お前のONE PIECEは、預かった!   作:新グロモント

103 / 136
103:伝説のスーパーアラバスタ人

 黒ひげ海賊団同士の殺し合いが始まっていようとも、軍事同盟は手を休めない。それどころか、潰しあった結果、共倒れしてしまえと応援していた。そして、ペルから流されてくる映像電伝虫の映像は、聖地マリージョアにいる五老星達も確認している。

 

 盗聴技術においては、世界政府の技術力は軍事同盟のはるか先をいく。

 

 今回の軍事同盟による四皇討伐が上手くいったら、世界政府としても世間に力を見せつけなければいけないので注目している。世界政府の立場が軍事同盟に乗っ取られては話にならない。よって、その戦果次第では、世界政府と海軍は手を組んで四皇殲滅に乗り出す勢いだ。

 

 事実、水面下で四皇バギーの大戦力を磨り潰すため、新世界の海軍支部から戦力が集められている。その規模は、バスターコール三回分にも相当する。その作戦の指揮には、赤犬サカズキ元帥が手をあげていた。居残り大将である黄猿と藤虎にもお呼びがかかっている。

 

 海賊たちにとって知りたくもない現実。しかし、ソラ達が四皇”黒ひげ”を討伐した事が判明次第、世界は大きく動き出す。大海賊時代の終焉を告げる事になる。

 

 軍事同盟達は、世界政府と海軍のサプライズを知らないまま単独でも四皇を殲滅する為、切磋琢磨している。今現在もハチノスに向けては、砲弾が雨のように降り注ぎ海賊達が死に続けている。

 

 ソラ達は、映像越しに黒ひげ海賊団同士の死闘を観戦している。軍事同盟の主力達は、手負いの獣が手ごわいのを知っている。死を偽装して、軍事同盟の戦艦が居る場所までくるかもしれない。”黒ひげ”の能力で仲間を闇の中に隠して、軍事同盟をおびき出すかもしれないと言った様々な可能性を考慮している。

 

 海賊島ハチノス周辺で戦いを観測している魚人兵士達も脇目も振らず、彼らの動きを監視している。だが、ソラはそれでも不安があった。相手は四皇だ・・・映像電伝虫の映像が偽物かもしれない。魚人兵士達が催眠術にかけられたのかもしれない。イーロンやケイミーが洗脳されたかもしれないといった、かもしれない行動をする。

 

「ビビ、例の空飛ぶキノコ兵・・・どのくらい出せますか?ペルだけでは、観測出来ない所やタイミングが必ずあります。ビビの眼で観測して欲しい」

 

「”グリーン・ディ”での攻撃を休めない前提なら40くらいね。しかし、”黒ひげ”のヤミヤミの実って反則よ。私のカビを消失させるから耐性をつけるとかそんなレベルじゃないんだもの」

 

 この超遠距離で殺人カビを正確に操作して相手を殺そうとしているビビも人の事は言えない。その上、まだ空飛ぶキノコ兵を40体も出せるのだからヤバイと言う次元ではない。だが、その出陣をホタルが止めた。それと同時にソラも察知する。

 

「兄様、ビビ。お客様がこちらに向かっております。・・・この反応は、クザンさんですか。パンクハザードで感じた反応です」

 

「本当ですね。じゃあ、今映像にいるクザンさんの姿をした者は氷分身か何かですか。分身でもあのレベルの能力が使えるのか。いやだね~、イーロンやケイミーの監視の目を逃れ、魚人兵士達からも誰にも目撃される事がないとは、どうやったんですかね。逆に気になります」

 

 観測する目がないとこういう謎の現象が発生する事は、分かっていたソラ達。起こるべくして起こった事だと理解し、納得する。

 

 ビビ、ソラ、ホタル、ワズキャン、元・CP9達、海軍大将緑牛、海軍中将ガープ・・・その全員がストレッチを始めた。ガープは、全員が一斉にストレッチを始めた事で、これだとクザンが死ぬんじゃないかと思った。

 

「お前さん達、ここは儂に任せておけ。儂が一発ぶっ飛ばして、黙らせてきてやる。この海楼石製のメリケンナックルがあれば、能力者なんぞイチコロよ」

 

「おぃおぃ、そりゃねーだろう、ガープのおっさん。それに、ここは大将の俺に譲るべきだろう。前任の大将とは、一度本気でやりあってみたかったんだぜ。どちらがつえーかってな。俺は、負傷して疲れ果てている元・大将が相手でも手加減なんて一切しねーぜ。俺に一任しろ、ソラ」

 

 ソラとしては、実に迷う選択だ。

 

 闇夜に紛れて軍事同盟の船まで接近してきたクザン。それは確かに本物だ。ソラとホタルのレーダーから逃れられる男なんていない。しかし、問題はこれ自体が罠である可能性だ。海軍の戦力である緑牛とガープという特大戦力が離れた場合・・・船の守りが手薄になるのではないか。

