65:たしぎ大佐
アラバスタのコブラ国王は、未だに孫に会えず涙していた。いい加減、孫の顔を見せに来て欲しいといつも思っている。だが、軍事同盟の戦力の要であるビビ達は忙しい。億超えの海賊への対処で呼ばれる事は多々あった。
そんな危険な航海に赤子を連れていくのかと誰もが思うが、ビビ達のそば程に安全な場所は少ない。アラバスタ王家に預けたとしてもクロコダイルの一件がある為、安全とは決して言えない。リュウグウ王国の王宮みたいに地理的に特殊な場所なら話は別だろうが、そこには既にしらほし姫とビビの子供が・・・。
王家の責務とは、一般人が考えるより重い。ビビも責務を果たした身として、同盟関係を強化する為、しっかりと夜の仕事も遂行してヤり遂げていた。”D”の因子が各地に撒かれた事は、世界政府でも知る由もない。
ソラ達は、新世界の出口まで”麦わらの一味”を片時も目を離さず送り届けてから別れを告げた。後は、何処へでも行けと三つの
それに、新世界には海賊というゴミ達が沢山いる。そいつらの首も沢山集めて貰わないといけない。次に会う時は、是非とも賞金首を沢山持ってきてほしいとソラは思っていた。
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ソラは、何度も
この海域の噂は、ソラ達でも知っている。政府の実験施設であり、とある問題により廃棄された。そして、赤犬と青キジが争った結果、気候まで変わってしまった。
商船が一時的に離れた場所で停泊を続けた。
「さて、これからどうすべきか。あの島は、ちょっとな~。子供が居る身で近寄りたくないな」
「兄様。あの島には何があるのですか?海賊は、居そうにありませんが」
「シーザー・クラウンという、元・政府の科学者が居るはず。ほら、商船の倉庫にあるガス兵器にC.Cって書いてあるよね。あれの開発者。人格面に問題がなく、賞金首でなければ、海賊根絶の為に誘いたいほどの逸材です。この周辺は、毒ガスの心配があるから子供達をブルーノのクリーンルームに入れて安全を確保しましょう」
「そうですね、兄様。しかし、シーザー・クラウンは、用済みだと思います。彼のガス兵器は、海賊を殺すのに効率的でしたが、ビビの”グリーン・ディ”の方が戦略兵器です」
ソラは、近くにいたビビを見る。両手に子供を抱きかかえ幸せそうな顔をしていた。あの彼女はガス兵器より恐ろしい殺人カビの戦略兵器持ちだ。並の国家なら、数日で死の国にできる。
「それもそうか。それに、SOS信号を無視してはいけない。この船の立場的にも、軍事同盟的にも」
「ソラ、方針は決まりましたか?」
ソラは、パンクハザードからのSOS信号に応える旨を伝えた。本来、ドレスローザに向かう予定だったが、SOS信号を無視する事は国際的な非難を浴びる可能性がある。それこそ、アラバスタ王家の船だ。軍事同盟の要でもあり戦力不足という言い訳は効かない。
上陸地点を探してパンクハザードの周囲を回るソラ達。そこで偶然、海軍の船と出くわしてしまった。船には、G-5と掛かれており、新世界にある海軍第5支部。
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G-5支部と言えば、海軍のはみ出し者達が多くいると噂の支部だ。ただし、実力だけは他の支部より高く、数千万の海賊であれば彼ら単体でも撃退できるほどだ。ただし、海軍とは名ばかりで、海軍の服を着た海賊みたいな連中だという方がしっくりとくる。
彼等は、新世界の海を守ってやっているという自負から強気だ。
商船を見つければ、おこぼれを貰おうと船舶検査を強行する。一つでも不正な物があると、それを押収するだけでなく罰金という名の賄賂を要求する。この程度で新世界の海の平和を守ってくれるのなら安い物だと、普通の商船なら応じる。
実際、その結果不正な物がなくなるし、悪い商船は損をする。誰も困らない。
