お前のONE PIECEは、預かった!   作:新グロモント

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66:トラファルガー・ロー

 ソラは、スモーカー中将とたしぎ大佐を商船に招待する。そして、この海域に居る正当な理由を伝えた。SOS受信による救助活動だから、立ち入り禁止区域であったとしても仕方がない。これを海軍は非難できない。

 

 それより、スモーカー中将達の方こそ、なぜこの場にいるのかが謎だ。ドレスローザの航路上にある島に用事はないはずだ。しかし、この周辺はG-5支部発行の情報で海難事故が多数発生し、行方不明者が続出している。その調査に来た可能性もわずかにあった。

 

「俺らは、この地域に”麦わらの一味”が現れると踏んでいる。だから、待ち伏せしている。シャボンディ諸島で奴らの影を見たという情報もあるからな。新世界へのルートは、”聖地マリージョアルート”と”魚人島ルート”しかない。”聖地マリージョアルート”に入ったという情報はない。そうなると、残るはお前達が抑えている”魚人島ルート”しか残らないわけだが・・・」

 

「スモーカー中将。”麦わらの一味”が魚人島に入国した履歴はありません。ですが、”麦わらの一味”ですから、何かしらのミラクルで偶然新世界に来たとかあると思います。例えば、上昇気流に巻き込まれて、なぜか新世界に居たり。海王類に食べられて、なぜか新世界に運ばれたり・・・数えればきりがありません」

 

 スモーカー中将ですら、それがないとは言い切れない。あの常識外れの”麦わらの一味”。しまいには、寝て起きたら新世界に居ましたとか言い出しても不思議ではない。

 

「そうだな。だが、この海域にいるなら、奴らもSOSを受信しているはず。性格的に、ここに来る可能性は高いな。お前達はどうする?ソラ」

 

「よろしければ御同行しますよ、スモーカー中将。SOSの発信源は、パンクハザード。放棄された場所なのに誰が居るんでしょうね。政府も海軍も見捨てた場所となれば、犯罪者の温床です。海賊なら皆殺し、犯罪者でも皆殺しでいいでしょう」

 

「ダメですよ!! 海賊でも犯罪者でも逮捕して法の裁きを受けさせないと!! ソラさん。命の価値は平等です」

 

 今死ぬか、後で死ぬかの違いしかない。表向きには知られていないが、インペルダウンも今では死刑執行前の留置場的な場所だ。頂上戦争おかわりの約束で世界政府は、インペルダウンで囚人を長期保存しない。

 

 インペルダウンの脱獄不可能神話は崩壊している。よって、集められた囚人たちは、マゼランの猛毒で牢屋ごと消毒されている。つまり、一度入ったら死体にならないと出れないようになった。海軍が捕らえたビッグ・マム海賊団は、今や誰一人生きていない。ソラは、政府が虚偽報告しないように軍事同盟の者達にインペルダウンでの囚人死刑執行を必ず見届けさせている。

 

「たしぎ大佐の価値観では、そうなのでしょう。しかし、我々は違います。この話は平行線になりますので、お互い実力でそれを証明しましょうか。行動を共にするなら、我々から海賊を守ってください」

 

「どうでもいいが、その話は後にしろ。この先は毒ガスが充満してやがる。ガスマスクの準備はあるのか?ソラ」

 

 ソラは、スモーカー中将の船に便乗して行く事にした。そして、パンクハザードに向かうメンバーを選別する。ホタルは、子供達と一緒にブルーノの異空間で待機する。子供達だけを異空間に置いていくわけにはいかない。万が一、ブルーノが死んだり裏切った場合に対処できなくなる。

 

 ビビ、ソラ、イーロン、ルッチの四人だ。能力者が多すぎるのでイーロンという海の専門職は外せなかった。

 

 

◆◇◆◇

 

 政府が放棄したはずのパンクハザードの研究施設は、一部施設は現役稼働中だ。廃棄された理由は、政府所属の科学者が大事故を起こして島全体が猛毒ガスにより人が住めない場所になったからだ。

 

 だからこそ、それに目を付けた科学者がいた。事故を起こした張本人にして、自然系(ロギア)ガスガスの実の能力者・・・シーザー・クラウン。世界政府や海軍からも身を隠して、ここで日夜非人道的な実験を繰り返す、天才犯罪者の根城になっている。

 

