お前のONE PIECEは、預かった!   作:新グロモント

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感想でかっこよいフルアーマーのご紹介があったので、使わせていただきました。


78:メラメラの実

 ドフラミンゴ・ファミリーが不正行為(そういう事)をやるならば、イーロンも相応の対応をとる。一度控室に戻り、用意してきていた海楼石製フルアーマーを身に着ける。全身を余す事なく覆う事で能力者対策は万全となる。能力者がイーロンの鎧に触れると脱力する。

 

 フルアーマーは重量だけで200kgを越える。巨大、分厚く、無骨で威圧感がある鎧だ。ヘルメットには外を見る隙間もないため、見聞色の覇気がなければ何一つ外を知る事が出来ない。

 

 コロシアムの運営スタッフは、イーロンを止める。体重計の審査に合格しない限り出場は認められない。イーロンは、素直に体重計に乗るがその重量はフルアーマー着用前と同じ。何度計測しなおしても結果が変わらない。

 

 それもそのはず、覇気で体を浮かせている。覇気を高める事で周囲の石などが持ち上がるのと同じ原理で、己自身を持ち上げていた。重量的に長時間、高く持ち上げる事はできないが、体重測定をクリアする程度ならイーロンには余裕だった。

 

「い、イーロン選手。計測合格です・・・お気をつけてください」

 

「当然じゃ」

 

 イーロンの為に用意された特注の海楼石製フルアーマーGANTZ。異様なまでにでかく大きい両腕は、それだけで恐怖を感じさせる。イーロンが小石を踏むと、粉砕されて砂の様になる。どう見ても重量オーバーだが、ルールに則り計測はクリアしている。

 

 フルアーマー・イーロンが会場に戻ると皆が息を飲む。覆面というより完全に顔を覆うレベルの気味が悪い鎧をつけて再登場した彼を見た者達が驚愕する。だが、ルール上何一つ違反はない。覆面も許されている、体重測定もクリアした、Bブロックで優勝もした・・・コロシアムの優等生だ。

 

『イーロン選手!! 凄まじく武骨な鎧を持ち出してきた!! あれが計測をクリアできたのだろうか・・・。今情報が届きました!! 計測クリア? 信じられません。だが、三度の測定全てをクリアしている以上、こちらからは言う事はありません!!』

 

「儂の準備はいつでも問題ない。始めてくれ」

 

 殺意マシマシとなった、イーロン。

 

 彼に火をつけたルーシー(偽物)とコロシアム運営は、責任を取るべきだ。途中でのルール改変に加え不正を見逃すなど、この一大イベントでやってよい事ではない。

 

 そんな怒髪天を衝くイーロンの前に、メラメラの実を本当に賭けた試合にしてしまった運営は、各ブロックの優勝者だけでなく、コリーダコロシアムの責任者にしてコロシアムの英雄ディアマンテ自らが出場する。

 

 ドレスローザにおいて、ドフラミンゴ・ファミリーへの信頼度は抜群だ。裏の事情など全く知らない者達からすれば国を繁栄させてくれている英雄にも思える。その大幹部の一人が登場すれば盛り上がる。

 

 役者が勢ぞろいする。ディアマンテ、ジーザス・バージェス、イーロン、レベッカ、ルーシー(偽物)。この五人がメラメラの実を賭けた決勝戦で雌雄を決する。その試合内容は、リングの外で泳いでいる闘魚の一匹にメラメラの実が入った宝箱がある。それを入手する事だ。

 

『先に言っておくが、魚人のイーロン選手。リング外にある水に飛び込んでメラメラの実を確保するのは無しだ。それじゃあ、コロシアムの決勝に相応しくない。勝利条件は簡単だ。全員をリングアウトさせるか、リング上でメラメラの実を手に入れる』

 

「分かった。では、始めてくれ」

 

 顔が見えないイーロンは、静かに開始の時を待った。

 

・・・

・・

 

 ソラ達は、フルアーマー・イーロンを見た時から勝利を確信した。ドフラミンゴ・ファミリーの情報は、ソラ達も持っている。その為、ディアマンテが悪魔の実の能力者だという事は割れていた。

 

「イーロン!! 海賊なんて皆殺しだ!! 誰一人生かして帰すな!!」

 