 

 そうなった場合、残りの戦力で生き残っている黒ひげ海賊団と戦う事になる。5000人の鍛えた兵士と新調した近代兵器の数々。万全の体制であるソラ達まで残っている。

 

「緑牛さんとガープ中将が不在でも、勝てそうな気がする。慢心とかそんなんじゃなくて。どう思う、ルッチ?戦闘のプロとしての判断が聞きたい」

 

「30億ベリー相当の盛大な花火の爆風に紛れて海に飛び出たんだろう。決死の覚悟を持った行動のはず。それなのに、こちらにはソラとホタルがいる。”チ〇チ〇レーダー”と”ムラムラレーダー”とか馬鹿みたいな能力だが、索敵能力に関しては悪魔の実の中でも最上位だろう。接近する前にバレた相手が哀れで仕方がない。つまり、我々が準備万端で待っている。負ける方がおかしい」

 

 負ける方がおかしい・・・つまり、負けフラグだとソラは理解した。慢心したルッチのいう事程、当てにならない事はない。それをソラは本能で理解していた。それを本人には、言わないが元・CP9達の中でもそれは共通認識だ。危ない橋を渡る時は、必ずルッチの逆張りをすると何故か事がうまく運ぶ。

 

「よし、じゃあ・・・クザンさんと反対側に逃げつつ海賊島ハチノスへの艦砲射撃を継続。接近してくるクザンさんには、延々と海の上にいる我々を追いかけてもらいます。彼は、体力と能力も限界に近いはずです。ビビ、ガトリング砲を持たせた空飛ぶキノコ兵で上空から撃ち殺してください」

 

「分かったわ。海軍のお二人は、座って待っていてください。クザンさんは、私と同じ自然系(ロギア)です。だから、鉛弾で死んだら偽物。生きていれば本物。それに、約束は生きていたら海軍預かりです。この程度で死ぬようなお弟子さんでしょうか?違いますよね?」

 

 理にかなったビビの回答だ。鉛玉で死ねば偽物。生きていれば本物。海に落ちれば、溺死前に魚人兵士が海中で拿捕する。完璧な理論だ。

 

「確かに、鉛弾で死ねばクザンではないか・・・あれ?そうなのか?何か違う気もするぞ。なんか、騙されている気がする」

 

「最高にクールな判別方法だぜ。そのやり方嫌いじゃないぜ。頭天竜人のお嬢ちゃん。いいぜ、ガトリング砲に耐えつつ、この軍艦まで来たら俺が確実にぶっ潰してやる」

 

 ビビの最高に頭がいかれた判別方法に緑牛も納得してしまう。

 

 これが巷で噂されている伝説のスーパーアラバスタ人だ。抱いた王女の数は、数知れず。世界三大美人のしらほし姫を孕ませ、世界三大美人のハンコックをキノコ兵で食い殺し、天竜人の双子を手籠めにした女は伊達じゃない。

 

・・・

・・

 

 クザンは、ティーチの首を取る事は既に諦めていた。勝てないとは言わないが、負けないとも言えない・・・体力的な問題もあったが生き残る事を優先した。一年間の奉仕活動など最初から信じていない。

 

 ソラとホタルと縁があるクザンは、彼等が海賊に対して血も涙もない対応をする事を知っている。当然、旧知の仲であっても例外はないだろうと自信を持って言えた。だからこそ、残りの力の大部分を消費して氷の分身を作って海に出る賭けをした。

 

 氷の分身は、自動で決められた行動をとっており、分けた力がなくなると消える仕組みになっていた。つまり、死の偽装が可能。コッソリと近づき船に密航してやり過ごす考えだったが、軍事同盟の軍艦が急発進した。

 

「嘘だろう、おぃ!! なんで気づかれてんだよ。魚人達にも見つかってねーんだぞ」

 

 上空に群がり始めたキノコ兵を見てクザンの顔が険しくなる。

 

『ソラからの伝言です、クザンさん。私達の手ではなく、海賊の手を取った・・・非常に残念です。ですが、貴方はこれまで海軍大将として沢山の海賊達を殺してきた事は高く評価しています。だから、貴方だけの特別ですよ。鉛弾で死ねばいい海賊、鉛玉で死ななければ悪い海賊としてガープ中将と緑牛大将と戦えます』

 

「ふざけんな!! なんで、ガープさんや緑牛までいるんだ。お前等、どんだけ用意周到でこの戦争を始めてんだ」

 

 今日もビビのキノコから熱い弾が一斉掃射された。




さて、黒ひげ海賊団の生き残りに挨拶にいくかな^-^
生き残っているかな。しんでるかな。
死んでて欲しいま。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。