転生したらガミラスの真田さん枠(なおロマンチスト)兼総統のお気に入りになってた件 作:夜叉烏
そして破壊されるタラン(兄)の胃…。
さて。我が愛艦『ハルシュヴァルト』は「最新鋭装備のテストベッド艦」という立ち位置にあり、更に総統閣下のお許しも得ているため、かなり良い装備が(合法的に)搭載されている。
「目標をロックした!」
「撃ち方始め!」
前甲板2基、後甲板1基の主砲――480ミリ3連装陽電子カノン砲もその一つだ。あの『デウスーラⅡ世』や
主砲口径が330ミリ砲に留まっており、艦体規模に比して細やかであったハイゼラード級であるが、ようやっと超弩級戦艦らしい火力を手に入れられた。
これでヤマトに通ずるか…は、まだ分からない。なんたって300メートル級のボラー連邦戦艦を1~2発で船体崩壊させる威力の魚雷を10発ほど喰らっても原型を留める艦だ。
原作では同砲の発砲描写があったものの、場所が場所だったため威力のほどは不明。まぁ貫徹力、速射性、射程はゼルグート級の490ミリ陽電子ビームを上回るはず。
いずれはデウスーラⅢ世や重武装ユニット装備のランベアが搭載する長砲身480ミリ陽電子ビームを…いや、メダルーサ級の大口径徹甲砲の小型版を載せてもいいかもしれない。
『ハルシュヴァルト』は謂わばガミラスの『ヤマト』枠。それに相応しい火力を与えなければ。
「…敵巡洋艦2、轟沈!」
第一・第二砲塔から放たれた紅く太い火線は原作ヤマトと同様、3本の陽電子の束が螺旋を描きながら突進してきたラスコー級2隻を正面から撃ち抜いた――丁度『星巡る方舟』でショックカノンを受けて艦体が上下に分割されたククルカン級みたいな感じである――。
うん、巡洋艦に撃ち込んでいい火力じゃない。オーバー火力は正義であるが。
「はい、次を狙って。突っ込んできてるよ」
「了解っす!」
内心で舞い上がる砲雷長を制する。残りのラスコー級が輪胴砲塔を撃ちまくりながら突っ込んできているのだ。
距離があるためか、まだ直撃弾はないものの、いつまで被弾を逃れられるかは分からない…いや、装甲のテストをしたいし寧ろ当たってあげた方がいいかな?
――ゴン…ッ!
「…何か当たりましたかね?」
まるでドラム缶をハンマーで軽く叩いたような音に、顔を顰めたギムレーが呟く。彼の言う通り、被弾したのだ。
「左舷中央部に直撃弾。損害なし」
応急長の冷静極まる報告。どうやら、私謹製の新型装甲はいい仕事をしているようだ。
『ハルシュヴァルト』は艦のほぼ全域にゼードラーⅢにも搭載されているエネルギー変換装甲と、その上から施された耐磁性・光波偏向フィールドで防御力の上塗りをしまくっている。
エネルギー変換装甲は、ゲシュ=タム・ドライブのエネルギーを装甲素材へ流し込むことで分子構造を強化することで防御力を上げる…という代物。機関のエネルギーを装甲の強度・靭性に"変換"するので『エネルギー変換装甲』である。
計算だと、クリピテラ級の装甲強度をガイデロール級の装甲厚相当に強化できるとの結果が出ている。ゼルグート級の物理装甲を削減して機動力を確保、エネルギー変換装甲により防御力は据え置き…ということもできるかもしれない。
さらにもう一つ…耐磁性・光波偏向フィールドは、従来のミゴウェザー・コーティングの後継として開発した装備だ。機関のエネルギーを使ったバリア装置であり、艦体に沿うように展開される。
ミゴウェザー・コーティングは地球艦艇の細やかなビーム兵器を弾く程度の効果があるものの、所詮は塗装剤であるため、ダメージ無効化と同時に剥離してしまうのだ。爆発反応装甲と同じ使い捨てであり、剥離後は物理装甲が露出した無防備な状態となってしまう。
――後々シュルツから話を聞いて分かったのだが、地球艦隊は同じ箇所にビームを命中させることでコーティングを削り、そこを後続艦の砲撃で撃ち抜く戦術を多用したという。
同様の効果を半永久的に、あわよくばより強力な性能を持たせられないか…そう思案した結果開発したが…ぶっちゃけゲシュ=タム・ウォールほどのポテンシャルはなく、防げるのもビーム兵器オンリーと劣っている。
