お前のONE PIECEは、預かった!   作:新グロモント

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大監獄インペルダウン編
42:大監獄インペルダウン


 インペルダウンに入る事が出来るのは、海軍か囚人が基本だ。例え、アラバスタ王国の王族であっても、許可なく入る事は出来ない。世界政府経由で許可を取る事は可能だが、それだとクロコダイルが死亡した際に疑われてしまう。

 

 彼には、インペルダウンで拷問の末に衰弱死か病死して貰わないと困るビビだった。そこで彼女が考えた作戦は、単純だが今まで誰もやらなかったこと。インペルダウンの海底部分に当たるのがターゲットがいるLEVEL(レベル)6(シックス)・・・世界的にも凶悪な犯罪者達が収監されている。つまり、上部からの潜入は諦めて海底からいきなり潜り込む気でいた。

 

「大胆な作戦ですね、ビビ。しかし、これは有りです。インペルダウンは、海底にしっかりと根を張るような形の建造物です。イーロンとケイミー・・・二人の力があれば、数日でトンネルが掘れるでしょう」

 

「そうでしょ、ソラ。それに、海王類を”インスタンス・ドミネーション”で操って隠ぺいもさせます。海中だと人目も気にしないでいいです。それに、コーティングも終わっていますので、海中に船も隠せますから完璧です」

 

 シャボンディ諸島で手に入れたシャボン技術もあるので、それを使う事で海底で一定時間なら耐えられる。採掘が終われば、底から一気に最下層に入るという方法だ。地下からの潜入なんて金庫破りの常套手段だ。それをインペルダウンでやろうなど誰が思うだろうか。

 

「単純だが、いい作戦だな。儂とケイミーで穴を掘るのはいい。だが、掘った先が何処につながるかは運次第になるぞ」

 

「イーロン叔父さんと違って私は、そこまで力がないと思うんだけど」

 

「ケイミー、貴方なら出来るわ。人魚族なんだし、近くの魚類達に掘りだした土でも運んでもらいなさい。上手にできたら、ご褒美をあげるわ」

 

「任せてください、ホタルお姉様!! さぁ、イーロン叔父さん早く掘りに行きましょう。ホタルお姉様からご褒美をもらうのは私です」

 

 ちょろい、ちょろすぎるとその様子を見ていた誰もが思った。

 

「地上につなげる先なら問題ない。クロコダイルの男根の反応は覚えている。私のチ〇チ〇レーダーなら奴の位置を正確に把握できるから、真下につなげてやれ。最悪そこから浸水して奴が死んでも脱獄計画に失敗したとかなんとでもなる」

 

「兄様の言う通りです。LEVEL(レベル)6(シックス)の区画が水没しても死ぬのは海賊だけだ。警備の海兵たちは、すぐに逃げ出します。そして、水没しないようにlevel6区画を破棄するでしょう」

 

 囚人を脱獄させるのではなく、囚人を殺すためにインペルダウンに潜入を図る王女一行。どう考えても犯罪者一歩手前だった。ただし、海賊に人権が無いため、罪に問われても不法侵入までだ。

 

「長い旅・・・いいえ、思い起こせば数か月でした。これで、アラバスタで暗躍し、国家転覆までしようとした大犯罪者クロコダイルを殺せます。思い起こせば、ソラ達に出会ったのはその時でしたよね」

 

 何年も付き合っているように錯覚してしまうが、ビビがソラ達の仲間になってまだ数か月だ。一年すら経っていないのに、この激動には彼女も驚くばかりだ。数か月前の自分に会えたならば、今の自分を見て驚愕するだろう。バロックワークスを一人で壊滅させられるまでに鍛え上げられた凄まじいパワーと能力に。

 

「えぇ、そうでしたね。あの頃のビビは、清楚系の王女様でしたね。こうも変わってしまうなんて、誰が思ったでしょうか。コブラ国王に会わす顔がありません」

 

「ソラ、私は今でも清楚なお姫様です。大事なところですから間違わないでください」

 

 特別訓練を思い出したソラがそれに異議を唱えようとしたが、やめておいた。ここは、素直に「あ、はい」と言うだけの返事に留める。

 

 そして始まるインペルダウンのゴミ掃除編。

 

・・・

・・

 

 当初簡単だと思われた採掘作業だが、色々な障害にぶち当たる。ブルゴリというインペルダウンLEVEL1~2を守っている謎生物が、食料調達に巨大な海獣を仕留めに来る。その際は作業を止めて上手に隠れる必要があった。

 

 しかも日に何度も来るから厄介だ。海賊達が飢え死にしないように、仕留めた海獣は加工されて美味しく頂かれているのだろう。

 

 イーロンとケイミーは彼等が帰ると同時に再び採掘を再開する。

 

「よし、行ったか。続けるぞ」

 

「はい、イーロン叔父さん」

 

 ケイミーの指示によって、魚たちが砂や石を掘り運び出していく。人魚族は、魚と会話ができる異能があり、これは魚人族にはない能力だ。言葉が通じる者を食い物にしたくない、それでは海賊の悪行と同じになる。そのため、ソラ達の食事から魚類が出る回数が減った。

 

 掘り続けると巨大な岩にぶち当たる。イーロンの覇気を纏わせた攻撃なら破壊できるだろうが、インペルダウン側にもその衝撃が伝わってしまう。下手をしたら、感づかれるかもしれない。本当なら地下からの潜入ではなくLEVEL6の監獄の場所に横穴を開けるのが一番早いのだが、それだと水圧によってインペルダウンそのものが崩壊する可能性がある。

 

