転生したらガミラスの真田さん枠(なおロマンチスト)兼総統のお気に入りになってた件   作:夜叉烏

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 夜叉烏です。戦闘シーン回だよやった~!

 因みに火炎直撃砲のエネルギー温度は適当だったりする。
 一応恒星から放出されるプロミネンスは大体1万度で、『シュバリエル』がグリーゼ581でプロミネンスの直撃を受けて爆沈しつつも、恒星表面から程近い場所をギリギリまで航行できてたので大体それ位かなと。



ハイゼラード級(だったもの)「シテ…コロシテ…ワタシガ…ワタシジャ…ナ…」

――ズミside

 

 実験に失敗してからというもの、ハルハさんは自室に籠り切りになっていた。

 

「…艦長、まだ私室に籠ってるんでしょうか」

 

 レーダー手席に座る船務長ミゲル・リーエ大尉が、心配そうに無人の艦長席に目をやる。

 年齢18歳と、私よりも1歳年上の士官だ。私やハルハさんのように飛び級ではなく、順当に士官学校に入学してここに配属されてきたと聞いている。

 

「なに、艦長はお気に入りさ。総統ご自身が失敗は咎めないって言ったわけだし、処分が下ることは無いって」

 

 航海長シャルル・ゲーンガ少佐が励ますように言う。

 総統の御心など、一介の士官である私たちに分かるはずもないが…約束ごとに関しては義理堅いとハルハさん伝に聞いている。ならば、聡明な総統が処罰することはないだろう。

 

「映像越しではありますが、総統閣下の瞳孔の動き、発汗の有無から推察するに、虚偽の事実を述べている確率は1.6バーゼルです」

「ホント?良かったぁ…」

 

 右隣に立っている『ハルシュヴァルトⅡ』の自律管制制御AI"ヴァル"の無機質な声色で放たれた言葉に、リーエ大尉が胸を撫で下ろした。

 当初、愛想の概念が全くない、ジョークや人間にとっての"当たり前"を解さず、機械的に応答する…言ってしまえば色々と"ズレている"彼女への対応は困難を極めたが、やっと乗員も慣れてきたところだ。

 最近では、まるで幼児の成長を見るような感覚を覚えている。見た目は私やハルハさん位の年齢なのだが。

 

 しかし、映像自体は鮮明だったとはいえ、そこまでを瞬時に観察して判断を下すとは、流石はハルハさんの手になるAIである。

 というより、ガミロイドとは全く違う、それこそ人間と瓜二つの外見をしている人工肉体を持った…最早人間と言っていい存在を作り出すこと自体、とんでもないことではあるのだが。

 

(やっぱりハルハさんは凄いです…)

 

 もう、そんな言葉しか出てこなかった。

 

「ていうか、前から気になってたんすけど、何でメイド服なんすか?」

 

 砲雷長であり、ハルハさんに劣らない親友であり…彼女を性的に狙うライバルでもあるアレド・ゼシア少佐が、肩越しにヴァルへ問いかけた。

 基本、『ハルシュヴァルトⅡ』は過酷な前線勤務に放り込まれない為、こうした雑談が多い程度には空気が軽い。ハルハさんの手になる高性能艦に身を預けているというのもあるだろう。

 

「私は製造時からこの装いです。なぜかは、私にも不明です」

「へぇ~」

 

 ハルハさん曰く、彼女たちメンタルモデルの容姿は、製造時に臣民全ての女性の顔写真を記録させたデータベースを元に、目や鼻、口の形状、スタイルといった顔、身体の情報の他、服飾関係のデータベースからも纏う衣類がランダムで決められるという。

 ただし、決まって一般的に"美形"とされる女性の姿を模すとのことだ。

 

「前方に重力震の兆候。艦の操舵を掌握します」

「――え?」

 

 唐突な報告に思わずらしくない声を発してしまった瞬間、艦首が左下方に振られた。

 不気味なほど機敏に、且つ滑らかに動く『ハルシュヴァルトⅡ』。艦体後部に4基が備わる高機動ユニットと、艦体各所に備わるターレットスラスターの恩恵だ。

 

「うぉ…!?」

 

 ゲーンガ少佐が自分の操艦とは関係なく舵が切られたことに驚いた次の瞬間だった。

 

「うわあっ!?!?」

「きゃっ!?!?」

「…っ!?な、なんすか…!?」

 

 艦の直ぐ上を、まるで赤色恒星の紅炎を思わせる高エネルギー流が通過していった。

 橙色の光は、遮光性と耐久性を兼ね備える艦橋のガラスから差し込み、内部を一瞬真昼のように明るくした。

 

「回避完了、本艦右上方を通過。…解析完了。摂氏12000度の熱エネルギー流です」

 

