お前のONE PIECEは、預かった!   作:新グロモント

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129:スベスベの穴

 四皇”千両道化のバギー”率いる大海賊団・・・泣く子も黙る大海賊だが、現在進行形で大惨事が起こっていた。船員の大半が、謎の腹痛で尻の穴から大量のブツを大放出し、油まみれでスベスベになる。

 

 そこに謎の精神汚染が発生し、男達のワンピースがはち切れんばかりに天をさす。そして、手あたり次第に男や女を性的に襲い始めた。不幸中の幸いな事に、バラムツの油により滑りやすくなった海賊達の大事なところに物損はほぼ発生していない。

 

 本来であれば、二度と元通りにならない程の破損が生じる。だが、バギー船長は天に愛された豪運の持ち主。その豪運の力が海賊団の者達にも影響した。スベスベの効果により、スベスベの穴へのダメージが緩和されていた。精神的なダメージは生涯消えないだろうが、生きていればそんな事もある。

 

 覇気が使える船長クラスの猛者たちは、辛うじて精神汚染から自己復帰を果たし、暴れる船員達を半殺しにして回る。どうしても正気に戻れない奴も出てきており、最悪処分される。

 

 この謎の事象にバギーは困り果てていた。軍事同盟からの攻撃にしても、早すぎる。また、精神汚染が可能な悪魔の実など彼等には想像できなかった。

 

「アルビダ。まさかとは思うが、スベスベの実の能力であんな風になったんじゃないよな?」

 

「バギー。口は禍の元だぞ。確かにやろうと思えば、腸内をスベスベにして同じような事はできるさ。だが、私の能力では良くて数名程度さ。この大海賊団全体に影響を及ぼすような能力は使えないよ」

 

 海賊にいる魚人達にとっては、バラムツの油など全く効果がない。その為、迷宮入りになる。謎の精神汚染についても同様だ。突然、男達が暴徒となり、穴にワンピースを突っ込む汚い大事件が起こった。

 

 海賊歴の長いバギーですら、その汚い光景に吐き気がしたほどだ。今もなお、その地獄は続いている。

 

 この事でバギー達のエルバフ到着は、数日は遅れる。船の掃除や船員の治療、船の修理など、数万人規模の同士討ちが発生したのだから当然だ。幸いな事は、死者が少ない事。だが、死者が少ないという事は治療に余計な手間がとられるという事でもあり、いい事ばかりではない。

 

 バギーの中では、今回の犯人候補は二人だ。軍事同盟と四皇”赤髪のシャンクス”。軍事同盟が犯人ならば、四皇同士の同盟を防ぐ為。四皇”赤髪のシャンクス”ならば、軍事同盟とバギーを直接ぶつける為。

 

 どちらの可能性も捨てきれない。だが、軍事同盟の本体はまだ遠い。四皇”赤髪のシャンクス”ならば、同盟の誘いの特使と一緒に近場まできて隠れていた線もある。四皇の海賊団には、色々な能力者がいる。精神汚染が可能な能力者がいる事も十分考えられる。

 

 そもそも、殺しに特化した軍事同盟は、こんな汚い手は使わないとバギー含む海賊達は思っていた。

 

「シャンクスの野郎か。俺たちがエルバフに到着するのを妨害するつもりだな。道中で、軍事同盟と俺たちを潰し合わせる算段か」

 

「四皇ってのは、文字通り随分と汚い手を使うんだな。冗談じゃないよ。強制的に一緒に戦わせる算段だったのに、先手を打たれているぞ」

 

 バギーはやられたらやり返す男だ。実力では勝てないならば、別の方向でシャンクスを苦しめる。それがバギーにはできてしまう。

 

「俺様をコケにしたつけは払ってもらうぞシャンクス!! すぐに、裏社会の連中にこの船の大惨状を伝えろ。犯人は、四皇”赤髪のシャンクス”だとな。この際、真相は定かじゃねーが・・・あの野郎が世界政府や軍事同盟と裏で繋がっているファッション海賊だって事も世界中にバラしてやれ。実際、色々と怪しすぎるからな。その裏付けと一緒にやれ」

 

