフィス・バエナへ飛来し、竜胆*4で生成されていた
「今です!!」
「【来れ、蛮勇の覇者、雄々しき戦士よ、たくましき豪傑よ、欲深き非道の英傑よ。
満身創痍となったアンフィス・バエナに、長文詠唱を終えたアイシャが斬りかかる。
「《ヘル・カイオス》!!」
振り下ろされた『大朴刀・ザーガ』から放たれた真紅の斬撃波は、体勢を崩して縦に並んだアンフィス・バエナの頭の両方を捉え、胴体ごとすべてを両断した。
その後、カサンドラの予言によって26階層へ逃げ、25階層の崩落から逃れた一行は、椿・コルブランドや豊穣の女主人の面々、『異端児』などの援軍と合流し37階層へ。満身創痍の状態でタロスに保護されていた*5ベルとリューを発見し、無事地上へ辿り着くことができたのだった。
完結も近づいて参りました。
追記
消した文が残ってました。
リリルカにベルが飲まれたところ見せようかなーと思ってましたが結局原作通りにした名残です。