それでも、ミゴウェザー・コーティングより高いビーム反射率を実現しているのは間違いない。それに、時間制限がないのも大きなポイントだ。
『ハルシュヴァルト』のゲシュ=タム・ドライブは、既存の機関を大きく突き放す出力を誇るだけに、装甲強化に回せるエネルギーも膨大なのだ。
仮にこの重装甲を突破してこようものなら、応急長率いる修復特化型ガミロイド数十体が応急修理に当たり、艦内を細かく区切る隔壁・自動消火装置によるダメージコントロールシステムが対応するまで。装甲厚に頼らない間接防御も優れている。
総じて、各種防御兵装を組み合わせたこの艦の防御力は私の計算だと…『ゼルグート級の正面より少し劣るだけ』といったところだ。
少なくとも、ショックカノンで一撃爆散とはならない。
――そんな重装甲の前では、ラスコー級の砲撃程度小石を投げられたに等しい。恐らく、2199の1話でガミラス艦が高圧増幅光線砲を弾いたような絵面になったことだろう。
ガトランティスの艦載砲でこの装甲を抜くってなると、メダルーサ級の大口径徹甲砲塔か、カラクルム級の回転大砲塔クラスを持ってきてもらわないと。
しかし、輪胴砲塔は相変わらず速射性が高い。単発火力は280・330ミリ陽電子ビームに匹敵しているし、そして何より対空運用が可能。
鹵獲・解析してそのままガミラス側大型戦艦の両用砲として採用してもよくないか?
と、輪胴砲塔を乱射しながら突撃してくるラスコー級各艦から、太陽を思わせる橙色の光球が放たれた。光子魚雷、数は6発。
ゲルバデス級の艦底を大きく抉る威力を誇る代物だ。できれば当たりたくない。
ついでと言わんばかりに、艦中央部からも各10発のミサイルが放たれ向かってくる。
「敵魚雷6、およびミサイル30接近します!」
「対空防御!艦首魚雷、発射始め!及び高射砲台は砲撃準備!魚雷を優先的に迎撃!」
ガイデロール級から受け継がれた33門もの艦首魚雷発射管。全てのそれから迎撃の魚雷が放たれる。
砲雷長の正確なプログラムにより誘導された魚雷は、真っ先に脅威度が高い光子魚雷を次々撃墜し、ついでとばかりにミサイルも30のうち22発を墜として見せた。
素晴らしい、君がガミラスの南部枠だ。
「高射砲台、射撃開始!」
従来の近接防御火器と引き換えに装備した99ミリ4連装高角パルスカノン砲12基が、真横へのスコールを思わせる紫の曳光を迫るミサイルへ叩き付ける。
ガミラス艦は総じて個艦対空防御が貧弱であるが、これを機に対空火器の増設に力を入れてほしいものである。
というか、これもイスカンダル製波動エンジンとゲシュ=タム・ドライブの性能の違いから来ているのかな。前者を搭載するヤマトはパルスレーザーを山ほど装備できるほど機関出力に余裕がある、と。
「魚雷、1発すり抜けたっす!」
砲雷長の報告の直後、しぶとくも迎撃を掻い潜った量子魚雷の輝きが艦首の影に消えた。
直後、艦橋の窓ガラスから爆炎が差し込み、銅鑼を軽く鳴らしたような音が艦橋に届く。衝撃も来たが、ごく小さなものだった。
『左舷前部、第四デッキ付近に直撃弾。外郭装甲にレベル1の装甲剥離。戦闘、航行に支障なし』
応急長が何でもなさそうな声音で報告を寄越した。
派手な爆発の割には、外装に焦げと擦り傷がついただけだ。エネルギー変換で強化された外郭が、量子魚雷の直撃を余裕で受け止め、艦内に影響を及ぼさなかった。
一撃爆散が殆どなガミラス艦を見慣れている身からすれば、異常とも言える出来事だったろう。
「…どうやら、私の装備は間違いなかったようです」
「ほう…」
ディッツが珍しく感嘆の声を漏していた。艦隊運用の総責任者として、艦船の…ひいてはそれを動かす人員の喪失を極力抑えられる装備に関心したらしい。
この人、顔は怖いけど将兵の生死に敏感な人情家だ。あとついでに重度の親バカ。
安心してくれ、もっといいエンジンが造れたらゲシュ=タム・ウォール標準搭載できるようになるから。
――カンッ!カンッ!カカンッ!
