お前のONE PIECEは、預かった!   作:新グロモント

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存在しない3D2Y編が始まります。


3D2Y編
54:ロブ・ルッチ


 一つの時代が終わりを迎える。四皇の最強の一角として名高い白ひげ海賊団は、海軍との頂上決戦にて敗北する。その結果は、すぐに全世界に広がった。

 

 海賊達の脅威に嘆く市民からは、歓喜の雄叫びがあがった。

 

 ワンピースを目指す海賊達は、白ひげのひとつなぎの大秘宝(ワンピース)実在宣言に歓喜し、活動を活性化する。

 

 白ひげの縄張りで海賊達から略奪を逃れていた者達は、ただただ絶望する事となる。

 

 世界政府非加盟国の者達からすれば、白ひげ海賊団の後釜となり守ってくれる海賊団を探すのに手一杯となる。何十年と白ひげの看板に守られていた国は、この機に世界政府に入ろうとすら考えた。そうでなければ、国民を守れない。

 

 だが、国というのはすぐには動けない。国家の動きより早く海賊達が白ひげの縄張りを奪い取る為、いち早く行動する。その海賊団は億超えは当たり前であり、国の兵士では手も足もでない。一縷の望みに賭けて白ひげ海賊団の残党に連絡をするが、音信不通。

 

 この機会を逃さず四皇”ビッグ・マム”は、白ひげの縄張りを次々と傘下に収めていった。彼女は傘下の多くの海賊団に加え、彼女の子供が80人以上もおり、沢山の子供が海賊団維持のために要職について働いている。

 

 その圧倒的な海賊団の力で、白ひげの縄張りを占拠していった。断れば国ごと消される可能性もある為、どの国も渋々条件を飲んでいった。世界政府も非加盟国がどうなろうと知った事ではないので、見て見ぬふりをしている。

 

 だが、世界政府加盟国である魚人島をビッグ・マム海賊団が目指しているのに、見て見ぬふりまでするのは非常に問題があった。その行動は、世界政府に加盟していても海軍が守ってくれない可能性を示唆している。

 

 その世界政府並びに海軍の行動には、リュウグウ王国の王家も嫌気がさしていた。だが、これも予想されていたシナリオの一つに過ぎない。この偉大なる航路(グランドライン)の前半と後半の海を繋げるたった二つしかないルート・・・その一つである魚人島を、世界政府加盟国を見捨てるなら、それなりの態度を示す。

 

 白ひげが死んで一か月。ビッグ・マム海賊団の脅威は、魚人島のすぐそこまで迫ってきていた。

 

・・・

・・

 

 アラバスタの軍事同盟における最前線となる魚人島。その一角には、アラバスタ王家の軍艦だけでなく、同盟の各国から様々な支援物資や精鋭達が続々と集結する。今後、魚人達には自国の海の防衛にも参加してもらう為、ここで各国も気合をいれた。

 

 ビッグ・マム海賊団を追い払う事が出来れば、軍事同盟の名声は大きくなる。必然的に、抑止力として国防にもつながる。集められた兵士の数は3万に届く。

 

「ビビ、見てください。ビッグ・マム海賊団を迎え撃つ覚悟を持った戦士が3万人もいます。ですが、有象無象の3万人なんて、強者一人の一発にも劣る・・・今のビビにはそれが理解できるはずです」

 

「そうですよね。たぶん、”腐界降臨”で3分もあれば全滅できそうです。これから彼等を鍛えるという事ですか?」

 

 精鋭3万人も同時に鍛える事は出来ない。この中から篩に掛けたごく一部だけを鍛える。100人程度残して、他は彼らの支援体制を作るのが一番効率が良い。

 

「兄様。元・CP9の方々が来ました。これからの作戦を話し合いましょうか」

 

「今回の対ビッグ・マム作戦は、ソラが考えたと聞いた。儂は今から不安で仕方がない」

 

