お前のONE PIECEは、預かった!   作:新グロモント

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81:ミンゴ

 オモチャ達が人間に戻っていく。長い年月、オモチャの姿で過ごしていた者達にとって、これ以上嬉しい事はないだろう。動物、一般人、政府役人、犯罪者、海賊など様々な人種がオモチャにされていた。

 

 直近コロシアムに参加して敗北したA、C、Dブロックの者達も地下のオモチャ工場で労働に従事しており、解放してくれた者に感謝していた。

 

 一言お礼を言いたい。そういう気持ちがゴミ達にもあった。だが、救ってくれた者達を見た瞬間。その気持ちは消えてなくなる。それどころか、殺してでも生き残ろうという汚い心が見え始めた。

 

 海賊や犯罪者は、海楼石の首輪に繋がれたシュガーを見て理解した。決して助かったわけではない。これを乗り越えて初めて助かった事になる。彼らの前には、『海賊狩りの王女』ネフェルタリ・ビビ王女とその仲間達。

 

 オモチャになっても意識はある。先ほどまで、この地下オモチャ工場で海賊達を殲滅していた連中の刃が何処に向かうのか。そんなの簡単だ・・・海賊や犯罪者達だ。だが、何も不思議な事じゃない。

 

 これほどまでの大量の犯罪者が地上に居る一般人に迷惑をかけては、それこそ大問題だ。よって、この場で一人残らず殺す事こそ、世の為、人の為になる。ドレスローザの旧王家であるリク王家も市民は解放して欲しいが海賊や犯罪者までは解放して欲しくない。

 

「少し、いいえ、数が多いです。ある意味、ドフラミンゴは王下七武海の仕事をちゃんとしていたという裏付けでしょう。いっそ、海賊だけがこの場に居てくれれば一気に処理できたのですが、一つ手間を増やしましょう。ビビ、やれますね?」

 

「えぇ、ソラ。この場に居るオモチャから解放された皆さん。ネフェルタリ・ビビの名にかけて、貴方達を必ず地上に送り届けます。ですから、少しだけ辛抱してくださいね・・・・”インスタンス・ドミネーション”!! 」

 

 ビビが最大級の覇王色の覇気を込めた力を発揮した。ココには、新世界の猛者が紛れている。何人かは、ビビの覇王色の覇気に抵抗するだろう。だが、抵抗できたならば無名ではない。

 

 元・CP9達が洗脳を逃れた連中を即座に照合して、海賊や犯罪者ならその場で血祭りにあげる。ビビによって寄生カビで洗脳された者達は、理解した。生物としての規格が違う存在がこの世にはいるのだと。

 

 ルッチが、ビビの覇気に抵抗した男を指さした。抵抗できたのは一人だけだった。

 

「首領・チンジャオか。かつては、ガープ中将と良い勝負をしたと聞く伝説の男だな。今は、懸賞金が取り下げられている。八宝水軍という名で活動しているが、水軍という名で紛らわしいが国軍ではない。ただの海賊だ」

 

「あの小娘がこれほどの覇王色の覇気を!? 八宝水軍第12代棟梁の首が容易く取れると思うなよ!!」

 

 チンジャオが覇気で頭部を強化した。ドレスローザのコロシアムで”麦わらのルフィ”によって、失ったはずの鋭い頭部が復活している。

 

「貴方がどれほどの海賊だったか知りませんが、ガープ中将と比べるのも失礼だ。レベルが違いすぎる。本当に、かつては仇敵だったのか信じられません。我々は、ガープ中将に覇気の指導を受けた者達です・・・言わば、弟子みたいなもの。この場に居る全員が同時に貴方を狙って、楽に首が取れない程、貴方は強いのですか?」

 

「若造共がぁぁ!!」

 

 ここで引けば、息子達含めて殺される事を理解したチンジャオに退路はない。例え、刺し違えてでもこの場を脱する。

 

「受けて立とう。”ポジションチェンジ”!!」

 

「では、私も。”リビドー”!!」

 

 ソラの能力で、チンジャオの息子の位置がずれる。覇気を集める事に集中しないといけない場面だが、どうしても位置を直したく気になる。

 

 ホタルの能力で、性的興奮を高め思考力を奪う。少しでも気がそれるとそそり立つ息子で女を押し倒したい衝動に駆られる。

 

 煩悩を打ち消す為、必死に覇気を練るが・・・性的興奮のおかげで頭のとんがりより、息子のとんがりの方がご立派になっていた。

 

「私は、ビビのような覇王色の覇気を持っていない。自然系(ロギア)でもない。ホタルの様に、類まれなる戦闘センスを持っているわけでもない。だが、誰にも負けないと自信を持って言える事がある。勝利への執念と悪魔の実の能力を扱うセンスです」

 

「それがどうしたーーーーーー!! "錐龍錐釘(きりゅうきりくぎ)"!!」

 

「覚醒した悪魔の実は、周囲の環境へも影響を及ぼす・・・このように」

 

 回転しながら突進してくるチンジャオに対して、ソラは動かない。地面より極太の柱のようなご立派な物がチンジャオを下から天上の壁まで突きあげた。想定外の方向からの攻撃には彼も対処できなかった。

 

 チンジャオを天井まで突きあげたナニかは、地下オモチャ工場が暗かったお陰で知らない者には分からない。

 

 硬いが柔らかいナニか。そうとしか表現できない物に突きあげられた。武装色で硬化されているがゴムのような弾力。チンジャオは、この感触を知っている。だが、それが真実だとすればこの世の常識を覆す事になる。

 

「こ、これは!? ガープの孫と同じゴムゴムの・・・無念」

 

「いや、まぁ。ゴムの中身である事は間違いないんだけど。だが、この程度で死ぬほどやわでもないでしょ。ねじ切れろ・・・”(まが)れ”!!」

 