「いいのかい?そんな事をすれば完全に赤髪とは仲違いだよ」

 

 同盟を断られた時点で既に、決裂している。だったら、海賊としての名誉も全て地に落としてやろうというのがバギーの考えだ。四皇までのし上がった存在が実は政府の犬でしたとか、笑えない冗談だ。

 

 ”赤髪のシャンクス”の今までの航海を考えれば、辻褄が合ってしまう。懸賞金の付与や四皇の選抜だって世界政府や海軍が勝手にやっている事だ。海賊と世界政府が結託すれば出来ない事は無い。

 

「そうだ!! ここまできたら、これも追加してやれ。シャンクスの野郎は、実は天竜人だってな。軍事同盟のトップも天竜人なんだから、あり得ない話じゃねーだろう。ここまで来たら、盛れるだけ設定を持ってやるぜ」

 

「おぃおぃ、勘弁してくれよ。笑えない冗談だろう。世界のすべての組織のトップが天竜人になっちまうじゃねーか」

 

 アルビダが呆れてしまう。

 

 だが、天竜人ならば色々と辻褄が合うのが怖い。

 

「ぎゃははははは!! 面白い設定だろう。ついでに、実は血の繋がらない娘がいて亡国のお姫様って設定も加えてやるぜ。後は、シャンクスが実は双子だったとか。世界政府の協力の下で、悪魔の実を最上大業物グリフォンに食わせているとか。実は、二周目の人生を楽しんでいて”麦わらのルフィ”に麦わら帽を預けたのも計画の為とか。思いつく限り色々追加してやる」

 

「まぁ、好きにしな。私は、悪臭がひどいから無事な奴らに掃除をさせてくるよ。こんなんじゃ眠れやしない」

 

 バギーが何かに憑りつかれたかのように裏社会のスポンサー達にある事、ない事を吹き込んだ。だが、そのどれもが信憑性が高く、仮説として成り立ってしまう恐ろしさがあった。四皇”千両道化のバギー”の情報収集能力の高さに、スポンサーたちも愕然としてしまう。

 

 そして、翌朝の世界経済新聞は大きく荒れる事になる。

 

 もちろん、四皇”千両道化のバギー”の深夜の大宴会(意味深)についてもそうだが、四皇”赤髪のシャンクス”についてとんでもない情報が世界にバラまかれていった。

 

 

◆◇◆◇

 

 バギーの元に全速力で向かう軍事同盟の軍艦。そこに届けられた世界経済新聞。内容は実に濃く汚かった。海賊も多様性の時代とは言え、男同士の裸の大乱闘。汚いものを撒き散らしながら友情を確かめ合う大海賊。

 

 その記事を見て、これ以上バギーの元に集まろうという海賊は誰もいないだろう。

 

 だが、次の問題は・・・バギー自身が情報提供者となり世界経済新聞に持ち込んだ。特ダネだ。

 

「すごいな。バギーの情報収集能力を正直見誤っていた。まさか、歌姫の情報、天竜人の情報、世界政府や海軍との関係まで筒抜けだったとは恐れ入った。やはり、早めに殺しておかねばならない」

 

「兄様。ワズキャンの頑張りもあり、到着が一日早まりそうです。やはり、メラメラの実による火力ブーストはなかなかのものです」

 

 軍艦は風力だけでなく、火力も動力源になっている。ワズキャンのメラメラの実の能力を活用し、軍艦をフルパワーで運用した結果、バギーの元への到着が一日早くなった。

 

「流石ですね。では、明朝には開戦が出来そうですが・・・今夜、更に数を減らしておきましょう。ビビ、ペルに乗って深夜に強襲です。近くに有人島もありませんからグラグラの実の最大出力で地盤ごとひっくり返してください。ですが、一撃離脱は絶対です。万が一にも撃墜される方が危険ですからね」

 

「本当にソラが味方でよかったわ。任せておいて。それに、海水で少しは掃除しておかないと汚そうだし・・・本気の本気でやるわよ」

 

 明日の開戦に備え、準備を整える軍事同盟。そして、特別ゲストで参加する事になった”鷹の目”も刀の手入れを怠らない。




今日はここまで。
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