「小五月蠅いですねぇ。まるで蠅です」
「おい貴様落ち着き過ぎだろう!?」
輪胴砲塔の射撃が悉く弾かれる音を聞きながら、ギムレーはいつの間にか近くに親衛隊の従兵を置いて紅茶を飲んでいた。
師匠の言う通り落ち着き過ぎだ。あと相変わらず使い難そうなティーセットだ。下の受け皿(?)失くしたら使えないじゃん。
あとタランのツッコミ適正が高い。流石師匠だ。
『敵空母2、突撃してきます!距離75000!』
「随分大胆だね。空母も突撃するんだ」
「戦意だけは高い奴らだからな」
ディッツが呆れたように教えてくれるけど…何でガミラスのガイペロン級にも小口径とはいえカノン砲載せてるんですかねぇ。
砲撃戦する気満々じゃん。呆れる権利はないよ?
私だったらあのカノン砲の位置にガトランティスから鹵獲した輪胴砲塔を取り付けるけどね。
「まずは巡洋艦からだね。空母の火力は問題にならないよ」
ヤマト世界の空母でもそこそこの個艦打撃力を持つナスカ級だが、流石に本職の巡洋艦には敵わない。そこまで脅威にはならないはずだ。
だったら集団戦のセオリーに則り、強い敵から倒していくまで。
「右舷回頭70度。第三砲塔も射界に収めるよ」
「被弾面積が大きくなりますが…」
「『ハルシュヴァルト』の装甲なら耐えられるさ。手早く仕留めよう」
心配そうな航海長の言葉を両断。敵に正面を向けていたそれまでと違い、艦の左舷側を向ける形に――片仮名のイの字を描く形だ――なり、艦の被弾面積が大きくなるが、防御力は先の通りである。
ラスコー級は残り3隻だ。最低でも全主砲の2斉射で全部倒せるはず。
「てっ!」
砲雷長の号令一下、第一から第三までの480ミリ陽電子カノン砲が各々照準されたラスコー級に向けて火線を吐き出す。
どれか1発は外れるかな…と思いきや、何と各砲塔の射撃はどれも狙い通りの目標を貫いた。
1隻は艦底から上面を真一文字に貫かれて即座に火の玉と化し、2隻目は艦橋を根本の構造毎抉り取り、3隻目は幸運にも機関を貫かれただけで爆沈せずに終わったが、それでも黒煙を噴き出しながら推進力を失って漂流を始めた。
最高だ南b…アレド少佐!因みに砲雷長である彼の本名はアレド・ゼシア。私やズミと同じ17歳、糸目が特徴の美少女だ。
「次!目標敵空母!」
「了解っす。第一、第二砲塔照準」
巡洋艦を全て沈められ、空母という艦種上逃げるが最善手な状況だが、やはりガトランティス人に『撤退』の2文字は無いらしい。
甲板上の輪胴砲塔を乱射しつつ、遮二無二向かってくる。艦載機は全て失われたため、最早自らの武装のみが頼りだ。
「撃ち方始め!」
アレド砲雷長の無慈悲な号令一下、前部甲板の主砲2基が咆哮。
必殺の赤い閃光がナスカ級の艦底から飛行甲板をぶち抜き、被弾箇所から爆炎を噴き上げながら火の玉と化した。
もう1隻のナスカ級は左舷のど真ん中に陽電子の束を突き込まれ、右舷から紅い閃光が飛び出す。数秒後に爆炎が艦体を包み込み、残骸が宙域に飛び散った。
戦艦の射程に入り込んだ空母がどうなるか…それをまざまざと見せつけるような結果となった。
「うーん、殲滅作業みたいになったね。凝った指揮をする必要がなくて助かったけど」
「ふん。まぁ、及第点といったところだが…空母よりも巡洋艦を狙ったのは良い判断だな」
ディッツ、このツンデレめ。
本来なら旗艦と思われる空母を狙うのが定石だろうが…生憎私たちの任務は『試験航海』であって『偶々遭遇したガトランティス艦隊の殲滅』ではない。
最新鋭装備を満載した本艦を無事に還せるかが重要である。
よって、『ハルシュヴァルト』をなるだけ無傷で還すには、火力が最も高いラスコー級を最優先で撃退する必要がある…と判断したわけだ。