 ヴァルによると、先程通過していったエネルギーの温度は12000度。恒星から放出されるプロミネンスとほぼ同等だ。

 エネルギー効率、出力共に大幅に強化されたエネルギー変換装甲と対磁・光波偏向フィールドで固められた『ハルシュヴァルトⅡ』とて、あれが直撃すれば一溜りもないだろう。

 ゲシュ=タム・ウォールも併せて展開していれば、防げる可能性はあるかもしれないが…。

 

「右舷、第8デッキ付近にレベル1以下の装甲剥離を確認。戦闘、航行に支障ありません」

 

 応急長ヴィトリア・ドラコ大尉の報告。

 高熱エネルギーの奔流。その周囲には、複数の火炎弾を思わせるエネルギーの余波が渦を巻いていたように見えた。それが艦体を直撃したらしい。

 ただし、本体のエネルギー流よりも温度は低いらしく、其方は『ハルシュヴァルトⅡ』に対し掠り傷にもならない損傷を与えただけだ。*1

 

「一体何処から撃ってきたんだ!?」

 

 ゲーンガ少佐が声を上げる。

 空間跳躍の際にしか確認できない重力震、正確に『ハルシュヴァルトⅡ』を狙ってきたことから、これは敵の攻撃だと判断したらしい。私もそう確信していた。

 

「敵艦影確認できず!突然出現したとしか…!」

「レーダーの出力最大!光学索敵も併せて行ってください!ハルハさんにも連絡を…」

「マスターはあと8.9秒で到着します」

 

 兎に角、攻撃を行っている敵の位置を明確にしなければならない。電子・光学的な索敵を徹底させると共に、ハルハさんを呼び出そうとした。

 

「お待たせ皆、状況は?」

 

 艦橋の自動扉が開くと同時に、ハルハさんが入ってきた。ヴァルの報告通り、10秒足らずだった。

 

(あ…ハルハさん、寝てたんですね…)

 

 流れるように美しい、艶やかな紫色の長い髪が所々跳ねている。寝癖の跡らしい。

 また、紫色の軍服の上着とマントも身に付けず、黒一色の身体へ密着するタイプのスーツを着ているだけだ。

 いつもならその上から上着を羽織っているが、緊急事態につき、スーツだけを着て来たのだろう。

 

「……あ、えっと…」

 

 絶壁…は言い過ぎだろうが、それでも私とは対照的ななだらかな胸の双丘と小振りなお尻。男性からすれば、魅力的に感じ難い身体かもしれない。

 しかし、身体に密着するタイプのスーツのお陰でそれらは艶かしく浮き上がっており、同性である筈の私は思わず目を奪われた。

 

「現在、敵のロングレンジ攻撃を受けています。重力震の発生直後に高熱エネルギー流が出現、今のところは回避に成功しています」

「うん?…分かった。ありがとう、ヴァル。重力震が発生したら直ぐに知らせて。ゲーンガ少佐、舵はよろしく」

「了解!」

 

 言葉に詰まっていた私に代わり、ヴァルが応えてくれた。

 …戦闘中に個人的な理由で、それも親友の身体に見惚れて対応が遅れるという、ガミラス軍人として、人間としても失格の所業をしてしまった。

 

「…見つけました!射程圏外の宙域に艦影多数!ガトランティス艦隊です!識別に無い大型戦艦も確認!」

「パネルに投影します」

 

 レーダーが使用不能になる事態に備えて装備された光学望遠カメラが敵艦隊を捉えたようだ。

 ヴァルの操作で天井パネルに映像が投影される。

 見慣れたククルカン級、ラスコー級、ナスカ級に混じり、『ハルシュヴァルトⅡ』に匹敵する巨体を持った大型艦が艦首を橙色に輝かせている様が確認できた。

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

――ハルハside

 

 艦長室でCRSの改良について構想を練っていた疲れからか、下着のままぐっすり眠っていたところ、唐突に傾きを増した愛艦と警報音により叩き起こされ、取り敢えずパワードスーツだけを着て艦橋へと飛び入った。

 

(メダルーサ級…この時期からいたんだ…)

 

 重力震、プロミネンスの温度に匹敵する高熱エネルギー流、突然出現したとしか思えない攻撃という報告からうっすらと察してはいたが、やはり敵艦隊にはメダルーサ級が含まれていた。

 『星巡る方舟』でのメガルーダが初出だと思っていたが、この時点から配備されていたらしい。

 前からこのような超兵器が配備されてるのであれば、必ず私の耳にも入る筈。火炎直撃砲によって新型艦発見の報を入れる間もなく艦隊が全滅した為、ガミラスもこれまで存在を把握できてなかったのだろう。

 

 『2202』では、"ガミラス臣民の盾"を装備した装甲突入型ゼルグート級と拡散波動砲の前に対策され尽くした本艦は終始脇役に徹し、カラクルム級に出番を奪われっぱなしだったクラスである。

 しかし、『2199』時点では恐ろしい性能の持ち主と言える。

 波動砲・デスラー砲より劣るとて、決戦兵器としては充分な威力を持ち、連射が可能、そして転送投擲器によって砲撃を射程外からデリバリーしてくる火炎直撃砲。

 おまけに、火炎直撃砲のエネルギーを直射する五連装徹甲砲、航空機も搭載可能で、ショックカノンを喰らっても轟沈はしない防御力と、正しくガトランティス側の『ヤマト』と言うべき性能を持っている。