「僕も不安だけど、効率が良いと思うから構わないよ。出来る事はやるだけだから」

 

 ソラ達は、元・CP9のメンバーと一緒に会議室へと移動した。

 

 その間、ロブ・ルッチ達はソラ達の事をよく観察する。これが今、世間を騒がしている軍事同盟のキーマン達かと。だが、今からそのキーマンに組み込まれるのが彼等だった。

 

・・・

・・

 

 重症だったのが嘘のように完治したルッチ。彼にはビビが全力で回復カビを寄生させており、おかげで予定より早く回復したのだ。そしてルッチは状況を仲間から聞き、約束していた雇用契約の見直しはせず、正式にアラバスタに雇われたのだった。

 

 ”闇の正義”を掲げるルッチにとって、ソラ達と目指すべき地点は同じだ。それに世界政府と違い、組織間のしがらみやクソ上司はいない。アラバスタ王家のコブラ国王とビビ王女が彼らの上司に相当する。

 

 ソラが会議を仕切る。

 

「ビッグ・マム本人が来るわけではない。つまり今回の作戦は、大した苦労はありません。では、作戦の大筋を説明します。陸上戦は行いません。第一波として、新世界側でアラバスタから提供された新型爆弾で海賊船を潰します。海に落ちた海賊達は、魚人の精鋭部隊による徹底した遠距離攻撃で殺害。奴らがコーティングで潜水したら、海中で待機している魚人部隊による殲滅戦が始まります」

 

「魚人の儂から言わせてもらえば、まず負けない。そもそも、魚人相手に海上や海中で戦おうとする方が間違いじゃ」

 

 イーロンも賛同する。今回使用されるアラバスタからの支援物資は、サボテン島でイガラムが乗った船を吹き飛ばしたやつだ。大量生産に成功したので、活用する。

 

「世の中は不思議な事に、砲弾がなぜか謎のパワーで外れたりするので、面で吹き飛ばす爆弾を使う事にした。点の攻撃はダメだ。ビッグ・マム海賊団ともなれば、それなりの能力者が乗船しているだろう。だが、海に落ちれば魚人の子供にも負ける。海に落ちるまで絶対に近づくなと厳命している。プロのルッチさんの意見を聞かせてもらっても?」

 

「その通りだな。砲弾が当たらないからと船に乗り込んで任務を行ったこともある。俺はその方法で別に構わん。だが、相手はビッグ・マム海賊団だ。船にはビッグ・マムの子供が居るかもしれないぞ。いいのか?殺せば、全面戦争だぞ」

 

 ”闇の正義”を掲げるルッチは、ソラ達を試そうとした。ここでなんと答えるか見物だと。四皇に喧嘩を売る覚悟があるのか。

 

「海賊なんてゴミは、皆殺しに決まっているでしょ?海賊でなければ、殺さずもありだ。親が海賊だからと言って、罪もない子供を殺す気はない。だが、ビッグ・マムの子供で一般人になった者はいましたっけ?80人以上も子供がいる大所帯だと高額賞金首くらいしか覚えてなくて」

 

「さぁ、俺も知らん。だが、海賊船に乗っていれば海賊だろう」

 

 海賊なんて皆殺しでいい。今まで生け捕りにして上司に引き渡してたルッチだが、こういうのでいいんだよと本気で思っていた。

 

「でも、私は思うんですよ。世界政府に天上金を払っているのに、海軍が何もしないのはダメでしょう。だから海難事故にあったビッグ・マム海賊団の賞金首が、偶然にも海軍本部に流れ着くなんて事もあると思う。モルガンズが偶然その場に居合わせて『”火拳のエース”事件の再来』とか、ありえるでしょ」

 

「くっくっく、そうか。海難事故なら仕方がないな。この海域には沈没船も数多い。よくある事だ」

 