 ソラの応援と同時に開始のゴングがなった。最初に動いたのは、ジーザス・バージェス。リング外の生け簀から飛び出てきた闘魚に対して、ご自慢の怪力と覇気を合わせた技を構えた。

 

 波動エルボー。その威力は、コロシアムの観客席に大穴を開けるほどだ。

 

 必殺の一撃を放ち無防備になる瞬間を狙い、イーロンが弾丸のようなスピードで距離を縮める。覇気で全身が真っ黒に染めあがった鎧の接近に気が付いた時は既に遅い。

 

「魚人甲冑格闘(アーマークラシオン)”ベアハッグ” !!」

 

 イーロンの怪力に加え、人間を水分に見立てて絞り取る魚人の技だ。しかも、溜めていた覇気を放出した瞬間に殺人的なパワーで締め上げられる事で相手の背骨をへし折った。

 

 ベキと嫌な音が会場に響き、ジーザス・バージェスも我慢ならず苦痛の悲鳴と血反吐を吐いた。イーロンを殴り何とか組手を離させようとするが、キメられた技は簡単には外れない。覇気を練ろうにも血を流しすぎておりドンドン息が薄れていく。

 

「この野郎!! 放しやがれぇぇぇぇぇーーーー!!」

 

「鎧越しでも痛みを感じるとは、怪力だけはすごい。だが、お主が死ぬまで絶対に放さない」

 

 ジーザス・バージェスの血が降り注ぎ水を得た魚になったイーロンは、更に力が増す。巨躯であったジーザス・バージェスの肉体が徐々にしぼみ始めた。こうなれば、イーロンは畳みかけるだけだ。

 

 その様子を見ても、誰もジーザス・バージェスを助けない。イーロンを背後から攻撃すれば、彼を救う事も出来たかもしれない。

 

「俺を殺したら四皇”黒ひげ”が黙っちゃいないぞぉぉ!!」

 

「儂に文句を言うのはお門違いだ。もし、文句を言うならドレスローザのコロシアム運営をしているドフラミンゴ・ファミリーに言え。コロシアムを盛り上げるために殺しは推奨されている・・・死ぬのが怖いなら海賊なんてやるな、ゴミ屑が。死ね」

 

 メキメキと音を立て、イーロンがジーザス・バージェスの胴体を真っ二つにねじり切った。血の雨が降る中、異形のフルアーマーが佇む。真っ赤に染まる鎧は、次の獲物に狙いを定める。

 

『なんという怪力でしょうか!! 今大会一番の怪力だと思われていたジーザス・バージェスが真っ二つにされてしまいました!! 残る選手は、我らが英雄ディアマンテ、そして偽物ルーシー、レベッカの三人だ!! さぁ、どうなる!!』

 

 

◆◇◆◇

 

 レベッカは、レベルの違いを肌で実感していた。兵隊さんの言う通り、優勝なんて夢のまた夢だと理解する。魚人という種族が生まれながらにして人間の10倍強いという話は有名だが、イーロンが10倍で済むのかとレベッカの実力では測れなかった。

 

 イーロンが、ジーザス・バージェスを絞り取り圧縮した。その威力は、Bブロックの試合で見せられており、空に浮かぶ雲まで届く威力。だが、イーロンが人的・物的被害を出さない事は試合で証明されていたため、ディアマンテは即座に背後に人がいる客席側を陣取った。

 

「ダメぇぇぇ!! 打たないで。後ろには民間人がいるのよ!!」

 

「黙っておれ。そのくらい分かっている。儂は、大量殺人者じゃない。だから、こうするんだ」

 

 どう見ても重そうな鎧を着こんだイーロンが、大きくジャンプする。月歩で更に高く上がり、真下に向けて"打ち水"を放った。打ち出された血液の弾丸がディアマンテを貫く。ハタハタの実で鋼鉄の強度にしたマントを貫通し、コロシアムの地下にあるオモチャ工場までブチ抜いた。

 

 運が良いディアマンテは、右足を失うだけで生き残る。鋼鉄製のマントが邪魔して軌道が少しそれたおかげだ。イーロンが上空から着地すると、ズドンとすさまじい音を立ててリングを揺らした。リングが四分割される程の大きなヒビが入る。

 

「化け物がぁぁ!! 俺はコロシアムの英雄ディアマンテだぞ!! 近づくんじゃねぇ!!」

 