 

 グロデーズ級と同様のパドル型姿勢制御ユニットを装備し、メンタルモデルの高い即応能力も備える『ハルシュヴァルトⅡ』ならば、火炎直撃砲の回避は難しくない。

 それに…。

 

「ヴァル、例のデータをパネルに投影して」

「了解」

 

 天井のパネルに、『ハルシュヴァルトⅡ』周囲の宙域を記した映像が映される。

 

「ハルハさん、これは…?」

「どうやら、敵の攻撃はこっちの転送システムとまったく同じ理合みたいだね」

 

 ズミの問に、私はさもたった今考察したと言いたげな芝居を見せる。

 

こんなこともあろうかと(・・・・・・・・・・・)、空間波動エコーを感知する回避プログラムを作っておいたんだ。こっちが保有している兵器への対抗策は、持っておいて損はないよ」

 

 『星巡る方舟』劇中で、真田さんが緊急で作った回避プログラムと同じものである。

 ただし、此方は真田さんサイドとは違って瞬間物質移送器を開発・運用しているガミラス。それも、たっぷりと時間をかけて作ったデータだ。

 完成度はより高く、予想的中率は96パーセントとなっている。

 

「敵弾来ます。方位44、距離500」

「了解!」

 

 重力震の検知より更に早い段階で敵弾の飛来を察知したヴァルの報告の直後、ゲーンガ少佐が舵を取る。

 以前より遥かに機敏な動きを見せる『ハルシュヴァルトⅡ』。気味が悪い位にヌルヌルと動いてくれる。お陰で、かなりの余裕を持って回避することができた。

 火炎直撃砲のエネルギー流は『ハルシュヴァルトⅡ』の右舷の空間を空しく通過するだけで、荒れ狂う余波すらも全く届かない。

 

「…アレド、例の新兵器を使おうか」

「新兵器…って言ってもこの艦、新兵器しか積んでないから何のことを言ってるのか分かんないっすよ?」

「あ、それは言えてるね。…例の新型魚雷を物質転送器でプレゼントしてあげよう」

 

 確かに、『ハルシュヴァルトⅡ』には既存のガミラス式武装はない。全て私が開発したものだ。

 取り敢えず、魚雷の発射を指示。

 発射した魚雷を火炎直撃砲よろしく転送システムで空間跳躍させ、メダルーサ級の目の前にお届けしてあげよう。

 

「プレゼントのお返しっすね。了解!」

 

 アレドが手慣れた様子で素早く右手のタッチペンと左手の指でパネルとコンソールを叩き、武装の準備を整える。

 流石に早い。ガミラスの南部枠なだけはある。

 

「物質転送システム、起動!」

 

 ズミの号令で、デスラー砲口の後部――アンドロメダ改でロケットアンカーが搭載されている区画にあたる――から、物質転送波の照射装置が2基出現。

 次いで魚雷発射準備も完了した。

 

「座標入力…転送座標、敵大型戦艦前方500!」

「物質転送波、照射開始!及び1番、浸食魚雷(・・・・)発射!」

 

 号令と共に、六重複列式ゲシュ=タム・ドライブが過負荷運転をはじめ、リングの連なりを思わせる物質転送波が艦の前方へ投射される。

 直後、アレドの手で辛うじてハイゼラード級の面影が伺える艦底部の魚雷発射管から1本の魚雷が発射され、発射から数秒で転送波を浴びたそれが消失する。

 

「――さて、遊んであげよう」

 

 『滅びの方舟』のようなアケーリアスの遺産でない、ただのガトランティス艦隊。しかも、カラクルム級やアポカリクス級、イーターⅠのようなバカげた兵器もまだ無い敵だ。

 『ハルシュヴァルトⅡ』の初陣としてはちょうどいい。試し斬りの標的にさせてもらうとしようか。

*1
※なおその余波は掠めただけでもデストリア級程度なら沈める威力




 『星巡る方舟』冒頭、ゼルグートの艦橋では火炎直撃砲が飛来する直前(バンデベルと副官が喋ってるとき)に「前方に重力震…?」って乗員の声が入ってるんですよね。
 『ハルシュヴァルトⅡ』にかかれば重力震の発生から火炎直撃砲飛来までの間に砲撃は避けれます。
 じゃあ回避プログラム要らないだろって?「こんなこともあろうかと~」って入れたかったからです()
 
 『ハルシュヴァルトⅡ』の設定はできてるけど戦闘シーン回のあとがきに回します。
 でもこの時点で2199時点のヤマトじゃ対抗できない感は感じられるかと…魔改造過ぎて原型を留めてないから苦手な人はブラウザバックしてね。

アルペジオみたいなメンタルモデルを出演させる?

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