お前のONE PIECEは、預かった!   作:新グロモント

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97:乗るしかないこのビッグウェーブに!!

 ソラ達は、偉大なる航路(グランドライン)前半の海で脅威となる存在の排除を終えた。これで、主戦力であるソラ達が暫く抜けたとしても、鍛えた軍事同盟各位で対応可能のレベルとなる。世界政府から払下げされたパシフィスタの配備も順調であり、安心感が抜群だ。

 

 特に活躍が目覚ましいのは、リュウグウ王国の魚人兵士達だ。彼らの情報網のおかげで海賊や海の犯罪者達などを早期発見から水中に引きずり込んで、溺死させている。この二年間で双子岬~シャボンディ諸島まで辿り着けた海賊は、片手で足りる。

 

 身分を偽り、新世界に到着してから海賊に鞍替えした者達が多少存在している事を、軍事同盟も確認している。今まで冒険家や商人と偽って活動していた連中が、新世界で海賊になる悲しい現実がまだまだ存在している。

 

 そんな連中が新世界で通用するかは別問題だが、夢とロマンをはき違えて長生きはできない。

 

 魚人島に集まる軍事同盟の軍艦20隻。その全てがガレーラカンパニーに依頼して、新造した最新型だ。べらぼうにお金がかかった。ビビが海賊狩りとして稼いだお金の何倍もかかった。軍隊を準備し動かすには、お金がいくらあっても足りないと言えるほどだ。

 

 そう、本来ならこの規模の軍隊を一度に動かすなど難しい。海軍だって、バスターコールが頻繁に実行されないのには、予算の関係もある。本当なら大戦力を集めて、大将を巻き込んだ消滅作戦にしたいが、金とは有限だ。

 

「お金で片付く問題なら何も心配ありませんよ、ビビ。天竜人達も後継問題や夜の事情ではいろいろとお困りでした。そこで、私とホタルの能力がある限り、いつでも現役になれるとの事で色々と都合してきました」

 

「男って単純よね、ソラ。気持ちは理解できるわ。でも、ソラは一体何と戦うつもりでこの軍艦を用意したの?主砲のサイズが従来と比較にならないじゃない。ベガパンク製45口径砲で射程3万メートルって・・・」

 

 この軍艦は、主砲の運用のみを前提としている。上陸戦など考えていない。一方的なアウトレンジからの一斉攻撃で対処する。弾のお値段も時価であり、運用難があるところがたまに傷だが・・・人的損耗もなく、相手を殺す事だけを考えれば理想的な兵器だ。

 

「そりゃ、四皇相手ですからね。このくらいやらねば相手に失礼という物です。大海賊時代の終わりを告げる砲撃ですよ。そもそも、海賊や海兵が陸上で戦っている時点で私は疑問に思っていました。お前等、船での撃ち合いはどうしたと」

 

「これ、海岸から3万メートル圏内に王宮があると詰むわ。アラバスタは国土が広いから問題ないけど、大体の海洋国家が海上から一方的に潰せるわね。それじゃ、行きましょうか。海賊を根絶させる為、新世界へ」

 

 覚悟が決まった軍事同盟の兵士たち。万が一に備えて、家族がいる者は参加拒否も許された。相手が四皇や王下七武海ともなれば、海賊を絶対に殺す覚悟が必要になる。それこそ、捕まっても相手を巻き込んで死ぬくらいの覚悟が。

 

 それでも構わないと残った5000人の兵士たちが、ソラ達に賛同した。元・王下七武海”女帝”ハンコックに加え、元・ロジャー海賊団副船長”冥王”レイリー”を滅ぼした事で、軍事同盟の勢いは最高潮だ。

 

 四皇”黒ひげ”マーシャル・D・ティーチ

 四皇”百獣”カイドウ

 四皇”赤髪”シャンクス

 四皇”千両道化”バギー

 

 選びたい放題の中から誰を狙うかという点で、ソラは”黒ひげ”を選んだ。その理由は当然、計画性が高く、いずれ脅威になる事が分かっているからだ。その為、早期に芽を摘む。海賊団の規模や実力的に考えれば、危険度が一番高いのはカイドウだ。

 

 しかし、カイドウは現在最悪の世代達が攻略中である為、無理に割り込む必要はない。戦力が落ちた所を美味しい所だけ頂ければ十分だ。世界政府としてもワノ国の危険性は把握しており、諜報機関の者を潜入させている。

