お前のONE PIECEは、預かった!   作:新グロモント

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61:頂上戦争おかわり(2)

 これから始まる頂上戦争おかわりに、ソラは興奮を隠せなかった。四皇の一角である”ビッグ・マム”。そして、彼女が率いる海賊達が滅べば一時の混乱はあるだろう。しかし、総合的に考えれば平和な時代が近づく事は間違いない。

 

 白ひげ海賊団崩壊時にも発生した縄張り問題だ。この頂上戦争おかわりを知った一部の海賊達は、ビッグ・マムの縄張りを奪いたい為、既に近場で待機していた。原作と同じく王下七武海から四皇に成り上がった”黒ひげ”だが、この世界での彼はインペルダウンで勧誘できなかったので仲間が少ない。それでも筆頭候補に挙がりそうだが、多くの縄張りを持ったとしても看板の威厳を守れない。海賊として一定以上のプライドがある黒ひげは、ビッグ・マムの縄張りを見送った。

 

 また、四皇”黒ひげ”が今回の頂上戦争おかわりにも手を出してくる事はない。もし彼が出てくれば、神の騎士団や五老星が投入される可能性もある。カイドウへの牽制は、毎度のことながら”赤髪”が受け持っており、海軍は安心してビッグ・マムに集中できる。

 

 ココが正念場だ。今、四皇がもう一人落ちれば間違いなく、世界の流れは海軍になる。つまり、海賊根絶に一歩進む。その過程で海兵の血が大量に流れる事になるが、未来のため礎となり必ず役に立つ。

 

 船の先端に立つソラ。その横にはホタルもいた。これから行うのは、ビッグ・マム海賊団への挑戦だ。商船の乗組員達は、誰一人降りることなくソラ達に付いていく事を宣言した。海賊を一人でも多く殺す事に何の躊躇も躊躇いもない逞しい仲間にソラ達も心を打たれる。

 

 海底に身を隠しているソラ達の商船の真上をビッグ・マム海賊団が通過していった。その数は、7万にも達しようとしている。主力は少ないだろうが、数が数だ。

 

「兄様、ペルより報告がありました。ビッグ・マム海賊団も警戒しているようで、密集せずに一定の距離を保っているそうです。その為、巻き込めても20%程度になるだろうと」

 

「上出来です。ガープ中将には、こちらが先手を取ると伝えています。最前線が海軍本部で戦闘になると同時に始めるよう伝えてください。数を減らしたら、私とソラの最大の攻撃に加え、ガープ中将が拳骨衝突(ギャラクシーインパクト)を使います」

 

 CP9達も気合を入れていた。ガープ中将にしこたま殴られ鍛えられた事で彼等のレベルもぐんぐん上昇している。CP9達のノルマは、一人一海賊団だ。所詮はビッグ・マム海賊団と比べたら格落ちする傘下の海賊団でしかないのだから、その程度落としてもらわないと困る。

 

 特にルッチの成長が目覚ましい。彼は、悪魔の実を覚醒させていた。

 

「ソラ、別に俺たちだけで標的(ターゲット)を皆殺しにしてもいいんだろう?」

 

「ルッチ・・・頼もしいが、何故だか慢心してやられそうな声なんだよね。覚醒したからと言って、油断したら死ぬよ。だが、まぁ、確かに海軍の働きぶりには少し懸念がある。前回の頂上戦争同様にチャンバラでは困る。だから、後方のゴミを早急に掃除して、ビッグ・マムの子供達から順次殺していく。ホタルは、初手だけ参加して後方待機。最悪の場合は、アラバスタまで逃げていい」

 

 ホタルさえいれば、アラバスタ王家は滅びない。コブラ国王も既に事情を理解し、早急に国の法律の改革を始めていた。ビビが産んだ子供ではなく、ビビの子供に王位継承権があるという事にしている。

 

「兄様、ビビ。二人が死んだら私も追いかけますから」

 

「これで死ねなくなりましたよ、ソラ。大丈夫です、私もソラも死にません。だって、子供の顔を見る前には死ねません。子供に綺麗な世界を残す為にも、必ずビッグ・マム海賊団を一人残らず殺して見せます」

 

 ビビの眼には、確固たる意志がある。「女は弱し、されど母は強し」という諺がある。まさにその通りだった。だが、ビビの場合はパパとママのどちらに分類されるのだろうか? これからの新時代では、そういった面での新時代対策も必要になる。

 

「それじゃあ、盛大な花火をプレゼントしましょうか。ホタル、ペルに指令を」

 

 ホタルは、電伝虫を使う。その通話の先には、遥か上空で直径5kmを吹き飛ばす強力な爆弾を携えたペルだった。アラバスタ王家が対海賊の秘密兵器として、バロックワークスから押収した資料を基に秘密裏に製造した新兵器。その威力は、アラバスタの砂漠地帯で実験済みだった。

 

『ペル、予定地点に爆弾を投下しなさい』

 

『イエス・ユア・マジェスティ』

 

 ペルがホタルの命令に応えた。掴んでいた時限爆弾を海面にいるビッグ・マム海賊団に投下する。

 

