大航海時代。大海原を航海するにあたり、必要不可欠なものがある。それは、船とそれを動かす人材だ。前者については、海賊達から強奪できるから事足りる。他にも、伝手を使って造船所に依頼する事で新造船も用意できる。だが、後者は簡単にはいかない。海軍や海賊達も必要とする人材であり、枯渇気味だ。
これらの人材を獲得する方法は、一般公募、スカウト、強奪に限られる。海賊狩りという良識ある人物であるソラとホタルの船には、一般公募で集まった恋人や子供を海賊に殺され、海賊を命に代えても根絶やしにしたい連中が乗り込んでいる。その中でも特に重宝しているのが魚人族だ。
海上において、彼らほど頼りになる人材はそうそういない。むしろ、人類の上位互換だといえる存在だ。地上でも海中でも生きられる存在。彼らなら正直一人でもワンピースに辿り着けるんじゃないかと思うほどだ。
そんなこともあり、当然二人の船では魚人差別など存在しない。むしろ頼りがいある兄貴分だ。それこそ、ソラとホタルも彼に船長をやってもらえないかと思っている程だ。
「イーロン。なんで、魚人族は海の覇者になってないんだ。おかしいだろう。海賊なんて、魚人族が海中から忍び寄って船底に穴でも開けたら楽勝だろう。事実、能力者がいてもこの方法で負けなしだ。負ける道理がない」
イーロン。人間の海賊に売られそうになっていた魚人族だ。大事な商品として、牢屋の中に閉じ込められていたおかげで、ソラとホタルの最悪コンボでも奇跡的に無傷で生き残った幸運の持ち主。
そのおかげで、イーロンは自分より年下のたかが人間の下で従順に働いている。恩義を返す為との事で魚人島までの付き合いの予定だ。ソラとしては、絶対に逃がさない気でいる。
「確かに、魚人族は人間より強い。鍛えていない人間が何人来ても返り討ちにできる自信がある。だが、世の中には強い奴はいる。新世界を目指しているお前達なら知っているだろう。四皇と恐れられている海賊達を。儂もその一人の白髭を遠目で見た事がある。あれは、無理だ。人間の枠組みに入れてよいかもわからない化け物だ」
「そうだな。同じ人類かも怪しい連中がいるのは同意する。で、本当にアーロンってのはイーロンの兄弟とかじゃないんだな?私達の抹殺リストに入っているから、再度の確認だ」
ソラは、同じ船に乗っている同胞の兄弟であれば、多少の温情をかけるレベルには人情がある。尊厳を破壊せずに、戦士として殺してあげるなど配慮は完璧。殺す事には変わらないが、殺し方を変える事はできる。
「おらん。それに、お前達と行動を共にしている時点で海賊に組している同胞がいれば殺す覚悟はできている。それがたとえ親兄弟であってもだ」
「兄様。それ以上は、イーロンさんの覚悟を貶してしまいます」
義理人情を重んじる魚人族。だからこそ、この船の皆からも慕われる。そんな彼に対して疑問に思うのは失礼だという事だ。それはそれとして、ソラはどうしても腑に落ちない事があった。
魚人族なのに、焼き魚とか刺身って食べてもいいのか。こいつら、共食いしているんじゃないかということだ。これについては、イーロンからお前らだって牛や豚といった哺乳類を食べるだろう。同じ事だと言われる。
………
……
…
それから数日経過して、彼らは
この時代、航海すれば海賊に出会う確率はかなり高い。しかも、商船を装っているので海賊がホイホイ寄ってくる。罠とも知らずに。海賊狩りをしている双子や魚人がいるとは知らずに乗り込んでくるバカは、当然痛い目を見る。
30人程の海賊団だったが、全員が虫の息状態だ。だが、まだ死んでいない。殺されていない。
「た、助けてくれ。集めた宝ならやる。もう海賊も引退する。だからお願いだ」
「”人食いのドワンゴ”。賞金額300万ベリーですか。