 イーロンが無言でディアマンテに近づく。ディアマンテの剣では、海楼石製の鎧を壊す事はできない。ゴミを拾うかのようにイーロンが掴み上げた。能力者であるため、海楼石に能力を封じられ脱力する。

 

「これで、二人目じゃ」

 

「竜爪拳”竜の鉤爪”!! ――っ!? 硬い!! これで抜けないとは、自信を無くすぜ。だが、防いだって事は効果があるってことだな」

 

 イーロンは、ゴミを持ってない方の手で偽物ルーシー(サボ)の攻撃を防いだ。背中を攻撃されてはリングアウトさせられる可能性があった。だが、これでイーロンは、偽物ルーシー(サボ)と事実上一騎打ちだ。

 

 蚊帳の外であるレベッカは、闘魚一匹も倒せない。この場において、完全に力不足だ。

 

 偽物ルーシー(サボ)が覇気を纏わせた鉄パイプで猛攻を仕掛ける。だが、そのどれもがイーロンの鉄壁の守りで防がれた。盾とされたのは、このコロシアムの英雄ディアマンテ。便利に利用され、徐々に生命力が失われていく。

 

『こ、これはひどい!! 我らが英雄ディアマンテを偽物ルーシー(サボ)が、ボコボコに殴っているぞ!! もうやめてあげて!! このままじゃ死んじゃう!!』

 

「ハックの仇!! 竜爪拳”竜の鉤爪”!!」

 

 あと一歩で死んでしまうディアマンテを無慈悲に盾に使うイーロン。偽物ルーシー(サボ)の一手が、ディアマンテの胸をえぐり心臓を潰した。そのお返しに魚人空手の返礼を偽物ルーシー(サボ)が受ける。

 

「魚人空手”五千枚瓦正拳”!!」

 

 攻撃こそ偽物ルーシー(サボ)が回避に成功したが、その余波の爆風で彼のヘルメットと付け髭が吹っ飛んだ。その姿は、金髪でどこかで見た事がある顔。誰もが驚く・・・彼ほどの大物がコロシアムに居るなど想像できないからだ。

 

『か、革命軍No.2のサボがコロシアムに潜入していた!! そして、我らが英雄ディアマンテを殺害したぁぁぁぁーーー!! これは、大事件だ!!』

 

「ちっ、これ以上は作戦に響く。イーロン、この勝負は預けておく」

 

 サボはメラメラの実を諦めてコロシアムから逃亡した。イーロンは、それを追わない。彼の目的はメラメラの実であり、目的は初志貫徹が基本だ。残るはレベッカのみだが、イーロンを睨みはするが手は出さない。

 

「私は・・・棄権するわ」

 

「そうしろ」

 

『コリーダコロシアム!! 優勝は!! 魚人のイーロン選手!! 色々とトラブルはありましたが、見事一般参加で優勝され、メラメラの実を獲得しました!! 観客席の皆様は盛大な拍手をお願いします~!! なお、メラメラの実は、闘魚の背にありますのでご自由にお持ち帰りください!!』

 

 イーロンがリングの外にある水に飛び込んで闘魚たちを締め上げて、メラメラの実を奪い取った。

 

・・・

・・

 

 イーロンの勝利を確認した、ソラ。敵地であるこの場所でイーロンが不利になる事は明白だったので、ソラ達は勝手に動いていた。ブルーノにソラが指示を出す。

 

「約束を果たしたギャッツ氏は、暫く貴方の”4次元マンション(ハイドアンドシーク)”で匿ってください。安全を確保次第、軍事同盟参加の国で新しい身分を与えます」

 

「分かった。ドンキホーテ・ファミリーの誰かが来る前に、拾ってくる」

 

 ソラは、決勝戦を前にギャッツを一億ベリーの現金で買収していた。イーロンが有利になるような実況をするように依頼済みだ。前金で全額渡して、事が終われば軍事同盟が彼の安全を確保して国外逃亡させるという約束まで交わしている。

 

 こうしてメラメラの実は、ソラ達・・・アラバスタの軍事同盟が確保する。




 悪魔の実を二個食べたら爆発する・・・"チ〇霊箱"でダメージを押し付ければ、何とかなる可能性はあるだろうか。でも、チ〇チ〇の実で戦うから意味があるので、これはないな。

 ドレスローザ攻略RTAをルフィ達が始めているので、ビビ達も便乗する事に。

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