電子スキルで現代無双〜電子知識のない俺でもない俺でもロマンを追い求める権利はあるッ!   作:カブライニキ

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第二話天才と天災

「おい!止血剤はまだか! 」

「押し戻せ!」

「クソッ!なんでこんなことに!」

「なんだよこの化け物!」

 

如恵留の教室では学生たちが自身の能力を用いて教室の壁を破り、侵入してきた巨大な虫のような化け物を攻撃していた。

 

だがその抵抗も虚しく、大量に血を流す生徒も少なくなかった。

 

海星は生徒たちの体内にある血流を正常な状態に戻す。

それと並行して虫の化け物の体内にある水分を一気に脳に集中させる。

 

«グロロロ……»

 

腫れてぱんぱんになった化け物に向かって海星は指を銃のように人差し指と中指を形作り、

 

「……」

指先に集まった水を弾丸のように放出し、化け物の頭を吹き飛ばす。

 

(一体一体は弱いが……キリがないな)

 

ウジのように大量に湧いて出る化け物に海星が少々気だるさを感じる。

 

「みんな、一気にあいつら吹き飛ばすから下がってて」

 

海星は大技を使う準備をする。

 

「apocalypse<術式の最高到達点>」

海星の手のひらの中には青い、蒼い小さな水の塊が形成される。

 

「crust<拡散>」

多重詠唱による反動で海星の口からは血が出始める。

 

「海星さん!無茶です。」

「ここで無茶通さなきゃ、ダメでしょ。」

 

「aruthima<肉と魂>」

 

海星の口から漏れ出た血液さえも海星の技によって水分に分解する。

 

 

そして一拍置いて、

 

 

「Mercury!<水星>」

 

肥大化した海星の技が急激に重力を帯び、周りの化け物どもを水の星の中に閉じ込める。

 

「最後だ……crisis<圧縮>」

 

そして、

 

 

 

全てが潰れた。

 

 

 

 

 

 

 

「ははっ……まぁこんなんじゃ終わらないか…….」

apocalypseで破壊できる対象は決して多いわけではない。

 

 

確かに海星の実力は高い。

最強、期待の新星、水の申し子。

 

周りの期待を一斉に受けた。

実際に海星は強く、精神的にも大人以上に高い。

弱者は見捨てず、強きを挫く。

見捨てられない物は見捨てず。

終わりを受け入れ、新しきを尊重する。

そんな、人格者。

 

 

 

「終わり、か。」

海星は一言だけ呟く。

 

「海星さん!逃げますよ!」

 

「move<転送>」

海星は小さなモバイルバッテリーを取り出し、如恵留と同じ詠唱をする。

 

「かいせ____」

 

クラスメイト全員は転移によって安全な場所に運ばれた。

と、思う。

 

ノエルが言うには絶対に安全な場所に運ばれる、とのことだ。

 

「最後は…..一匹でも減らして終わるか…..」

 

海星は水で剣を形作る。

 

「こいよ」

 

虫どもに剣を向けて、血を吐きながら、立ち向かう

 

 

「少しは……近づけたかな…….」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ASTRO<反転>」

 

どこからか如恵留の言葉が響き、海星の傷が一瞬にして癒える。

 

「……….ははっ!はははははははははアハ!」

 

海星は狂ったように笑い出す。

 

「ここまで高度でこの速度の治癒術式!やっぱ天才だな!お前は!」

 

ガギュン!と

 

銃のような音が響く。

 

それが何度も轟き、その度に化け物どもが弾ける。

 

さっきのapocalypseと同等、いや、それ以上の速度で化け物どもが弾けていく。

 

「blast<銃撃>」

「nova<破壊>」

「NOLU<断撃>」

 

(すげぇ!すげぇすげぇ!最上級術式をあんなに!俺のapocalypseなんて比じゃない!)

 

海星の興奮はいつまでもおさまらない。

 

如恵留は黙ったままだが、周りに浮遊している銃が機械的な銃撃音を延々に鳴らし続ける。

 

だが、

 

銃身がオーバーヒートしたのか赤熱し、銃弾を放たなくなる。

「niburuheimu<冷扇>」

 

「冷却だけに氷を!」

本来ならあり得るはずのない能力の二重錬成

「ただの冷蔵庫だよ!」

 

そう言って如恵留は楽しそうに笑う

 

「んじゃあ最初の治癒術式はどうした?」

「あんなんもただのバンテリンEX貼ったのとおんなじだ。」

 

如恵留は出していた銃を全て仕舞う。

 

「んまぁいいや。助かったわ。」

「ばかやろ、テメェにeclipse使わせてる時点で負けなの。寿命減ってんのいい加減自覚しろ」

 

俺はそう言って一つのハンドガンを取り出す。

 

「どっちが多く討伐できるか勝負しようぜ。」

 

ハンドガンにカートリッジ式のバッテリーを装填し、スライドを引くとハンドガンにエフェクトがかかる。

 

「ばかやろ、お前に勝てたら俺は死にかけてねぇっての」

 

そう言いながらも海星は二本目の剣を構える。

 

「勝てたらお前の転移スマホちょうだいね」

「いいだろう」

 

そう言って2人は飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____

 

「んで、AとFでCランク相当128体を壊滅させた、と」

 

気だるげなタバコを咥えた男性が2人にむかって質問する。

いや、質問というより事後報告といったところか。

 

「「鈴と銘/クラスの友達が/危険に晒されると思って計画的にやった。この件については反省もしていなければ後悔もしていない!」」

 

2人は息ぴったりにそう言った。

 

「はぁ…..唐木那。お前はいいとして、よかったな大海、お前は昇給だぞ」

 

ケタケタと男は笑って言った。

 

「え“ー俺昇給なしー?」

「お前はそれでいいっていってただろ」

「Fランは肩身が狭いよ〜」

 

どこぞのゲームのキャラのようだ、と海星は思った

 

「ところで…..海星、お前eclipse使っただろ。」

「…..はい」

「あれだけ使う前はこいつに相談しろといっただろ」

「こいつ扱いは不遇」

 

「……」

「黙りじゃわかんねぇぞ。別に怒ってるってわけじゃねぇんだ、俺はお前に無理して欲しくねぇだけだ。」

 

「むし?俺泣いちゃうよ?今日のMVPだよ?」

 

「わざわざMercury使ってまでやることだったか?」

 

「え?やっぱ無視しちゃう感じ?俺いっぱい頑張ったんだけどなぁ……」

「できるだけ広範囲の圧殺を選んだのが逆に不正解でしたね….」

 

「うわぁーーーーんやっぱり人生は非常ですぅ….仲良い人たちがみんな無視してきますぅ……」

 

「わざわざ拡散まで使いやがって….やっぱ怒るわ、お前早死にしてぇのか。」

「…..まだ……死ぬ気はありませんよ。」

 

「あのぉ…..そろそろむしを….「「ダァーーー!うるせぇ!お前はそろそろ帰れ!」」…..すんまっせーん…」

 

俺はそういって教室に帰った。

 




第二話投稿
……失踪は……許されない…..
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