お前のONE PIECEは、預かった!   作:新グロモント

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82:お前のONE PIECEは、預かった!

 ドレスローザを囲む”鳥カゴ”という能力の物理的な耐性については、ドフラミンゴの才能があってこそ成り立つ。その耐久性は凄まじく、海軍大将の攻撃を防ぐだけでなく、”麦わらの一味”とドレスローザに居る全海軍が攻撃しても破壊できない。おまけに、電波、音波など外界への連絡手段を全て断つ事もできる。

 

 その驚異的な耐久度を誇る”鳥カゴ”を前に、ソラ達は帰りの準備をしていた。強制労働させられていたトンタッタ族とその王女。SZK作戦を主導したレオ達もその場にいる。まだ海軍や”麦わらの一味”がドフラミンゴと戦っているが、ソラ達の目的は達したので撤収するつもりだ。軍事同盟がこれ以上戦場に居ては内政干渉になってしまう。

 

 トンタッタ族のレオは、まだ戦場に残っている兵隊人形であったキュロスの事を心配していた。

 

「あの~、本当に良いのれすか?リク王様達が誰もいないれす」

 

「当然ですよ、レオさん。あの方達は、ドレスローザ王国所属の方です。我々の軍事同盟に参加したのはトンタッタ王国の方達です。王女含む国民の救出は実現しました。賠償金代わりに地下にあった武器やSMILEは貰ったので、後で換金して差し上げますね」

 

 ソラは、平然と当たり前の事を口にした。

 

 ソラ達は、念のためだが、主戦場を確認した。ドフラミンゴ対”麦わらの一味”&王下七武海ロー&海軍大将藤虎&海軍中将2名&覇気が使える海兵&元・ドレスローザ王国兵達が揃っている。特に人形にされていた連中は、殺意マシマシだ。

 

 この状況でドフラミンゴが勝利したら、それこそ世界がひっくり返る。

 

「せめて、リク王様達にご挨拶をさせて欲しいれす」

 

「分かりました。すぐにその場所までつなぎましょう。ですが、挨拶が終わったらグリーンビットに帰ります。それから、我々に付いてきてくれる方達は船で海軍本部経由で魚人島に行きます。アラバスタの緑化には、貴方達の力が必要です」

 

 アラバスタの緑化に加え、シュガーを海底牢に幽閉する必要もある。それと、今年は世界会議の日でもある為、軍事同盟各国からビビ一行には是が非でも護衛として同行の依頼がされていた。

 

 ソラは、ブルーノに依頼してリク王がいる王の台地にドアが繋がる。異次元の扉から現れるソラ達を警戒するリク王、ヴィオラ、レベッカ、キュロス・・・主要な四名が全員揃っていた。

 

 彼等はドフラミンゴの手の者かと警戒するが、ソラと同行するビビやトンタッタ族のレオを確認して敵ではないと理解した。

 

「リク王様!! お久しぶりなのれす」

 

「おぉ、お主はトンタッタ族のレオだったか。久しいの」

 

 ソラは、一礼した。間もなく、この国の国王になるリク・ドルド3世。こうなった以上、顔をつないでおいて損はない。

 

「レオさん、挨拶が済みましたら帰りますよ。内政干渉は、我々が望む事ではありません。ドフラミンゴも長くはもたないでしょうから、我々がここでやる事は全て終わりました」

 

「まって、貴方達は、どうやってここから出るのよ。ドフラミンゴの”鳥カゴ”が・・・えっ、グリーンビットまで繋がってるの?そこ」

 

 ヴィオラは、ドアを覗き反対側に見える光景をみて驚いた。”鳥カゴ”の外にある場所まで何の障害もなくたどり着ける。能力が別次元で強いブルーノの力だ。

 

「そういう能力者ですから。物理耐性は強い”鳥カゴ”ですが、こういう特殊系の能力には無意味です。それと、キュロスさん。レベッカさんには手を出しておりませんので、約束通りこれからは我々と共に世界の平和を目指しますよ。我々には非能力者の強い人がもっと必要です。さぁ~、こちらへ」

 

「そうだった。軍事同盟の方達には、返し切れない程の恩がある。レベッカの事、ディアマンテの事、シュガーの事・・・何から何まで本当にすまぬ。だが、もう少し待ってはくれないだろうか。ドフラミンゴがまだ生きている!! 奴が死んだ姿を見届けるまでは安心できない」

 

 レベッカがキュロスにお父さんと泣きつく。十年ぶりに再会した父親との別れはつらいだろう。だが、彼女を連れて行くわけにはいかない。それこそ、キュロスの脳が焼け焦げてしまう。

 

 だが、この千載一遇のチャンスを見逃すようなビビ王女ではなかった。

 

「ソラ。娘と父親を引き離すなんて酷い事を言ってはいけません。レベッカさん、よろしければキュロスさんと一緒に我々と来ませんか?見た所、見聞色の覇気をある程度扱えるみたいですし、非能力者が増える事は歓迎です」

 

「いかんぞ!! そんな事は、お父さんが許しません。わかった、今すぐ付いて行く。だから、レベッカはドフラミンゴが死ぬのをここで見届けてくれ。お父さんは、お前の事を本当に大事に思っている。だから、今この場で彼女たちに付いて行く。安心してくれ、この電伝虫があればいつでも話せる」

 

 凄まじい掌返しでキュロスが、ドアの中に入ってきた。その様子に、親子の感動がぶち壊しになりレベッカが放心状態だ。一体何が起こったのか、彼女に理解できるのは当分先のことだろう。

 