賞金首になる程の外道が、命乞いなど海軍が許しても海賊狩りは許さない。それに、この船の船員は、今すぐにでもこいつらを殺したくてウズウズしている。だが、教育が行き届いている船員は、まだ殺さない。
「兄様、子供達は医者に見せております。いつも通りに」
ソラの周囲から男達が離れる。悪魔の実の効果範囲に絶対に男として入りたくないからだ。悪魔の実の能力を鍛えるにあたり、どうするかを彼は考えた。その結果、誰かの技をオマージュすれば最短で強くなれる事に気が付いた。
「(ラブホ)ROOM」
その一言でソラを中心に謎の空間が広がる。
これから何が起こるかわからない海賊達は、怯えた。悪魔の実は、
「私は優しいから、お前達にチャンスをやる。二週間。それだけの時間でお前の賞金額の10倍の海賊の首を持ってこい。いいか、首換算だ」
「む、無理に決まっている。俺が300万なんだぞ。合計3000万なんて二週間で不可能だ」
「無理なら無理で構わない。その時は、お前等は死ぬまで激痛を味わう事になる。お前等全員のワンピースが人質だ!!・・・チ〇ブルズ」
ソラの一言で半透明な箱に閉じ込められた男達のワンピースが床に積み上げられる。そのおぞましい光景に海賊達ですらナニが起こったのか理解できない。一つだけ理解できる事は、股のところがスースーするという事だ。
「相変わらず恐ろしい能力だな。マジもんの悪魔だって、もっとマシだと思うぞ」
兄貴分のイーロンが正論を言う。
こうして、海賊達はワンピースを人質に取られて同じ海賊達の首を集めにむかう。ゴミ掃除をゴミにさせる人海戦術だ。二週間経過しても帰ってこない場合は、彼らの被害者である子供達の手でワンピースに致死毒を注射される。帰ってきても、当然殺すが海賊達は一縷の望みにかけるしかなかった。
「悪魔の実を食べているんだから悪魔と呼ばれても納得するさ。で、この屑共は今すぐ死にたいのか。それなら、それでも構わない。次にであった海賊を海賊狩りにするだけだからな」
◆◇◆◇
それから二週間が経過し、ソラとホタルは数組の海賊を生きたまま野に放った。全員が必死に海賊達を狩る。他の海賊を潰せるだけの実力があると海軍に伝わると、賞金額が跳ね上がる。そのおかげで、”人食いのドワンゴ”の賞金額は、この二週間で300万ベリーから600万ベリーにまで跳ね上がっている。
つまり・・・。
「あ、集めてきたぞ。合計で3200万ベリーだ!」
船員の半分と片目、指も数本ない。海賊を続けるのも困難だと言える。彼の被害者である子供達のワンピースを使ったサッカーの痛みにも耐えながらよく頑張った。突然襲われる痛みが原因で、野に放った海賊の何名かは死んだというのに運がいい男だ。
「悪い冗談だな。”人食いのドワンゴ”の賞金額は、600万ベリーだ。後2800万ベリーも不足している。約束が違うじゃないか」
「ふざけるなーーー!! 俺らは、命がけで約束を守ったんだぞ」
この二週間、彼らはこれまでの人生で考えられないほど頑張った。ケガの痛みを我慢して、海賊達を襲って勝利し続けた。大きな代償を払いつつ、解放されるという望みにかけて。
「いいや、賞金額の10倍という約束だ。お前の首と集めてきた賞金は、有効活用させてもらう。お前から助けた子供達への賠償金と治療代。そして、我々の運営費だ」
海賊達が拳を振り上げるより早く、子供達がナイフで箱を貫いた。今までの恨みを込めた滅多刺しだ。オペオペの実と違い心臓を取り出しているわけではないので、滅多刺しでもなかなか死なない。死ねない。苦痛はいつまでも続く。
こうして
ワンピースの武器といえば、やはり刀がいいよね。
日本人らしく業物とか大業物とかロマンがあります。
独自設定なので、これね。
業物ナイチンゲール(ソラの武器)
大業物アマノムラムラ雲(ホタルの武器)