 苦笑するルッチを見たCP9達は驚いていた。これ程までに表に感情を出す男ではなかったが、想像以上にソラの答えは、彼のツボに嵌った。海の上では、目撃者など少ない。海難事故で魚人島まで来れないことだって多々ある。

 

「そういう事です。軍事同盟ですから、当然軍事演習も行います。ビッグ・マムの使者の海賊団なんて魚人島には来ていません。何かの間違いで海難事故にでもあったんでしょう。こちらは、魚人達のおかげで海賊船の接近はすぐに判明します。だから、間違いなく海難事故です」

 

「そうだな、海難事故だ。船大工として一流だった事もある。海難事故だった壊れ方も熟知している。役に立てるだろう」

 

 無表情のルッチだが、どこか楽しそうな雰囲気だ。任務で培った技術がここで活きるとは誰も思わなかった。

 

「期待しています。ですが、戦力としても貴方達には期待していますので、元・CP9の方々には次のステージの力を手に入れてもらいます。悪魔の実の覚醒と覇気・・・それがなくては、この先戦えません」

 

「覇気か・・・海軍本部中将以上は皆使えると聞く。俺も触りは知っている。お前達は、そうなのか?」

 

 ルッチは、ソラ達を見て驚いた顔をしていた。覇気使いというだけで、海軍本部では間違いなく出世コースだ。それこそ未来の中将が約束されたような物だ。その上、悪魔の実の能力が覚醒済みともなれば、若くして中将・・・能力次第では大将だって夢じゃない。

 

「えぇ、こちらだけ知っているのはフェアではありません。これから一緒に戦う仲間なので、我々の事も知っておいてください。まず、私の――」

 

「待って!! ソラとホタルさんの悪魔の実は、インパクトが強いからダメよ。私の後にしてね。絶対に話がややこしい事になるから」

 

 ビビは、ソラを静止した。この真面目な会議で、チ〇チ〇とか、ムラムラとか、発言されては雰囲気が台無しだ。だが、自然系(ロギア)カビカビの実の覚醒者で、覇気まで数か月で覚えたビビ。そのことを伝えると、CP9達から化け物を見るような目で見られた。

 

「「ビビは、私達が育てました」」

 

 ソラとホタルが息を合わせて自慢する。たった数か月で、一国の王女を化け物に仕上げたその手腕。彼らの指導があれば、さらに高みに登れるとルッチ達も久しぶりに血が騒ぎ始めた。

 

 ただの努力と鍛錬で積み上げるのは限界がある。この世界の化け物たちにも匹敵する力を手に入れるチャンスがそこにある。ソラとホタルという双子の子供がそのカギだ。当然、もう二度と失わないため、彼等はその手を取る。

 

 ソラ達の正式な仲間に加わったCP9達は、ビビとは違いまっとうな方法で修行が行われる。彼等は肉体面では既に完成されており、裏技など必要がない。きっかけがあれば強くなれる下地がある。

 

「いいのか、我々にその力を教えて。裏切って麦わらを殺すかもしれないぞ」

 

「仲間は強い方がいいです。後、少し誤解があるようですから、お伝えしておきます。ビビは”麦わらの一味”の仲間ですが、ビビ以外はそうではありません。私が”麦わらの一味”を生かしているのは、優先すべきゴミが他に居るからです。ですから、貴方達が”麦わらの一味”を殺そうとしても別に止めもしません。これからよろしくお願いしますね、ルッチ」

 

 ”闇の正義”を掲げるルッチを仲間と呼ぶ子供。自分の半分ほどしか生きていない子供にそう呼ばれるのは癪だが、獣としての本能がこいつらは強いと訴えていた。手を伸ばしてきたソラと握手をするルッチ。

 

 元・CP9改めアラバスタ王家直属の特務部隊として彼等は輝かしい戦火を残す。

 




途中で、ルフィ一味の状況もやろうと思っています。
エネル顔でビビの状況に驚く彼女の仲間達・・・まずは、アラバスタ王家の新生児誕生ネタでしょうな。
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