一応被弾したため無傷とはいかなかったが、被害は塗装の剥げと掠り傷に留まっている。
「ぶっちゃけ、この艦を量産すればゼルグート級は要らないんじゃあn」
「何を言ってるんだい!?!?」
ギムレーが心無い言葉を漏らしたため、歳の差とか立場を弁えずに思わず大声で怒鳴ってしまった。
いや、『ハルシュヴァルト』の性能を普通に褒めているのは嬉しい。だがそれ以上に、彼の言葉は私の癪に障った。
「…はい?しかしこの艦は攻撃力と速力はゼルグート級以上、防御力だって必要以上にあるじゃないですか?」
「分かってない、分かってないよギムレー長官」
右手人差し指を立てて言ってやった。意味が分からないと言いたげに、普段他者を見下すような顔のイメージが強い彼の表情が歪む。珍しい顔だ。
「確かにゼルグートは遅いし口径の割に主砲威力も低いし、自慢の重装甲は前だけだし、主砲以下の火器をほぼ搭載しないしでパッとしない。当時のガミラスの技術限界を示した艦とも言えるだろうね。それでも…」
あのもみ上げ元帥殿が主導して建造したゼルグート級は、かなり無理をしている巨大戦艦だ。
ご自慢の高火力と重装甲、そして巨大な艦体。これらを追い求めた結果、ゲシュ=タム・ドライブが生み出すエネルギー量ギリギリまで圧迫してしまい、機動力は犠牲となり、ついでに防御兵装と対空兵装も皆無。
主砲は確かにガミラス最大口径ではあるが、やはりエネルギー不足が祟り、490ミリという口径に比して低威力に仕上がってしまっている。防御力は確かに隔絶しているが、ヤマトのショックカノンに耐えられるのは正面だけ――側面や上面もそれなりに硬いが――で、回り込まれて袋叩きにされれば危険な状況になり得る。
強大な火力と防御力を持つ巨体を無理して運用している…と聞けば、嘗て第二次世界大戦で運用されたドイツ陸軍のティーガー戦車を想起させた。
「シンプルに大きくて強い!それはロマンだからね!」
「「「…」」」
まさかのロマン視点。どんな大層な理由が来るのかとある意味身構えていたであろうギムレーは勿論、ディッツでさえ無言・無表情で私を見る。最早怒るどころか呆れることもない。
タランはこめかみを人差し指で抑え、眉間に皺を寄せながら溜息。
まぁ、大きいということは後の設計的余裕が担保されているということだ。ロマンだけでこんなことを言ったわけじゃない。実用性も2割程度は考えてるつもりだ。
ディッツが援護を求めるように艦橋要員を見るが、全員が「すみません、うちの艦長こういう人なんです…」的な顔を一瞬だけ彼の方へ向け、各々目の前のコンソールに集中する。
「…あぁ!そうだ、大事なことを思い出した!」
「今度は何なんだ、一体…」
「お前の弟子は有能だが…随分と変わった奴だな。タラン」
「私はこれを弟子に取った覚えはない!!我儘加減はドメル以上なんだぞ!?一体どれだけ私が各方面に頭を下げたと思っている!?」
同情的なディッツの言葉に絶叫に近い声色で訴える師匠。因みに師匠呼びはタランの同意なしである。
ギムレーでさえ、彼に憐れむような視線を向けていた。
「航海長、トラクタービームの用意を。目標、漂流中の敵巡洋艦」
「了解。曳航準備に入ります」
根本周囲毎艦橋を抉られ、しかし幸運にも爆沈せずに漂うラスコー級に艦尾を向ける。
鹵獲するのだ。ガトランティスを蛮族と侮るガミラス人は多いが、それでも彼らの装備には高性能なものが多い。
解析してフィードバックし、ガミラス側でも取り入れるのだ。
「あぁ、なるほど。追剥ぎですか。どっちが蛮族なのか分かりませんねぇ」
「よし決めた。親衛隊には私の装備あげない」
私の冗談に「そいつ等にはやらんでいい」と同意するディッツ。そして、両者に向けて「そんな殺生な」とわざとらしく反論するギムレーだった。