 

 ソラがこの場に集った全員に向けて声をかける。

 

「海賊島ハチノスに向けて、我々軍事同盟は総力を決した殲滅作戦を実行する。いい海賊なんて存在しない。死んだ海賊だけがいい海賊です。あれらが存在するだけで大切な人が不安で夜も眠れなくなる・・・だから、今殺すべきです。それができるだけの力が揃っています。さぁ、出陣!!」

 

 軍事同盟版バスターコール・・・オペレーション・アマテラスが初めて実行される。世界政府並びに海軍との折衝は、ソラとホタルが行った。双方からの回答は、別に構わないという事だ。自軍の戦力で、自前の費用で全てを行うのだから止める気もない。

 

 勝手に四皇と言う海賊に致命的なダメージを与えてくれるのならば、誰も困らない。しかし、海の平和を守っているという海軍の立場もあるので、ガープ中将と緑牛大将が同行する。

 

 

◇◆◇◆

 

 新世界を大軍連れて進む軍事同盟。

 

 その船に乗船しているガープ中将とその部下たちは、勢いある軍事同盟をある程度認めていた。自分たちにできない事を平然とやってのける。フットワークの軽さに加え、トップである連中が軒並みヤバい経歴の持ち主である事に誰もが驚く。

 

 コビー大佐としては、自分と年齢も大して変わらないソラ聖とホタル宮の強さの秘密を知りたいと思っていた。元々、ガープ中将が色々を教えていたという事は知っているが、それまでだ。

 

 だから、食堂でそれについて聞いてみた。

 

「ガープ中将って、ソラ聖とホタル宮と昔からのお知り合いなんですよね。海軍本部で訓練を付けた事もあるとか。僕の兄弟子みたいな方々ですよね」

 

「昔からと言えばそうだな。あいつらが海賊に捕まっていたのを助けた時がきっかけだな。あの二人は、四皇カイドウの大看板”疫災”クイーンの手で惨殺されたネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング号の生き残りじゃ」

 

 ガープは、当時の事を今でも覚えている。やせ細り痛々しい傷まみれだった双子の姿を。

 

 クイーンは、カイドウの命令でワノ国から逃げ出した者達の処分を請け負っていた。そして、趣味と実益を兼ねた疫災弾の試し打ちをして化け物になった船員達を焼いてソラとホタルに食わせた。それがどのように人体に影響するか観察する為、実験動物として大切に扱う。子供の回復力と適用力はすさまじく・・・拒絶反応も少なく優秀な実験動物と重宝される。

 

 そして、あらかたの実験が終わる頃にガープ中将率いる軍艦がそれを発見してクイーンを追い払ったのだ。

 

「酷すぎる。アルビダに囚われていた僕は、彼らに比べたら天国だったんですね。そうなると、ソラ聖達が最初にカイドウを潰しに行こうとしないのが疑問です。僕が同じ状況なら、間違いなく最初に狙うのはカイドウですよ」

 

「実際、”黒ひげ”狙いとは聞いておる。しかし、あいつらが怨敵をいつまでも見逃しているはずもない。誰を狙うにしても覚悟しておけ・・・だからこそ、儂や緑牛まで連れ出す許可が出たんだからな」

 

 コビーにとって、黒ひげは少なからず因縁がある相手だ。ロッキーポート事件で共闘した事もあり、その結果四皇の地位にまで持ち上げてしまった。

 

「僕も出来るだけの事をやります。・・・それと、風のうわさで聞いたのですが、ガープ中将は、次に昇進の話を受けて大将になるとかならないとか」

 

「なんじゃ、話がそこまで伝わっておったのか。緑牛から聞いたんじゃが、天竜人との面倒な事を全てソラが担当してくれるという話を聞いたからな。話の分かる天竜人など何世紀ぶりだという話だ。ストレスフリーで海軍大将の権限を使って海賊を好き勝手にできるなら乗るしかない、このビッグウェーブに!! 」

 

 無償で請け負うなどソラは一言も言っていない。

 

 その対価として、存分にその力を活用させてくれる事が大前提だ。勿論、将来四皇になるだろう”麦わらのルフィ”を相手にする時にガープ中将が本気を出してくれるのならば、喜んでソラは力になる。

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