転生したらガミラスの真田さん枠(なおロマンチスト)兼総統のお気に入りになってた件 作:夜叉烏
前回、医療用ナノマシンインプラントを主人公が開発してましたが、ガミラス星以外はナノマシンインプラントでも処理しきれない位にガミラス人に対し有害な病原体が蔓延っていて、インプラントを入れても「入れないよりマシ」程度しか効果がない…って設定にしようかなと思ってます。
ガミラス星と同じ環境で暮らす分には額縁通り「最低寿命150年」の性能が発揮できるってだけで。
臣民の歓声に次いで、吹奏楽の演奏と拍手が私を出迎える。
公用車から降り、無駄に長いアプローチを歩いて壇上まで上がる。…総統や政府高官らが待つ壇上までの道のりが本当に長い。
ドメル将軍のような鍛え上げられた肉体を持つ将兵なら何てことないだろうが、ゲール辺りは壇上を登りきるまでに息が荒くなってしまいそうである。あ、そもそも彼にこの道を歩む機会なんて無いか。
私はピチピチの18歳だし、一応軍人で鍛えてはいるからこの程度は問題ない。パワードスーツの恩恵に与る必要はない*1。
(おう…大御所だねぇ)
親衛隊員の列に挟まれながら壇上へ上がると、デスラーをはじめヒス、タラン兄弟、ディッツ、ギムレー、セレステラ、ゼーリック…ガミラスの国家運営に携わる重鎮たちが勢揃いしていた。
全員が拍手で私を出迎えてくれている。因みにゼーリックは劇中の叙勲式でのような間延びしてない、心から私を祝ってくれていることが伺える拍手をしていた。
ガミラスを想う愛国主義者なのに変わりはない。何やかんや、ガミラスの躍進に貢献している私を本気で祝ってくれているようだ。
「
デスラーの目の前まで歩み寄り、右手を掲げる。
彼は傍らの親衛隊員から勲章――デスラー十字章を受け取ると、私の首下辺りの生地へ括り付けた。
ドメル将軍だと胸板部分に付けてたと思うが、女性の胸に触れるのはやはりガミラスでもアウトである為、女性の叙勲者については今のような箇所に付けることになっているらしい。
「少しばかり目を離していると、君は新しい発明をしているな。お陰で退屈な日は無いよ」
「恐縮です」
紳士な総統は必要以上に触ることはなく、淀みない動作で勲章を付けた後は直ぐに身を引いた。
「…君の手掛ける
「御期待に沿えるよう、全力を尽くします」
問題ありとはいえ惑星を再生する技術や、ナノマシンインプラントを実現したという原作との差異がある為なのか、心なしかデスラーの表情は穏やかに見える。
ヤマトウイルスが彼の心を壊す前になんとかしたいものである。
(総統の座乗艦だぞ!?妙な機能を載せるなよ!?絶対だぞ!?フリじゃないからなっ!?)
タラン(兄)から無言の圧を感じた気がするが気のせいだろう多分。
一部武装に私が手を加えることになった『デウスーラⅡ世』とは別に、ゲルバデス級と同時期に兵器開発局が計画していた航宙戦闘母艦を頂けるか交渉しているところだ。
後に『デウスーラⅢ世』の名を与えられる艦である。
(デウスーラⅢ世も悪くはないけど、もうちょっと強力にしたいな。この際700メートル超の巨艦でもいいや。それくらい大きくても
今からどんな設計にするか妄想が止まらないが、今はまだやるべきことが多くある。ガトランティス戦が終わるまでの辛抱だ。
踵を返して来た道を引き返すと、吹奏楽と拍手が私を見送るように再開された。
「彼女こそぉ!!神が我がガミラスにもたらした素晴らしいことこの上ない賜り物であるっ!!」
…相変わらず、よく口の回る国家元帥だ。
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「全く、お前のことだから間違いはないだろう。だが本当に頼むぞ?」
「分かってるってば。でも、この世に2隻とない総統の座乗艦だよ?ある程度コストを無視した高性能を追求するのはいいんじゃないかな?」
公用車に揺られながら、私と同乗しているヴェルテ・タランが言葉を交わす。
相変わらずタランは私へ設計について再三確認してくる。
少しは私を信じてほしいものだ。
「おい、タラン。確かに彼女は…まぁ、変わっている所があるが、技術的手腕についてはお前以上だ。俺としては信用できる」
「君はコイツの自重しなさ加減を知らんからそんなことが言えるんだ。コイツの我儘に比べたらドメルなんて可愛いものだよ」
同じく同乗しているガル・ディッツが私を擁護してくれる。もっと言ってやってくれ。
「彼女が手掛けた艦が揃えば、将兵の喪失も格段に減らせる。戦術の幅も広がるだろう。それらがドメルの手に渡るのが楽しみだ」
新兵器に喜ぶのではなく将兵について真っ先に出てくる辺り、ディッツの人の良さが伝わってくる。
あと声色が高い。おっさんのウキウキ声に需要はあるのだろうか?
