お前のONE PIECEは、預かった!   作:新グロモント

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45:決意

 来た道を戻り、人知れず撤退をしたソラ達。帰り際には、”火拳のエース”の最後の言葉を録音したテープを回収する。クロコダイルの居た牢獄もしっかりと鍵を閉めなおし、開けた穴もできるだけ目立たないように塞ぐ。来た道を再度埋める事も忘れない徹底した作業をした。

 

 これで、事実上密室の事件となる。

 

 晴れ晴れとした気分でソラ達は、海底から浮上して外の新鮮な空気を吸う。今の気分は、悪魔の実の能力者だが海に飛び込んで泳ぎだしたいほどだった。この大惨事の調査は、長い時間が必要になるだろう。

 

 世界政府としては、この情報をどこまで隠ぺいするかがソラ達にとっては興味があった。”火拳のエース”公開処刑は、目前だ。インペルダウンでの大事件を表沙汰にはしたくないのが心情だろう。

 

 だが、海軍は大規模な組織だ。それこそ、世界経済新聞社と繋がっている連中もいる。そういった連中は、金銭を見返りに情報を売る。今回の囚人変死事件も世界経済新聞社にとっては、全世界にバラまきたいことだろう。

 

「今後どうあれ、”火拳のエース”があそこで死を望まなかった。ここから先、世界が動きます。ビビ、世界は再び荒れます。アラバスタの平和と魚人島の平和は貴方の手にかかっています」

 

「本当に男って夢とかロマンが好きなバカが多すぎです。ソラみたいな現実主義者がもっと増え・・・なくていいですね。それは、世界が終わりそうです」

 

 ソラの事をディスるビビ。夢やロマンを求めて犯罪をするような海賊より、現実を知っているソラみたいな連中が増えた方が世界は平和になるだろう。つまらない世界になる事も容易に想像できるが。

 

「儂は、知り合いの伝手で国王への面会に渡りをつける。まぁ、ビビがアラバスタの王女だから、実現できるだろう。電伝虫での会談じゃなく、直接出向くでいいんだよな?」

 

「それで問題ありません、イーロンさん。それに、一度しらほし姫に会ってみたいですからね。同じ王女として、仲良くしたいから・・・・・・あれ?ソラならいつもここで皮肉の一つでも言うと思ったんですが。例えば、あっちは清楚な姫なのに、こっちは血で汚れた王女だとか」

 

 ソラは、そんな当たり前の事実をいってもつまらないと思っている。しらほし姫は、庇護欲を抱いてしまうようなお姫様だ。ネフェルタリ・ビビ王女は、戦う王女様だ。それを同じ土俵で語るなど相手に失礼という物。

 

「どんぐりの背比べですよ。どっちも同じじゃありませんか」

 

「ソラ!! それは、私が清楚な王女様って事ですよね。ようやく認めましたか」

 

「いいえ。アラバスタの人型決戦兵器ネフェルタリ・ビビ王女と古代兵器ポセイドンであるしらほし姫を比較しても大差ないという意味です。よかったですね、ビビ。貴方と同じく戦えるお姫様です」

 

「兄様。しらほし姫が古代兵器というのは本当なのですか?」

 

 ソラが首を縦に振る。

 

 噂の古代兵器がすぐそばにある。イーロンもまさか自国の王女様が古代兵器だったとは知らなかった。信じたくはないが、ソラが言う事だし本当だろうと思っていた。

 

 言いたいことは言ったので、ソラは一休みしようと思い自室へと逃げようとする。だが、ビビはそれを許さない。そんな爆弾情報を暴露しておいて「昼寝に行きます」など神が許してもビビは許さない。

 

 ソラの肩を掴み「少しお話ししましょう」と言い、そのままビビの部屋へと連行していった。

 

 

◆◇◆◇

 

 ソラ達は、最後の遺言を約束通り届ける為、一度シャボンディ諸島に戻ってきていた。そこで補給を済ませてから魚人島に行く予定だ。あと数日で頂上決戦が行われる海軍本部があるマリンフォードなんて興味もない。

 

 現在、あの決戦の地では住民達の避難が行われている。そして、作戦決行の為に世界各地の海軍から使える海兵達を集めている。そのおかげでシャボンディ諸島から海兵がごっそり減った。本当に最低限の人数だけが駐在している。

 

 お陰で治安が悪くなった時があったが『海賊狩りの王女』が戻ってきた途端、威張り散らかしていた海賊達が脱兎のごとく逃げて行った。僅かな望みを懸けて魚人島ルートへと進んでいく様子は、まるで何かに追われるかのような感じだった。

 

 実際に、この後は彼等の後ろを追いかけるような形で魚人島に向かう。食料と手土産を用意したら、すぐにでも出立する。このタイミングで魚人島に行けば、運次第で白ひげ海賊団と会う事もできるだろう。そこで約束の遺言を渡せばいい。