「この海域は、世界政府および海軍でも立ち入り禁止区域だ。怪しい船だな。これより、船舶検査を執り行う。逆らうならば、分かっているよな~」
「おぃ、見ろよ。この船、金目の物がたんまりありそうだぜ。それに、あの女はどこぞのNTR王女様にそっくりだぜ。本当に、そっくり・・・さん?ですよね」
今まで、ヒャッハーと言って船に飛び移ってきた海軍たち。刀や銃などの武器をチラつかせたが、誰も動揺しないので逆に海軍たちが焦り始めた。今まで無数の船を検査してきたから、海軍にはわかる。
この船の異質な雰囲気。先ほどまで
「ビビ、この船の甲板って治外法権でしたっけ?」
「その通りですよ、ソラ。王家の旗をつけた商船ですからね。この船の中は、アラバスタの国土です。私が乗船しているから王宮と同じ扱いになります。そこに侵入したとなれば海軍とて、犯罪者扱いになります」
我先にと飛び込んできた海軍たちは、状況を再認識した。
「『海賊狩りの王女』の船ぇぇぇ!!??」
「トータル獲得賞金額42億2000万ベリーの世界最強の海賊狩りが、何でこんな場所にいるんだよ。やべーよ、スモやんに土下座してもらおう。俺らじゃ、何を言っても無駄だ」
「貴方達!! その船は・・・って遅かったですか。いいですか、何も手出ししないでください。何かやらかしたら、私でも貴方達の生命は保障できませんからね」
たしぎ大佐が商船に飛び移ってきた。その成長っぷりに、ソラもホタルも驚いた。たった二年で、垢が抜けたというか、人が変わる程の変化を遂げていた。主に、スタイルが尋常でなく良くなっている。
たしぎ大佐が来てくれた事に涙を流す彼女の部下たち。
「たしぎさん、お久しぶりです」
「ホタルさんもお元気そうで・・・あの失礼ですが、なぜあの頃とあまり変わっていないのですか?」
最初に出会ってから約二年で急成長して別人のようになった彼女とは異なり、ホタルとソラはあまり変化はなかった。それこそ、たしぎ大佐とソラ達では、世界観異なるレベルでの発育の差があった。
だが、ホタルとてこの二年で成長している。その証拠を見せる為、ビビからラインハルトを受け取り、たしぎ大佐に見せにいった。これが、我が子を自慢したい母親の気持ちなのだ。
それを見たソラは、こちらも負けてはいられないとビビからアクアを受け取り、たしぎ大佐の脳を破壊しに向かう。御年23歳のたしぎ大佐は、十分若いから結婚適齢期だ。だが、女性で若くして大佐の地位だからこそ出会いはない。男性とは自分より強い女性や地位が高い女性、稼ぎが良い女性に対して引け目を感じる。そういう生物だ。
「たしぎさん、私の子供のラインハルト。可愛いでしょ」
「たしぎ大佐。お久しぶりです、私の子供のアクアです。後でスモーカー中将にも紹介するので会わせてください」
「ホタルさん、ソラさん。うっ、私なんて仕事が忙しくて出会いなんてないのに、どうして。そんな幸せそうな顔して、子供を見せつけれるんですか。どうして、そんなことをするんですか、私が可哀そうじゃないんですか。やめてください、大人げなく泣いちゃいますよ」
たしぎ大佐は、同期の女性海兵が次々に寿退役した事を思い出した。呼ばれる結婚式の数々に彼女は、女としてのリミットを感じ始めている。そして、涙が自然と零れる。幸せを祝ってあげたいが、本能がそれを拒絶する。海兵になった時に女は捨てた気でいたが、子供を見せつけられたたしぎ大佐の心は壊れかけた。
スモーカー中将が駆け付けた時には、泣き崩れるたしぎ大佐。子供を抱えるソラとホタル。ビビ王女一行までおり困惑する。
「おぃおぃ、どうなってんだよ、これ。誰か説明しやがれ」
戸惑うスモーカー中将。彼は、状況が把握できるまで部下たちに船へ戻るように厳命する。
パンクハザード編始まります。
正義側と一緒に行動予定~。
気が付けば65話・・・まだ、ワノ国にすら到達しない不甲斐なさ。
ワンピースが大作すぎます!!
そして今は、ネットフリックスでパンクハザード編を視聴中。