――相反する組織の長を含んだやり取りだったが、意外と和やかな雰囲気だった。
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「師匠、どうだったかな?『ハルシュヴァルト』の無双劇は」
「いやまぁ、爽快ではあったし無事だったしよかったがなぁ…」
人気のない艦長室にて、私とタランが話し合っている。
ゼルグート級とほぼ同型の艦橋後部へ位置するこの部屋は、艦長の専用部屋ということを差し引いても広すぎる。
また、機密兵器の話し合い等を行うことも考慮しており、防諜対策は万全だ。
「…それでだ、ハルハ。例の兵器について…」
「…正直、イスカンダルの機嫌を気にしながら造る必要はないと思うよ。今のガミラスには、"あれ"がなくても十分な軍事力があるからね」
いつにも増して真面目な表情を浮かべるタランを見つつ、一呼吸置いて私は続ける。
「でも、造れないわけじゃない。唯一の懸念点はゲシュ=タム・ドライブの出力不足だったけれど…それはもう過去の話」
「まったく。つい最近まで、大型の波動コア8個で何とかエネルギーを充填していたというのに、お前が事業に携わった途端にこれだ。第二バレラスに一門だけ備わった虎の子の固定砲が、個艦装備できるようになるとはな」
何とも言えない笑みを浮かべながらタランが言った。
長い間自分の手で解決できなかった問題をあっという間に解決した私への羨望・嫉妬・賞賛…それらが混ぜになったような表情をしている。
何だかんだ、タランも私のことは認めてくれているらしい。
「総統の座乗艦専用装備…とのことだったけど、通常艦艇にも装備できるんだ…五月蠅い人が出ないかな?」
「通常艦艇への装備は総統も了承されている。寧ろ、いざ使わざるを得ない状況に陥る度に『デウスーラ』を引っ張ってくるわけにはいかんだろう…とのことだ」
「持つべきものは、話の分かる上司…ってところかな?」
「おいおい…」
「兵器は使ってこそ」が私の信条だ。デスラーもそれを理解しているようで助かる。
確かに、『総統の座乗艦のみ搭載を許された最強の兵器』と聞けば、何とロマンなことだと思う者も多いだろう。
しかしよく考えなくとも、前線に赴く機会がないに等しい総統座乗艦にのみ搭載し、前線で命を張っている艦艇にそれがないというのもおかしな話だ。
「……総統は『ハルシュヴァルト』に、"あれ"を試験装備させるように仰せられた」
「うん、何でそんなに嫌そうな顔をしているのかな?」
「お前に新しい玩具を与えたら何をするか分からんからだ馬鹿者ッ!!」
失礼な。確かにハイゼラード級やゼードラーⅡを魔改造したし、機密だったり最新鋭の装備を無理やり取り付けたり、新機軸の艦艇やら兵器やらを現在進行形で勝手に――だって一応総統から『好きにやってくれたまえ』って言われたし――開発してるけど、流石に最新兵器をガサツに扱うほど私は馬鹿じゃない。
「もしかして、私がストレス発散がてら乱発したりするとでも?だとしたら凄い失礼だよ師匠?」
「そういう意味ではなくてだなぁ…!」
流石にストレスが溜まっていたとしても、惑星を破壊する威力の砲を乱発するほど私は狂ってない。精々運動がてらサンドバッグを殴るか、銃器の訓練も兼ねた対物射撃をするかだ。
「妙な機能をつけないかだけが心配なのだ…」
「あぁ、そういうことか。大丈夫だよ。あんな前衛的過ぎる超兵器にアレンジを足すなんてとても…まずは問題なく撃てるようにすることを第一に考えてるからね」
「ならいいんだが…待て、「まずは」ということはひと段落したら色々弄るわけではあるまいな!?」
師匠チキり過ぎ。保守的に過ぎると技術は進歩しないんだぞ?
