お前のONE PIECEは、預かった!   作:新グロモント

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20:真実の愛

 世界経済新聞社の新聞王が、アラバスタの大惨事を見逃すはずもない。当然、彼らの独自の情報網や伝手を使って、この事件の真相に迫ろうと新聞社の者達が挙ってアラバスタを訪れた。

 

 王国と反乱軍との固執、バロックワークスなる秘密犯罪組織、クロコダイルとネフェルタリ・ビビ王女との関係など調べれば調べるほど面白い情報が集まり、薄い新聞が厚くなる程だった。

 

 当然、その取材に善意で協力を申し出たソラ。一介のアラバスタの商人として、事の全てを新聞社が好むような内容で伝える。既に尾びれ背びれが付いている状態の情報をどこまで新聞社が色付けするのか楽しみで仕方がなかった。

 

「クロコダイル様は、ネフェルタリ・ビビ王女に一目ぼれしていたんです。ですが、王下七武海と言っても身分は海賊です。アラバスタ王家の王女と結婚するには、難しいと言えます。ですが、これが可能になるのが民意です」

 

「ナルホド!! 王の責務で彼等は結婚し跡継ぎを残す義務があります。ビビ王女は未婚でしたよね。面白い話ですね、もっと聞かせてください」

 

 ソラは、取材に来た新聞社の者に情報提供する。

 

 この時、ビビが居たら殴ってでもソラを止めただろう。しかし、彼女は国を出る前の最後の荷造りをしている。ホタルも同性として、彼女のそばで手伝いをしている。商船に運び込んだ荷物の整理も必要だ。

 

「勿論です。実は、ここだけの話・・・バロックワークスという組織は、クロコダイル様が創設された組織なんです。彼は、理想の国家を作るという大きな目的を掲げ仲間を集めました。しかし、ビビ王女と理想国家を作るなど、豪快な男です。この組織が大きくなり、王家も無視できない規模になれば、王家もクロコダイル様とビビ王女との結婚を認めるかもしれないと」

 

「面白い話ですが、無理があるでしょう。これでは、クロコダイル氏の一人相撲です。やはり、愛がある話じゃないと。ビビ王女がクロコダイル氏に対して、何もアクションがないとインパクトがない」

 

 それがあるんだよな~と思いつつ。ソラは、楽しそうに新聞社に情報を売りまくる。まだまだ、話せるネタはあるぞと。

 

「落ち着いてくださいよ。それが、しっかりとあるんです。海賊がトップの組織ですよ、当然集まってくるのは名の知れた海賊が大半です。ですが、彼はそこを逆手に取りました。集めた海賊を使って、近海の海賊を狩らせて組織の運営資金にしてやろうと。実際に、サボテン島ではバロックワークスが海賊達を待ち受けて、海賊狩りが行われていました。その結果、サンディ島周辺から海賊が激減しました。クロコダイル様がアラバスタを拠点にされた頃から海賊が減った話を思い出してください。時期がぴったりなんですよ」

 

「おぉぉぉ!! その通りですね。なるほど、海賊を使って海賊狩りをしているなんて、正義の味方です。で、ここにビビ王女はどのように絡むのですか?民衆受けがよいラブストーリーを頼みますよ」

 

 ソラは自信をもって任せてくださいと言う。新聞社の者達が各方面で色々な情報を集めているだろう。だから、ソラがいう話だけを鵜呑みにはしない。もっと、劇的な話になる。

 

「ビビ王女は、あぁ見えてアグレッシブなお方なんです。王家に内緒でバロックワークスに入社し、クロコダイル様の下で働いていたんです。当然、アラバスタ国内で謎の組織があるなら気になるじゃありませんか。行動力の塊ですよ」

 

「えっ!? ビビ様は王女ですよね!? 何故部下ではなく、彼女自身が潜入調査しているんですか!!??」

 

 ビビ王女自ら秘密組織に潜入捜査など、新聞社の者でも理解が出来なかった。どこぞの世界の対魔忍みたいに潜入してもなぜか生き残れるような異能生存体でもなければ身が危ない。

 

「そこは私も知らないです。新聞社の方々での取材結果を繋ぎ合わせれば真実が見えてくるんじゃありませんか?ですが、ビビ王女は美しい女性です。変装はしていたようですが、溢れ出す『王の資質』がありました。クロコダイル様も困ったでしょうね・・・。ですから、彼女に一定の地位を与えて、危険度の低い仕事を割り当てるなど配慮をしていました」