 彼の研究には、新世界でも有数の実力者が後ろ盾となっており、何不自由ない研究ができる状態だ。必要なら最新機材から実験材料の人間まで何でも用意してもらえる。この素晴らしい状況を維持する為、シーザー・クラウンは努力を惜しまない。

 

 だが、その平和を脅かす船が接近していることを彼は知った。SOS信号を受信した親切な民間の商船とG-5支部所属の軍艦だ。商船ともなれば、豊富な物資と人材がいる。その情報を聞いた彼は、無傷で商船を捕縛したいと考えたが、一定の距離を保って島の周囲を巡回しており下手に動けなかった。

 

 商船の代わりにG-5支部の軍艦が氷塊を砕いて、研究所がある深部へと進んでいる。どうにかして追い返せないか、毒ガスをバラまいたり、氷山をぶつけようと画策したが無駄に終わる。この研究所の機密性を守るには、海軍がここにきても何もなかったと報告してもらわないといけない。

 

 一度嫌疑がかかれば、調査の手が伸びてくるだろう。それだけは避けたかった。

 

 シーザーは、部下からの報告を再確認した。

 

「それで、商船の方は捕らえられそうか? 一体どこの商船だ、この海域に来るなんて馬鹿じゃないか」

 

「大型の商船である事までは遠目でも確認できたのですが、所属などは判断できませんでした。向こうが動いており、もう少し近づければわかると思うのですが・・・」

 

 リスクとリターンが合わないとシーザーは判断した。海軍の軍艦が帰れば、あいつらも帰るだろうと判断する。

 

「分かった。その船が近づかない限り放置でいい。それより、海軍の方だ。何処の誰が来やがった?」

 

「スモーカー中将です。それと、民間人らしき4人が乗り合わせている事を確認しています」

 

 シーザーは、面倒な男が来たと思った。丁重にお帰り頂きたいが、どうすべきか。武力行使に出れば相手が疑ってしまう。かと言って、全ての電源を落として居留守状態にするのも難しい。

 

「俺が追い返してきてやる」

 

 その時、ソファーに座っていた男が動く。王下七武海にして、”死の外科医”と呼ばれていた(・・・・・・)トラファルガー・ローだ。彼はある目的があり、この施設に身を寄せていた。彼はシーザーと協力関係にあり、海軍を追い返す事を引き受ける。

 

・・・

・・

 

 自信満々だったロー。彼は、玄関先に来た海軍を追い返す為、ゲートを開けた。そこには、確かに海軍が居た。だが、そのおまけにいた民間人4人・・・彼等が問題だ。

 

 偉大なる航路(グランドライン)の前半の海における絶対覇者である『海賊狩りの王女』ネフェルタリ・ビビ。彼女の姿を見た海賊は、生き残る事が出来ないと言われている。実力が付いたからこそ、ローはわかってしまった。

 

 上澄みの底知れぬ化け物が、目の前に複数人もいるという事を。伊達に40億ベリー以上を荒稼ぎはしていないと理解する。

 

 だが、平常心を保つロー。ここで慌てふためいても意味はない。落ち着いて、お帰り願うだけだ。

 

「何の用だ、白猟屋。ここは、俺の別荘だ。その物騒な客人を連れて早く帰りな」

 

「待てよ。てめーは、何でここに居る。ここは、世界政府も海軍も立ち入り禁止だぞ」

 

 スモーカーの部下たちが、トラファルガー・ローの存在に驚いた。世界政府公認の海賊である王下七武海の一人。普通に考えれば、そうそう出会えるような存在ではない。

 

「確かあいつは、海軍本部に100個のワンピース(心臓)を届けて王下七武海入りしたって聞いたぞ。スモやん、そいつはやべー奴だって。通り名は確か・・・何とかの外科医だったはず」

 

「”町の外科医”じゃなかったか?確か、そんな気がしてきたぞ」

 

「そうなのか?俺の記憶じゃ、”美容外科医”だったと思ったが」

 

 噂に尾びれ背びれは付き物だ。かつては、”死の外科医”・・・今では、一部界隈で”死の泌尿器外科医”と呼ばれている。男の天敵となり、彼に出会ったらまずは逃げて、ワンピースを守れと言われている。

 

 実際、逃げるという行為は彼のROOMの射程から逃げる事になるので、その対処方法は間違っていなかった。




今日の更新はここまで!!
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