「それならいいけどね、旧貴族派がコネを使って建造した傍から連れ出さないか心配なんだよ」
「うむ…」
苦々し気に放った私の言葉に、ディッツが同意を示すように目を伏せながら溜息をつく。
貴族制度は当の昔に廃されたとはいえ、その影響がすぐに無くなるわけではない。
それに、元貴族は何処にパイプを持っているか分からないので、ディッツの手から逃れて新鋭艦を自らの私設艦隊に組み込まれる可能性もある。特にゼーリック。
「全く、宝の持ち腐れとはこの事だ。お前も見ただろう、『蛮族大征伐』の戦闘詳報は」
「うん。やっぱり貴族派の艦隊なんて規模だけが取り柄の有象無象だよ」
デスラーが
2個空間機構師団、総数4000隻からなる物量は流石と言うべきか、ガトランティス艦隊を打ち破っている…のであるが。
「戦闘が始まって、ボンボン連中はどれほど進軍したと思う?…たったの20光年だ。ドメルなら同規模の艦隊をあと3個葬った挙げ句、敵の集結地点に殴り込んで殲滅していたところだぞ」
忌々しげにディッツが言う。相変わらず、ドメル将軍への信頼度が半端ない。
…いや、過大評価じゃなかろうか?本当にできるのか?
「しかも、バカ正直に隊列を組んで正面から撃ち合う稚拙戦術のお陰で戦闘は長期化、数の力で撃退はしたけど緒戦で全戦力のうち4割を戦列から喪う…ドメル将軍が鼻で笑うどころか助走を付けてぶん殴るレベルの体たらくだね」
戦闘詳報によれば、ガトランティス艦隊は総数500と数だけなら遥かに劣るものの、編成には既に複数隻建造されていたらしい新型艦――メダルーサ級が含まれており、射程に入る前から火焔直撃砲の連打を浴びせられたという。
初手の数発で数十隻の二等航宙艦及び、新鋭のハイゼラード級含む戦艦クラスを瞬殺された
しかも、射程外に陣取るガトランティス艦隊に自棄糞に砲撃を指示し、勿論全く届かないばかりか、火焔直撃砲により戦列が四分五裂になっていた状態で発砲した為誤射が多発。
それでもひたすら発砲の命令を出すばかりで損害が拡大するばかり*2。
しかし、ここでガトランティス艦隊がジャンプによりガミラス艦隊の目前に出現、肉薄攻撃に移ったことで流れが変わる。
相手の射程外から火力を投射し続ける一方的な作業を続けるのは、敵と戦って派手に死ぬことを誉とするガトランティス…発射しているメダルーサ級の乗員もそうだが、何よりも他の艦の乗員にとって我慢の限界だったようだ。
陽電子ビームの射程に自ら飛び込んできてくれた敵艦に、ガミラス艦隊は攻撃を再開。とても統率されているとは思えない、精度も弾幕も話にならないレベルの射撃は、やはりというべきか少なくない誤射を発生させつつもガトランティス艦を射貫き、爆沈させていく。
やっと目に見える戦果を上げ始めた自軍に、さっきまで発狂していた劣化版国家元帥は掌を返してイキイキしだし、彼を含め元貴族派の軍人が信望する火力・物量を前面に押し出したゴリ押し戦法で、何とか敵艦隊を殲滅することができたのである。
「結局、相手のミスに助けられたと」
「しかし、敵艦隊500に4000でかかって殲滅までに半日を費やし、此方は1600を喪う。それも、その半分以上が誤射によるものだ。…これは、総統にも上げたのか?」
「…総統の御前で胸を張って大声で勝利の報告を上げたソイツの姿はこれ以上無い程滑稽だった、と言っておこう。総統は笑顔で労いの言葉をかけて、更なる前進を指示されていたが」
…デスラー、絶対に勝利したことを嬉しいなんて思ってない。彼自身が並みの将軍以上の戦術・戦略眼を持っている手前、寧ろ怒り、嘲笑、呆れの感情しかないだろう。
『元貴族派勢力の弱体化』という目的が順調に果たされていることが嬉しいと思われる。
…あれ、ここでこんなに艦を喪ったら、ゼーリックの
「あぁ、それとハルハ。先ほど総統からご連絡が来てな。立食パーティー前に催し物が追加されたそうだ。一先ず、このまま総統府へ向かう」
「…それは、総統のご指示かな?」
「あぁ、『ゲーム』と言っていたか。服装は軍服のままでいいらしい」
…やっぱりこのイベントは発生するか。ついにあの『
よろしければ感想よろしくお願いいたします。
早く戦闘シーンなり兵器開発のシーンなり書きたいな…。