 善良な海兵たちを見殺しにする前提でよければこれが最適解だが、それを望んではいない。ここで働く海軍所属の看守たちは、しっかりと仕事をしており、ソラとしても彼等は死ぬべき人じゃないと思っている。

 

「ケイミー、一度帰るぞ。この大岩を力で破壊しては、面倒になりそうだ」

 

「はーい」

 

 商船に戻ったイーロンは、大き目のシャボンに身を包んだホタルを海底に連れ出した。ホタルが刀に覇気を流して変色した黒刀で岩をサイコロ状に切断する。それからも破壊できないような岩が出てきたらホタルが切り崩したり、ビビのカビで腐らせたりと海底採掘作業は5日にも及んだ。

 

 ルフィ達が各地に飛ばされて、意識が目覚める頃、ソラ達は大監獄インペルダウンに潜入する初めての一般人になろうとしていた。監獄とは入るのは簡単だが出るのは難しいと言われている。

 

 だが、囚人の命の安全を考えないならば、出るのも入るのも意外と簡単だ。

 

 

◆◇◆◇

 

 ソラ達が必死で海底採掘をしている頃。

 

 インペルダウンのLEVEL(レベル)6(シックス)にあるクロコダイルの監獄には、いつも通りの贈り物と新聞が届けられていた。ご立派なマツタケ・・・なぜか、このマツタケが届く数日前にクロコダイルは、恐ろしい程の激痛を経験する。

 

 クロコダイルは、マツタケを食いかじりながら新聞を広げた。どんな奴からの贈り物であったとしても、大事な食糧である事は変わらない。だが、食べながら新聞を読むのは良くなかった。想定外の記事を見たクロコダイルは、食べていたマツタケを吐き出した。

 

「ごっほごほ、くそ。全く、シャバは面白れぇ事になってやがる。くっくっく、天竜人の13番目の妻だとよ。はっはっは、これは笑いが止まらねーー!! 最高じゃねーか!! ざまぁ、ねーな!!」

 

 気分よく笑うクロコダイル。笑いすぎて涙すら出てきた。だが、その声を聴いた者達は、彼に対して憐みの感情をいだく。このLEVEL6の監獄で唯一外のニュースを手に入れ居られるクロコダイルという存在は、彼等にとって大事な存在でもあった。

 

 記事に記載されていたチャルロス聖は、クロコダイルでも知っている。女癖が悪い天竜人でその度に海軍が出向いていた。

 

一回目:カイドウ傘下の女海賊(うるティ)に手を出そうとした。その結果、カイドウの雷鳴八卦で殴られたが全治三か月

二回目:ビックマムの(シャーロット・ミュークル)に手を出そうとした。その結果、ビックマムの雷霆を受けたが全治二か月

三回目:白ひげ海賊団の傘下の女船長(ホワイティベイ)に手を出そうとした。その結果、白ひげのグラグラの実の能力で殴られ全治一か月半

四回目:世界の歌姫(ウタ)に手を出そうと計画した。その結果、どこからか飛んできた神避が直撃したが全治一か月

五回目:ドレスローザ王女に手を出そうとした。その結果、計画のとん挫を恐れたドフラミンゴが覇気まで使ってばれない様に殴ったが全治一週間

六回目:ハンコックに手を出そうとした。その結果、メロメロにならなかったので石にできず、記憶がなくなるまで蹴られたが全治三日

七回目:ビビに手を出そうとした。その結果、ゾロに切られ、ルフィに反射された銃弾を浴びるも全治二日

 

「おぃおぃ、クロコダイルの野郎壊れやがったぞ。そりゃ、あれだけ美人な王女様が表の世界でお前の保釈金を稼いでいるって話だしな。いきなり現れた天竜人に妻にされるなんて・・・」

 

「でもよ、その天竜人を”麦わらの一味”がぶっ飛ばしたって話じゃねーか。そいつらは、クロコダイルがここに投獄される原因を作った連中だろう。どういう関係なんだか、さっぱりわからねー」

 

「それよりみんな。俺ぁクロコダイルが哀れだからよ、今日の飯を一品くらい譲ってやるぜ。いつも楽しませてもらっているから、今日くらいは優しくしてやろう。王下七武海のクロコダイルが泣いてやがる・・・よっぽど、愛していたんだろうな」

 

 周りの囚人からクロコダイルへの憐みが止まらない。こんな時だけは、囚人たちの団結力は高かった。

 

「お前等、俺は今機嫌がいい。下らない横やりをいれてくるんじゃねェ!! いつも言っているだろう。俺は、あの女が大嫌いだと」

 

 だが、贈り物のマツタケはしっかり食べている。口では何とでも言えるが体は正直と言う奴だと、囚人たちは生暖かい目で彼を見ていた。

 

「分かった。分かった。一人にして欲しいんだろう・・・しばらく、俺らは耳を塞いでやるから好きなだけ泣いてろよ。俺だって、故郷の女に別の男が出来た時は泣いたさ。海賊だって人の心くらいあるさ。そうだよな、みんな」

 

「あぁ、そうだとも!! しばらく何が起こっても聞かなかったことにしてやる。だから、次のマツタケは俺らにくれよな」

 

 ブチブチとクロコダイルの毛細血管が切れる。ここの囚人たちは、いつもクロコダイルをネタでいじってくる。万が一、クロコダイルが脱獄できたなら彼らは間違いなく殺されるだろう。

 

 その時、クロコダイルの監獄の床からガタガタと異音がした。 




今さらなんですが、ワンピースって長編すぎます!!
全然追い付かないぞ。どうなってやがる。
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