 誰も空の上から爆弾がいきなり投下されるなど考えていない。海軍からの砲撃こそ警戒するが、上からの攻撃というのは知らなければ対処できない。強大な殺意をもった生物なら感知できる可能性もある。だが、無機物だ・・・これは、ソラ達でも察知できない。視認する以外に対処する方法がない。

 

 

◇◆◇◆

 

 海軍本部の特設処刑台では、シャーロット・スナックがギロチン台に首を嵌められていた。海軍は、前回の失敗を教訓にしており、ギロチンの刃を支えるロープをシャーロット・スナック本人が咥える仕組みにしている。

 

 つまり、彼が力尽きると同時に自動的に首が落ちる。海楼石の手錠が嵌められており、ギロチンの刃が首に落ちれば確実に死ぬ。だから、シャーロット・スナックは力が出ない中でも必死にロープを咥えて家族の助けを待っている。

 

 定刻になると自動でギロチンの刃が落ちるとも知らずに…。

 

 それを見せられたビッグ・マム海賊団は、本気も本気だ。ビッグ・マム本人に加え、彼女の優秀な子供たちが最前線に集められていた。正面からぶつかれば海軍など恐れる程でもないという表れだ。

 

 ビッグ・マム海賊団本体が海軍本部を襲い、後から第二波として傘下の海賊達が上陸する作戦だ。下手に戦力を消耗するより、ある程度海軍側に乗り込める算段を付けてから大戦力を投入する構え。

 

 だが、海軍側は赤犬、青キジ、黄猿に加えセンゴクまで引っ張りだしてきた。そして、サカズキは、「お前ら、死にたくなければ本気で戦え!! ここが正念場じゃけェ…!!」だ。これが、絶対正義を掲げた新たな元帥のありがたい言葉だ。

 

 目の前のバカみたいな戦力は白ひげ海賊団を超える勢いもあり、以前のように生ぬるい戦いでは死ぬ可能性がある。だからこそ、王下七武海達も必死になる。手を抜けば本当に死ぬ。部下まで参戦を強いられたこの戦争・・・自分だけでなく部下の為に王下七武海も本気だ。

 

「助けに来たぜ、スナック!! うちの息子を随分と可愛がってくれたようじゃねーか!! 落とし前付けさせてもらうぞ!!」

 

「落とし前だぁ?海賊の分際で何を言いよる。処刑される覚悟もないなら、海賊なんぞやるな!!」

 

 ビッグ・マムに対して赤犬が言い返す。

 

 二人の覇気がぶつかり合う最中、ビッグ・マム海賊団の後方で大爆発が観測された。その爆風は、海軍本部にまで届く。サカズキだけは、後方に配置していたアラバスタの軍事同盟が何かをやらかしたと理解した。

 

・・・

・・

 

 第二波として進行していたビッグ・マム海賊団の傘下の海賊達。謎の大爆発に巻き込まれてしまい彼等の命は風前の灯となる。爆心地にいた海賊船は跡形もなく消滅し、少し離れていた位置にいた船がかろうじて助かった。

 

 さすがに新世界の海賊だけはあって、すぐに生き残りを集めて体制を立て直す海賊達だったが、近づく二隻の船を確認する。

 

「おぃ、あの船・・・ガープ中将の船だあぁぁぁぁ!! 嘘だろう!? 何で後方に英雄を配置してんだよ!?」

 

「もう一隻は『海賊狩りの王女』の船だ!! 全員、直ぐに戦闘態勢に入れ!!」

 

  生き残った船が密集形態となったおかげで、カモでしかなかった。ガープ中将が全身から覇気を漲らせて飛んだ。右腕に収束する覇気は、星空を連想させるほどに輝く。

 

「はっはっは、海賊ども!! 平和に生きる人々の痛みを知れぇぇぇぇぇーーー!! 拳骨衝突(ギャラクシーインパクト)!!」

 

 ガープ中将の右腕から放たれたレーザービームが海上にあった数隻の海賊船を纏めて蒸発させる。乗組員たちは海の藻屑となり、これが人類の到達点の力だとソラ達は賞賛した。だが、ソラ達も軍事同盟として仕事をしないわけにもいかない。海中で生き残ったゴミ達をイーロンとケイミーが駆逐していく。血の匂いにつられて肉食魚達が集まってきており、人魚のケイミーが彼らにお願いして次々に海賊が狩られていく。

 

 命が勿体ないと言われないように、命のリサイクルにも配慮する。これが新時代の生き方なのかもしれない。

 

「これでも後方にいた海賊団の4割程度ですか・・・あと6割を早々に殺しつくして、海軍の支援に行きましょう。海賊はいくらでも減っていいですが、海兵は損失です。私も秘蔵のワンピースを使います」

 

 ”チ〇霊箱”の能力でダメージを押し付ける為、ソラはワンピース保管庫から”麦わらの一味”全員分、”キャプテン”キッド、”殺戮武人”キラー、”死の外科医”ローのワンピースを持ち出している。彼らのワンピースが死なない限り、ソラが死ぬ事はない。

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