 

 エースの遺言は事前に検閲しており、下手な事は残していないのは確認済みだ。ただし、遺言を取れる状況で見殺しにしたのは事実であり、渡し方には注意がいる。

 

 そんなとき、世界経済新聞社が最新情報を落としていった。そこには、インペルダウンにて発生した疫病で凶悪犯罪者達が多数死亡したと書かれている。原因は、専門家チームで調査を進めるが、収監されている”火拳のエース”と”海侠のジンベエ”の無事が伝えられていた。

 

 ”火拳のエース”の護送予定日を繰り上げて行われる事が決定したと大きく書かれていた。当然の結果だろう。むしろ、なんで彼が生きていたのかが世界政府としても謎だったに違いない。

 

 トップニュースの次に書かれていたことは、アラバスタの英雄クロコダイルの死亡ニュースだ。ネフェルタリ・ビビ王女の許嫁のクロコダイル氏が死亡。これは、チャルロス聖の13番夫人となった後に発生した事から関連性が疑われている。彼一人を殺害する為に、インペルダウンに毒をバラまいた疑惑がチャルロス聖にあるとか、ないとか。

 

「世の中、面白くなってるな~」

 

「兄様、それは今日の新聞ですか。また、ビビの事が載っているんですね」

 

 ここまでネタが尽きない王女も珍しい。

 

 有名税だから仕方がない。今ビビは、港で取材陣に囲まれていた。許嫁であったクロコダイル氏の死亡についてどう思いますかという奴だ。それを殺した張本人に聞くとか、取材陣はすごいセンスをしている。だが、ビビは全く動じず涙を流して取材に答えていた。実際、笑いを堪えていた。

 

 だが、ビビを巡った戦いは終わりが見えない底なし沼みたいになっている。

 

 一番有望視されていたクロコダイルが死んだ。これにより、チャルロス聖が一歩リードと思われていた。だが、チャルロス聖はインペルダウンでの大量虐殺の嫌疑が掛けられていると知り、即座にビビを捨てる。これで無実の証明には、なる。

 

 しかし、天竜人の元妻にして、バツイチで、許嫁に先立たれた悲劇のNTR王女というどこまでも不名誉が重なる称号を付けられる。今までクロコダイルの保釈金を稼ぐため、10億も貯めたがその行方はなんて色々言われる。

 

 メディアも頂上決戦なんて不安なニュースより、少しでも市民の食卓をにぎわすネタとして彼女を大いに活用していた。

 

「ホタル、ここにも面白いニュースがあるよ。アラバスタの軍事同盟構想・・・ウォーターセブンの造船技術を得て現実的な物に。また、同盟参加の為、周辺諸国の若い王女がアラバスタに身売りされるとか」

 

「本当ですね、兄様。それにしても、なぜ王女がアラバスタに身売りされているんですか。えーっと、アラバスタの王女は、夜な夜な女船員を部屋に呼びつけて酒池肉林をしている。王女の指導により、彼女の側近たちは億超えの海賊達とも戦えるようになったとか」

 

 ビビが外からどういう風に見られているか新聞を見る事ではっきりとわかる。

 

 確かに、これはアラバスタ王家所有の船という扱いになっている。ネフェルタリ・ビビ王女が船長をしているのだから信憑性は高い。更に、王女名義でいつも賞金首を換金していた。ソラとホタルも完全に付き人ポジションで楽しんでいたから、こうなった。

 

「可哀そうだから、今日の特別訓練は中止にしてあげましょう」

 

「そうですね、兄様。さて、そろそろ補給も終わりましたし魚人島へ行きましょう。イーロンのご家族への手土産も持ちました」

 

 ビビは、ソラ達から世界経済新聞を受け取り決意を固める。海賊達を皆殺しにしたら、次はアラバスタが新聞社を設立すると。こんなでたらめなニュースばかり流すクソみたいな新聞社潰してやると。

 

・・・

・・

 

 頂上決戦が始まろうとする中、ソラ達は魚人島を目指して出発する。二つしかない新世界入りするルートの一つ…魚人島ルート。普通に考えれば、新世界にいる白ひげ海賊団が前半の海に戻ってくる場合には、このルートになるだろう。

 

 聖地マリージョアルートで来るとか、斬新な事はないと信じている、ソラ。魚人島ルートの場合、必ずそこで補給しているはずだ。どこにでもいる普通の商人として、彼等に近づこうとしていた。

 




ルフィは、ハンコックの協力を得てインペルダウンへ来る。
そして、異能生存体バギーと一緒になんとかやれるはずだ。
ジンベエも残っているし、行ける行ける!!

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