 じわじわとねじり切るのではなく、瞬間的に最大出力で切り落とす。ねじられてから覇気でガードしても間に合わない速度に成長を遂げたソラの技。治療せねば、出血多量で死ぬ。

 

「があああぁぁぁ!! まだだぁぁぁ!! 儂が死んだら息子たちが助からん。"錐龍錐釘(きりゅうきりくぎ)"!!」

 

 ソラがナイチンゲールを抜き地面に突き刺す。その刀身を足の指で挟み込み力を貯める。技の原理は、刀身を指で掴みその勢いで刃を振るう”流れ星”と同じ。

 

「決死の覚悟の攻撃なんて受ける事はしない。ワズキャン・・・メラメラの実の力を見せてくれ」

 

「僕がやるのか?その刀で真っ二つにすればいいじゃん。でも、慣らしには、ちょうどいいか。――"枢機へ還す光(スパラグモス)"!!」

 

 ワズキャンが掌から放った炎の一線がチンジャオの脳天を貫いた。チンジャオは、最後に一矢報いるために、頭部の先端にのみ覇気を集中していた。だからこそ、他の防御がおろそかになり致命の一撃を喰らってしまう。

 

「やはり、自然系(ロギア)の攻撃力は群を抜いているね。さようなら、海賊・・・”無明逆流れ”!!」

 

 覇気を纏ったソラの刃が下から上に斬りあげられた。地下深くにあるオモチャ工場から地上にあるコロシアムまで真っ二つになる。その一撃によりチンジャオの肉体は左右に真っ二つ。

 

 八方水軍の関係者は、それを見て怒るが何もできない。ビビの”インスタンス・ドミネーション”はかかる前に破らねば、自力での脱出は難しい。

 

「兄様のその技は、原理的には”流れ星”と同じですね。抵抗できるものは彼一人だったので、先を急ぎましょう・・・ビビ、トンタッタ族の王女が何処に居るか国中にカビを広げて探せますね?後、SMILE工場で強制労働させられている子たちも」

 

「えぇ。場所が分かるまで、ゴミ掃除をしていましょう。このさらに下にあるスクラップ工場にも人間に戻った人はいるみたいなので・・・その前に、『犯罪者と海賊は、前にでて首を突き出しながら待機。一般人は、後ろにある階段から地上を目指しなさい』」

 

 一列になって首を前に出す犯罪者と海賊達。これで、一発で首が飛ばせる。六式・嵐脚とはこういう風に使うのが正しいのかもしれない。これだけの首を換金したら、それこそビビは100億ベリーの女になれそうだ。

 

 犯罪者達が真の意味で世界から解放され、市民は地上へと帰還を果たす。だが、地上に戻った市民は、国を囲む”鳥カゴ”を見てこの世に神は居ないのかと絶望する。

 

 

◇◆◇◆

 

 ドレスローザの地上では、海軍大将藤虎と海軍中将2名に加え、覇気が使える多数の部下が揃っていた。これだけの戦力が前では、ドフラミンゴ・ファミリーの最高幹部一人やその部下だけではどうしようもない。

 

 バスターコールの方がまだ生存確率が高いレベルでの無理な勝負をやらされていた。藤虎が一切手加減をしないで、ピーカは岩ごと上空に持ち上げられて重力で潰されて死んだ。他の幹部たちも無勢に多勢・・・藤虎の支援と海軍中将のパワーを前に討ち取られていく。

 

 これが、本気を出した海軍の力だ。

 

 何もかもがうまくいかないドフラミンゴ・・・彼の元にある電伝虫が鳴り響く。

 

『こちらは、取り込み中だ。お前等でなんとかしろ』

 

『ドフラミンゴ様。SMILE工場内部で反乱がぁぁぁ!? そこのトンタッタ、扉を開けるな!! 外には化け物が居るんだ!! 嫌だ~死にたくない!!』

 

 海楼石で作られた強固な工場であっても、内部から開錠は可能だった。トンタッタ族が身体のサイズ通りの力しかなければ開かないだろうが違う。

 

 ドフラミンゴがまだ失っていない物を数える方が早くなる。再び別の電伝虫が鳴る。

 

『今度はどうした。俺は、もう何を聞いても驚かないぞ』

 

『ドフラミンゴ様。マンシェリー姫が奪われました』

 

 ドフラミンゴがこの窮地を切り抜ける為、回復薬として期待していたマンシェリー。ドフラミンゴは、天を見て。俺が一体何をしたんだとぼやきそうになる。随分とやらかしているから、彼の悪行を知っている者がいたら天罰と突っ込むだろう。

 

 しかし、不幸というのは連続する。問題が発生した時に別の問題が発生するのと同じ謎の原理だ。

 

 更に別の電伝虫が鳴った。

 

『ふっふっふ、今度はなんだ?海軍大将でも来るってのか』

 

『その通りです、ドフラミンゴ様。地上に居たピーカ様含めた幹部は全員海軍に討ち取られました』

 

 その会話の状況を聞いていた”麦わらの一味”とローも哀れ過ぎて攻撃の手が止まっている。

 

「そのなんだ。ミンゴ・・・グーじゃなくて、パーで叩く事にしてやるから」

 

「いつものお前はどうした!? 自信満々に「フッフッフ」とか言えよ。調子が狂うだろう。俺の宿敵でいろ。そうでなければ、俺の13年間の復讐の意志が揺らぐだろう」

 

 ルフィとローが少しだけドフラミンゴに優しくなった。だが、ぶっ飛ばすのには変わらない。




"鳥カゴ"もドフラミンゴをつぶせば消えるから市民の為に、海軍も偶然一緒に戦う事になるんですよ。

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