 レベッカ視点では、ビビは綺麗で強い王女様としか写っていない。まさに、自分が求める理想像とも考えていた。更に子供もいる為、母性もある・・・無敵すぎるビビだ。

 

 時間の問題で解決するドレスローザの事より娘の貞操を大事に思うキュロスは、まさに良き父親だった。一時の別れになるが、その()()がある限り、キュロスは娘の元にいつでも帰れる。

 

 ソラは、グリーンビットに抜けようと思ったが少し引っかかる事があった。ドフラミンゴがちゃんと死んでくれるかという事だ。腐っても、元・天竜人で色々と知りすぎている男だ。普通なら殺す一択だが・・・海軍内部にも彼を必要とする勢力があるかもしれない。

 

 保険は掛けておくべきだと結論付けた。

 

「ブルーノ・・・私をドフラミンゴを挟んでローの反対側に出せるかい?」

 

「お安い御用だ。いつものか?」

 

 ソラは、「いつものだ」と回答する。

 

 強者のワンピースは、奪う事は難しい。だが、弱った時は違う。それが、今この時だ。そして、ソラにとって幸いな事は同種の能力者であるローがここに居る。ドフラミンゴを恨んでおり、彼と敵対したローなら能力的にも大事なワンピースを略奪しても誰も疑問に思わない。

 

 ソラは、戦場で息をひそめて最高のタイミングを狙っていた。ローのROOMに被せるように(ラブホ)ROOMの能力を重ねる。

 

「〇ンブルズ」

「シャンブルズ」

 

 ローがドフラミンゴと位置を入れ替える瞬間、先にワンピースだけを奪い取った。戦いによる興奮かドフラミンゴのワンピースはビクンビクンと脈をうっている。早々に風呂敷に包み、その場を後にするソラ。

 

 ドフラミンゴは股間の違和感に気が付いた。既に失う物はないと思っていたが、天竜人の未来を奪う。オペオペの実の能力を知るからこそ、この傷口がローによる物だと確信する。

 

 ドフラミンゴの目の前に一枚の紙切れが落ちてきた。

 

 そこには、『お前のONE PIECEは、預かった!』と、丁寧に書かれていた。その紙切れは、細切れにされて風に飛ばされた。

 

「ふふふふふ、はははははは!! ロー、お前は俺から全てを奪おうってのか。弟も、仲間も、地位も、権力も・・・そして、未来もだ。流石は、”D”の一族だな。神の天敵と言われるのも納得だ。俺から奪いやがった。殺してやる、殺してやるぞローーぉぉぉ!!」

 

「なんか知らねェが、ようやくやる気が出てきたようだな。いくぞ、麦わら屋」

 

「でも、もうボロボロじゃねーか」

 

 天竜人でなければ、既に立ち上がれなかった。ドフラミンゴは、プライドを賭けた戦いに挑む。それが負け戦であっても立ち止まる事はない。

 

 

◆◇◆◇

 

 翌日、世界経済新聞のトップを飾ったのは、王下七武海ドフラミンゴの悪事と権限はく奪とインペルダウン送りというニュースだった。

 

 そして、ドレスローザの国王には、リク・ドルド3世が就任する。これで、レベッカは名実ともに王女に返り咲く。しかし、キュロスは王族の一員として表にでる事はなかった。彼の経歴も人には言えない事が多く、小さい頃は悪童だった。

 

 ソラ達は、トンタッタ族を連れて魚人島に向かっていた。

 

 これからしばらくは、世界会議に向けて軍事同盟も動く事になる。その会議場所は、聖地マリージョア。誰もが知っている場所だ。そして、ソラとホタルの出身地でもある。

 

「別に気にしないでいいですよ、ビビ。私とホタルにとって、既に過去の話です。それよりもっと大事な事があります、ビビ。大事な事ですから、正直に答えてください。コブラ国王は、大事ですか?」

 

「何を当たり前の事を言っているの?お父様の事は大事に決まっているじゃない。早く、ラインハルトとアクアを抱かせてあげたいわ。きっと、喜んではしゃぐわよ。そういう人なんだから。後、ソラとホタルの事も安心していいわ。今すぐ国民に紹介は難しいけど、必ず近い内に王配だって紹介するんだから」

 

「兄様は分かりますが、私まで紹介しては色々と荒れるわよ。でも、ありがとう。ビビ、あなたを愛しているわ。それとね、二人目・・・できちゃったみたい」

 

 ホタルがお腹を摩る。

 

 ソラが”剃”を使って、逃亡を図ろうとしたビビを締め上げた。普段はこんな事しないが、時期という物がある。いい加減、軍事同盟の最高戦力の一角を産休漬けにするのはやめろと訴えていた。これから始まる戦いを前になんてことをしているんだと。

 

「ビビ。私は言いましたよね。今は大事な時期だから、私が相手をするって。毎日、朝昼晩と相手してこれだと、先が思いやられるんですけど」

 

「だって、ホタルが兄様の負担を減らしたいって言うから。でも、ソラだって悪いのよ。普通のワンピースじゃ既に訓練にならないからって、マジカルワンピースなんて生やすから」

 

 おめでたい事である為、怒れないのがつらいところだ。数ヶ月後に生まれるホタルの子供・・・彼の名は、ネフェルタリ・D・ブランドーと名付けられる。

 

 ソラは、未来の子供たちの為、コブラ国王の生存ルートに舵を取る。




ドレスローザ編・・・お、終わった。

次は、世界会議編へGOです。

ワノ国は、ルフィ達が何とかするでしょ。今度こそ関与せずにも行けるはず。
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