まぁ、既存とは次元の違う兵器だ。慎重になるのも分かるけども。
「――さぁ、忙しくなるな~(棒)」
「お前ッ!!せめて何をしようとしているのかを教えろぉッ!!」
それから30分ほど話し合いは続いたが、30秒毎にタランのツッコミが艦長室に響くこととなったのだった。
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※その後の話し合いの一幕
「しかし、この艦は既存の機関よりも遥かに高出力とて、例の兵器を運用するにはまだ不足してるぞ?」
「いや、こんなこともあろうかと現時点で搭載しているゲシュ=タム・ドライブをさらに三重複列化して1つの機関として運用できるよう設計的余裕を持たせて」
「もういい…」
カノン砲を舷側に装備してる艦をよく見ますが、あれ取り回しは大丈夫なんですかね?あれで正確に射撃できるのかな?射角も思ったより狭そう。
こんな考えの元、『ハルシュヴァルト』の舷側には高仰角のビーム砲が装備されたわけですが。
・改ハイゼラード級戦艦『ハルシュヴァルト』(新造時)
全長:398メートル
全幅:46メートル
主機:複列式ゲシュ=タム・ドライブ×1
副機:ケルビン・インパルスエンジン×4(アンドロメダ級と同じ、X字型に配置されている)
《武装》
・480ミリ3連装陽電子カノン砲×4(艦橋前に背負い式に2基、後甲板の280ミリ連装陽電子ビーム砲があった位置に1基、艦底に1基)
・330ミリ3連装高角陽電子ビーム砲×5(艦中央部両舷に2基、艦尾両舷・艦底の旧280ミリ陽電子ビーム砲の位置に3基。デウスーラⅢ世が装備している高仰角330ミリビーム砲と同じ)
・99ミリ4連装高角パルスカノン砲×12(単装近接防御火器群だった箇所に両舷各4基、第2砲塔後方の4連装近接防御火器直下の舷側に両舷1基ずつ、後部インテーク前に両舷1基ずつ。ガイペロン級が装備する33ミリ陽電子速射砲を大型化させたような外観)
・4連装近接防御火器×6(原作通りの配置)
・艦首空間魚雷発射管×12
・艦底空間魚雷発射管×21
・艦尾空間魚雷発射管×4
《防御装備》
・エネルギー変換装甲(副機のエネルギーを装甲素材に流し込み分子間結合を強化する)
・耐磁性・光波偏向フィールド(ミゴウェザー・コーティングの後継装備。機関のエネルギーを使ったバリアシステム)
《備考》
ハイゼラード級航宙戦艦をハルハ自ら徹底的に改設計し、より戦闘能力に特化させた実験的要素の強い戦闘艦。
上部の主砲を全て480ミリ3連装陽電子カノン砲塔に変更し、後部上甲板にも1基増設、艦底の330ミリ陽電子ビーム砲塔も480ミリ砲に改めた。これはデウスーラⅡ世が装備するものの試作品。
副砲として、高仰角が取れるよう改造された330ミリ3連装陽電子ビーム砲を装備。同口径カノン砲の装備も考えられたが、取り回しに優れることや小艦艇相手なら十分としてビーム砲を採用。
また近接防御火器として新開発の88ミリ・75ミリ陽電子速射砲を採用し、対空防御能力の向上を図っている。
防御性能も強化され、既存ガミラス艦で不足気味だったダメージコントロール能力向上の他、エネルギー変換装甲と対磁性・光波偏向フィールドを装備し、ゼルグート級に次ぐ防御力を獲得した。
また本艦最大の特徴が主機であり、従来よりも小型化・高出力化したゲシュ=タム・ドライブを2基直列に接続(複列化)し1基の機関としている。
よって、既存の機関を凌駕する出力を得るに至り、前述のエネルギー変換装甲等防御兵装や、大口径カノン砲・夥しい数の近接防御火器の装備を可能にした。また、通常空間における俊敏性はガミラス随一とされ、その気になれば宙雷戦隊の旗艦として先陣を切ることも可能。
現在搭載している機関をさらに三重複列化(つまり合計六重複列化)した新型高出力ゲシュ=タム・ドライブの採用を見越した余裕のある設計が担保されており、後の"波動兵器"搭載艦へ生まれ変わるための下準備がなされている。
なお、複列配置したゲシュ=タム・ドライブは既存を遥かに凌ぐ高出力、小型軽量というメリットを持つ一方、冷却問題に悩まされたが、機関本体の改良及びインテークの形状変更によって解決している。
『ヤマト』と同様ゲシュ=タム・ドライブを囲うように配置されたシリンダー式格納庫により、ポルメリア級を上回る36機の艦載機を搭載可能の他、DDG410"ゼードラーⅢ"といった新世代機に完全対応したシステムとなっている。
ハルハ曰く「ガミラスにおける『ヤマト』枠」であり、特一等航宙戦艦以上の攻防走の性能を手に入れている。
アルペジオみたいなメンタルモデルを出演させる?
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あり
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なし