 

「あの顔に似合わずクロコダイル氏は、女性に優しいですね。話が見えてきました。つまりビビ王女は組織潜入してその目的を知り、二人の仲が急接近したのですね。分かりますよ、年頃の女性として、男性にここまで求められるのは悪い気はしないでしょう。良い記事になりそうです」

 

 明日の朝刊が、今から楽しみで仕方がないソラ。だが、その反面、新聞社の恐ろしさも感じていた。それは、この新聞社の情報の信憑性だ。世界で一社しかない新聞社・・・敵に回した時の脅威度は、海軍を凌ぐ。

 

「そうでしょうね。ですが、クロコダイル様もビビ王女が自分の事を調べている事を察して、それとなく情報を漏らしていた。あの顔に似合わず乙女な部分があるみたいですね。自分の功績や目的を告げずに相手に察して貰おうなんて」

 

「あの顔でそれは気持ち悪いですね。いや、失礼しました。未来の国王様でしたね。まぁ、王家との結婚ともなれば歳の差結婚など珍しくもない」

 

 親子程、年齢が離れているクロコダイルとビビ。コブラ国王は、自分と同じような年齢の男性からお義父さんと呼ばれる事になるのかと思うと、泣けてくる。歳の差も絵面も色々と犯罪的だ。

 

「そして、この時期に現れたのが懸賞金3,000万ベリーの”麦わらのルフィ”です。彼等とビビ王女が接触してから、行方がつかめずクロコダイル様も焦ったでしょう。想い人を心配したクロコダイル様は、ついに表舞台に立つ事を決めました。バロックワークスを使い人知れず国家に貢献した陰の功労者、そして反乱軍を単騎で止めた英雄として彼は王宮へと招待されました。恐らく、王宮側もビビ王女を探す手伝いでもして欲しかったのでしょうね」

 

「一人娘のビビ王女が行方不明とか笑えない話ですよね。相手は海賊であり一刻の猶予もないと。アラバスタで王家と双璧をなすほどに信頼が厚いクロコダイル氏・・・この両者が手を取り合えば無敵です」

 

 裏事情を知っている者達からすれば、最悪の未来だ。だが、大海賊時代ゆえに国を支配している海賊も多い。

 

「この両者が手を取り合う事でアラバスタの未来は明るくなったでしょう。私も途中の詳細は知らないのですが、偶然アルバーナにいて見てしまったんです。クロコダイル様が”麦わらのルフィ”によって、倒される瞬間を!! 倒れて身動きすら取れないクロコダイル様の首を狙う者がいたのですが、ビビ王女は単身でそれを止めました。まさに、これこそ、愛、愛ですよ。身分の差、年齢の差を超えた物語みたいじゃありませんか」

 

「アラバスタで海賊と王家の真実の愛の物語・・・これは、いけるぞ!! いける!! 直ちに新聞社に連絡して原稿を作らないと。この度は取材に応じてくれてありがとうございます。えーーっと、お名前はなんでしたっけ?後でお礼をさせていただきたいのですが」

 

 通りすがりの商人で通そうかと思ったが、難しい雰囲気だと察する。ここで名乗らずに帰れば、今まで話した内容に信憑性が薄れてしまう。じゃあ、ここは信憑性を持たせるため実在する人間がベストだ。

 

「コーザ」

 

 反乱軍の元リーダーの名前を拝借するソラ。立場的に、反乱軍リーダーなら色々と知っていても不思議じゃない。新聞社もコーザという名前を調べるだろう。

 

・・・

・・

 

 海賊狩りの王女・・・愛する人の保釈金を稼ぐため、自ら偉大なる航路(グランドライン)に足を踏み入れる。という、ビッグニュースが世界経済新聞社からバラまかれた。『王の資質』を持つビビは、既にバロックワークスという犯罪秘密結社にいた賞金首達全員をその手で始末しており、現在のトータル獲得賞金額は2億2,970万ベリーとも記載されている。

 

Mr.1(懸賞金7,500万ベリー)

ミス・ダブルフィンガー(懸賞金3,500万ベリー)

Mr.2(懸賞金3,200万ベリー)

Mr.3(懸賞金2,400万ベリー)

ミス・ゴールデンウィーク(懸賞金2,900万ベリー)

Mr.4(懸賞金320万)

ミス・メリークリスマス(1,400万ベリー)

Mr.5(懸賞金1,000万ベリー)

ミス・バレンタイン(懸賞金750万ベリー)

 

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